
M&Aサービス「M&Aクラウド」に興味をお持ちの方ですね。
M&Aクラウドは、売り手企業が買い手企業に打診して交渉するオンラインプラットフォームとなっています。
売り手側の企業であれば手数料の支払い無しで登録・利用できるため、掲載企業と実績は右肩上がりで増加中です。
今回は、M&Aクラウドの会社概要やM&Aクラウド独自の特徴、料金体系を徹底的に解説していきます。
この記事を読み、M&Aクラウドを利用してこれからのM&Aを実現させることができるか判断しましょう。
目次
1.M&AクラウドはWEBで買い手を探せるサービス

M&Aクラウドは、WEBサイトを通じてM&A相手を探すことができるサービスです。
2018年にスタートした後、順調に利用者が増えています。
サービスを使った人からは、WEB上で積極的に買い手を探しすぐに会うことができるサービスが好評です。
M&Aクラウドにおける掲載企業の総M&A件数は482件。
希望の買い手に実際に会える率は84.0%、売り手企業の登録者数は2,000社を突破しており、豊富な買い手から自分に合った会社を選べます。
また自社の情報を掲載して、他の買い手企業からスカウトを待つことも可能です。
通常の業務が忙しい場合でも、M&Aクラウドのサイトに必要情報を載せるだけでM&Aを進めることができます。
1−1.M&A仲介会社との違い
M&AクラウドなどのWEBマッチングサービスは、アドバイザーが直接M&Aのサポートを行ってくれるかという点でM&A仲介会社と異なります。
M&A仲介会社の場合、売り手企業はまずM&A仲介会社に属するアドバイザーと話し、アドバイザーから買い手を紹介してもらうのが一般的です。
また買い手との交渉ではアドバイザーが同席し、買い手との利害を調節しながら手続きなどをサポートしてくれます。
一方、M&AクラウドなどWEB上のM&Aサポートサービスでは、M&A仲介会社のようにアドバイザーが交渉、手続きをサポートしてくれるわけではありません。
基本的に売り手はサイトから自分で買い手を探し、交渉を行い手続きを進める形になるのである程度M&Aに関する知識を持っている必要があります。
次は、M&Aクラウドの特徴や強みなど、利用前に知っておきたいポイントについて解説します。
使うべきか悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。
2.M&Aクラウドの特徴

M&Aクラウドの強み、特徴は以下の通りです。
- 売り手主導で買い手を探せる
- IT系企業の買い手が多い
- 資金調達目的のM&Aに強い
- 手数料を支払えば専門家がサポートしてくれる
- 交渉までのスピードが早い
M&Aクラウドは数多くの成約実績を持ち、多くの企業に利用されている注目のサービスです。
特にIT業界に強みを持ち、スピーディなM&Aを実現できる点に大きなメリットがあります。
ここからはどのM&Aサービスを使うべきか迷っている方に向けて、M&Aクラウドの強みを5つ解説していくのでぜひ参考にしてください。
特徴1.売り手主導で買い手を探せる
M&Aクラウドの大きな特徴は、売り手が主体的に買い手を探せることです。
売り手はサイトに登録した後、売り手の方から積極的に買い手にアプローチを行い、連絡を取り合うこともできます。
サイト内では買い手の実名や投資実績、独占インタビューなど詳しい情報を知れるのでミスマッチが起こりにくく、自分で自分に合った買い手を見つけられるでしょう。
特徴2.IT系企業の買い手が多い
M&Aクラウドで特徴的なのは、IT系企業の多さです。
M&Aクラウドでは、IT系上場企業の約10%が買い手として掲載されています。
発展著しいIT業界では、複数の企業を積極的に買収したいと考える企業は少なくありません。
将来有望な売り手なら、たくさんの買い手から声がかかるでしょう。
特にM&Aクラウドでは、規模を問わず売り情報を掲載できるので、個人サイトなど小規模な事業者であっても上場IT企業からスカウトされることもあります。
今運営に悩んでいる売り手は、M&Aクラウドに登録し資金調達のチャンスを手に入れましょう。
特徴3.資金調達目的のM&Aに強い
資金調達を目的としたM&Aは、M&Aクラウドにおいて積極的に推奨されています。
M&Aクラウドでは、買い手がどんな企業に出資したいかを明確に情報開示してくれているため、投資をしたいと考えている買い手に出会いやすいです。
またM&Aクラウドでは、エリアを問わず資金調達の相手を全国から探せるので、買い手との出会いのチャンスは増えるでしょう。
特徴4.手数料を支払えば専門家がサポートしてくれる
M&Aクラウドでは、手数料を支払うことでM&AアドバイザーがM&Aを支援してくれます。
M&Aアドバイザーとは、M&Aについて助言をしたり、経営者の代わりに資料の作成を行ってくれたりするM&Aの専門家です。
無料の範囲内でも電話やWEBを通じアドバイザーから助言をもらうことはできますが、直接資料作成や交渉を支援してくれるわけではありません。
もっと深いサービスが必要なら、M&Aクラウドで有料のサポートを使うことを考えましょう。
追加サービスの料金については、この後の「M&Aクラウドの料金体系とは?」で詳しく解説していきます。
特徴5.交渉までのスピードが早い
M&Aクラウドなら、自分から気になる買い手と直接コンタクトを取ってすぐに面談を実現させることができます。
M&Aクラウド公式サイトによると、間に仲介業者が入らないため買い手とマッチング後平均1ヶ月で面談が実現しているとのことです。
どんな買い手とM&Aを行いたいかが見えているなら、M&Aクラウドで検索して自分でコンタクトを取るほうが早く交渉をスタートできるでしょう。
M&Aクラウドではアドバイザーの力を補助的に借りつつ、自分で主体的に買い手を探すことができるので短期間・低コストでM&Aが実現できます。
次は、M&Aクラウドの料金体系について解説していくので、ぜひ読んでみてください。
3.M&Aクラウドの料金体系とは?

M&Aクラウドの利用料金は、会社売却側であれば完全無料となっています。
サイトに登録するのはもちろん、買い手と連絡を取ったり、交渉をしたりする場合もM&Aクラウドに料金を支払う必要はありません。
現在M&A市場は買い手過多の状況にあるため、M&Aで会社売却を行う企業を少しでも増やすことが重要な課題となっています。
この動向を反映し、M&Aクラウドは買い手に手数料を請求する一方で売り手は手数料を無料としているのです。
ただし、売り手企業であってもM&Aアドバイザーに追加で資料作成サービスなどを頼む場合は手数料が発生します。
M&Aクラウドによると資料作成サービスの利用は原則39万8000円、その他交渉に同行してくれるサービスや譲渡先候補企業のリスト作成などは、成約に応じて手数料を支払わなければいけません。
追加でサービスを頼みたいと考えている方は、一度M&Aクラウドに問い合わせをしてみると良いでしょう。
次は、M&Aクラウドの具体的な成約実績をご紹介していきます。
4.M&Aクラウドの成約実績

M&Aクラウドの成約実績は、以下の通りです。
- ポートとグリーンライトのM&A成約実績
- トライアンフとC2のM&A成約実績
登録や問い合わせを行う前に、ぜひ参考にしてください。
成約実績1.ポートとグリーンライトのM&A成約実績
就職支援活動を中心としたサービスを展開していたポート株式会社は、M&Aクラウドを通じ株式会社グリーンライトの一部事業を譲り受けました。
もともとポートは、キャリア、ファイナンス、メディカルなど幅広い分野でメディア運営・企画などを行っていた会社です。
業績は順調でしたが、ポートがターゲットとする顧客層には士業専門家に相談したいというニーズを抱えている方が多くいたため、リーガル領域で実績あるサイトを探していました。
そこで当該サービスを通じて、出会ったのがグリーンライトです。
グリーンライトは、「債務整理の森」「交通事故示談交渉の森」などリーガル分野のメディアを運営。
しかし一人で運営を続けていくことに資金・時間面での困難さを感じて売却を決断しました。
M&Aクラウドを通じて出会った2社は互いに今後のサイト運営についての意識を共有し、無事M&A成立に至りました。
M&Aクラウドは今紹介した事例において、ポート側にリーガル分野で買収先を探すことを提案しグリーンライトを紹介しています。
この事例のようにM&Aクラウドのアドバイザーを利用すれば買い手と売り手、それぞれの強みを見極めた上で最適な相手を紹介してくれます。
売り手は手数料無料ですが、サービスが全く受けられないというわけではありません。
買い手の選び方に関するアドバイスなどは無料で聞くことができるので、アドバイザーからアドバイスを受けましょう。
引用元:https://macloud.jp/interviews/14
成約実績2.トライアンフとC2のM&A成約実績
自社ソフトウェアの開発・販売や不動産事業などを手掛ける株式会社トライアンフコーポレーションは、2018年にモバイルアプリ・モバイルサービスの開発を行うC2株式会社を買収し、子会社化しました。
この買収を実現するまでも、トライアンフは事業の拡大を目指し複数の会社を子会社化してきました。
さらに買収を拡大するにあたって、売り手からアプローチを受けることができるM&Aクラウドに興味を感じ、登録を行ったと言います。
トライアンフは登録後、予想以上の反響を受け問い合わせを多数もらうことに成功しました。
その中で、トライアンフの目に止まったのがC2株式会社です。
C2株式会社は情報提供に非常に積極的で、トライアンフとのM&Aに合意。
M&Aを行い子会社化した後も、自立して経営していける会社を探していたトライアンフとのニーズが合致しました。
こうして2社は交渉を進め、無事M&Aを成約させています。
M&Aクラウドでは、売り手であっても、買い手であっても、自ら積極的にアプローチできるシステムが大きな強みです。
積極的に買い手にアプローチし、自分の会社の課題を前向きに解決していきたい方はぜひ登録してみましょう。
多数の企業が登録するM&Aクラウドで、自社の目的に合った会社を見つけることができたという声は多くあり、今後利用者が増えるにつれてM&Aクラウドの魅力はさらに増加するでしょう。
一方で、M&Aクラウドのサービスを利用する際に注意しておきたい点もあります。
次はM&Aクラウドに登録する前に意識しておくべきポイントについて、売り手目線で解説していくのでぜひ参考にしてください。
5.M&Aクラウド利用の注意点
M&Aクラウドを利用する際に注意しておきたい点は、以下の通りです。
- 相場より安く買われてしまうケースもある
- 自力での書類作りや交渉に時間がかかってしまう
- 信頼できる買い手かどうか自分で見極めなければいけない
資金調達や事業承継を目的にM&Aクラウドへの登録を検討している方は、ぜひ事前にご確認ください。
注意点1.相場より安く買われてしまうケースもある
M&Aクラウドは安くスピーディにM&Aを実現できるサービスですが、基本は売り手と買い手が当事者同士で手続きを進めていくことになります。
そのため、M&A交渉に慣れている買い手に安値で買い叩かれてしまう可能性もあるので、M&Aに詳しい人が社内で用意できない場合不利になるケースも多いです。
売り手にとってM&Aは一度きりの決断ですが、買い手の多くは何度もM&Aで会社を買収し、成長してきている会社かもしれません。
自力で交渉を進めることに不安がある場合、また少しでも交渉を有利に進めて高値での売却を狙いたい方はアドバイザーを付けるなどして対応しましょう。
注意点2.自力での書類作りや交渉に時間がかかってしまう
M&Aクラウドの基本サービスでは、M&Aの準備や交渉、手続きを基本的にはすべて自力で行わなければいけません。
M&Aや資金調達で必要となる手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。
M&Aクラウドではアドバイザーと連絡を取り適宜アドバイスをもらうことは可能ですが、無料で交渉に同席してもらったり、代わりに資料作成をしてもらうことはできません。
M&A手続きの中で特に時間がかかってしまうのが、交渉前の段階で買い手に提出する書類作成です。
M&Aに必要な情報を過不足無くまとめるには、どうしても時間がかかってしまいます。
またアドバイザーの力を借りない場合は、交渉に時間がかかることも多いのでM&A業務が通常の業務を圧迫する可能性もあるのです。
M&Aクラウドでは買い手に提出する資料を定額で作成してくれるサービスもあるので、通常の業務で手一杯だという方は利用を検討してみましょう。
注意点3.信頼できる買い手かどうか自分で見極めなければいけない
M&Aクラウドのように自分で買い手を探すタイプのサービスで一番難しいのが、信頼できる買い手の見極めです。
M&Aクラウドに情報を登録するには一定の審査があるため、M&Aクラウドで出会う買い手はM&Aできるだけの資金があり、会社としての実績も確かな会社が多いでしょう。
しかし中には、業績悪化を隠していたり、最初から売り手を買い叩くつもりで話を進めてくる買い手もいます。
M&Aクラウドは売り手主体でM&A相手を探せるのが最大の魅力です。
アドバイザーに買い手の選び方をある程度無料で相談することはできるものの、買い手を自由に選べる分だけ選択の責任は大きくなってしまうと言えるでしょう。
無料相談で受けられるアドバイスのみでは上手く買い手を選べる自信が無いという方は別のサービスを併用したり、M&Aクラウドの有料サービスを利用するのがおすすめです。
以上が、M&Aクラウドを利用する際の注意点でした。
M&Aクラウドは非常に便利で使いやすいサービスですが、無料で受けられるサポートの範囲が広くない点には注意が必要です。
サポート面で不安がある場合は、有料サービスの利用を検討するか、M&A仲介会社などアドバイザーがトータルサポートしてくれる相談先を選びましょう。
次はM&AクラウドとM&A仲介会社を併用すべき理由について、解説していきます。
どうやってM&Aを進めるべきかお悩みの方はぜひ参考にしてください。
6.M&Aクラウドは仲介会社との併用がおすすめ

WEB上でスピーディにM&Aの買い手を探せるM&Aクラウドと併用するなら、充実したサービスが受けられるM&A仲介会社がおすすめです。
M&AクラウドなどのWEBサービスは、売り手側の手数料がほとんどかからないことに大きなメリットがあります。
しかし一方で、料金が安い分専門家のアドバイスを直接受けることができないので、M&Aの成功率は落ちてしまうと言えるでしょう。
M&Aクラウドは数多くの会社が利用しているサービスなので、無料でも充実したサポートが受けられます。
しかし、「M&Aについてあまり詳しくない」「どうやって買い手を選べば良いのか分からない」という方は、アドバイザーが直接サポートを行うM&A仲介会社も併用すべきです。
M&A仲介会社は数多くありますが、中でもぜひ一度お問い合わせいただきたいのが、M&A総合研究所です。
M&A総合研究所は、業界最安水準で最短3ヶ月というスピーディなM&Aを実現しており、資金調達目的のM&Aを含め多数のM&A支援実績を持っています。
サポートは専任アドバイザーと専任会計士による充実したものとなっているため、M&Aクラウドのご利用を考えている方はぜひM&A総合研究所もご検討ください。
7.まとめ
どんな買い手とM&Aがしたいのか明確になっている企業であれば、M&Aクラウドの利用がおすすめです。
多数の買い手の情報をチェックし、すぐにコンタクトが取れるので至急資金調達が必要な場合にも良いでしょう。
しかしM&Aクラウドの場合、無料でアドバイザーに相談することもできますが必要な手続きや買い手の選定は基本的に自分で進めることになります。
自社だけでM&Aをするのに自信がない場合、M&A仲介会社と併用したほうが良いでしょう。