M&Aのデューデリジェンス(DD)を解説【目的/種類/手続き/注意点】

M&Aのデューデリジェンス(DD)を解説【目的/種類/手続き/注意点】
M&Aを成功させるには、M&Aの専門家によるサポートを得ながら、適切なデューデリジェンス(DD)を実施する必要があります。
 
本記事では、M&Aにおけるデューデリジェンス(DD)の目的や種類、手続き方法、注意点などについて解説します。

M&Aとデューデリジェンス(DD)の関係

M&Aとデューデリジェンス(DD)の関係
 
M&Aを成功させるためには、精度の高いデューデリジェンス(DD)を実施することが欠かせません。
 
本記事では、M&Aのデューデリジェンス(DD)を行う目的・方法・注意点などを紹介しますが、まずはM&Aとデューデリジェンス(DD)の意味について解説します。

M&Aとは

M&Aとは、企業の買収と合併を意味します。自社の経営資源だけでは難しい経営目標の達成や経営課題の解決を、買収や売却・統合・提携などを行うことで実現できるのがM&Aです。
 
しかし、M&A完了後に想定通りの統合効果が得られず、結果的にM&Aが失敗に終わってしまうケースも少なくありません。
 
M&Aによって想定通りのシナジー効果を得るには、相手企業の内情をしっかりと分析・把握する必要があります。そのために実施されるのが、デューデリジェンス(DD)です。

デューデリジェンス(DD)とは

デューデリジェンス(DD)は、「買収監査」「会社の調査」を意味します。M&Aの際に相手企業の調査を行うことで、リスクの洗い出しや提供情報の乖離チェック、M&A価格の見直しをすることが目的です。
 
多くの場合、デューデリジェンス(DD)は、M&Aに精通した会計士・税理士や弁護士に依頼して調査します。
 
デューデリジェンス(DD)の主な分野には、ビジネス・法務・会計および財務・税務がありますが、近年ではIT・著作権・特許・環境分野も重要性を増しています。
 
デューデリジェンス(DD)は基本合意書の締結後に行うケースが一般的ですが、この時点でM&Aの実施を公表していない場合、情報漏えいのリスクに注意が必要です。
 
そのため、M&Aの専門家による情報管理とスケジュール管理が重要であるとともに、買い手・売り手双方の情報管理意識が重要です。

M&Aのデューデリジェンス(DD)の目的

M&Aのデューデリジェンス(DD)の目的
 
M&Aにおいてデューデリジェンス(DD)が行われる目的には、以下の5つがあります。
  1. 企業価値の確認 
  2. M&A実行によるメリットの調査
  3. 最適なM&A手法の確定
  4. 提示された財務・会計・情報の不備を調査
  5. 統合プロセスを実施する上での情報調査

1.企業価値の確認

M&Aのデューデリジェンス(DD)は、企業価値評価をより正確に行うために実行されます。デューデリジェンス(DD)の前に行われる企業価値評価は、対象企業に特有の事情を反映してはいません。
 
あくまで一般的な計算に基づいて企業価値を算出しているだけなので、デューデリジェンス(DD)によって対象企業に特有のリスクなどを織り込む必要があります。
 
デューデリジェンス(DD)の結果、何か問題がみつかれば、企業価値評価を下げてM&A価格を減額したり、相手企業に問題の改善を求めたりすることになるでしょう。

2.M&A実行によるメリットの調査

M&Aのデューデリジェンス(DD)は、マイナス面の査定だけが目的ではなく、M&Aによって得られるメリットを把握する目的もあります。
 
企業価値評価とデューデリジェンス(DD)を行うことで、買い手企業は以下のメリットの有無を探ります。
  • M&Aによるシナジー
  • M&Aの社内的・対外的な意味
  • 再調達価格
  • 相手企業のM&Aへの意欲

 

買い手はM&Aによって事業シナジーを探るとともに、そのM&Aが社内的・対外的にどの程度のインパクトを与えるかも探ります。また、再調達価格の把握もM&A価格の決定に役立ちます。
 
再調達価格とは、M&Aにかけたのと同じ資金と時間でゼロから事業を立ち上げた場合に生じる負担のことです。
 
そのほか、重要な要素でありながら見逃されがちなのが、買収先企業のM&Aに対する意欲です。心理面は数字には表しにくいものですが、M&Aの成否に大きく影響します。

3.最適なM&A手法の確定

最適なM&A手法を確定させるには、買収対象企業の特性や業界特性などに合った手法を選択しなければなりません。
 
買収対象企業が、どのような実績・従業員・顧客・取引先・事業用資産・負債を持っているかを正確に把握し、業界特性や競合、業界上位企業の状況把握も行います。
 
これらを踏まえて、株式譲渡や事業譲渡といったM&A手法を選択し、さらに詳細な手法の進め方を確定させます。

4.提示された財務・会計・情報の不備を調査

M&Aのデューデリジェンス(DD)では、買収対象企業に資料開示請求を行い、分析に必要な資料を提供してもらいます。
 
しかし、提供された資料の記載内容と実際の企業の状況に乖離があったり、情報が間違っていたりすることも少なくありません。
 
提示された情報の不備は、そのままM&A価格のズレや買収後のリスクにつながるので、詳細なデューデリジェンス(DD)を行うことで正確な把握を目指します。
 
なお、買収対象企業に提供を求める資料の種類は、基本的な資料のほかにも買収先企業の業種や経営状態などに応じて追加請求することがあります。
 
どのような資料が必要かリストアップするためには、会計や法律に関する専門知識が欠かせません。その意味でも、早めに会計や弁護士にサポートしてもらう必要があります。

5.統合プロセスを実施する上での情報調査

M&Aのデューデリジェンス(DD)は、M&A手続き自体の成功を目的として行われるとともに、M&A後の統合プロセス(PMI)を成功させるためにも必要です。
 
例え買収した企業が同業種であっても、すぐに統合がうまくいくとは限りません。というのは買収した企業が独特なノウハウや技術、企業文化、人材などを持っていることがあるからです。
 
また、組織体制やシステム管理が整っていないこともあります。このような自社との違いを事前に分析・把握しておくことで、統合プロセスがスムーズに進む確率は高くなります。
 

M&Aのデューデリジェンス(DD)の実施期間

M&Aのデューデリジェンス(DD)の実施期間
 
資金と時間に余裕のある大企業でもなければ、M&Aのデューデリジェンス(DD)にかかるお金と期間は気になるところでしょう。
 
中小企業が主に行うデューデリジェンス(DD)には、事業DD・法務DD・会計DDであり、その実施期間は買収対象企業の規模や担当する専門家のスピードや、買い手がどこまで詳細な分析を求めるかなどによって変わります。
 
小規模から中規模の中小企業であれば、2日から1週間程度はみておく必要があります。
 
また、M&Aの専門家によってはデューデリジェンス(DD)費用を別途請求するケースがありますが、中小企業の場合は最低でも200万円から300万円以上をみておかなければなりません。
 
しかし、数百万円のデューデリジェンス(DD)費用をかけることによって、回避できるリスクは桁違いです。
 
どうしてもM&Aのデューデリジェンス(DD)費用が気になるのであれば、M&A専門の会計士や弁護士がいて、M&A完了時にのみ手数料が発生する完全成功報酬制のM&A専門家に依頼するとよいでしょう。

M&Aのデューデリジェンス(DD)の種類

M&Aのデューデリジェンス(DD)の種類
 
M&Aのデューデリジェンス(DD)には、主に以下の種類があります。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
  1. 財務デューデリジェンス(DD) 
  2. 税務デューデリジェンス(DD)
  3. 法務デューデリジェンス(DD)
  4. 事業デューデリジェンス(DD)
  5. 人事デューデリジェンス(DD)
  6. ITデューデリジェンス(DD)
  7. 著作権・特許デューデリジェンス(DD)
  8. 環境デューデリジェンス(DD)
  9. 不動産デューデリジェンス(DD)

1.財務デューデリジェンス(DD)

財務デューデリジェンス(DD)では、財務諸表などを参考に、買収を検討している企業における過去から現在の財務状況を精査します。
 
財務デューデリジェンス(DD)で閲覧する資料のなかには、外部に持ち出せないような重要書類もあるので、対象企業へ現地調査に行って直接チェックすることもあります。
 
また、資料だけではわからないことや間違っていることなどは、現地で会計・経理担当者に直接インタビューを行います。財務デューデリジェンス(DD)を的確に行うには、M&Aに精通した会計士のサポートが必要です。

2.税務デューデリジェンス(DD)

税務デューデリジェンス(DD)では、買収を検討している企業における過去から現在までの税務処理状況や、M&A後に生じる税務面の対処などについて調査します。
 
税務デューデリジェンス(DD)も財務デューデリジェンス(DD)と同じく、資料の確認だけでなく現地で担当者へのインタビューを行うことが一般的です。
 
また、税務デューデリジェンス(DD)は、財務デューデリジェンス(DD)とともに行うケースがほとんどです。

3.法務デューデリジェンス(DD)

法務デューデリジェンス(DD)とは、買収を検討している企業に重大な法的問題がないかを確認するデューデリジェンスです。
 
法務デューデリジェンス(DD)の調査範囲は、組織体制・グループ企業・コンプライアンス・訴訟トラブル・各種契約・人事労務など多岐に渡ります。
 
内容によってはM&A自体が中止になることもあるほど、法務面の調査は重要であるため、法務デューデリジェンス(DD)を的確に行う必要があり、企業法務に精通した弁護士のサポートが不可欠です。

4.事業デューデリジェンス(DD) 

事業デューデリジェンス(DD) では、主に買収を検討している企業の事業将来性や、買い手企業とのシナジーを分析します。
 
事業デューデリジェンス(DD) は資料だけではわからないことも多いので、経営者へのインタビューが重要です。
 
また、調査を行う専門家が買収対象企業の業界に詳しいかどうかも、デューデリジェンスの精度を左右します。
 
事業の将来性やシナジー効果など数字に表しにくい部分をいかに数字に落とし込み、M&A価格などに反映させるかが重要なポイントです。

5.人事デューデリジェンス(DD)

人事・労務の問題は大半の企業が大なり小なり抱えています。特に近年は、働き方改革やブラック企業問題などで企業の人事・労務に対する目が厳しくなってきました。
 
そのため、人事デューデリジェンス(DD)の重要性も高まっています。特に、買収を検討している企業の中小企業が時間外労働問題や同一労働同一賃金問題を解消できていない場合、早めの対策が必要です。

6.ITデューデリジェンス(DD)

ITシステムへの依存度が高くなっている昨今では、大企業ほどITデューデリジェンス(DD)が重視されています。
 
一方で、中小企業においては、ITデューデリジェンス(DD)の優先度は高くありません。なぜなら、ITデューデリジェンス(DD)を行うほどIT化が進んでいない企業が多いからです。
 
しかし今後は、安価で導入できるクラウドサービスのさらなる普及によって、中小企業でもIT化が進むでしょう。
 
それに伴って、中小企業に対するITデューデリジェンス(DD)の必要性が増してくる可能性があります。

7.著作権・特許デューデリジェンス(DD)

著作権・特許デューデリジェンス(DD)は、著作権や特許など知的財産のリスクやメリットを可視化するために行います。
 
近年はテクノロジーの進化が著しく、知的財産に関する企業間紛争も起きているので、特にテクノロジー系ベンチャー企業を買収する場合には重要なデューデリジェンスです。
 
著作権・特許デューデリジェンス(DD)を行う際は、弁理士や弁護士、先端テクノロジーに詳しい専門家などの知識が横断的に必要となることも少なくありません。

8.環境デューデリジェンス(DD)

環境デューデリジェンス(DD)は、工場を持つ企業を買収する際などに行われます。
 
環境デューデリジェンス(DD)で重視されるのは、土壌汚染と水質汚染です。土壌汚染や水質汚染がM&A完了後に見つかった場合、賠償費用や土壌・水質改善費用に多額の資金がかかります。
 
そのため、環境デューデリジェンス(DD)の際は最優先でチェックしなければなりません。環境デューデリジェンス(DD)は、環境コンサルタントによって汚染の有無や度合いなどを確認し、法的な問題を弁護士がチェックします。

9.不動産デューデリジェンス(DD)

不動産デューデリジェンス(DD)では、買収を検討している企業が保有する不動産物件のリスクや収益性などを洗い出します。
 
不動産デューデリジェンス(DD)は、経済的側面・法的側面・物理的側面の3分野で調査を行うことが一般的です。そのため、不動産鑑定士と弁護士、会計士が連携して調査を行う必要があります。
 

M&Aのデューデリジェンス(DD)の手続き

M&Aのデューデリジェンス(DD)の手続き
 
一般的に、M&Aのデューデリジェンス(DD)は次の手順で進められます。
  1. 事前準備 
  2. 資料分析
  3. インタビュー

1.事前準備

買収対象企業の詳細なデューデリジェンス(DD)を行う前に、買い手は資料の入手と案件の把握
を行います。

資料の入手

買い手側は、まず買収を検討している企業の基本的な情報を入手します。この時点で入手できる情報は限られています。
 
相手が上場企業であれば多くの情報を入手できますが、非公開企業の場合はホームページや調査会社の情報、商工会議所などから情報を集めることになります。
 
基本的に、情報収集はデューデリジェンス(DD)を依頼する専門家に任せておけば間違いありません。

案件の把握

買い手は開示された資料をチェックし、案件の基本的な部分を把握します。この段階では多くの場合、今後詳細なデューデリジェンス(DD)を進めるための方向性を定めるにとどまります。
 
しかし、小規模案件の場合は基本的な情報の把握だけでデューデリジェンス(DD)が済むこともあります。
 
逆に、この時点でM&Aを進めるうえでの問題点が発覚したり、M&Aを取り止めることになったりすることもあるでしょう。

2.資料分析

買い手は買収を検討している企業の基本的な情報を参考にして、調査範囲の決定や資料リストの送付・閲覧を行います。

調査範囲の決定

前述したように、デューデリジェンス(DD)の対象分野は多岐に渡りるため、買収対象企業の規模や業種などから、どの範囲まで調査を行うかを決めなければなりません。
 
デューデリジェンス(DD)の調査範囲が増えるほど、デューデリジェンス(DD)にかかる資金と時間も増えることになるので、調査しなかった場合のリスクとバランスを考えながら決める必要があります。
 
多くのケースでは、事業デューデリジェンス(DD)、法務デューデリジェンス(DD)、財務・税務デューデリジェンス(DD)が重視されます。

資料リストの送付・閲覧と分析

調査する範囲が決まり、開示請求する資料のリストアップができたら、買収対象企業に対してデューデリジェンス(DD)を行うための資料を開示請求します。
 
デューデリジェンス(DD)で開示する資料は法令で定められているわけではありませんが、開示請求するべき資料はほぼ決まっています。
 
売り手側は、買い手から請求された資料だけを提供するので、買い手側は請求資料に抜けがないようにしなければなりません。
 
開示された資料を基に分析を行うことを、デスクトップデューデリジェンス(DD)と呼びます。デスクトップデューデリジェンス(DD)だけで問題なく調査できることも多いですが、現地でのインタビュー機会も設けるケースが一般的です。

3.インタビュー

デスクトップデューデリジェンス(DD)だけでは把握しきれない部分は、買収対象企業に赴いてさらに調査を行います。
 
外部には持ち出せない重要書類のチェックや、各担当者へのインタビューなどを行うことで、それまでとは違った事実がみえてくることもあるでしょう。
 
インタビューには、買収対象企業の経営者に対して行うマネジメント・インタビューや、各部門の担当者に対して行うものがあります。
 
部門担当者へのインタビューは、情報漏えいの問題もあるので誰にでも行うわけではなく、M&Aを実施することを知っている一部の担当者に対して行います。

報告書作成

詳細なデューデリジェンス(DD)が完了したら、調査結果を基に報告書を作成します。報告書を参考に専門家と話し合いながら、今後どのようにM&Aを進めていくかを決めなければなりません。
 
デューデリジェンス(DD)の結果をどう反映させるかは、買い手が一方的に決められることではなく、売り手側の合意も必要です。
 
そのため、結果をどう反映させるかとともに、結果を売り手側にどう伝えるかも検討する必要があります。

結果を価格に反映

デューデリジェンス(DD)の結果を基にM&A価格を変更したり、契約書へ反映させたりしていきます。
 
デューデリジェンス(DD)の結果、売り手側に提示するM&A価格はディスカウントすることになるでしょう。
 
また、最終契約締結までに問題点を解消するよう要求したり、発覚した問題点がM&A後に顕在化した場合、何かしらの対処を求める条文を契約書に加えたりする必要も出てきます。

デューデリジェンス(DD)の必要資料

デューデリジェンス(DD)の必要資料
 
デューデリジェンス(DD)の際には、買収を検討している企業から以下の資料を開示してもらう必要があります。
  • 経営計画書
  • 決算関係・税務関係書類
  • 各種元帳・台帳定款・商業登記簿謄本
  • 株主名簿株主総会・取締役会議事録
  • 各種不動産関係書類
  • 各種雇用関係書類
  • 各種契約書
  • 許認可証
上記の資料は一例であり、必要に応じて請求する書類を追加します。後から開示請求した資料に不足があった場合、手続きの負担が増したり、デューデリジェンス(DD)に穴が生じたりすることにもなりかねません。
 
そのため、開示請求する資料は網羅的にリストアップすることが大事です。

M&Aのデューデリジェンス(DD)の注意点

M&Aのデューデリジェンス(DD)の注意点
 
M&Aのデューデリジェンス(DD)を行う際は、以下の点に注意が必要です。
  1. 実施前の計画・スケジュール確認 
  2. 実施する際のタイミング
  3. チェック項目の確認
  4. インタビュー対象者の決定
  5. デューデリジェンス(DD)は専門家に任せる

1.実施前の計画・スケジュール確認

売り手と買い手は、専門家を介してデューデリジェンス(DD)の計画・スケジュール調整などを行いますが、準備段階での情報漏えいや準備にかかる負担などに関しては、双方が配慮し合って進めていかなければなりません。特に売り手側は以下の点に注意が必要です。

【売り手側】大きな労力が必要!

売り手側は、買い手の開示請求に備えて各種資料を準備したり、社内に監査を受け入れるための準備をしたりと大きな労力が必要です。
 
中小企業の場合、買い手から請求された資料が整理されていないことも少なくないため、社内の担当者は普段の業務に支障が出る可能性があります。
 
しかし、情報漏えいの問題があるので必要以上に人材を割くこともできません。デューデリジェンス(DD)の受け入れ準備は早めにM&Aの専門家に相談しておき、準備しておくとよいでしょう。また、買い手側も売り手に配慮したスケジュールを組むなどの対応が必要です。

2.実施する際のタイミング

デューデリジェンス(DD)は、基本合意書の締結後速やかに行うケースがほとんどですが、基本合意書締結のタイミングでM&A実施を公表しているかどうかで、デューデリジェンス(DD)の進め方にも変化が生じます。
 
すでに公表している場合は、協力を求めることができる人材の幅が広がります。一方で、公表していない場合は最低限の人材でデューデリジェンス(DD)を行わなければならないので、負担は大きくなりがちです。
 
また、現場でのインタビュータイミングにも注意が必要です。情報漏えいに配慮して、関係者へのインタビューはデューデリジェンス(DD)手続きの最後の方で行うことが一般的になってきています。

3.チェック項目の確認

デューデリジェンス(DD)の際に買い手は買収対象企業に対してあらかじめチェック項目を伝え、項目に沿ってチェックしていくことが一般的です。チェック項目は多岐に渡ることも多く、売り手側の状況によっては大きな負担になるでしょう。
 
確認事項のうち、事前に行う経営者へのインタビューなどで済むものもあります。なるべく事前に済ませられる事項は済ませておくことも大切です。

【売り手側】情報を正確に伝える!

売り手側は、確実にM&Aを成立させたい、なるべく高い価格で売りたいなどの意識が働きやすくなりますが、それによって情報を正確に伝えないようなことがあってはなりません。
 
もし情報の乖離が発覚した場合、買い手との信頼関係に傷が付くだけでなく、内容によっては訴訟トラブルなどになる可能性もあります。売り手は買い手側に正確な情報を伝える誠実さが重要です。

4.インタビュー対象者の決定

現地調査のインタビューでは、各担当者に聴き取りを行います。聴き取りを行う担当者は、M&Aを行うことを知っている担当者に限られます。特に、法務担当者・会計や経理担当者・総務担当者への聴き取りはできる限り行わなければなりません。
 
これらの担当者は、デューデリジェンス(DD)の結果を左右する大事な情報を持っていることがほとんどです。ただし、小規模企業の場合、必ずしもこの限りではありません。

【売り手側】従業員にばれないようにすること!

売り手側がデューデリジェンス(DD)を受け入れる際によくある失敗パターンとして、経営者がデューデリジェンス(DD)受け入れの準備などをさまざまな従業員に任せてしまうケースが挙げられます。
 
M&Aの実施を知らない従業員が準備を命じられた際に、業務内容から会社売却を察することがあります。
 
経営者やM&Aを知っている担当者は、仕事を他の従業員に振る際に細心の注意をしなければなりません。

5.デューデリジェンス(DD)は専門家に任せる

M&Aの専門家は、デューデリジェンス(DD)も含めてM&Aのトラブルなどに数多く対応してきたスペシャリストです。
 
デューデリジェンス(DD)を実行する際も、マニュアル通りにはいかないケースが多くありますが、経験豊富な専門家であれば柔軟な対処が可能です。
 
自力で無理やり進めようとするよりも、専門家にある程度任せた方が安心でありかつ効率的です。
 

M&Aのデューデリジェンス(DD)が重要な場面

M&Aのデューデリジェンス(DD)が重要な場面
 
デューデリジェンス(DD)は、すべてのM&A手続きで重要な役割を果たしますが、特に以下の場合は入念なデューデリジェンス(DD)が欠かせません。
  1. 中小企業をM&Aする際 
  2. 企業再生を行う際

1.中小企業をM&Aする際

中小企業は体制が整っている大企業と比較して、多数の問題点がみつかるケースがほとんどです。
 
特に社歴が長い会社やオーナー社長が強い権限を持っている会社ほど、第三者からみてメリットのわからない契約やルール、システムなどが積み重なっているケースがよくみられます。
 
そのため、デューデリジェンス(DD)によって長年積み重ねられた問題点を洗い出さなければ、M&A後にさまざまな想定外のトラブルに見舞われかねません。

2.企業再生を行う際

赤字・債務超過で倒産が見えていた会社を買収する際も、デューデリジェンス(DD)が効果を発揮します。
 
赤字・債務超過の会社はリスクが高いので買収対象に入れないという買い手も多いですが、実はデューデリジェンス(DD)によって問題点を洗い出してみると、意外と容易に経営の立て直しが図れるケースも少なくありません。
 
中小企業の中には客観的にみて明らかに問題の多い経営をしてきているケースがあるので、第三者の手が入るだけで改善できることがあります。
 

デューデリジェンス(DD)も含めたM&A全般の相談先

デューデリジェンス(DD)も含めたM&A全般の相談先
 
デューデリジェンス(DD)も含めたM&A手続きを円滑に進めるには、M&A全般をサポートできる専門家の力が必要です。
 
M&A仲介会社はデューデリジェンス(DD)のサポートだけでなく、売り手と買い手の関係調整やM&A進行のプロデュース役を担います。
 
また、デューデリジェンス(DD)も含めたM&Aの実行には、M&A仲介会社と弁護士、会計士による連携が欠かせません。
 

 

M&A専門の弁護士と会計士が所属しているM&A総合研究所では、デューデリジェンス(DD)も含めたM&Aのサポートで高い専門性を発揮します。
 

 

 

また、M&A総合研究所ではM&A成立までのスピードが速く、希望価格以上での成約も実現するので、依頼者から高い評価を得ています。

 

無料相談は随時お受けしていますので、デューデリジェンス(DD)も含めたM&A全般の相談先をお探しの際は、お気軽にご相談ください。
 

まとめ 

まとめ 
 
本記事では、M&Aのデューデリジェンス(DD)について解説しました。デューデリジェンス(DD)を行うことはリスクを回避できるだけでなく、企業価値の確認やM&Aによるメリットの調査としても有効です。
 
【M&Aのデューデリジェンス(DD)の目的】
  1. 企業価値の確認 
  2. M&A実行によるメリットの調査
  3. 最適なM&A手法の確定
  4. 提示された財務・会計・情報の不備を調査
  5. 統合プロセスを実施する上での情報調査
 
【M&Aのデューデリジェンス(DD)の種類】
  1. 財務デューデリジェンス(DD) 
  2. 税務デューデリジェンス(DD)
  3. 法務デューデリジェンス(DD)
  4. 事業デューデリジェンス(DD)
  5. 人事デューデリジェンス(DD)
  6. ITデューデリジェンス(DD)
  7. 著作権・特許デューデリジェンス(DD)
  8. 環境デューデリジェンス(DD)
  9. 不動産デューデリジェンス(DD)
 
【一般的なM&Aのデューデリジェンス(DD)の流れ】
  1. 事前準備 
  2. 資料分析
  3. インタビュー
 
【M&Aのデューデリジェンス(DD)を行う際の注意点】
  1. 実施前の計画・スケジュール確認 
  2. 実施する際のタイミング
  3. チェック項目の確認
  4. インタビュー対象者の決定
  5. デューデリジェンス(DD)は専門家に任せる
 
デューデリジェンス(DD)の実行には専門家のサポートが欠かせません。デューデリジェンス(DD)も含めM&Aをご検討であれば、M&Aの専門家への相談をおすすめします。