【中小企業向け】M&Aにおける買取の注意点とは?成功するためのポイントも解説

近年では、中小企業までM&Aが普及してきているものの、具体的な進め方や注意点・ポイントが分からないため、なかなか踏み出せないという経営者の方も少なくないでしょう。

この記事では、中小企業向けのM&Aにおける買取の注意点と、成功するためのポイントをわかりやすく解説します。

M&Aによる買取とは

M&Aによる会社の買取は、うまく行えば非常にメリットが大きいものですが、中小企業経営者にとってはまだまだハードルが高いのが現状です。

中小企業のM&Aによる買取を成功させるためには、注意点やポイントを把握しておくことが重要です。

この章では、M&Aとは何か、買取と買収は何が違うのかなど、基本的な用語の意味や注意点を解説していきます。

M&Aとは

M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の頭文字をとった言葉であり、日本語では「合併と買収」と訳されます。

簡単にいうと会社を合併したり買収したりすることを指し、株式譲渡や事業譲渡といったM&A手法の総称と解釈することもできます。

M&Aは株式会社の合併や買収であることが多いですが、個人事業や医療法人などの合併・買収もM&Aに含まれます

資本提携や業務提携は厳密にいえばM&Aではありませんが、M&A的要素があるということで「広義のM&A」として含めることもあります

近年では中小企業のM&Aが増えており、大企業が行うものというかつてのイメージから変化してきています。

【関連】M&Aとは?成功させるための基礎知識を世界一分かりやすく解説!

M&Aの買取とは

M&Aの買取とは、M&Aによって会社や個人事業を金銭などを対価に手に入れることで、M&Aの買収と基本的には同じ意味です

M&Aの買取といった場合、買収と違う意味だと誤解しないことが注意点だといえるでしょう。

【中小企業向け】M&Aにおける買取の注意点

M&Aの買取を成功させることは簡単なことではなく、成功率は約30%しかないともいわれています。M&Aの買取を成功させるためには、注意点をしっかり押さえておくことが大切です。

M&Aの買取の主な注意点としては、以下の5つが挙げられます。この章では、主に中小企業に向けた、M&Aにおける買取の注意点を解説します。

【中小企業向け】M&Aにおける買取の注意点】

  1. 買収リスクに関する注意点
  2. 人材や顧客の流出に関する注意点
  3. ノウハウの流出に関する注意点
  4. 情報漏えいに関する注意点
  5. 情報開示のタイミングに関する注意点

買収リスクに関する注意点

M&Aの買取にはさまざまなリスクがあるので、注意点を押さえておくことが重要です。特に、負債の引継ぎは、M&Aの買取において必ず押さえておきたい注意点といえるでしょう。

M&Aでは株式譲渡がよく用いられますが、株式譲渡は会社を包括的に承継するので、資産だけでなく負債も買取ることになります。

負債が多いと買取った側の負担が大きくなるので、デューデリジェンスを徹底するなどして負債額を把握しておく必要があります。

また、買収する会社が訴訟などの法的リスクを抱えているかどうかも、押さえておくべき注意点ですが、法務デューデリジェンスを徹底することである程度洗い出すことができます。

人材や顧客の流出に関する注意点

M&Aはたとえ経営者同士では友好的なものであっても、そこで働いている従業員や顧客にとっては、この会社が今までとは変わってしまうという漠然とした不安を感じることもあります。

M&Aでは、不安や不満を感じた従業員や、顧客が流出しないように配慮することが注意点です。

従業員の流出に関する主な注意点は、雇用条件と職場の環境です。例えば、事業譲渡でM&Aを行うと従業員を再雇用するため雇用条件が変化する可能性があり、雇用条件が悪化してしまうと従業員が流出する大きな要因ともなります。

株式譲渡の場合は再雇用の必要はありませんが、経営方針の変化により給与や拘束時間などが変化することがあるのが注意点です。

ノウハウの流出に関する注意点

M&Aで会社を買収すると、買収した会社は自社の子会社となり、自社の技術やノウハウを提供して協働することになります。この際自社の技術やノウハウが流出して、損失を被る可能性があるのは注意点の一つです。

ノウハウの流出で特に注意しておきたいのは、業務提携を行った場合です。業務提携はお互いの会社の独立性が高いので、いくら注意しても相手側のミスでノウハウが流出するリスクがあります。

情報漏えいに関する注意点

M&Aの交渉期間中は、情報漏洩対策をしっかり行っておかなければならないのが注意点です。M&Aでは仲介会社や交渉相手と秘密保持契約を締結しますが、それでも思わぬところで情報が漏れてしまうケースもあります

M&Aにおける情報漏洩は、社外への漏洩だけでなく、社内への漏洩もあるのが注意点です。例えば、社内で経営者と役員がM&Aについて話しているのを社員が聞いて、それを広めてしまうというケースもあります。

情報開示のタイミングに関する注意点

M&Aの手続きは、経営者と一部の役員だけに情報を開示して進めていくのが一般的ですが、いつかは従業員や取引先などにも情報開示しなければなりません。

情報開示のタイミングを誤らないようにすることは、M&Aの買収における重要な注意点の一つです。

いつ情報開示するのが最適なのかは個々の事例で変わってくる部分もありますが、一般的には最終契約締結直後に開示するのがよいとされています。

交渉中に情報開示してしまうと、従業員や取引先が不安に感じてしまう可能性もあります。

【中小企業向け】M&Aによる買取を成功させるポイント

中小企業のM&Aによる買取を成功させるには、ポイントを押さえておくことが大切です。注意点を全て守りながらM&Aを遂行するのは大変ですが、確実にM&Aを成功させるには、どれも疎かにすることはできません。

ここでは、中小企業向けにおけるM&Aの買取を成功させる8つのポイントについて、それぞれ解説します。

【中小企業向け】M&Aによる買取を成功させるポイント

  1. デューデリジェンスを徹底する
  2. M&A戦略を入念に練る
  3. 相談者選びをしっかりとやる
  4. 各種契約書の確認はきちんと行う
  5. 買い手選定は自分の目で行う
  6. 売り手側にとっても利益がある
  7. 売り手との信頼関係は重要
  8. 秘密の漏えいに気をつける

デューデリジェンスを徹底する

デューデリジェンスとは、M&Aで会社を買収する際に、買収する会社の財務や業務内容などについて詳細に調査することです。

M&Aは今まで面識のなかった会社同士で買収・売却を行うので、デューデリジェンスは徹底しておく必要があります。

デューデリジェンスにはコストと時間がかかるので、全てのデューデリジェンスを完璧に行うことはできないのが注意点であり、一般的には財務や法務など、要な分野に絞って行うことになります。

デューデリジェンスは、財務諸表などの書類を調べることもあれば、実際に会社に訪問して従業員から話を聞くこともあります。

一口にデューデリジェンスといっても、調べる内容によって調査方法が変わってくるのも注意点のひとつです。

【関連】M&Aのデューデリジェンス(DD)を解説【目的/種類/手続き/注意点】

M&A戦略を入念に練る

M&Aはスキームの選択に加えて、相手とどのように交渉していくか、そして契約締結後の統合プロセスをどう進めていくかなど、様々な戦略を練っておく必要があります

行き当たりばったりでM&Aを行ってしまうと失敗するケースが多いので、戦略を練ることは重要な注意点です。

M&Aのスキームの選択も重要な戦略ではありますが、中小企業のM&Aでは株式譲渡を用いるケースが大半です。

しかし、場合によっては事業譲渡を用いることもあるので、株式譲渡か事業譲渡2つのスキームのどちらかを選択することがほとんどです。

また、統合プロセスの戦略は疎かになりがちですが、M&Aを成約する前の段階から戦略を練っておくことで、成功率を高めることができます。

相談者選びをしっかりとやる

M&Aを行う際は、仲介会社などの専門家に相談することになりますが、どの相談者を選ぶか慎重に決めることも注意点の一つです。

相談者選びをする際は、M&A仲介会社・金融機関・士業事務所・公的機関などのなかから、どの機関に相談するかを検討します

M&A仲介会社に相談することが一般的ですが、事業引継ぎ支援センターなどの公的機関は、国が運営している安心感というメリットもあります。

また、顧問税理士やメインバンクがM&A相談を扱っているのなら、まずはそこに相談するのもよい選択肢でしょう。

M&A仲介会社にはそれぞれ得意分野があるので、自社に合った仲介会社を選ぶことが大切です。特に中小企業のM&Aの場合は、中小企業M&Aに強みをもつ仲介会社を選ぶことが重要です。

各種契約書の確認はきちんと行う

M&Aを成約させるには、意向表明書や基本合意書を始め、様々な契約書を締結する必要があります。

法的効力があるのは最終契約書ですが、れ以外の契約書についても確認を怠らないようにすることが注意点です。

基本合意書は、最終契約書と違って法的効力がないので疎かにしがちですが、最終契約書の内容は基本合意書をベースに作成するので、最終契約と同じくらいしっかりと確認しておく必要があります。

基本合意書で確認しておきたい主な注意点は、独占契約デューデリジェンスの協力義務です。これは当たり前の条件にも見えますが、条項として明記しておかなければ後でトラブルになる可能性もあります。

【関連】M&A契約書の書き方、印紙税、注意点を解説【雛形あり】

買い手選定は自分の目で行う

M&A仲介会社に相談すると、仲介会社が持っている売買先のネットワークから、条件に合う相手をいくつかピックアップして提示されます。その後は、ピックアップされた数社の売買先候補と実際に面談して、どの会社とM&Aを行うか決めていきます。

この際、自分の目で相手の会社をしっかりと見定めて、どの会社とM&Aを行うか決めていくことが大切です。

買収金額や相手企業の経営状態などはもちろん重要ですが、経営者の人柄や経営理念など、数字に表れない部分も確認することが注意点です。

売り手側にとっても利益がある

M&Aはメディアなどで乗っ取りのイメージを受けることも少なくないため、買い手が一方的に利益を享受して売り手は損をするという間違った認識を持っている人もいるかもしれません。

しかし、実際はM&Aというのは売り手側にも多くの利益があり、買い手・売り手双方がメリットを得られるような条件で成立します。

M&Aの買い手は売り手側が獲得したいと思っているメリットを理解して、そのメリットを提供できるようにすることが成功のポイントになります。

例えば、売り手側が売却益を得たいのであれば、売却金額を高く提示すると成約しやすくなり、事業承継が売り手側の目的なら、売り手側企業の経営理念を理解して受け継ぐことなどが重要になります。

売り手との信頼関係は重要

M&Aは金銭で会社を売買する取引ではありますが、会社というのは経営者にとって思い入れの強いものなので、信頼できる相手とM&Aを行えるかがポイントになります。

売却金額などの条件面はもちろん重要ですが、そればかりにこだわって交渉が難航すると、売り手との信頼関係を失うことにもなります。

特に、経営者同士の面談では相手との信頼関係を築くことを重視して、売却金額などの交渉はその後で徐々に行っていくことが注意点です。

秘密の漏えいに気をつける

M&Aでは、交渉時にどうしても自社の情報を明かさなければならないので、情報漏洩対策をしっかり行っておくことが注意点です。

相手企業の情報を漏洩しないことはもちろん、こちら側が相手に公開する情報を厳選しておくことも大切です。

情報漏洩対策として必ず行っておかなくてはならないのは、秘密保持契約の締結です。秘密保持契約では、秘密を保持する情報の範囲だけでなく、秘密を保持する義務を負う期間なども明確に定めておきます。

後でトラブルにならないためには、契約内容をできるだけ具体的に決めて、解釈の祖語が起こらないようにしておくことが注意点です。

【中小企業向け】M&Aにおける買取の際におすすめの仲介会社

中小企業のM&Aをお考えの際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、売上金額一億円から数十億円の中堅・中小企業のM&Aを主に手がける仲介会社です。

案件ごとに、経験豊富な会計士・弁護士・アドバイザーがクロージングまでフルサポートいたしますので、初めてのM&Aでもスムーズに進めることができます。

料金体系には着手金・中間金無料の完全成功報酬制を採用しており、成約まで一切の費用はかかりませんので安心してご相談いただけます。

M&Aは成約までに期間がかかるのがネックですが、M&A総合研究所は成約までのスピードを重視しており、平均3か月~6か月での成約を実現しています。

無料相談は随時受け付けておりますので、中小企業のM&Aによる買取をお考えの際は、お電話かメールでお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

中小企業のM&Aは年々増加しており、買取に携わる中小企業経営者は今後も増えてくると考えられます。

M&Aを行う予定がない場合でも注意点やポイントを理解しておけば、いざという時にスムーズなM&Aを行うことができるでしょう。

【中小企業向け】M&Aにおける買取の注意点】

  1. 買収リスクに関する注意点
  2. 人材や顧客の流出に関する注意点
  3. ノウハウの流出に関する注意点
  4. 情報漏えいに関する注意点
  5. 情報開示のタイミングに関する注意点

【中小企業向け】M&Aによる買取を成功させるポイント

  1. デューデリジェンスを徹底する
  2. M&A戦略を入念に練る
  3. 相談者選びをしっかりとやる
  4. 各種契約書の確認はきちんと行う
  5. 買い手選定は自分の目で行う
  6. 売り手側にとっても利益がある
  7. 売り手との信頼関係は重要
  8. 秘密の漏えいに気をつける