企業買収とは?成功するポイントを知って自社を大きく成長させよう

企業買収についてお調べですね。

企業買収とは、自社以外の企業の経営権を支配することです。

既存事業の強化や新規事業進出のために企業買収を選択する経営者は増えています。

しかし、企業買収を成功させるポイントを押さえておかなければ、「せっかくお金をかけたのに無駄だった」なんてことになりかねません。

そこで今回は企業買収の事例や成功させるポイント、企業買収の詳しい流れを詳しく解説しています。

企業買収を成功させて自社をさらに大きく成長させましょう。

1.企業買収とは

企業買収とは、自社以外の企業の経営権を支配することです。

英語ではacquisitionと表記され、M&A(Mergers and Acquisitions)の中にも表記されています。

企業買収は、M&Aの「買い手企業の行為」全てを指すこともあるのです。

具体的には、発行済み株式を過半数買い取ることで経営権を取得することができます。

というのも、過半数の株式を持つということは、議決権を過半数持っていることになるからです。

普通議決による決定事項は自由に決めることができます。

また、3分の2以上の議決権を持てば特別議決による決定事項も自由に決めることができ、ほとんどの経営権を支配できるようになるのです。

「友好的買収」と「敵対的買収」の違い

企業買収には、友好的買収と敵対的買収があります。

友好的買収とは、買収者と買収される会社の経営者の合意のもと行われる買収のことです。

つまり、買収される会社の経営者が望んで買収をされる場合は友好的買収と呼びます。

一方、敵対的買収とは、買収される会社の経営者が望んでいないにも関わらず強制的に株式を買い集めて経営権を支配することです。

公開されている株式市場でしか買い占めはできないため、上場企業にしか敵対的買収は起こり得ません。

日本で行われる企業買収のほとんどは、友好的買収です。

敵対的買収については、『敵対的買収とは?ライブドアの事例を交えて基礎知識を分かりやすく解説!』で詳しく説明しています。

企業買収が日本で増えている背景

近年、市場が縮小する日本において企業買収によって事業成長させようと考える経営者が増えてきました

日本は少子高齢化によって人口が減少しています。

国内市場での成長に限界を感じた経営者が国内の企業を買収して国内シェアを高めたり、海外の企業を買収してグローバルに展開しているのです。

会社買収をすれば、ある程度利益を上げている事業をスピーディーに手に入れることができます。

また、日本の中小企業において後継者不足も重要な課題です。

後継者のいない企業の社長が引退しても事業継続ができるよう、会社買収されることを希望するケースも増えてきました。

このように、大企業に限らず中小企業においても企業買収に事例は触れています。

具体的に企業買収の事例を次の章で見てみましょう。

2.企業買収の2つの事例

企業買収とはいったいどのようなものなのか、理解を深めるために2つの事例を確認しましょう。

成功事例と失敗事例をそれぞれ見て理解を深めて下さい。

【成功事例】在宅介護サービス会社を1億円で企業買収

買い手企業(A社) 売り手企業(B社)
  • 医療・介護サービス
  • 売上高:20億円
  • 在宅介護サービス会社
  • 売上高:25億円
  • 営業利益:-3億5,000万円
  • 純資産:-34億7,000万円
  • 譲渡価格:1億円

まずは、成功事例から見ていきましょう。

医療・介護サービスを行っていたA社は、さらに会社を拡大させるため新しい事業への進出を試みていました。

すでに施設はいくつか持っていたため、次は在宅介護に力を入れたいと思っていたのです。

しかし、新規事業立ち上げのためのノウハウや人手に困っていました。

そこで、企業買収をして新しい事業を確立することに決めたのです。

M&A仲介会社に相談したところ、ちょうど在宅介護サービスを運営しているB社が経営不振のため会社売却を希望していました。

赤字ではあるもののB社の持つノウハウや従業員に魅力を感じ、1億円で買収することを決めたのです。

買収後もすぐに買収した従業員の考え方や社風を大切に考え、従業員の能力を十分に発揮できる環境づくりに取り組みました。

また、既に医療・介護サービスで信用を得ていたため、顧客の獲得はすぐに目途が立ち黒字化経営へとなったのです。

【失敗事例】女性向け衣料品通販会社を5000万円で企業買収

買い手企業(C社) 売り手企業(D社)
  • スポーツジムの運営会社
  • 売上高:10億円
  • 女性向け衣料品通販会社
  • 売上高:5億円
  • 営業利益:-3億円
  • 純資産:-5億円
  • 譲渡価格:5,000万円

続いて失敗事例を見ていきましょう。

スポーツジムの運営会社C社は、多角化経営のため様々な事業を模索していました。

多角化経営をするには、企業買収が手っ取り早いと考え、とにかく安く企業買収できる会社を探していたのです。

そんなとき、女性向け衣料品通販会社D社が赤字のため非常に安い価格で売却希望という案件を紹介されました。

さっそく面談をすると、売り上げは5億円と低くなく、企業再生が出来ると考え5,000万円で買収を決意したのです。

しかし、買収後も企業再生のめどが立たず、3年経ってもD社の赤字は続いたまま。

多角化経営で企業を安定させようとしたにも関わらず、結果的にD社の赤字に引っ張られ会社全体の業績の不振へと繋がってしまいました。

結局D社は別会社へ売却。

企業買収時に見通しが甘いと買収した企業を上手く活かすことが出来ず、赤字にしてしまうことがあります。

※案件を見て買収を検討したなら、まずは自身に合う案件を探すために以下の記事も参考にしてみてください。

M&Aの案件を見つける4つの方法とは?実際に会社買収をする流れまで

3.企業買収の3つの目的

企業買収をする経営者には3つの目的があります。

なんとなく「企業買収しよう」という考えでは、企業買収後に失敗する可能性が高いです。

3つの目的にうなずけるか、確認をしてみましょう。

目的1.新規事業への進出

事業の多角化をしたいときなどに企業買収をすると、新規事業への進出が容易に出来るようになります。

経営者であれば1つの事業だけで会社を運営することに不安を感じることがあるでしょう。

そのため、複数の事業を持ちリスクを分散させて中長期的に安定する会社経営をすることを望むものです。

しかし、新規事業へ進出するためにはマーケットリサーチやノウハウの獲得など労力がかかります。

そこで既にノウハウの持つ企業を買収することで、容易に新規事業へ進出することが出来るのです。

目的2.既存事業の強化

企業買収することで既存事業の強化をすることが出来ます。

自社の持つ事業の弱みを補える企業を買収することで、経営の安定化につなげることが可能です。

たとえば、化粧品会社が高い技術力を求めて薬品会社を企業買収することもあります。

このように、必要な技術力・ブランド力・ノウハウ・販路を持つ企業を買収すると、売り上げ向上につなげることが出来るのです。

目的3.未進出エリアへの進出

企業買収することで、未進出エリアへの進出が容易になります。

たとえば、関東だけでサービス展開をしていたとしても同じ業種の関西の企業を買収することで、簡単に関西へ進出することが出来るのです。

新しく店舗やオフィスを探したり、顧客の開拓をする必要がなくなり労力が削減されます。

また、海外へ進出したい場合にも同様にクロスボーダーM&Aで海外の企業を買収することも可能です。

4.企業買収をする3つのメリット

企業買収をすることで、3つのメリットがあります。

それぞれ確認しましょう。

メリット1.時間と労力をお金で買える

企業買収の最大のメリットは時間と労力をお金で買えることです。

新規事業への参入や事業拡大をするためには、膨大な時間と労力がかかります。

しかし、自社に必要なリソースを持つ企業を買収をすることで、時間と労力をかけずにリソースを手に入れることが出来るのです。

もちろん対価としてお金が発生しますが、その後事業の利益化に努めれば数年でペイ出来るでしょう。

メリット2.会社の売り上げ拡大に繋がる

シナジー効果の高い企業を買収することで、会社の売り上げ拡大に繋がります。

シナジー効果とは、2つの企業が協力し合うことによって単独で行う以上の結果が生まれる相乗効果のことです。

たとえば、企業買収をすることで以下の4つが考えられます。

  1. 顧客が増える
  2. 技術力が上がる
  3. 自社ブランドの知名度が上がる
  4. 買った企業の未使用資源を有効活用する

このような理由から、売上拡大につなげることが出来るのです。

シナジー効果については、『シナジー効果とは?正しい意味とM&Aでシナジー効果を生み出すコツ』で詳しく説明しています。

メリット3.投資リスクを抑えることが出来る

企業を買収することで、新規事業参入や販路拡大などのリスクを抑えることができます。

事業や店舗を0から作り、商圏を整えるためにはリスクがつきものです。

しかし、すでに軌道に乗っている企業を買収することで投資リスクを抑えることが出来るのです。

顧客や取引先、従業員がすでにいる状態のため買収後すぐに事業運営をすることができます

5.企業買収を成功させる3つのポイント

企業買収を成功させるためには3つのポイントを抑える必要があります。

どれも大切なことなので、しっかりと確認しましょう。

ポイント1.シナジー効果の高い企業を買収する

必ずシナジー効果の高い企業を買収しましょう。

今、経営している事業に利益をもたらせてくれる企業を買収しなければ、買収後メリットを感じることがないからです。

つまり、企業買収は無駄だったという結果に終わってしまうことになります。

企業買収をする際には必ず「この企業を買収するとどのような効果があるのか?」を確認するようにしましょう。

特にデューデリジェンスでは売り手企業の内部をしっかりと調べる必要があります。

ポイント2.従業員も一緒に買収する

企業買収をする時には従業員も一緒に買収するようにしましょう。

その分野の技術やノウハウを持つ従業員を一緒に買収しなければ、買収後に事業は回っていきません

また、優秀な人材だけ採用するといった横暴な企業買収も従業員の士気を下げることになります。

従業員も一緒に買収し、統合プロセスで会社に馴染んでもらいましょう。

ポイント3.統合プロセスを重視する

統合プロセス(PMI)を重視し、買収した従業員にも働きやすい環境を提供しましょう。

そもそも買収された側の従業員は、「買収された」という事実だけで不安になるものです。

社風も変われば評価基準も異なります。

モチベーションが下がると従業員は働くなり、事業の利益も上がりません。

働きやすい環境を提供し、気持ちよく働いてもらうことが企業買収後の利益に直結することを理解しておきましょう。

6.企業買収に必要な経費

企業買収をすると、相手企業に支払う譲渡対価のほかにM&A仲介会社や弁護士などに支払う報酬費用が必要です。

M&Aアドバイザーに支払う報酬費用を事前に理解しておきましょう。

一般的に、M&A仲介会社の報酬は着手金・中間金・成功報酬・リテイナーフィーの4つです。

それぞれどのような報酬なのか確認しましょう。

6-1.着手金・中間金

着手金や中間金の相場は、100万円~300万円程度です。

着手金とは、M&A仲介会社に業務をしてもらうための費用のことを指します。

始めに着手金を払わなければ、M&Aの仕事をしてくれません。

着手金は、会社の総資産の5%程度が目安といわれています。

また、中間金とは基本合意契約を結んだ段階で一度支払う費用です。

着手金と同じくらいの費用を再度支払うことを認識しておきましょう。

ただし、M&A仲介会社によっては着手金も中間金も無料の場合があります

6-2.成功報酬

成功報酬の費用は、譲渡価格や会社の規模によって大きく料金が異なります。

成功報酬とは、M&Aが成立したときにM&A仲介会社に対して支払われる料金です。

成功報酬は、M&Aが成立しなかった場合に支払う必要はありません。

成功報酬を算定するには、レーマン方式基準を採用しているM&A仲介会社が多いです。

レーマン方式とは、弁護士事務所やM&A仲介会社などで使われる成功報酬の計算方法です。

以下の表のように、実際に行われた譲渡価格によって報酬料率が変わります。

譲渡価格 報酬料率
譲渡価格が5億円までの部分 5%
譲渡価格が5億円超え・10億円未満の部分 4%
譲渡価格が10億円超え・50億円未満の部分 3%
譲渡価格が50億円超え・100億円未満の部分 2%
譲渡価格が100億円を超える部分 1%

仮に譲渡価格が12億円だった場合、成功報酬は以下のように計算します。

  1. 5億円×5%=2,500万円
  2. 5億円(5億円~10億円の部分)×4%=2,000万円
  3. 2億円(10億円~12億円の部分)×3%=600万円

これらを合計した5,100万円が成功報酬の料金となります。

6-3.リテイナーフィー

リテイナーフィーとは、毎月コンサルタント料として決まった月額を支払う費用のことです。

相場は、30万円~200万円/月といわれています。

ただし、リテイナーフィーを支払う場合、着手金や中間金が不要というケースも多いです。

もちろん、全て支払いが必要なM&A仲介会社もあるので注意しましょう。

7.企業買収をするなら必ずM&A仲介会社に相談しよう

企業買収を検討しているなら、検討段階でM&A仲介会社へ相談しましょう。

M&A仲介会社には企業買収に関するプロであるM&Aアドバイザーがいます。

M&Aアドバイザーとは企業買収の戦略立てから成立まで総合的にコンサルタントしてくれる存在です。

具体的には以下のようなことを任せることができます。

  • 相手企業の選定
  • デューデリジェンスの実施
  • 候補先企業との交渉
  • 契約書作成
  • 企業統合プロセスの作成

これらのことを任せることができるため、経営者は本業に集中することができます。

企業買収には業界知識だけでなく、法務・税務・会計・ビジネスなど様々な専門知識が必要です。

経営者が企業買収について1から勉強をしていると、時間も費用もかかってしまいます。

そこで、専門知識を持っているM&Aアドバイザーに助言を受けることで、企業買収を成功させる可能性が上がるのです。

もし、頼れるM&A仲介会社やM&Aアドバイザーが身近にいないのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所であれば、企業買収に詳しい公認会計士やM&Aアドバイザーが在籍しています。

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まとめ

企業買収とは、自社以外の企業の経営権を支配することです。

企業買収を成功させるためには、以下の3つのポイントを抑える必要があります。

  1. シナジー効果の高い事業を買収する
  2. 従業員も一緒に買収する
  3. 統合プロセスを重視する

また、M&A仲介会社に初期段階で相談することも大切です。

企業買収を成功させて自社をさらに大きく成長させましょう。