薬局のM&Aは事業承継に有効!業界動向や売却に有利な条件を徹底解説

「事業承継のために薬局のM&Aを行うべきか悩んでいる。。」とお考えではないでしょうか。

近年の調剤薬局業界では、2018年に改正された報酬・薬価制度によって一部の薬局の調剤報酬が引き下げられました。

そこで制度に該当する薬局グループが、かかりつけ薬局への移行を目的にM&Aで調剤薬局を買収するケースが増加中です。

この記事では、そんな薬局業界でのM&Aを有利に成功させるための条件や注意点をご紹介します。

薬局業界のM&Aの成功事例も確認して、事業承継問題を解決しましょう。

1. 薬局のM&Aは事業承継に有効!業界動向は?

薬局のM&Aは事業承継に有効!業界動向は?

近年の薬局業界では、かかりつけの調剤薬局が買収されるケースが増加中です。

かかりつけ薬局とは、地域の病院や住民と密接な関係性を築いている薬局のことを指します。

また調剤薬局の定義をおさらいしておくと、「医師の診断に基づいた処方箋に従って、薬を調合する薬局」です。

かかりつけの調剤薬局が買収されるケース増加の背景には、2018年の報酬・薬価制度の改正が大きく関係しています。

制度改正により、薬局を買収してグループ化した買い手側の企業は調剤報酬が引き下げられてしまう恐れが生まれました。

そこで調剤報酬が引き下げられても安定して経営できるように、地域住民を囲い込める「かかりつけ薬局」をM&Aで買収するケースが増加しています。

したがって個人や中小経営のかかりつけ薬局は、M&Aで有利に売却できる可能性が高いため、事業承継が叶いやすいです。

以上、薬局業界のM&A動向について解説しました。

しかし、かかりつけの調剤薬局の他にも、近年の薬局業界ではM&Aが増加しています。

そのため、あなたの会社がかかりつけの調剤薬局でなくても、M&Aが成功する可能性は十分にあるので安心してください。

ここからは、薬局M&Aの売却価格の相場を見ていきましょう。

1−1. 薬局M&Aの売却価格の相場

薬局M&Aの売却価格の相場

薬局M&Aでの売却価格の具体的な相場は、小規模の薬局であれば1500万円〜3000万円程度が一般的です。

その一方、大手の薬局では、売却価格が10億円以上に及ぶこともあります。

薬局M&Aの売却価格の相場は、以下の3つの指標を合わせた額が基準です。

  • 時価純資産価額
  • 営業権
  • 技術料と処方箋応需枚数

M&Aでの買収を検討している場合、これらの指標を参考にして、おおよその買収価格を把握しておいてください。

専門性が高いので、不安があるならM&A仲介業者など専門家に相談するのが良いです。

それでは、それぞれの指標を順番に見ていきましょう。

時価純資産価額

売却価格の相場を決める1つ目の指標は、時価純資産価額です。

純資産とは、売り手側が所有する全ての資産から負債を差し引いた額となります。

またここで指す資産は、売り手側の薬局に備わる設備や不動産や在庫の医薬品などです。

そして時価純資産価額は、これらの純資産を時価に換算して価値相場を算出します。

営業権

売却価格の相場を決める2つ目の指標は、営業権です。

営業権は、売却する調剤薬局の営業利益から、賃借対照表に載らないリスクを引いて、買収によって得られる付加価値を足した額となります。

賃借対照表に載らないリスクの代表例は、賞与引当金や未払い費用などです。

また営業権は、調剤薬局が1年に得た利益を企業価値として算出される数値を指します。

そして営業権は、3年から5年を見込むため、価格相場は1年の営業権×3〜5年で計算されるのです。

月の技術料と処方箋応需枚数

売却価格の相場を決める3つ目の指標は、月の技術料と処方箋の応需枚数です。

1ヶ月の調剤技術料が分かると、売上に占める技術料が分かります。

また処方箋を受け付ける枚数を知ることで、調剤薬局の売上が把握できるのです。

したがって価格相場の決定には、技術料と処方箋の応需枚数が重要視されています。

以上、薬局M&Aの売却価格の相場を紹介しました。

そして、薬局業界でのM&Aでは、売却利益以外にもメリットがあります。

ここからは、薬局M&Aの売り手側のメリットを見ていきましょう。

2. 薬局M&Aの売り手側のメリット

薬局M&Aの売り手側のメリット

薬局業界M&Aにおける売り手側のメリットは、以下の4つです。

  • メリット1. 後継者を見つけられる
  • メリット2. 従業員の雇用を継続できる
  • メリット3. 調剤報酬の引き下げを避けられる
  • メリット4. 創業者利益を獲得できる

上記のようなメリットが得られるため、M&Aで売却すれば抱えている課題が解決できる可能性が高いです。

ここからは、それぞれのメリットについて順番に見ていきましょう。

メリット1. 後継者を見つけられる

メリット1. 後継者を見つけられる

M&Aを活用することで、あなたの後継者問題を解決することができます。

これまでは、親族内承継といって経営者の息子や兄弟に会社を引き継ぐのが一般的でした。

しかし、子供や兄弟に会社を引き継ぐ意思が無かったり、経営者自身が会社を任せるのを不安に感じることも少なくありません。

あなたが後継者で悩んでいるならば、M&Aを活用して第三者に薬局を売却することを考えましょう。

M&Aを活用すれば、これまで成長させてきた薬局を信頼できる企業の中で存続させることができます。

後継者がいなくても廃業を避けられるので、会社を引き継ぐ人がいない経営者には大きなメリットです。

メリット2. 授業員の雇用を継続できる

メリット2. 授業員の雇用を継続できる

M&Aを活用して売却することで、あなたの薬局の従業員は雇用が守られます。

もしも後継者不足を理由に廃業してしまうと、あなたの会社の従業員は職を失い路頭に迷ってしまうのです。

したがって第三者に会社を売却することは、従業員が職を失わずに済むのでメリットであると言えます。

さらに優良企業とM&Aすることによって、以前より従業員の待遇が良くなる可能性もあるのです。

このように経営者だけでなく、従業員にとってもM&Aはメリットとなります。

メリット3. 調剤報酬の引き下げを避けられる

メリット3. 調剤報酬の引き下げを避けられる

M&Aを活用して売却することで、調剤報酬の引き下げを避けられる可能性があります。

2018年の報酬・薬価制度の改正により、調剤報酬の引き下げ要件に該当する企業はこれまでのように利益を得られなくなりました。

薬局がグループ化していると、超最報酬が引き下げられる可能性が出てきたのです。

そのため門前薬局や薬局グループを形成している企業が、引き下げ要件の適用を受けないように、店舗を手放すケースがあります。

ちなみに門前薬局とは、病院のそばにある薬局のことです。

引き下げ要件の該当基準は、グループ全体の処方箋の受付回数が1ヶ月に4万回を超えていて、処方箋の集中率が95%を超えている企業となります。

したがってこれらの条件に当てはまる薬局グループが、収益を維持するための対策として、M&Aによって薬局を売却するケースが増加しているのです。

あなたの薬局で調剤報酬の引き下げに不安があるのなら、M&Aによってグループ内の一部事業の売却を考えてみてください。

メリット4. 創業者利益を獲得できる

メリット4. 創業者利益を獲得できる

M&Aで薬局を売却することで、創業者利益の獲得が見込めます。

創業者利益とは、オーナー株主が会社創業時から持っていた株式を第三者に売却して得られる利益のことです。

創業時には、株式の価値は小さいのが一般的ですが、事業が大きくなるにつれて、会社の経済的な価値は増加します。

会社の経済的価値が上がるにつれて、1株あたりの価値も上がっていくのです。

M&Aでの会社売却は、大きな含み益のある株式を売却することに他ならないので、ここで多額の利益が生じる可能性があります。

このようにM&Aを行うことで、創業者としての利益が手に入るというメリットがあるのです。

創業者利益の目安額は、株式の時価や保有株数にもよりますが数千万円〜3億円程度となります。

以上、薬局のM&Aにおける売り手側のメリットを紹介しました。

さまざまな売り手側のメリットをご紹介しましたが、薬局のM&Aでは買い手側にもメリットがあります。

ここからは、薬局のM&Aを行う買い手側のメリットを見ていきましょう。

3. 薬局M&Aの買い手側のメリット

薬局M&Aの買い手側のメリット

薬局業界M&Aにおける買い手側のメリッは、以下の3つです。

  • メリット1. 人材を確保できる
  • メリット2. 容易に新規市場が開拓できる
  • メリット3. かかりつけの患者さんを囲い込める

買い手側にとっても多数のメリットがあるので、あなたの薬局を買いたいという人が出てくる可能性が高いです。

これら3つの買い手側のメリットをチェックして、M&Aの戦略作りに役立ててください。

メリット1. 人材を確保できる

メリット1. 人材を確保できる

M&Aで薬局を買収することで、人材を確保することができます。

薬局の運営に必要不可欠である薬剤師を募集するには、手間と費用がかかるのです。

加えて中途採用となると、大手のチェーン店に応募が集まる傾向があります。

なぜなら小規模の調剤薬局では、福利厚生がしっかり備わっていなかったり、業務量が比較的多い傾向があるためです。

そのため小規模の調剤薬局では、思うように人材を獲得することができません。

したがってM&Aで既存の薬局を買収できれば、薬剤師を引き継げるので容易に人材を確保できるメリットがあるのです。

メリット2. 容易に新規市場が開拓できる

メリット2. 容易に新規市場が開拓できる

M&Aで薬局を買収することで、容易に新規市場を開拓することができます。

薬局業界において新規の市場を探したり、他の業種から参入する場合、多くの費用と時間が必要です。

M&Aを利用して買収することで、市場調査・物件の確保・仕入先の選定・設備の導入などを短時間で済ませられます。

つまり通常では必要となる、出店地域のデータ収集や物件を探したりする手間を省くことができるのです。

したがってM&Aでの買収は、他の業種から参入を考える買い手側にとってメリットとなります。

メリット3. かかりつけの患者さんを囲い込める

メリット3. かかりつけの患者さんを囲い込める

M&Aで薬局を買収することで、かかりつけの患者さんの囲い込みが見込めます。

営業を行っている調剤薬局を買収すると、かかりつけの患者さんを引き継ぐことが可能です。

地域住民の利用を促すことで、M&Aの直後から売上の計上が見込めます。

これにより、事業を軌道に乗せるまでの時間を短縮することも可能です。

したがって、かかりつけ調剤薬局として営業している店舗の買収は、買い手側にとってメリットとなります。

以上、薬局業界M&Aの買い手側のメリットを紹介しました。

売り手と買い手の双方にメリットがあるのなら、ぜひM&Aを行いたい」と思った人も多いはずです。

メリットが分かったところで、ここからは具体的な成功事例を確認しておきましょう。

4. 薬局業界M&Aの成功事例5選

薬局業界M&Aの成功事例5選

ここからは、薬局業界M&Aでの成功事例を5つ紹介します。

  • 事例1. アインHDと新潟の調剤薬局2社
  • 事例2. ソフィアホールディングスとケイアンドワイ
  • 事例3. メディカル一光とエファー
  • 事例4. カメイとM2メディカル
  • 事例5. メディカルシステムネットワークとアポテック

これら5つの成功事例の目的と意義を確認して、あなたのM&A戦略に活かしましょう。

事例1. アインHDと新潟の調剤薬局2社

事例1. アインHDと新潟の調剤薬局2社

最初にご紹介するのは、アインHDと新潟県の調剤薬局2社の事例です。

2018年、アインHDは、コム・メディカルABCファーマシーの2社の株式を取得して子会社としました。

買収された2社は、新潟県を中心に56店舗を構えて、地域樹民の医療ケアを手がけています。

買収の目的は、地域密着型の薬局を目指すために、かかりつけ薬剤師と薬局の強化を図ることです。

アインHDが掲げたこの方針に、2社の事業がマッチしていると考え、買収を決めました。

事例2. ソフィアホールディングスとケイアンドワイ

事例2. ソフィアホールディングスとケイアンドワイ

2つ目の事例は、ソフィアホールディングスとケイアンドワイの事例です。

2018年、ソフィアホールディングスは、ケイアンドワイが所有する2つの薬局(オリーブ薬局ソレイユ薬局)を買収しました。

買収されたオリーブ薬局とソレイユ薬局は、岩手県の盛岡市で薬局事業を展開していました。

買収の目的は、事業の選択と集中のためであるとして、2社が事業展開する地域へのスムーズな進出を狙ったものです。

M&Aでの買収により、ソフィアホールディングスは調剤薬局向けのシステム開発事業から手を引きました。

そして調剤薬局事業へ進出することで、経営の立て直しを図っています。

事例3. メディカル一光とエファー

事例3. メディカル一光とエファー

3つ目の事例は、メディカル一光とエファーの事例です。

2018年、メディカル一光は、調剤薬浴を運営するエファーの全株式を取得して子会社としました。

買収されたエファーは、埼玉県に店舗を構えています。

買収の目的は、調剤薬局事業の拡大と地盤を強化することです。

現在のメディカル一光は、埼玉県内のグループ店舗を3つに増やして、調剤事業の拡大を促しつつ収益の増加を図っています。

事例4. カメイとM2メディカル

事例4. カメイとM2メディカル

4つ目の事例は、カメイとM2メディカルの事例です。

2018年、カメイは、宮城県仙台市に拠点を構えるM2メディカルの全株式を取得して子会社としました。

これにより、M2メディカルが展開する2店の調剤薬局をグループの傘下に加えたのです。

買収の目的は、調剤薬局事業を強化することです。

現在は、カメイが構える仙台市の16店舗に2店舗を加えて、かかりつけ薬局による地域へのサポート力の向上を図っています。

事例5. メディカルシステムネットワークとアポテック

事例5. メディカルシステムネットワークとアポテック

最後にご紹介するのは、メディカルシステムネットワークとアポテックの事例です。

2017年、メディカルシステムネットワークは、青森県八戸市に本社を構えるアポテックの全株式を取得して子会社としました。

買収されたアポテックは、在宅医療のノウハウを所有しています。

買収の目的は、かかりつけ薬局の強化とドミナント戦略による収益の向上を図ることです。

現在のメディカルシステムネットワークは、アポテックのノウハウを利用してサービスを強化を図っています。

さらにドミナント化により、東北地方の店舗を増やして、効率の良い経営を目指しているのです。

以上、薬局業界M&Aの5つの成功事例でした。

5つの成功事例を見て、実際にM&Aを行いたいと思った人も多いはずです。

ここで、薬局M&Aでの売却に有利となる2つの条件を見ていきましょう。

5. 薬局M&Aでの売却に有利な2つの条件

薬局M&Aでの売却に有利な2つの条件

薬局業界でのM&Aは非常に盛んですが、どんな会社でもM&Aで有利に売却できるというわけではありません。

薬局業界のM&Aにおいて、売却に有利となるのは以下の2つの条件を満たすことです。

  1. 高い基本調剤料を得ている
  2. 良い売却タイミングで売りに出せる

ここからは、それぞれの条件について順番に見ていきましょう。

条件1. 高い基本調剤料を得ている

条件1. 高い基本調剤料を得ている

薬局が高い基本調剤料を得ていると、M&Aで売却する際に有利となります。

なぜなら2018年に報酬・薬価制度が改正されたことで、薬局の基本調剤料が減らされるケースが増加したためです。

そこで高い調剤報酬料を得ている薬局を買収して、経営改善を図る事例が相次いでいます。

したがって、高い調剤料を得ている薬局であれば、M&Aで売却する際に有利となる可能性が高いのです。

基本調剤料の目安ですが、25点以上あれば比較的高いと言えるでしょう。

条件2. いつでも売却できるよう準備できている

条件2. いつでも売却できるように準備できている

いつでも売却できるよう準備できていることも、薬局M&Aで売却する際に有利となる条件です。

現在は売り手市場と言われている薬局業界のM&Aですが、時間が経つことで買い手市場へと移行する可能性があります。

たとえば、これまで中小規模の薬局を買収していた大手薬局チェーンが、大規模薬局の買収に踏み切るというケースも考えられるのです。

このようなM&A市場の性質上、いつでも売却できるよう準備しておくことは、有利な条件で売却できる可能性を高めます。

したがって、M&Aでの売却の準備ができていない場合には、準備をスムーズに済ませられるM&A仲介会社の利用を検討してみてください。

以上、薬局M&Aでの売却に有利な条件を紹介しました。

これら2つの条件を押さえておけば、薬局を有利に売却できる可能性が高いです。

しかし、薬局業界のM&Aには注意するべき点もあるので確認しておきましょう。

6. 薬局M&Aの注意点は?

薬局M&Aの注意点は?

薬局業界におけるM&Aの注意点は、以下の2つです。

  1. M&A先の文化に馴染めないことがある
  2. 医師の理解が得られないことがある

薬局業界で生き残っていくために、M&Aは非常に有効な手段です。

しかしM&Aには注意しておきたいポイントもあり、メリットだけでM&Aを決断してしまうのはお勧めしません。

ここからは、それぞれの注意点と解決方法について順番に見ていきましょう。

注意点1. M&A先の文化に馴染めないことがある

注意点1. M&A先の文化に馴染めないことがある

M&Aを行う前に、相手先企業の社風について可能な限り調べておいてください。

なぜならM&Aが成立しても、相手企業の文化に馴染めずに期待していたメリットが得られない可能性があるためです。

近年の薬局業界のM&Aでは、企業の統合を急ぐ傾向にあります。

しかしその結果、相手先企業の文化に馴染めなかった薬剤師が退職してしまうケースが少なくないのです。

特に地域に密着したかかりつけ薬局である場合には、人材流出はその後の経営にも大きな影響を与えます。

したがって、多少時間を掛けてでも、M&A先とのトラブルは可能な限り避けるようにしましょう。

注意点2. 医師の理解が得られないことがある

注意点2. 医師の理解が得られないことがある

M&Aでの売却の有用性について、主な処方元となっているクリニックの医師から理解を得ておくようにしてください。

なぜなら売却する薬局が地域に根ざしている場合、地元クリニックの医師との繋がりはとても重要になるためです。

M&Aによる薬局の買収は、事業承継に向けた前向きな決断であると言えます。

しかし医師からの理解が得られないと、M&A実施後に客数が激減してしまう恐れがあるのです。

このように医師が処方先薬局を変更してしまうと、経営に大きな影響を及ぼします。

これは、M&A後に買い手側とのトラブルになってしまう原因にもなるのです。

したがって、医師からの理解を得ておくために、M&Aでの売却の有用性について、きちんと説明をしておきましょう。

以上が、薬局のM&Aを行う際の注意点でした。

M&Aを行う際には、以上の2つの注意点について気をつけてください。

「薬局のM&Aにはどれくらいの期間がかかるのだろう?」と疑問に思う人も多いはずです。

ここからは、薬局のM&Aを行うために必要な期間について見ていきましょう。

7. 薬局のM&Aを行うのに必要な期間

薬局のM&Aを行うのに必要な期間

調剤薬局のM&Aを完了するまでにかかる期間は、6ヶ月から1年ほどが一般的です。

しかしいくつかの原因によって、交渉が長引いてしまうことがあります。

その原因の1つ目が、売り手側の薬局の業績が落ち込んでいるケースです。

買い手側は、業績が良く、利益を上げられる企業を探しています。

そのため、長きに渡って業績が落ち込んでいる薬局には、買い手がつくまでに時間がかかるのです。

原因の2つ目は、権利関係の交渉で長引いてしまうケースとなります。

調剤薬局を売却するときは、株主・物件の所有者・病院・診療所への許可が必要です。

調剤薬局が売却されることによって利益が失われる場合、上記のような権利者は交渉に反対します。

このようなケースでは納得する条件を提示したり、交渉によって理解を求めなくてはなりません。

したがって、これらの交渉のためにM&Aが長期に渡ってしまうことがあるのです。

以上、薬局のM&Aを行うために必要な期間を紹介しました。

M&Aの際には、想定していた以上に期間が長引くことがあるので注意してください。

そして、薬局のM&Aを成功させるためには、専門家である仲介会社に相談するのが最適です。

8. 薬局のM&Aは仲介会社に相談しよう

薬局のM&Aは仲介会社に相談しよう

薬局業界でのM&A事例は数多くありますが、自社の希望に合うパートナーを一から探すのは非常に大変だと言えます。

そこで活用したいのが、M&A仲介会社です。

M&A仲介会社に相談すれば、自社の要望に合った買い手を見つけてくれるだけでなく、M&Aに必要な手続きまでサポートしてもらえます。

M&A仲介会社に仲介を依頼する場合、契約までの手数料は、おおよそ150万円ほどです。

そして、成功費用は譲渡価格6000万円以下のM&Aで350万円ほどとなっています。

多くの仲介会社では無料相談サービスを行っており、薬局M&Aに不安を感じている人や自社の売却価格について気になる人は、まず仲介会社に相談するのがおすすめです。

M&A仲介会社に相談すれば、高値で買い取ってもらえるように経営状態を整えるためのアドバイスももらえます。

M&A仲介会社に関しては、『【M&A仲介会社BEST5を発表】有名企業5社を徹底比較!!』が参考になるはずです。

M&A仲介会社に相談して、効率的にパートナー探しを進めると良いでしょう。

それでは最後に、調剤薬局の業界構造を理解する上で便利となる、調剤薬局業界の主要企業TOP10について確認しておきましょう。

9. 【補足】調剤薬局の主要企業TOP10

【補足】調剤薬局の主要企業TOP10

M&Aで調剤薬局を売却するときは、調剤薬局業界の主要企業について知っておくことで、業界の動向やM&A相手の経営状況をより深く理解できます。

ここでは、調剤薬局業界の主要TOP10社の売上高を、その前年度比や店舗数と合わせて見ていきましょう。

M&Aでの売却を考えている場合には、調剤薬局の業界構造を理解する上で参考にしてください。

主要企業 売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
アインホールディングス 238,645 107.6 1,029
日本調剤 205,192 108.4 585
クオール 135,109 112.0 718
総合メディカル 110,329 114.5 687
スズケン 99,550 101.8 220
東邦ホールディングス 98,019 102.3 749
メディカルシステムネットワーク 87,172 106.8 399
アイセイ薬局 61,518 104.8 255
フォーマライズホールディングス 43,202 104.8 255
トーカイ 43,042 105.7 122

メリットや成功事例と合わせて押さえておくことで、調剤薬局業界のM&Aを有利な条件で成功させましょう。

まとめ

薬局業界のM&Aでは、報酬・薬価制度改正によるかかりつけ薬局への移行を目的に、門前薬局やグループ薬局からの買収ケースが増加傾向にあります。

ただし、自社だけでM&Aを完結させるのは非常に大変です。

信頼できるM&A仲介会社に相談して、経営している薬局の課題を前向きに解決していきましょう。