IT企業における事業譲渡の最新事例25選!業界動向を解説

IT企業における事業譲渡の最新事例25選!業界動向を解説

近年のIT業界は、ビッグデータやクラウドサービスの技術発達に伴い、各方面から注目を集めるようになっています。

ビジネス領域において大きな存在感を示しており、IT会社の事業譲渡・M&Aの活性化にも繋がっています。本記事では、IT会社の事業譲渡の最新事例と業界動向を解説します。

IT会社とは

IT会社とは

「IT系企業」という言葉を耳にする機会は多いと思いますが、実際にIT会社の定義を把握している人はあまり多くありません。

一口にIT会社といってもその分野は細分化されており、それぞれの担う役割は大きく異なります。

【IT会社の主な分野】

  1. ソフトウェア
  2. ハードウェア
  3. 情報処理
  4. 通信インフラ
  5. インターネットサービス
  6. クラウドサービス

一般的には、上記の分野を手がける会社をIT会社と呼んでいます。全てに共通する点は開発系であることですが、サービス内容は全く異なります。

事業譲渡とは

事業譲渡とは、事業あるいは事業の一部を譲渡(売却)するM&A手法です。事業譲渡の特徴は、会社の経営権は手放さないことです。

譲渡範囲を自由に選択できるので、事業の選択と集中に活用されることが多くなっています。

IT会社の事業譲渡においては、受注単価の値下げが厳しいものや技術者が足りていない部署の譲渡(売却)がよく見受けられる事例です。

その他のM&A手法

IT会社のM&Aで用いられる手法は、事業譲渡以外にも株式譲渡や会社分割」などがあります。

株式譲渡

株式譲渡とは、売り手が保有する株式を売却することにより、経営権を移転する手法です。

会社自体に起こる変化は株主(経営者)の入れ替わりだけであり、人材の転籍や特許権の移転などの煩雑な手続きを省略できるので簡便に済ませられる特徴があります。

会社分割

会社分割とは、事業あるいは事業の一部を包括的に承継する手法です。承継先を新設会社とする「新設分割」と既存会社とする「吸収分割」の2つに分けられます。

事業譲渡と決定的に異なる点は、包括的な承継であることです。分割対象を事業としながらも、権利義務に関して個別に同意や許可を取る必要がなく、包括的な承継と会社の存続を両立させた手法といえます。

関連】会社分割とは?4つの種類や税務・メリットやデメリット・事業譲渡との比較について解説

IT会社業界が直面している問題

IT会社業界が直面している問題

IT会社の事業譲渡・M&Aが活性化している理由のひとつに、IT業界が直面してる問題があります。ここでは、特に深刻な3つの問題について解説します。

【IT会社業界が直面している問題】

  1. 価格競争が激しく報酬の単価が低下している
  2. 深刻な技術者不足が経営を圧迫している
  3. サービスの多様化が求められつつある

①価格競争が激しく報酬の単価が低下している

1つ目の問題は、同分野の競争激化による受注単価の値下げです。ビジネスモデルや技術面で差別化が図れない競合他社とは、値下げ競争に発展してしまうケースが多くなっています。

大会社であれば、物量を活かした薄利多売戦略も有効ですが、中小の会社は歯止めが効かなくなり結果的に売上が減少する事態に陥りがちです。

②深刻な技術者不足が経営を圧迫している

2つ目は、事業を展開するために必要な技術者不足問題です。いくつか理由は考えられますが、特に影響が強いものは、IoT化の進展と既存技術者の高齢化の2つがあります。

IoT化の進展

近年はさまざまなモノのIoT化が進んでいます。少し古い例では、テレビゲーム機があります。

ファミリーコンピュータの時代から考えれば、インターネットに接続して世界中の人とテレビゲームで遊ぶなど想像もできないことでした。

現在では、IoT家電があります。スマートスピーカーやスマートホームは既に普及が進んでおり、AmazonやGoogleなどのIT大会社もこぞって新製品を発売しています。

さまざまなモノとインターネットを繋ぐIoT化の進展によって、多様業界でIT技術者が求められるようになっています

既存技術者の高齢化

これまで、基幹システムの開発を担っていた技術者の高齢化による引退も問題のひとつです。

もちろん後続となる若手技術者もIT業界に参入してはいますが、ゲームやWeb系の分野に流れる傾向が強くなっています。

会社の根幹となる基幹システムの開発・管理を担当できる技術者が、世界中で不足し始めている状況がみられます。

③サービスの多様化が求められつつある

3つ目の問題は、サービスの多様化です。消費者目線からは喜ばしいことですが、開発に携わる身からすると移り変わりが激しすぎて対応が追いつかないという問題もあります。

実際、IT業界の最大手であるGoogleやAppleですら、対応しきれていないのが現状です。現に、ITスタートアップの事業譲渡・M&Aによる買収を繰り返しており、技術者の確保が課題となっているのが伺えます。

IT会社業界の今後の動向予測

IT会社業界の今後の動向予測

IT会社や業界は目まぐるしい進化を続けています。また、他業種に与える影響の大きさから世界的に注目を集めている業種でもあります。この章では、IT会社や業界の現状を確認しつつ、今後の事業譲渡・M&A動向を予測していきます。

【IT会社業界の今後の動向予測】

  1. ビッグデータの普及・活用の需要拡大
  2. 幅広い業種でクラウドサービスの需要増加
  3. IT会社業界の事業譲渡・M&A動向

①ビッグデータの普及・活用の需要拡大

ビッグデータを直訳すると「大きいデータ」となりますが、単純なデータの大きさを意味するだけの言葉ではありません。大きく分けて5つのVに分けることができます。

【ビッグデータ:5つのV】

  • Volume(容量)・・・既存の技術とは掛け離れた保存量
  • Variety(種類)・・・画像や音声などの非構造データへの対応
  • Velocity(速度)・・・リアルタイムなデータ生成・分析
  • Veracity(精度)・・・データの信憑性の判断
  • Value(価値)・・・ビッグデータを活用して得られる価値

これだけの価値を含むビッグデータはあらゆる可能性を秘めており、その活用法について日々研究が進められています。

②幅広い業種でクラウドサービスの需要増加

クラウドサービスは、生産性向上やコスト削減に繋がるとして、幅広い業種で導入が進んでいます。

【3種類のクラウドサービス】

  • SaaS・・・ソフトウェアを提供
  • PaaS・・・開発環境を提供
  • IaaS・・・インフラ(開発基盤)を提供

IT会社は、これらのクラウドサービスを使って、さまざまな製品・サービスを開発しています。

実際に提供されているサービスには、Googleの「Gmail」や「Googleストレージ」などがあり、これらのサービスを日常的に利用していて手放せないという方も多くなっています。

既に私生活に浸透しきっているといってもよいクラウドサービスですが、まだまだ利用範囲は広がっていくことが期待されています。

③IT会社業界の事業譲渡・M&A動向

IT会社や業界全体の事業譲渡・M&Aは、活性化の一途を辿っています。2018年の国内IT会社のM&A件数は1,070件(レコフ調べ)という結果が出ており、IT需要が高まっていることが分かります。

大きく影響しているのは、ビッグデータとクラウドサービスです。これらの技術と無関係な業界は存在しないので、IT業界の成長は世界の成長に直結していることが分かります。

今後もIT業界の市場規模の拡大は進み、様々なIT会社が技術革新を目指すことになることが想定されます。

その際の手段として、事業譲渡・M&Aによる事業規模の拡大を図る会社が続出すると予測されます。

IT会社の評価を高めるポイント

IT会社の評価を高めるポイント

IT会社の事業譲渡・M&Aを検討する際は、あるポイントを押さえておくことで売却益を高めることができます。ここでは、特に重要な2つのポイントを紹介します。

【IT会社の評価を高めるポイント】

  1. 技術力が確かな人材が多くいる事
  2. 知的財産・特許などを持っている事

①技術力が確かな人材が多くいる事

ここまで何度か技術者に触れてきましたが、IT業界の技術者不足は深刻化しています。従来は「IT人材の採用」が主でしたが、「非IT人材のIT人材への育成」に注力するIT会社も現れるほどです。

IT技術者の価値は高まりをみせており、さらに特別な技術を有する人材であれば、事業譲渡・M&Aにおいても買手から高い評価を得られます。

②知的財産・特許などを持っている事

事業譲渡・M&Aにおいて知的財産・特許は人材に次ぐアピールポイントになります。

既に製品・サービス化されているものもあれば、将来的な活用が期待できるものまで、あらゆるものにおいて高い評価を受ける可能性があります。

これらの知的財産権は無形資産なので、純資産には直接反映されませんが、事業譲渡・M&Aを実施する時は適切な評価を行って売却額へと反映させます。

IT会社の事業譲渡・M&Aは分野がポイント

IT会社の事業譲渡・M&Aは分野がポイント

IT会社は、大きく分けて6分野に分けられます。ここでは、それぞれの事業譲渡・M&Aにおける需要について解説します。

ソフトウェア関連

ソフトウェアとは、コンピュータ上で処理を行うプログラムのことです。

【ソフトウェア】

  • オペレーティングシステム(Windows・Mac・Linux・Android・iOS)
  • アプリケーションソフト(Word・Excel・メモ帳等)
  • ミドルウェア(データベース管理システム等)

特に、アプリケーションソフトの範囲は多岐に渡り、ビジネス用のソフトから娯楽用のソフトまで幅広い特徴があります。消費者に近い分野でもあり、IT業界のなかでも影響力は大きいといえます。

ハードウェア関連

ハードウェアは、目に見えるモノ全般を指します。ソフトウェアがプログラムならば、ハードウェアは入れ物ということになります。

【ハードウェアの代表例】

  • モニター
  • キーボード
  • マウス
  • プリンター

従来は、上記のようなシンプルなハードウェアが多かったですが、近年は高度なプログラムを搭載するハードウェア(スマートフォン・家電等)も増えてきており、IT業界における境界線が曖昧になりつつあります。

情報処理関連

情報処理は、情報システム等で利用されるサービスの企画・開発・運用を担います。システムインテグレータ(SI)とも呼ばれています。

基本的に、ソフトウェア・ハードウェアの両方の精通しており、協力先会社との連携で一つのシステム開発を目指す特徴があります。

通信インフラ関連

通信インフラは、通信回線や通信機器の総称です。近年の伝達情報量の増加に伴い、通信インフラの整備が急務とされています。

【通信インフラの代表例】

  • 電話回線
  • 光ファイバー
  • 通信会社の回線施設
  • データセンター

通信・設備の大容量化・高速化を図るため、事業譲渡・M&Aも今後活性化するとみられています。

インターネットサービス関連

インターネットサービスは、インターネット上で公開されるサービスの総称です。代表例は以下の物が挙げられます。

【インターネットサービスの代表例】

  • ウェブサイトの制作・運営
  • SNS・ブログ
  • ECサイト
  • インターネットバンキング

日常的に利用されているものも多く、SNSの拡散力やEC市場の拡大など、目を見張るものがあります。

また、スマートフォンの普及によって、新たなサービスの開発も見受けられるようになりました。開発直後から世界中に発信できるという特性からも、IT業界における爆発力は高いことが分かります。

クラウドサービス関連

クラウドサービスは、あるサービスをネットワーク経由で利用できるサービスの総称です。

【クラウドサービスの代表例】

  • オンラインストレージ(Googleドライブ・iCloud・Yahoo!ボックス等)
  • サーバーシステム
  • 決済システム
  • 会計システム
  • オンラインゲーム

導入の手軽さやコスト削減などのメリットから注目が集まっており、クラウドサービスの開発を手がけるIT会社も事業譲渡の際に高い評価を受ける傾向にあります。

IT会社の事業譲渡のポイント

IT会社の事業譲渡のポイント

IT会社がM&Aを実施する際の有効な手法として事業譲渡があります。ここでは、IT会社の事業譲渡のポイントを解説します。

IT会社を事業譲渡する際の注目点

IT会社を事業譲渡する際は、以下のポイントに注目してみるとよいでしょう。

【IT会社を事業譲渡する際の注目点】

  1. システム引き継ぎの準備
  2. 技術者の流出対策

システム引き継ぎの準備

事業譲渡する際の1つ目のポイントは、システム引き継ぎに関してです。社内で開発したシステムを少人数で管理している場合、社内における利用に最適化されてしまい、他社への引き継ぎが困難な状態になることがあります。

買い手としては即座に運用したいものなので、事業譲渡の際はスムーズに引き継ぎできるように準備しておくと喜ばれます。

技術者の流出対策

事業譲渡の場合、技術者の転籍について個別に同意を得る必要があります。特にI、T技術者は引く手あまたなので、事業譲渡先とは関係のない他社から声がかかっている可能性もあります。

転籍後の待遇については、しっかり説明を行ったうえで流出対策を徹底しなければなりません。

【関連】事業譲渡とは?仕組みや手続きを理解し、効果的に事業を売却しよう!

IT会社の事業譲渡事例25選

ここでは、IT会社の事業譲渡事例を25選紹介します。

【IT会社の事業譲渡事例】

  1. スカラによるあいホールディングスへの事業譲渡
  2. グローバルサーチによるアルメディオへの事業譲渡
  3. アドウェイズによるLINEへの事業譲渡
  4. アクロスによるコムチュアへの事業譲渡
  5. PoliPoliによる毎日新聞社への事業譲渡
  6. アルムからデータセクションへの事業譲渡
  7. ティアックオンキョーソリューションズからフリービットへの事業譲渡
  8. リアルワールドによるサイブリッジグループへの事業譲渡
  9. メンバーによるログリー・インベストメントへの事業譲渡
  10. ジャパンシステムによる両備システムズへの事業譲渡
  11. maneoマーケットによるSAMURAI証券への事業譲渡
  12. ネクソンによるジーアールドライブへの事業譲渡
  13. HITによるイードへの事業譲渡
  14. デジタルポストによるソースネクストへの事業譲渡
  15. アイフリーモバイルによるVカレンシーへの事業譲渡
  16. インタラクティブブレインズによるクリー・アンド・リバーへの事業譲渡
  17. ネクスト・セキュリティによるMSDホールディングスへの事業譲渡
  18. ライナフによるアズームへの事業譲渡
  19. トライステージによるティーライフへの事業譲渡
  20. ナビプラスによるアイビーシーへの事業譲渡
  21. D2Cによるアルーへの事業譲渡
  22. TATEITOによる共同ピーアールへの事業譲渡
  23. 東芝デジタルソリューションズによるソードへの事業譲渡
  24. アビストによるアレクソンへの事業譲渡
  25. 三菱電機による日立製作所への事業譲渡

1.スカラによるあいホールディングスへの事業譲渡

2018年7月10日、スカラが手がけるメンタルスコープ事業・サクションスコープ事業・ビデオトランスミッタ事業が、あいホールディングスへ事業譲渡されました。

あいホールディングスは、グループ全体の事業のIoT化を進めており、今回の事業譲渡では事業のクラウド化・AI化も促進するとしています。

2.グローバルサーチによるアルメディオへの事業譲渡

2017年5月31日、グローバルサーチが手がける不動産総合比較サイト「イヌカレ」のアルメディオへの事業譲渡が実施されました。

新たな収益事業の早期育成を目指すアルメディオは、今回の事業譲渡の目的をインターネット広告やWebビジネスの顧客基盤の獲得としています。

3.アドウェイズによるLINEへの事業譲渡

2017年4月1日、アドウェイズの非連結子会社が手がけるソフトウエア開発事業のLINEのグループ会社への事業譲渡が実施されました。

技術力を十分に活かしたソフトウェア開発事業は、LINEグループに大きく貢献するとして、今回の事業譲渡に踏み切ったとしています。

4.アクロスによるコムチュアへの事業譲渡

2016年12月1日、アクロスが手がけるソーシャル事業(名古屋地区のIBM社)のコムチュアへの事業譲渡が実施されました。

コムチュアは、名古屋営業所の開設を予定しており、今回の事業譲渡で譲受したソーシャル事業を中核として中部圏における事業拡大を図るとしています。

5.PoliPoliによる毎日新聞社への事業譲渡

2018年6月11日、PoliPoliが手がける俳句のSNSアプリ「俳句てふてふ」の毎日新聞社への事業譲渡が発表されました。

俳句てふてふは、誰もが気軽に俳句を投稿できるアプリとして、幅広い層から人気を博していました。

毎日新聞が保有する俳句事業との連携によって、双方の価値を高めていく方針を明かしています。

6.アルムからデータセクションへの事業譲渡

2018年7月10日、アルムが手がける顧客行動分析ツール「FollowUP」のデータセクションへの事業譲渡が発表されました。

FollowUPは、店舗内カメラを通して入店客の行動分析を行うツールです。データセクションが保有するAIの画像解析技術との組み合わせにより、分析ツールの精度向上を図っていくとしています。

7.ティアックオンキョーソリューションズからフリービットへの事業譲渡

2018年6月1日、ティアックオンキョーソリューションズが手がける介護支援システム事業「コメットケア」のフリービットへの事業譲渡が実施されました。

コメットケアは、介護現場で必須であるケア記録を簡単に入力・共有できるシステムです。フリービットが注力するヘルスケア分野とのシナジー効果が期待されるとして、今回の事業譲渡へと至りました。

8.リアルワールドによるサイブリッジグループへの事業譲渡

2020年2月26日、リアルワールドの子会社リアルXが手がけるポイントサービス「Gendama」のサイブリッジグループへの事業譲渡が発表されました。

リアルワールドは成熟しつつあるポイントアフィリエイト市場から撤退することで、選択と集中を推進させ、他のクラウウドソーシング事業に注力するとしています。

9.メンバーによるログリー・インベストメントへの事業譲渡

2020年1月28日、メンバーが手がけるメンバー募集サイト「Member」のログリー・インベストメントへの事業譲渡が発表されました。

Memberは、プロジェクト・スタートアップの立ち上げメンバーの募集サイトです。時代に即したサービスであるという判断から、ログリー・インベストメントの投資事業の一角として、活用を推進させていくことを明らかにしています。

10.ジャパンシステムによる両備システムズへの事業譲渡

2019年12月26日、ジャパンシステムが手がけるセキュリティ事業の両備システムズへの事業譲渡が発表されました。

他要素認証ソリューション「ARCACLAVIS」を中心に、マイナッバー制度や自治体情報システムのセキュリティ強度の強化を手掛けています。

今後の技術進歩に対応するために必要な技術と判断されたことで、今回の事業譲渡へと至りました。

11.maneoマーケットによるSAMURAI証券への事業譲渡

2019年12月25日、maneoマーケットが手がけるソーシャルレンディングサービスサイト「さくらサイト」のSAMURAI証券への事業譲渡が発表されました。

さくらサイトは、地方創生をメインテーマに掲げているとして大きく注目されていました。今回の事業譲渡を受けて、SAMURAIが運営するクラウドファンディングサイト「SAMURAI」の利便性向上を図るとしています。

12.ネクソンによるジーアールドライブへの事業譲渡

2019年12月24日、ネクソンの子会社gloopsが手がけるソーシャルアプリケーション事業のジーアールドライブへの事業譲渡が発表されました。

ネクソンは今回の事業譲渡を事業の選択と集中としており、今後は長期的な視野から自社グループの成長を図るとしています。

13.HITによるイードへの事業譲渡

2019年12月11日、HITが手がけるグルメ情報メディア「めしレポ」のイードへの事業譲渡が発表されました。

めしレポは複数のグルメメディアで高評価を得ているグルメ情報をまとめるサイトです。IT・セキュリティを中心に幅広いメディアを手がけるイードは、専門性の高いグルメメディアも取得することとなりました。

14.デジタルポストによるソースネクストへの事業譲渡

2019年9月26日、デジタルポストが手がける「Digital POST」のソースネクストへの事業譲渡が発表されました。

Digital POSTはパソコンやスマートフォンからデジタルに手紙・ハガキを送付するサービスです。ソースネクストが自社で開発をすすめるはがき作成ソフトの提供価値拡大が目的とされています。

15.アイフリーモバイルによるVカレンシーへの事業譲渡

2019年9月2日、アイフリーモバイルが手がけるクラウドファンディング事業のVカレンシーへの事業譲渡が発表されました。

アイフリーモバイルは知的財産を活用した購入型のクラウドファンディングサイトを運営していましたが、投資回収が困難と判断されて今回の事業譲渡へと至りました。

16.インタラクティブブレインズによるクリー・アンド・リバーへの事業譲渡

2019年9月2日、インタラクティブブレインズが手がける開発事業のクリー・アンド・リバーへの事業譲渡が発表されました。

今回の事業譲渡対象は、3DCGアバター・VR・コンテンツなどの開発事業です。クリーク・アンド・リバーは自社の中核事業の一つであるゲーム分野においてコンテンツ開発能力を強化できる見込みがあるとしています。

17.ネクスト・セキュリティによるMSDホールディングスへの事業譲渡

2019年8月30日、ネクスト・セキュリティが手がける顧客向けコールセンター事業のMSDホールディングスへの事業譲渡が発表されました。

セキュリティソフトに関する顧客からの問合せに対して、24時間体制でサポートを提供していました。

MSDホールディングスが手がけるクラウドサービスやインフラサービスにも活用できると判断され、今回の事業譲渡へと至りました。

18.ライナフによるアズームへの事業譲渡

2019年8月23日、ライナフが手がける「スマート会議室」のアズームへの事業譲渡が発表されました。

スマート会議室は、不稼働の会議室を活用したいオーナーと利用者を引き合わせるWeb予約システムです。

アズームは空き駐車スペースの活用などを手掛けており、今回の事業譲渡でさらに遊休不動産の活用事業を推進させるとしています。

19.トライステージによるティーライフへの事業譲渡

2019年8月6日、トライステージの子会社ヘルスケアアドバイザーズが手がける通信販売事業のティーライフへの事業譲渡が発表されました。

ヘルスケアドバイザーズは、インターネットを活用した医薬品の通信販売を手掛けています。ティーライフの販売事業の販路拡大に活用されるとして、今回の事業譲渡へと至りました。

20.ナビプラスによるアイビーシーへの事業譲渡

2019年8月1日、ナビプラスが手がけるセキュリティ事業のアイビーシーへの事業譲渡が発表されました。

ナビプラスは手広く手がけるセキュリティ事業のなかから「SSL証明書クーポン販売・脆弱性診断サービス」の2つを事業譲渡しました。

アイビーシーは両者の事業のシナジー創出を図ることで、セキュリティポートフォリオの強化を推進させていくとしています。

21.D2Cによるアルーへの事業譲渡

2019年7月24日、D2Cが手がけるクラウド型eラーニングシステム「etudes」のアルーへの事業譲渡が発表されました。

人材育成を目的とする企業を対象としたシステムで、クラウドタイプ特有の導入の軽さから注目を集めていました。

アルーは今後も継続的にサービスを提供しながら、人材育成事業における別の取り組みを見せていくことも明かしています。

22.TATEITOによる共同ピーアールへの事業譲渡

2019年3月26日、TATEITOが手がけるオンライン学習サービスの共同ピーアールへの事業譲渡が発表されました。

マーケティング分野におけるオンライン学習サービスは、共同ピーアールのグループ内の人材育成に活用できるとして今回の事業譲渡へと至りました。

23.東芝デジタルソリューションズによるソードへの事業譲渡

2019年3月8日、東芝デジタルソリューションズが手がけるハードウェア開発事業のソードへの事業譲渡が発表されました。

ソードはハードウェアのワンストップ事業を行っており、同業の東芝デジタルソリューションズから事業を譲受することで、事業規模の拡大と付加価値の提供を行っていくとしています。

24.アビストによるアレクソンへの事業譲渡

2018年5月31日、アビストが手がけるロボット開発事業のアレクソンへの事業譲渡が発表されました。

コミュニケーショロボット「アビテル」は、オフィスの来訪客とのやり取りする機能を搭載しており、担当者の名前を音声かタッチパネルで入力することで繋いでくれるというものです。

アビストは今回の事業譲渡を機にロボット開発事業から徹底することを明かしています。

25.三菱電機による日立製作所への事業譲渡

2017年12月7日、三菱電機が手がける粒子線治療システム事業の日立製作所への事業譲渡が発表されました。

粒子線治療は副作用が少ないとされ、完治後の社会復帰が比較的容易なため、世界中で注目を集めているシステムです。

両社も独自に開発・普及促進に注力しており、今回の事業譲渡で双方の技術・ノウハウを統合させて、より精度の高い粒子線治療システム・サービスを提供していくとしています。

事業譲渡に適したIT会社とは

事業譲渡が適してるIT会社には、以下のような特徴があります。

【事業譲渡に適したIT会社】

  1. 事業資金が欲しい
  2. 不採算事業を清算したい

事業資金が欲しい

事業譲渡では売却益が会社に入るので、事業資金として活用することができます。

リソースを集中させたい事業を効率よく伸ばすこともできるほか、現金であれば価値は変わらないので預金として保管しておくこともできることが、事業譲渡のメリットの1つです。

一方、吸収分割では取得対価が株式となることも多いので、必ずしも即金を手に入れられるとは限りません。交渉次第では現金による取得も可能ですが、注意しておくことが大切です。

不採算事業を清算したい

事業譲渡では、譲渡範囲を自由に選択することができるので、伸び悩んでいる事業を切り離して事業の選択と集中も図れます。

IT事業の事業譲渡であれば無形資産として高い評価を受ける傾向があるので、現在は赤字だとしても将来性を見込んで買い手がみつかる可能性も高いです。

IT会社の株式譲渡のポイント

IT会社の株式譲渡のポイント

IT会社のM&Aでは事業譲渡が主に用いられていますが、株式譲渡を利用する方法もあります。ここでは、IT会社の株式譲渡のポイントや事例を紹介します。

IT会社を株式譲渡する際の注目点

IT会社を株式譲渡する際のポイントは以下のものです。

【IT会社を株式譲渡する際の注目点】

  • 強み・アピールポイントをまとめておく
  • 企業価値評価を専門家に依頼する

強み・アピールポイントをまとめておく

株式譲渡の場合、会社の全てを譲渡(売却)することになります。良くも悪くも雑多になってしまい、時には価値あるIT事業も埋もれてしまう可能性もあります。

そのなかで買い手をみつけやすくするためには、強み・アピールポイントを分かりすく資料にまとめておくことです。

【関連】株式譲渡とは?正しく意味を理解し高い価格で売却しよう

企業価値評価を専門家に依頼する

IT会社の企業価値は、無形資産が占める割合が大きくなります。単純な純資産では計りきれないので、企業価値評価の専門家のサポートがなければ適切な価値を算出することは困難です。

企業価値評価を行う際は、会計の専門家である公認会計士やM&A仲介会社に依頼することがおすすめです。

【関連】企業価値とは?評価方法やメリット、向上の条件を分かりやすく解説!

IT会社の株式譲渡事例3選

次は、IT会社の株式譲渡の事例を3つ紹介します。

【IT会社の株式譲渡事例】

  1. アークウェイによるULSグループへの株式譲渡
  2. エニシアスによるクレスコへの株式譲渡
  3. ウェブクルーエージェンシーによるEストアーへの株式譲渡

1.アークウェイによるULSグループへの株式譲渡

2020年2月27日、アークウェイによるULSグループへの株式譲渡が発表されました。(2020年9月1日予定)

ULSグループは、システム・ビジネスコンサルティング業務を手がけるアークウェイを買収することで、顧客企業からの要望に対応するためのサポート体制を整えるとしています。

2.エニシアスによるクレスコへの株式譲渡

2020年4月1日、エニシアスによるクレスコへの株式譲渡が実施されました。

今後も安定した需要が期待されるクラウドサービス事業を取り込むことで、グループ全体の企業価値向上を図るとしています。

3.ウェブクルーエージェンシーによるEストアーへの株式譲渡

2020年3月2日、ウェブクルーエージェンシーによるEストアーへの株式譲渡が実施されました。

ウェブクルーエージェンシーは、自社が手がけるECサイト事業の強化を目的として、広告代理事業を手がけるEストアーを買収したとみられています。

株式譲渡に適したIT会社とは

株式譲渡が適してるIT会社の特徴には、以下のようなものがあります。

【株式譲渡に適したIT会社】

  1. 事業規模を拡大したい
  2. 技術者の雇用先を確保したい

1.事業規模を拡大したい

株式譲渡によって買い手側のグループ傘下に入ると、経営資源を活用した事業規模の拡大を図ることができます。

これまで資金的な都合で思うように事業を展開できなかったIT会社も、積極的に活動できるようになります。

経営者自身も重要なポジションで会社に残る選択肢もあるので、リタイアや新事業の立ち上げと並んで有効な選択肢とされています。

2.技術者の雇用先を確保したい

株式譲渡の場合は、会社の従業員(技術者)の包括的な承継ができます。雇用条件もそのまま引き継がれるので、買い手の都合で待遇が悪くなることはありません。

IT会社のその他のM&A手法

IT会社のその他のM&A手法

IT会社のM&A事例はほとんどが事業譲渡と株式譲渡であり、得られる効果も単純で実施しやすいことから重宝される傾向にあります。

しかし、必ずしもその2つを選択する必要はありません。事業譲渡と似た効果を得られる会社分割を活用する方法もあります。

会社分割とは

会社分割は、分割対象事業を包括的に承継することができるM&A手法です。対象が事業ということで事業譲渡と似通った手法ですが、包括的な承継という点で大きく異なります。

IT会社のM&Aは、技術を持つ従業員や知的財産権や特許などの移転が伴いますので、これらの個別な手続きを取らなくてよいという点が大きなメリットです。

M&Aに伴う移転規模が一定以上になるようであれば、買い手との交渉も交えたうえで検討するとよいでしょう。

IT会社を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて

IT会社を事業譲渡・株式譲渡する際の引き継ぎ・手続きについて

IT会社を事業譲渡・株式譲渡する際は、それぞれ異なる手続きが必要になります。ここでは、それぞれの引き継ぎ・手続きを確認しておきましょう。

事業譲渡の手続き

事業譲渡の実施にあたって、取引先や従業員などのさまざまな引き継ぎを行うことになります。以下の表は、事業譲渡で必要となる手続きをまとめたものです。

債務(買掛金) 免責的債務引受
併存的債務引受
売掛金 債権譲渡の取引先との契約手続
雇用契約 従業員の同意
地位 売手・買手の同意
許認可 一部取得しなおす必要がある
取引先 取引先の同意

株式譲渡の手続き

株式譲渡においては包括的な承継になるため、事業譲渡のように特別に取るべき手続きはありません。

とはいえ、雇用契約や取引先に関しては説明責任はありますので、株式譲渡が決定したら直接説明する場を設けるようにしましょう。

IT会社を事業譲渡する際の相談先

IT会社を事業譲渡する際の相談先

ビッグデータの利用範囲拡大やクラウドサービスの需要増加などの影響から、IT会社の需要は増加の一途を辿っています。

事業譲渡・M&Aを通して技術獲得を図ろうとする買い手も多数見受けられ、IT会社の売却を検討する時期としてはよいタイミングともいえるでしょう。

IT会社のM&A・事業譲渡をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にご連絡ください。M&A総合研究所には、IT業界に精通している専門家が多数在籍しています。

IT会社の事業譲渡でトラブルになりやすい雇用契約等においても万全のサポート体制で臨みます。

譲渡対象事業の価値評価は、M&Aに明るい公認会計士が適正な評価を行って、売却益の最大化を図ります。

無料相談は24時間お受けしていますので、IT会社のM&A・事業譲渡の際は、M&A総合研究所へお気軽にご相談ください。

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まとめ

まとめ

IT業界は需要増加が見込まれていますが、同時に技術者不足にも悩まされる傾向にあります。

IT会社にとって技術者の確保は必須なので、経営状態にも直接影響を及ぼします。IT会社の経営状態の立て直しを図る際は、事業譲渡を検討してみるとよいでしょう。

【IT会社業界が直面している問題】

  1. 価格競争が激しく報酬の単価が低下している
  2. 深刻な技術者不足が経営を圧迫している
  3. サービスの多様化が求められつつある

【IT会社業界の今後の動向予測】

  1. ビッグデータの普及・活用の需要拡大
  2. 幅広い業種でクラウドサービスの需要増加
  3. IT会社業界の事業譲渡・M&A動向

【IT会社の評価を高めるポイント】

  1. 技術力が確かな人材が多くいる事
  2. 知的財産・特許などを持っている事