スクイーズアウトとは?種類や算定方法を理解し経営権を集中させよう

スクイーズアウトとは?

スクイーズアウトについてお調べですね。

スクイーズアウトとは、現金を対価として少数株主の株式を強制的に買い取り、特定の株主を排除することを指します。

不要な株主を排除する際や、意思決定を早めたい場合に使用される手法です。

しかし、スクイーズアウトの正しい意味を理解して実行しないと裁判に発展しかねません。

今回は、スクイーズアウトの意味や手続き方法を確認について詳しく解説してきます。

正しい方法でスクイーズアウトをして、経営権を集中させ利益を増大化させましょう。

1.スクイーズアウトとは

スクイーズアウトとは

スクイーズアウトとは、現金を対価として少数株主の株式を強制的に買い取り、特定の株主を排除することを指します。

英語では、Squeeze-Outと書き、「締め出す」という意味があるのです。

株主が分散してしまった会社でもスクイーズアウトをすれば、株主一人ずつの株式を個別に買取交渉をする必要がありません。

法令を遵守しながら、強制的に少数株主を追い出すことができるのです。

1-1.スクイーズアウトの目的

スクイーズアウトの目的

スクイーズアウトの目的は、不要な株主を排除し、意思決定のスピードを上げることです。

最近、特に事業継承の前に行われることが多くなっています。

なぜなら、事業継承を行う際に、後継者により多くの株式を集めさせるからです。

株式を経営者に集中させることにより、後継者の発言権や経営権が強くなります。

企業の意思決定の際に、株主総会での決議をしなければならなりません。

そのため、少数派意見の株主がいると意思決定が遅くなるのです。

また、株式を集中させ企業の株主を整理したい際にも使用されます。

2.スクイーズアウトの手法は4種類

スクイーズアウトの手法は4種類

スクイーズアウトと一括りでいっても、複数の種類があります。

スクイーズアウトは、以下の4種類です。

  1. 現金対価株式交換
  2. 特別支配株主の株式等売渡請求
  3. 全部取得条項付種類株式
  4. 株式併合

1つずつ見ていきましょう。

種類1.現金対価株式交換

現金対価株式交換

現金対価株式交換は、他の株式会社が保有している株式をすべて手に入れる手法のこととなります。

その中でも、完全子会社となる会社の株主に交付する対価を現金とする方法です。

この際、自社の株式ではなく現金を対価となります。

現金対価株式交換は、株式交換に際して株主総会の特別決議が必要です。

※株式交換については以下の記事でまとめています。

株式移転とは?株式交換との違いや手続きをわかりやすく解説

種類2.特別支配株主の株式等売渡請求

特別支配株主の株式等売渡請求

特別支配株主の株式等売渡請求とは、対象会社の総株主が、対象会社の株式等の全部を強制的に取得する方法です。

対象会社の総株主の議決権の90%以上を有する株主が、残りの10%の株式を強制的に取得できます。

そして、少数株主に対して対価として現金を支払うのです。

特別支配株主の株式等売渡請求は、少数株主を排除する際などに使用されます。

種類3.全部取得条項付種類株式

全部取得条項付種類株式

全部取得条項付種類株式は、債務超過に陥った会社の事業再建を円滑に行うために導入された手法のことです。

株主総会の特別決議により、必要な賛同を得ることができればすべてを取得することができます。

そのため、現在ではスクイーズアウトの1つとしても利用されているのです。

全部取得条項付種類株式は、普通株式を対価にして買い上げます。

全部取得条項付種類株式は、企業が株主総会の決議によってその全部を取得する旨の定めのある株式を指すのです。

一方、普通株式は株主に与えられる権利は一切限定されていません。

支配株主が少数株主を締め出し、当該会社を完全子会社化するための手段として用いられています。

種類4.株式併合

株式併合

株式併合とは、既に発行されている株式数を減らすために複数の株式を1つに統合することです。

株式併合は、場合によっては株主総会の特別決議を実施しなければいけません。

特別決議を通せる3分の2以上の議決権があれば、少数株主から強制的に株式を買い上げることができます。

具体的には、会社の発行済株式が100万株を100株に集約したい場合、全株主に対して1万株と1株を交換することができるのです。

そのため、併合比率により1株当たりの価格が修正されます。

※その他にもM&Aにはさまざまな手法があります。他の手法について知りたい人は以下の記事を参考にしてみてください。

M&Aの基本的な手法とは?手法を分類する3つのポイントから解説!

3.スクイーズアウトの注意点

スクイーズアウトの注意点

スクイーズアウトを実施する際に、どのような点に注意すべきか気になりますよね。

注意点は以下の2点です。

  1. 少数株式の集約は早めに行う
  2. 上場廃止しなければいけない

では、1つずつ見ていきましょう。

注意点1.少数株式の回収を早めに行う

少数株式の回収を早めに行う

スクイーズアウトを実施する際には、少数株式の回収を早めに行いましょう。

なぜなら、分散してしまった株式を集約化することは時間がかかるからです。

また、回収時にトラブルが起きた際にはより長期化してしまいます。

そのため、早期から集約を行っておくことがおすすめです。

株式の買い取り方法については、後の章で確認していきましょう。

注意点2.上場廃止しなければいけない

上場廃止しなければいけない

スクイーズアウトを実施する際には、上場廃止を行う必要があります。

上場廃止とは、株式上場を行わず非公開・非上場企業になるということです。

上場廃止を行うと、社会的な信頼度が下がってしまう場合もあります。

しかし、上場廃止を行うことで市場にとらわれない長期的な視点で経営を行うことができるでしょう。

上場廃止を行ってまでスクイーズアウトを実施するメリットがあるのかどうかも含めて検討しなければいけません。

4.スクイーズアウトをするときの手続きの流れ

端  数  株  式  の

スクイーズアウトを検討している場合、どのような手続きを踏むのかを確認していきましょう。

スクイーズアウトの手続きは、以下の通りです。

  1. 基準日設定
  2. 株主総会
  3. 上場廃止・全部取得条項の効力発生
  4. 端数株式の売却代金受領

では、1つずつ見ていきましょう。

手続き1.基準日設定

基準日設定

まず、スクイーズアウトを実施する際には基準日を設定する必要があります。

基準日とは、議決権を行使するために企業の株主名簿に株主として記録される日にちです。

その結果、株主総会で議決権を行使できる株主を確定させることができます。

基準日設定をするためには、会社法で定められた公告手続きをしなければいけません。

公告は基準日から14日以上前に行う必要があります。

手続き2.株主総会

株主総会

基準日を設定した後に、株主総会を実施します。

株主総会で議決権を行使できる株主を基準日設定の公告で確定させた後に実施が可能です。

株主総会の準備には以下の2つの手続きが必要となっています。

  1. 株主総会の議案の確定
  2. 株主総会の招集通知の発送

上記の手続きを踏んだ後に、株主総会を実施します。

株主総会で3分の2以上の賛成票を獲得することで、スクイーズアウトが承認されるのです。

そして、スクイーズアウトの具体的な手続きに進みます。

手続き3.上場廃止・全部取得条項の効力発生

上場廃止・全部取得条項の効力発生

株主総会実施後、上場企業は上場廃止の手続きを行います。

株主総会から上場廃止までは、約1ヶ月の期間が設けらるのです。

取引最終日から計算し、5営業日目にスクイーズアウトの効力が発生します。

その後、株主にはその対価が与えられるのです。

手続き4.端数株式の売却代金受領

端数株式の売却代金受領

効力発生後、端数株式の売却代金を受領します。

端数株式は、会社が適正な価格でもって当該端数株主に金銭交付しなければいけません。

会社法によって定められているからです。

この適正な価格は、裁判所の許可に基づく必要があります。

端数株主が端数株式の売却代金を受領するまでの期間は約1ヶ月半~2ヶ月です。

5.スクイーズアウトの際の買取価格の算定方法

スクイーズアウトの際の買取価格の算定方法

スクイーズアウトの際には、株主に対して対価を支払わなければいけません。

では、対価を算定方法確認していきましょう。

買取金額に関しては、経営者自身で算定してはいけません。

なぜなら、公正な価格でないと判断された場合、株主側が不服を申し立てて裁判になってしまうからです。

最悪の場合、スクイーズアウトができなくなる場合もあります。

そのため、算定方法は非常に重要です。

具体的にどのような方法で対価の算定を行うのかを見ていきましょう。

5-1.第三者機関に株価算定書をもらう

第三者機関に株価算定書をもらう

企業価値を算定したい場合には、弁護士や社労士などの第三者機関に株式算定書をもらいましょう。

株式算定書をもらうことで、弁護士や社労士などの第三者によって客観的かつ総合的な評価がなされたという証明になるのです。

自社だけで進めるのは難しいですから、対価の算定を行う際には、弁護士や社労士といった第三者機関に依頼しましょう。

その場合、算定方法は以下の方法でなされます。

  1. インカムアプローチ
  2. マーケットアプローチ
  3. コストアプローチ

それぞれの計算方法が最適な業種が異なり、相場も変わってきます

もし、詳しく知りたいということでしたら以下の記事でまとめていますので、こちらもご覧ください。

『企業価値とは?評価方法やメリット、向上の条件を分かりやすく解説!』

6.スクイーズアウトの際の税務手続き

スクイーズアウトの際の税務手続き

スクイーズアウトの際の財務手続きはどのようになるのか気になりますよね。

スクイーズアウトの場合、適格合併なのか、非適格合併なのかで税務の取り扱いが変わります。

適格合併は、適格要件と呼ばれる基準に該当しているケースのこと。該当していなければ非適格合併となります。

それぞれ合わせた税務を行わなければなりませんが、実際に調べて税務を進めるとなると専門知識がなければ到底達成できません。

そのため、専門家である税理士に依頼するのがおすすめです。

※合併の税務に関しては、以下の記事で概要を含めて詳しく解説していますのでこちらも参考にしてみてください。

【関連】吸収合併とは?新設合併との違いや手順についてわかりやすく解説

7.スクイーズアウトの際には弁護士に相談しよう

スクイーズアウトの際には弁護士に相談しよう

スクイーズアウトを行う際には専門家である弁護士に相談しましょう。

なぜなら、正しい方法で行わなければ訴訟問題に発展する可能性もあるからです。

また、株価算定の際には第三者機関に算定してもらう必要があります。

その際に、経験と専門知識豊富なМ&A専門家に相談することで取引完了までのあらゆる業務をサポートしてくれるのです。

M&Aも会社経営をする上で戦略的経営判断の1つとなっています。

まずは、弁護士に相談したうえで、必要に応じてМ&Aの専門家にするのがおすすめです。

М&A仲介会社についての詳細は、『【M&A仲介会社BEST5を発表】有名企業5社を徹底比較!!』を併せて確認してくださいね。

まとめ

スクイーズアウトは、現金を対価として少数株主の株式を強制的に買い取り、特定の株主を排除することを指します。

不要な株主を排除する際や、意思決定を早めたい場合に使用される手法です。

しかし、方法を誤ると株主に訴えられるケースもあります。

スクイーズアウトを行う際には、必ず弁護士に相談しましょう。

意思決定の阻害となる株主を排除し、経営権を集中させることができますよ。

経営権を取り戻し、企業を良い方向に導きましょう。

М&Aの手法についての詳細は、『M&Aの基本的な手法とは?手法を分類する3つのポイントから解説!』を併せて確認してくださいね。