中小企業のМ&Aとは?少額で大きな利益を上げるためのポイントを解説

中小企業のМ&Aについてお調べですね。

近年、中小企業のМ&Aの案件は非常に増加傾向にあります。

その背景には、少子高齢化による後継者不足が大きく起因しているのです。

中小企業のМ&Aは成功すれば少ないお金で大きなシナジー効果をもたらすことができるのです。

一方で、候補企業や手法を誤ると中小企業のМ&Aは失敗する可能性もあります。

今回は、中小企業のМ&Aにおけるリスクや成功するためのポイントについて詳しく解説!

中小企業のМ&Aを成功させると、早期に利益を上げることができます。

賢くМ&Aをし、事業規模・利益を拡大させましょう!

目次

1.中小企業のМ&Aの事例

中小企業のМ&Aの事例

「中小企業のМ&Aってどんなものなの?」と思う人も多いと思います。

日々ニュースや新聞で報道されるのは、上場企業や大手企業のМ&A案件がほとんどです。

まず、中小企業のМ&Aの事例についてみていきましょう。

そうすることで、実際のイメージが湧いてきます。

今回は成功事例と、失敗事例を1つずつ確認していきます。

1-1.成功事例

買い手企業(A社) 売り手企業(B社)
合成樹脂材料・製品の商社 衣類の企画・販売企業
  • グループ売上高は100億円規模の企業
  • 事業領域を拡大を図りМ&Aを検討
  • 経営者が高齢化
  • 後継者不足でМ&Aを検討

成功事例として挙げるのは、合成樹脂材料・製品の商社による、衣類の企画・販売企業です。

A社は、合成樹脂材料・製品の商社です。

事業領域を拡大を図りМ&Aを検討していました。

特に注目していたのが、収益性が高いアパレル部門です。

アパレル企業や繊維企業などを候補先として選定し始めました。

少額かつ従業員も確保できる企業を検討していたのです。

候補先として浮上したのが、衣類の企画・販売企業であるB社でした。

B社は、自社で衣類の製造まで行っていたので低コストで高品質な商品を展開している企業です。

B社は、経営者の高齢化のため事業継承を考えていました。

B社経営者は継承後も風土を変えず、従業員の雇用を継続してたいと考え、候補先を探していたのです。

アパレル分野に関心があったB社の経営者は、A社の社風や経営理念に共感し、今の風土を保ちたいという尊重してくれました。

そして、A社はB社を2,000万円で買収しました。

М&Aの結果

М&A後は、低コスト高品質な商品で売り上げを伸ばし、さらなる収益拡大に成功しました。

今回のМ&Aのポイントは、双方の企業の目的が明確であったことです。

目的を明確にしておくことで、売り手企業・買い手企業ともに満足のいく取引ができるでしょう。

1-2.失敗事例

買い手企業(C社) 売り手企業(D社)
書籍、事務用品等の販売企業 文具の商品の通信販売及び百貨店等への卸販売企業
  • 売上高は1億5,000万円
  • 新事業・関西に進出(現在は関東のみ)のためにМ&Aを検討
  • 後継者不足
  • 売上高2,000万円
  • 50年続く老舗関西の企業

続いて、М&Aが失敗に終わってしまったケースを確認しましょう。

買い手企業であるC社は、書籍、事務用品等の販売を行っています。

売上高は1億5,000万円で、関東を中心に販売業を行っていました。

しかし、新事業でさらなる事業拡大を図りたいと考え、М&Aを検討します。

少額かつ、素早くシナジーを発揮させたいA社の社長は、中小企業専門のМ&A仲介会社に依頼しました。

そこで候補先として浮上したのが、関西にある文具の商品の通信販売及び百貨店等への卸販売企業のD社です。

D社は50年続く老舗ですが、経営者が高齢のため事業継承を考えていました。

デューデリジェンスの結果、買収額も900万円ほどだと判明し、すぐに取引は完了したのです。

しかし、買収後に1億円以上の簿外債務が発覚しました。

株式譲渡を選択したため、この負債を肩代わりしなければなりません。

株式譲渡を選択した理由は、企業の資産全てを買収するためでした。

また、これまで関西で営業をしたことがなかったA社は関西の風土になれず苦戦します。

そのため売上は低迷し、巨大な負債を抱えてしまう形となってしまいました。

М&A失敗の要因

今回のМ&Aが失敗した要因は以下の3点です。

  1. 候補先を事業継承を考える中小企業だけに絞った
  2. リスクをしっかり把握していなかった
  3. 株式譲渡の手法を選択した

М&Aを行う際には、候補先は最低でも10社ほどは絞る必要があります。

各社のメリット・デメリットから総合的に判断しなければいけません。

また、起こりうるリスクもしっかり把握しておき、その対策も練っておく必要があるのです。

このように、中小企業のМ&Aは失敗するケースも非常に多くなっています。

しかし、正しく行うことで大きな利益を上げることができます。

2.中小企業をМ&Aするメリット

中小企業のМ&Aは近年非常に増加傾向にあります。

事例を見て、実際に検討していきたいという人も多いでしょう。

中小企業をМ&Aすることによるメリットはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

メリットは以下の2つです。

  1. 事業拡大を素早く行うことができる
  2. 人材の引継ぎが出来る
  3. 規模の拡大・シェアの拡大ができる
  4. 新規事業に進出できる

では、1つずつ見ていきましょう。

メリット1.事業拡大を素早く行うことができる

中小企業をМ&Aすると、事業拡大を素早く行うことができるのです。

理由は以下の2点です。

  1. 既存の資産を有効活用できる
  2. 買収額が低い

新しい事業を始めると、なかなかすぐに利益は出ません。

なぜなら、時間やコストがかかってしまうからです。

一方で、M&Aの場合、すでにビジネスモデルが出来上がっているため、買い手は買収後のビジネスの安定性や成長度合いを予測することができるでしょう。

そして、技術やノウハウなどの資産を有効活用しながらビジネスを発展させることができます。

また、買収額が低いため買収に充てた資金回収も早期に完了できるでしょう。

そのため、事業拡大を素早く行うことができるのです。

メリット2.人材の引継ぎが出来る

人材の引継ぎが出来る

中小企業М&Aした場合に限りませんが、人材の引継ぎができます。

自ら新規事業を立ち上げる場合、人材募集は一から始めなければいけません。

しかし、М&Aの場合は従業員も一緒に引き継ぐことができるのです。

そのため、人材募集にかけるコストや時間を使わなくてすみます。

従業員の引継ぎに関しては、基本合意と最終の契約段階で、雇用と待遇の維持についての確約を行う必要があるのです。

また事業譲渡を選択した場合において、М&A成立後に雇用契約が引き継がれません。

再度契約を結び直す必要があるのです。

このように、自動的に従業員の引継ぎをできるわけではないということを理解しておきましょう。

メリット3.規模の拡大・シェアの拡大ができる

中小企業のМ&Aは、規模の拡大・シェアの拡大が可能です。

M&Aを行うことで他社の顧客も取り込むことができるので、顧客のシェアがアップします。

知名度が高い業種や企業を買収することで、世間の浸透は高まりシェアを高めることができるでしょう。

このように中小企業のM&Aで、シェアの拡大をはかることができます。

メリット4.新規事業に進出できる

隣接業種や異業種を買収することで、その分野への進出が可能です。

隣接業種や異業種へ進出することで、多方面から収益を集めることができます。

その結果、長期的・安定的に事業を存続できるのです。

例えば、印刷業界の企業がITの業界に進出したい場合、IT事業をしている企業を買収することを指します。

新しい分野に進出したい場合、一から始めるよりもその分野の企業を買収すれば時間やノウハウも効果的に手に入れることができるのです。

このように中小企業のM&Aによって、隣接業種や異業種への進出することができます。

3.中小企業がМ&Aを行う際に考えておくリスク

中小企業がМ&Aを行う際に考えておくリスク

中小企業のМ&Aは、成功すれば大きな利益を上げることができます。

一方で、М&Aを行うことでリスクもあります。

中小企業М&Aのリスクは、以下の3つです。

  1. 売上や利益も少ない可能性
  2. 簿外債務などの買収後発覚する負債がある可能性
  3. 従業員が辞めてしまい営業ができなくなる可能性

では1つずつ見ていきましょう。

リスク1.売上や利益も少ない可能性

売上や利益も少ない可能性

中小企業のМ&Aは、完了後の売上や利益も少ない可能性があります。

企業によっては、負債が多かったり経営がうまくいかないなどが理由で低価格で売りに出されている場合があるからです。

売上・利益が少なければ、今後の経営をしていくのは非常に難しいでしょう。

そのため、安さだけで企業買収を決めてはいけません。

低価格な理由を客観的につきとめ、改善の余地がある企業を買収するようにしましょう。

例えば、良い商材を持っているが広告が下手で認知されていないメーカーがあるとしましょう。

あなたが広告・宣伝・マーケティングなどに強い場合、今後売上や利益が増加できると見込めます。

このように、売上や利益も少ない可能性があるということを念頭に置いておきましょう。

リスク2.簿外債務などの買収後発覚する負債がある可能性

簿外債務などの買収後発覚する負債がある可能性

中小企業のМ&Aは、簿外債務などの買収後発覚する負債がある可能性があります。

簿外債務とは、貸借対照表上に記載されていない債務です。

М&A完了後に簿外債務が発覚してしまうと、手法によっては買い手側がその債務を肩代わりしなければなりません。

結果的に、買収にかかる金額が跳ね上がり失敗するケースも多いのです。

そうならないために、デューデリジェンスは怠ってはいけません。

デューデリジェンスとは、売り手企業の資産価値を適正に評価するために行う調査です。

しっかりと売り手企業について調査し、懸念点やリスクがないか洗い出しましょう。

また、簿外債務を肩代わりしなくても良い手法を選択するのも懸命な方法です。

事業の一部のみを買収する事業譲渡の場合、簿外債務が発生しても買い手企業が肩代わりする必要はありません。

このように、中小企業のМ&Aでは簿外債務などの買収後発覚する負債がある可能性を念頭に置いておきましょう。

デューデリジェンスについての詳細は、『デューデリジェンスの正しい意味は?目的や方法をわかりやすく解説』を併せて確認してくださいね。

リスク3.従業員が辞めてしまい営業ができなくなる可能性

従業員が辞めてしまい営業ができなくなる可能性

中小企業のМ&Aでは、売り手企業の従業員が辞めてしまい営業ができなくなる可能性があるのです。

М&Aは、成立後の統合にも非常に時間を要します。

統合とは、売り手企業を企業内に取り込むための実務のことです。

経営者が変わると、雰囲気や働き方にも影響が出てしまうでしょう。

雇用形態や勤務条件などに売り手企業の従業員が不満を持ってしまった場合、辞めてしまうリスクも非常に高いです。

高額を投じて買収した資産を逃すのは、経営観点で見てもかなりの痛手となります。

退職のリスクを最小限に抑えるためにも、PMIを徹底しましょう。

M&A成立後の統合プロセスのことを指します。

Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略で、「合併後の統合」という意味です。

М&A後に従業員の混乱・退職を最小限に抑えるためにも、対策を練っておく必要があります。

あらかじめ経営者同士で、従業員の引継ぎについての交渉も行っておきましょう。

PMIについての詳細は、『PMIとは?初めてのM&Aでもシナジー効果を最大化させる方法を解説』を併せて確認してくださいね。

4.中小企業のМ&A案件を探す方法

中小企業のМ&A案件を探す方法

メリット・デメリットを確認し、М&Aしたい!と思っている中小企業の経営者も多いと思います。

では、中小企業のМ&A案件をどのように探すのか気になりますよね。

案件を探す方法は以下の4つです。

  1. 知り合いやツテを見つける
  2. マッチングサイトに登録する
  3. М&A仲介会社に相談する
  4. 中小企業サポートセンターに相談する

では、1つずつ見ていきましょう。

方法1.知り合いやツテを見つける

知り合いやツテをたどってМ&A案件を探す方法です。

知り合いで、「企業を売却したい」といっている経営者がいるとします。

業務内容や条件、将来の展望などを総合的に判断し買収する価値があれば話を進めていきましょう。

知り合いやツテの場合、わざわざМ&Aアドバイザーに依頼せずとも、候補先を見つけることができます。

しかし、必ずアドバイザーに相談しましょう。

知人同士のМ&Aは、トラブルになるケースが非常に多いのです。

特に交渉時や契約書作成時には、必ず第三者に見てもらうことをおすすめします。

方法2.マッチングサイトに登録する

マッチングサイトに登録する

М&Aのマッチングサイトから買収先を見つける方法です。

希望買収額や条件などを登録しておけば、マッチした案件が表示されます。

マッチングサイトのメリットは、その手軽さです。

М&A仲介会社にわざわざ足を運ばなくとも、案件を紹介してもらえます。

しかし、実際に気になる企業が見つかった場合にはアドバイザーに相談しましょう。

アドバイスをもらえるだけではなく、専門知識を要する手続きもサポートしてくれますよ。

方法3.М&A仲介会社に相談する

М&A仲介会社に相談し、候補企業を探してもらう方法です。

中小企業のМ&Aにおいては、М&A仲介会社に相談する方法を一番おすすめします。

なぜなら、非常に豊富な案件から候補を選んでくれるからです。

М&A仲介会社は、幅広いネットワークを駆使して候補企業を探してくれます。

そのため予算や希望業種など細かい条件にも応じてくれますよ。

また、М&Aが初めてという中小企業の経営者は特にМ&Aアドバイザーに相談することをおすすめします。

豊富な知識と経験を共に様々なアドバイスをもらうことができるからです。

相談だけであれば、無料で行ってくれるのでまずは相談しにいくのがおすすめです。

方法4.中小企業事業引継ぎ支援センターに相談する

中小企業事業引継ぎ支援センターに相談する

中小企業事業引継ぎ支援センターに相談する方法です。

中小企業事業引継ぎ支援センターとは、中小企業・小規模事業者に対し事業引継ぎのサポートをしています。

具体的には、後継者で事業継承を希望する中小企業・小規模事業者と、買収意欲のある中小企業・小規模事業者のマッチング支援をしているのです。

中小企業のМ&Aに特化しているため、成功事例も豊富に持っています。

マッチングはもちろん、総合的なアドバイスももらえるのです。

5.まずはM&A仲介会社に相談しよう

中小企業のМ&Aを成功させるためには、М&A仲介会社に相談することは必須です。

М&A仲介会社に相談することで、М&Aに関するありとあらゆるサポートをしてもらえます。

また、М&A仲介会社に依頼する場合には、完全成功報酬型の仲介会社を選びましょう。

完全成功報酬型の場合、取引が完了するまで一切料金が発生しません。

やはり条件に合わないと思った場合やМ&Aをやめる場合にもお金がかからないので安心です。

また、ほどんとの仲介会社は相談は無料で行っています。

まずは、М&A仲介会社に相談してみましょう。

М&A仲介会社の詳細は、『【M&A仲介会社BEST5を発表】有名企業5社を徹底比較!!』を併せて確認してくださいね。

6.中小企業のМ&Aの流れ

ここからは中小企業のM&Aを実行するための流れを確認していきましょう。

今回は、М&A仲介会社に依頼した場合を想定しています。

中小企業のM&Aの実行の流れは以下の通りです。

  1. 社内での検討
  2. アドバイザリー契約の締結
  3. 相手企業の選定
  4. 相手企業への打診
  5. 秘密保持契約の締結
  6. トップ面談の実施
  7. 意向表明書の提示
  8. 基本合意契約の締結
  9. デューデリジェンス
  10. 条件交渉
  11. 最終契約・クロージング
  12. 統合プロセス

手法によって若干異なることもありますが、大筋は同じです。

M&Aの検討~成立まで、約3ヶ月~1年程かかると考えましょう。

それでは、M&A実行の手続きの流れを12のステップに分けて1つずつ確認していきます。

ステップ1.社内での検討

社内での検討

まずは、社内での検討が必要です。

  • 本当にM&Aをするべきか
  • どのような効果を求めているのか
  • 適切なM&A相手企業のイメージ
  • M&Aのスケジュール

以上の4つは取締役会でしっかりと固めておく必要があります。

この4つが固まれば、頼れるM&Aアドバイザーを探しきます。

ステップ2.アドバイザリー契約の締結

アドバイザリー契約の締結

M&Aをすることが決まれば、M&Aアドバイザーとアドバイザリー契約を交わします。

M&Aアドバイザーとは、M&Aを総合的にコンサルティングする存在です。

自社だけでM&Aを進めようとすると、相手企業の選択肢に限界があります。

また、М&Aには資料作成などの細かな作業もたくさんあるのです。

全てを経営者がやることもできますが、本業に支障をきたかねません。

М&Aアドバイザーは細かい業務のサポートもしてくれます。

また、中小企業のM&Aには非常にたくさんの専門知識が必要なため、M&Aアドバイザーに頼ることが効率的です。

優秀なM&Aアドバイザーについては、後の章で説明しているので参考にして下さい。

※また、アドバイザリー契約については、『アドバイザリー契約とは?目的やコンサルティング契約との違いを解説』で詳しく説明しています。

ステップ3.相手企業の選定

M&Aアドバイザーとアドバイザリー契約を交わしたら、相手企業の選定をしていきます。

まずは、M&Aアドバイザーと一緒に相手企業に求める条件をまとめていきましょう。

例えば、地域・企業規模・業種・売上高などです。

社内で検討した内容を改めてM&Aアドバイザーと固めていきましょう。

その際に、どうしても譲れない条件~譲歩可能な条件まで優先順位をつけておくことをおすすめします。

そうすることで、スムーズに取引が進み、目的に沿った売り手企業を見つけることができますよ。

ステップ4.相手企業への打診

条件が固まったら、3社~5社程度あてはまる企業をM&Aアドバイザーに紹介してもらいましょう。

その中に気になる企業があれば、ノンネムシートと呼ばれる匿名の企業概要資料で相手企業に打診していきます。

打診する前には、重要な資料を渡して良いか(ネームクリア)の確認がされるので、外部にM&Aを検討していることは漏れる心配はありません。

ステップ5.秘密保持契約の締結

相手企業が興味を持って、さらに詳細な情報を求められると、秘密保持契約を締結します。

M&A成立に至らない可能性も十分にあり得るため、詳細な情報を開示する前に互いに秘密保持契約を締結しておくのです。

このタイミングで、社名や財務情報などの詳細な情報が相手企業に知らされます。

ステップ6.トップ面談の実施

互いに、M&Aを前向きに進める意思がある場合、経営陣同士のトップ面談を行います。

M&Aに至った経緯やM&Aの目的、M&A成立後のスケジュールなどを話し合い、疑問を解消する場です。

もちろん、M&Aアドバイザーが同席してくれるので安心して構えましょう。

ステップ7.意向表明書の提示

トップ面談を繰り返し、互いに納得のいく相手だと判断をしたら、意向証明書を提出しましょう。

意向証明書とは、譲渡価格や取引方法、買収の条件などが書かれた提案資料です。

この意向証明書を元に、M&Aアドバイザーが間に入って条件の調整を行います。

LOI(意向表明書)を表明する際には、盛り込む7つの条項があります。

  1. 取引基本条件
  2. 買収額
  3. 独占交渉権とその期間について
  4. 守秘義務条項
  5. デューデリジェンスに関する取り決め
  6. 誓約事項について
  7. 法的拘束力について

※意向表明書については、『LOI(意向表明書)とは?内容や条項についてわかりやすく解説』に詳しく説明しています。

ステップ8.基本合意契約の締結

売り手企業が意向証明書に合意したら、互いに合意している条件を記載した基本合意契約書を作成して締結します。

具体的には、記載する条件は以下の5つです。

  1. 取引方法(事業譲渡・吸収合併などの手法)
  2. 譲渡価格
  3. 今後のスケジュール
  4. 独占交渉権
  5. デューデリジェンスの協力義務

独占交渉権とは、他のM&A候補先と接触を禁止することです。

一般的に、独占交渉期間は2ヶ月~6ヶ月程度とされています。

このあとのデューデリジェンスに問題がなければ、基本合意契約書に記載された条件でM&Aが成立すると考えましょう。

もちろん、デューデリジェンスの結果によっては、条件の変更が発生する可能性もあります。

そのため、法的拘束力を持たせない内容にすることが一般的です。

ステップ9.デューデリジェンス

基本合意契約を締結した後は、買い手企業が売り手企業に対してデューデリジェンスを行います。

デューデリジェンスとは、法務・財務・税務・ビジネス・ITなどの分野ごとに売り手企業を調査することです。

資料の提出を求めたり、会社や工場施設などへ専門家が訪問して調査します。

デューデリジェンスの目的は、出来るだけ売り手企業を知り、リスクを予防・対策をすることです。

デューデリジェンスで問題が出なければ、改めて条件交渉を行っていきます。

しっかりとデューデリジェンスを実施しなければ、М&A後に負債が発覚するなどのリスクもあるのです。

そのため、デューデリジェンスは慎重に行いましょう。

※デューデリジェンスについては、『デューデリジェンスの正しい意味は?目的や方法をわかりやすく解説』で詳しく説明しています。

ステップ10.条件交渉

デューデリジェンス後、様々な条件を決定していきます。

  • 譲渡価格
  • 最終契約・クロージングまでのスケジュール
  • 売り手企業の役員の処遇
  • 売り手企業の従業員の処遇

など、全て決定します。

しっかりと、納得のいく条件になるまでM&Aアドバイザーを通して話合いを続けましょう。

ステップ11.最終契約・クロージング

条件交渉でまとまった内容を最終契約書に明記し、締結します。

最終契約書の名前は、M&Aの手法によって異なるので注意しましょう。

例えば、株式譲渡の場合は株式譲渡契約(SPA)を結ぶことになります。

しかし、実際には譲渡対価の支払いや契約の引継ぎ作業などの細かな手続きが残っています。

※株式譲渡契約については『SPA(株式譲渡契約)とは?必須ポイントを知って自社を守ろう』で詳しく説明しています。

以上の最終契約の締結でM&Aの契約は完了です。

これら全てを完結させてクロージングとなるのです。

ステップ12.統合プロセス

クロージング後は、買収企業との統合プロセスを実施します。

統合プロセスとはPMI(Post Merger Integration)と呼ばれることもあります。

M&Aによるシナジー効果を早々に得るため、両社の従業員意識改革や管理体制・ITシステムなどを機能させなければなりません。

特に、売り手企業の従業員は、新しい会社のシステムや社風に馴染めない可能性があります。

最悪の場合、退職してしまうというケースも考えられるのです。

M&A自体が成立しても、統合が上手くいかなければ期待したシナジーやメリットを得ることは出来ません。

統合プロセスを成功させるためには、事前に経営者同士でPMI計画を立てておきましょう。

※PMIについては、『PMIとは?初めてのM&Aでもシナジー効果を最大化させる方法を解説』で詳しく説明しています。

もっとM&Aの流れについて詳しく知りたい人は、『【初心者向け】M&Aの手続きの流れを12のステップでわかりやすく解説!』で確認して下さい。

7.中小企業М&Aを成功させるポイント

中小企業をМ&Aすることは、簡単とは言えません。

しかし、成功させると大きな利益を生むことができます。

中小企業М&Aを成功させるポイントは、以下の3点です。

  1. 目的を明確にする
  2. 妥協点を決める
  3. 専門家に相談する

では、1つずつ見ていきましょう。

ポイント1.目的を明確にする

中小企業のМ&Aは、目的を明確化させることが非常に大切です。

というのもただ「事業を拡大したい」という思いだけで買収して失敗するケースが非常に多いのです。

どんなビジネスを展開していきたいか・どんなМ&Aを行いたいかを明確に決めておきましょう。

具体的には、以下の3点を決定しておくのがおすすめです。

  • 本当にM&Aをするべきか
  • どのような効果を求めているのか
  • 適切なM&A相手企業のイメージ
  • M&Aのスケジュール

アドバイザーに相談前にある程度固めておくことで、アドバイザーに相談時に適格なアドバイスをもらえます。

また、どのような戦略でМ&Aを進めるかも決めておきましょう。

そうすることで、М&A後にギャップが少なく、成功に近づくでしょう。

ポイント2.妥協点を決める

中小企業のМ&Aは、妥協点を決めることも大切です。

М&Aは、条件面が全てあなたの希望通りということは少ないでしょう。

全ての条件にマッチした企業を探すのは非常に難しく、長期化してしまいます。

そのため、あらかじめ妥協点を決めておくことがおすすめです。

例えば、「業務内容は譲れないが、価格は少し譲歩可能」などあらかじめ決めておきましょう。

優先順位を決めておくことで、目的に沿ったМ&Aを行うことができます。

ポイント3.М&Aアドバイザーに相談する

中小企業のМ&Aは、М&Aアドバイザーに相談しましょう。

中小企業のМ&Aは非常にリスクが多いです。

中小企業のМ&Aを成功させるためには、専門知識だけでなく豊富な経験なアドバイスが必要になります。

М&Aアドバイザーの具体的な仕事内容は以下の通りです、

  • 事業売却計画の策定
  • M&Aの候補先企業の選定
  • デューデリジェンスの実施
  • 候補先企業との交渉
  • 契約書作成
  • 企業統合プロセスの作成

上記のように、相談段階から取引完了までありとあらゆる業務をサポートしてくれます。

中小企業のМ&Aを行う際には、必ずМ&Aアドバイザーに相談しましょう。

8.中小企業М&Aの買収価格の目安

少しでも安い価格で企業買収を行いたいですよね。

中小企業のМ&A価格は、どれくらいなのか気になると思います。

中小企業М&Aの価格目安は、非常に幅があるのです。

安ければ300万円~ありますが、高ければ1,000万円以上の企業もあります。

中小企業のМ&Aの場合、売り手企業の経営者の希望で目安額が決定されることが多いのです。

もちろん、言い値がそのまま買収価格になるわけではありません。

その買収価格が正当な価格かどうか判断しなければいけないのです。

では、企業価格はどのようにして決定されるのか気になりますよね。

方法は以下の3つです。

  1. インカムアプローチ
  2. コストアプローチ
  3. マーケットアプローチ

では、1つずつ見ていきましょう。

方法1.インカムアプローチ

インカムアプローチとは、企業が将来生み出すと予測されるキャッシュフローをもとに企業価値を計算する方法です。

多くの場合、DCF法(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法)で計算をします。

DCF法とは、会社が将来生み出す価値をフリーキャッシュフローで推測し、資本コストで割り引く方法です。

将来生み出す利益を反映することが出来るため、M&Aの売却価格を決める時によく使われます。

※DCF法については、『DCF法とは?企業価値を算出する方法を初心者でも分かりやすく解説!』で詳しく説明していますので確認してください。

方法2.マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、上場企業の場合は市場株価を基礎とし、非上場会社の場合は上場している同業他社をもとに企業価値を算出する方法です。

業種など類似した上場企業と財務諸表で対比率を出し、時価総額に倍率をかけて算出します。

ただし、倍率によって大きく企業価値が変動するので注意が必要です。

第三者にも説明できる倍率の根拠を示さなければなりません。

一方で手早く企業価値を算出することが出来るので、M&Aをする時にどれくらいの価格になるか目安を知ることができます。

方法3.コストアプローチ

コストアプローチとは、企業が保有している純資産をもとに、企業価値を算出する方法です。

コストアプローチの中でも3つの算出方法があります。

  1. 貸借対照表上の純資産額を株主価値とする簿価純資産額法
  2. 貸借対照表の資産と負債を時価評価した上で時価純資産額を算出した後、その額を株主価値とする時価純資産額法
  3. 時価純資産額と営業権の合計を株主価値とする時価純資産額と営業権を考慮した算出方法

これらの方法には、将来性を考量していなかったり、時価評価額を考慮していないというデメリットがあります。

そのため、M&Aでは、ほとんどコストアプローチは使われません。

一般的には、企業の清算や相続評価をするときに使われる方法です。

上記のような方法で価格が算出されるため、目安の幅も非常に広くなっています。

あらかじめどれくらいの価格で買収したいかをアドバイザーに相談しておきましょう。

そうすることで、その金額に近い候補先を紹介してくれます。

企業価値についての詳細は、『企業価値とは?評価方法やメリット、向上の条件を分かりやすく解説!』を併せて確認してくださいね。

9.М&A仲介会社を選ぶ際のポイント

М&A仲介会社に実際に依頼しようと思っている場合、選定ポイントが気になりますよね。

М&A仲介会社は、М&A取引完了までのあらゆる業務を行ってくれます。

そのため、М&Aの成功はМ&A仲介会社の選び方にかかっているといっても過言ではないのです。

М&A仲介会社を選ぶ際のポイントは、以下の3つです。

  1. 実績や経験があるかどうか
  2. 完全成功報酬型かどうか
  3. 相談しやすいかどうか

では、1つずつ見ていきましょう。

ポイント1.実績や経験があるかどうか

実績や経験があるかどうか

まずは、М&A仲介会社の実績や経験を見てきましょう。

なぜなら、М&Aは企業の希望や業種ごとに必要な知識やスキルが異なるからです。

そのためどんな案件でもこなすことができる経験と実績豊富なМ&A仲介会社をおすすめします。

実績や経験を知るために、これまでの実績や成功事例などを参考にしましょう。

相談を受けた際のアドバイザーの名前をネットで検索したり直接これまでの実績を聞いてみましょう。

ポイント2.完全成功報酬型かどうか

完全成功報酬型かどうか

М&A仲介会社を選ぶ際には完全成功報酬型かどうかも確認しましょう。

М&Aを行う際には、報酬体系も非常に大切となってきます。

なぜなら、М&Aの手数料は非常に高額だからです。

せっかく高い価格で売却できても、手数料が高ければ手元に残る現金は少なくなってしまいますよね。

そこでおすすめなのが、完全成功報酬型となっています。

完全成功報酬型の場合においては、取引完了まで一切報酬が発生しません。

万が一、М&Aをしなくなった場合にも、安心です。

また月々の料金も発生しないので、納得がいくまでじっくり交渉することができます。

ポイント3.相談しやすいかどうか

М&A仲介会社は、相談しやすさも大切な選定ポイントとなります。

取引完了までの数ヶ月を一緒に過ごすので相性や相談しやすさは非常に大切です。

意見を言いやすいことはもちろん、潜在的なニーズを引き出してくれるアドバイザーを選びましょう。

しかし、相性に関しては実際に話してみない限り分かりません。

無料で相談をできるМ&A仲介会社も多いので、実際に足を運んで話を聞いてみましょう。

まとめ

中小企業のМ&Aは成功すれば、低コストで大きなシナジー効果をもたらすことができるのです。

一方で、中小企業のМ&Aは失敗する可能性も非常に高いデメリットがあります。

中小企業のМ&Aを成功させるためには、以下のポイントが重要です。

  1. 目的の明確化
  2. 妥協点を決める
  3. М&Aアドバイザーに相談

特にМ&Aアドバイザーには必ず相談するようにしましょう。

中小企業のМ&Aを成功させることで、大きな利益を手に入れることができますよ。

М&A案件についての詳細は、『M&Aの案件を見つける4つの方法とは?実際に会社買収をする流れまで』を併せて確認してくださいね。