M&Aで課題となる人事、システム統合の対策ポイントを解説

M&Aで課題となる人事、システム統合の対策ポイントを解説
M&A後の統合プロセスを進める際に解決しなければならない課題が、人事とシステムの統合です。人事とシステムの統合失敗は、組織統合全体に影響を及ぼします。
 
本記事では、M&A後の人事とシステム統合の失敗原因や、成功させるポイントなどについて解説します。

M&Aの課題

M&Aの課題
 
M&Aで解決しなければならない課題は、多岐に渡ります。まずは、M&Aの主な課題について解説します。

M&Aとは

M&Aとは「合併と買収」の略称です。企業はM&Aを通じて経営課題の解決に臨みます。
 
M&Aが成功すれば、その企業は経営課題を解決できるだけでなく、想定以上のリターンを得ることもあるでしょう。
 
その一方でM&Aのプロセスにおいては、また別の課題が生じます。M&Aの際に生じるいくつもの課題をクリアすることができなければ、M&Aによって解決しようとしていた経営上の課題は解決できません。
 
M&Aによる課題解決で重要となるのが、ステークホルダーの存在です。従業員や顧客・取引先・株主・債権者など、M&Aに影響を受けるステークホルダーは多いので、M&Aにおける課題も複雑になりがちです。

M&Aの課題とは

M&Aの課題とは、具体的にどのようなものでしょうか。その種類は多岐に渡るので、ここではM&A前の課題とM&A後の課題を主なものに絞って紹介します。

M&A前の課題

よいM&Aとは、自社の課題解決を叶えるために最適なM&A相手と出会い、双方が満足のいく条件でM&Aの成立に至ることです。
 
しかし実際には、なかなか希望条件に合うM&A相手に出会えない、交渉が折り合わないなど、M&A成立前に挫折してしまうケースも少なくありません。
 
M&A前の課題を乗り越えるためには、M&Aの戦略をしっかりと組み立てなければなりません。M&Aの目的を明確にしたり、自社や業界の分析を行ったうえで事業特性に合った取り組み方を決めたりと、M&A前の課題解決に必要なさまざま準備が必要です。

M&A後の課題

M&A後に生じ得る主な課題には、以下の種類があります。
  • 売り手側の経営陣・従業員がいなくなる
  • 顧客離れ・取引先離れが起きる
  • 従業員のモチベーション低下・従業員同士の不和
  • ITシステムの統合問題
 
M&Aによって多くの関係者が影響を受けるので、「人」に関する問題はM&Aの課題解決において優先的に取り組まなければなりません。
 
また、重要な課題であるにもかかわらず優先順位が低くみられがちなのが、ITシステムなどの問題です。
 
ITシステムにおける課題は、経営陣側の問題と開発側の問題に分けられます。詳しくは本記事で後述します。
 

M&Aで課題となる人事、システム統合とは

M&Aで課題となる人事、システム統合とは
 
前述したように、M&Aでは人とシステムに関する課題が壁になります。ここでは、M&A後の重要課題である人事と、システム統合の課題を解決する目的や重要性、メリットについて解説します。

人事、システム統合の目的

人事とシステム統合を行う大きな目的は、強固なパートナーシップの形成です。M&Aはよく恋愛・結婚に例えられますが、それは統合プロセスにも当てはまります。
 
組織の統合には、人材交流・業務結合・システム統合・文化融合のプロセスが必要であるとされています。
 
男女が出会い関係を深めていくプロセスは人材交流、交際のルールを作っていくプロセスが業務結合、結婚後生活環境を整えていくのがシステム統合、ひとつの家族としてまとまるのが文化融合といえるでしょう。
 
つまり、人事とシステムの統合は、さまざまな課題を乗り越えて組織統合の土台を作るために欠かせない課題解決方法ということになります。

人事、システム統合の重要性

人事とシステムの統合は、さまざまな課題を乗り越えて強固なパートナーシップを形成するために欠かせないプロセスです。
 
人材交流・業務結合・システム統合・文化融合はピラミッドのように重なっており、人事の統合がなければ、次の業務結合における課題解決が図れません
 
また、業務結合が成されなければシステム統合の課題は解決されず、次の文化融合にも課題が残ってしまいます。人事とシステムの統合は、どちらも欠けてはならない重要なプロセスです。

人事、システム統合のメリット

さまざまな課題を解消しながらパートナーシップを形成していくためには、まず従業員同士が互いを理解し、同じ組織の人間として交流していく必要があります。
 
また、業務管理や顧客管理、生産管理などのITシステムを統合することで業務の無駄を省き、効率的な組織体制を築かなければなりません。
 
これらのメリットを得るために、人事とシステムの統合が行われます。人事の課題解決は業務結合の課題解決につながり、システム統合は文化融合の課題解決につながっていきます。
 

M&Aで課題となる人事、システム統合の失敗とは

M&Aで課題となる人事、システム統合の失敗とは
 
M&A後の課題が解決できず失敗に終わるケースは多いですが、人事とシステム統合の課題が解決できない原因はどこにあるのでしょうか。
 
まず人事統合で大きな課題となるのが、「従業員の心理的な壁」です。それまでまったく異なる企業文化のなかで仕事をしていた従業員同士がいきなり一緒になっても、そう簡単に距離感が縮まるものではありません。
 
いくら人事統合の施策を打っても、従業員の心理的距離が埋まらなければ課題解決に至る可能性は低くなるでしょう。
 
また、システム統合で大きな課題となるのが「後戻りの難しさ」です。システム統合は動き出すと計画を戻すのは簡単ではありません。そのため、システムの統合方法を巡ってトラブルになることもあります。
 
特に、経営陣がITシステムに詳しくないことが課題解決に至らない原因であることも少なくありません。
 
また、ITシステムは年々変化していくので、技術的な課題やIT技術者の不足などにより満足に開発ができないという課題もあります。

M&Aで課題となる人事、システム統合の対策ポイント

M&Aで課題となる人事、システム統合の対策ポイント
 
M&A後の人事、システム統合ではさまざまな課題が生まれますが、その原因の多くは課題解決の順番を誤っていることにあります。ここでは、人事とシステム統合の課題解決対策について解説します。

人事リスクの対策ポイント

人事に関する課題は統合のベースになる部分であり、まず最初に着手しなければならない課題です。
 
しかし、統合に失敗しているケースでは、人材交流の段階を飛ばして、業務結合の課題から着手するパターンが多くみられます。
 
業務結合は着手しやすく結果もみえやすいので、経営陣は業務結合を半強制的に進めがちです。しかし、それが従業員間の溝を広げてしまう原因ともなります。
 
M&Aにおける統合課題を解決するには、業務結合ではなくまず人材交流に着手し、業務結合を焦らないことがポイントです。

システム統合の対策ポイント

システム統合の課題解決ができない原因も、統合プロセスの順番が間違っているケースがほとんどです。
 
的確なシステム統合を行うには業務結合が完了していることが前提となりますが、業務結合が完了しないうちにシステム統合に着手してしまうケースがみられます。
 
しかし、システム統合は1度動き出すと戻すことがむずかしいので、業務結合の変化に対応してシステムも変えるということができなくなります。
 
その結果、現場が混乱してしまい、システム統合の課題解決ができないという結果につながります。
 
的確にシステム統合を進めるためには、まず業務結合を完全に完了させることが課題解決のポイントです。
 

M&Aの人事・システム統合の相談におすすめの仲介会社

M&Aの人事・システム統合の相談におすすめの仲介会社
 
M&Aの人事・システム統合を円滑に進めるには、M&Aの初期段階からM&A後の統合プロセスを想定した戦略が必要です。そのためには、M&Aの専門家によるサポートが欠かせません。
 
M&A総合研究所ではM&Aに精通した会計士と弁護士がフルサポートするので、専門性の高いアドバイスが可能です。
 
また、M&A総合研究所では、M&Aが完了するまで手数料が発生しない完全成功報酬制を採用しているので、M&Aが完了するまで資金の負担を心配せずにご依頼いただけます。
 
無料相談は随時受け付けておりますので、M&Aの人事・システム統合も含めたM&Aの課題解決でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
 

まとめ

まとめ
 
本記事では、M&Aにおける人事・システム統合の課題解決について解説しました。M&Aにおける人事やシステム統合の課題を解決するには、専門家によるアドバイスを受けて進めるのが効率的です。
 
【M&A後に生じ得る主な課題】
  1. 売り手側の経営陣・従業員がいなくなる
  2. 顧客離れ・取引先離れが起きる
  3. 従業員のモチベーション低下・従業員同士の不和
  4. ITシステムの統合問題
 
【組織の統合に必要なプロセス】
  1. 人材交流
  2. 業務結合
  3. システム統合
  4. 文化融合
 
M&Aを成功させるためには、M&Aの初期段階から統合後のプロセスを踏まえた戦略が必要です。できるだけ早めに準備を進めておくとよいでしょう。