
「保険代理店の営業方法を見直したい」と、悩んでいませんか?
多くの保険代理店経営者は、大手代理店やインターネットサイトの登場による顧客離れを防ぐため、サービスの充実を図りたいと考えています。
これについては、早期に対策を行わなければ、会社の業績が悪化する場合が珍しくありません。
ここでは、保険代理店M&AのメリットやM&A成功事例、最適な買い手の探し方などを紹介します。
希望に沿った相手を見つけ、保険代理店の生き残りを狙いましょう。
目次
1.保険代理店はM&Aで現状を打破できる

これ以上顧客を確保するのが難しい保険代理店は、M&Aで状況を好転させましょう。
1996年、「保険業法」が改正され保険代理店だけでなく郵便局や銀行でも保険商品の販売が可能になりました。
また全国各地に店舗を置き、相談を受け付ける全国規模の保険代理店も多数登場しています。
さらに、昨今はネット販売型の保険代理店が登場し、若い世代を中心に顧客を集めている状況です。
そのため、中小規模の保険代理店はなかなか顧客を確保できず、厳しい状況となっていると言えるでしょう。
既存の訪問販売形態では、今後顧客を大きく伸ばすことは困難です。
しかし経営に苦しみ、廃業を検討している中小保険代理店も、M&Aで大手傘下に入ることで、状況を打破できます。
M&Aを行い、他の保険代理店と協力することで提供できる保険商品が増え、新たな販売形態を取り入れることも可能です。
さらに、大手保険代理店傘下に入れば知名度がアップするため、生命保険・損保保険の販売を行える有資格者の確保も今より容易になるでしょう。
「これからの経営方針が定まらないが、廃業は避けたい」「このままでは業績を伸ばせないが、新たな事業体制へ変換する資金的余裕が無い」という状況の方は、M&Aがおすすめです。
ここからは、生き残りのため保険代理店がM&Aで事業体制を転換すべき理由を詳しく解説しているので、ぜひこれからの経営に活かしてください。
2.M&Aが保険代理店の事業体制転換に良い理由

保険代理店が今後事業体制の見直しを行う上で、M&Aを検討すべき理由は以下の通りです。
- 大手傘下に入るチャンスがあるから
- 後継者問題を解決できるから
- 取扱商品を増やせるから
- ネット販売に挑戦できる可能性があるから
従来の販売体制を変えたい、新しい保険商品を提供するための体制を整えたいという保険代理店にとって、M&Aのメリットは大きいです。
経営の悩みを解消するため、M&Aの利点を押さえていきましょう。
理由1.大手傘下に入るチャンスがあるから
大手傘下に入ることで、経営を安定させることができます。
保険代理店業務を行える事業者のハードルが下がったことにより、業界内での競争は格段に厳しさを増している状況です。
そのため売上がなかなか伸びず、資金繰りに苦しんでいる中小保険代理店は少なくないでしょう。
しかしM&Aで大手保険代理店の傘下に入れば資金面でも安定しますし、知名度もアップするので顧客の獲得も楽になります。
また、M&Aで事業規模を拡大させることで拠点が増え、より多くの顧客に保険商品を販売することが可能です。
経営に苦しむ保険代理店は、大手傘下で事業の立て直しを目指しましょう。
理由2.後継者問題を解決できるから
経営権を買い手に渡すことで、後継者がいない場合でも会社を残すことができます。
保険代理店事業の今後を考えるに当たって、避けられないのが後継者の問題です。
今は現経営者が元気に働けているから問題ない、という場合でも、突然の体調不良やトラブルにより経営を続けることが難しくなるケースもあります。
そのため、事業を継ぐことができる後継者を早い段階から育成しておくことが大切です。
しかし、会社を継げる親族や従業員がいない、という状況の保険代理店もあるでしょう。
そんな会社におすすめなのが、M&Aです。
M&Aでは経営権を買い手に渡せるので、後継者がいない場合でも会社は残ります。
理由3.取扱商品を増やせるから
他の保険代理店や保険会社とM&Aを行えば、取り扱える保険商品を増やせます。
現在、保険商品の取り扱い先が少なく、地域の需要に合った商品が提供できていないと感じる方は少なくないでしょう。
また、保険商品を増やそうと思っても販売員や店舗の数が足りず、状況を打破できないというケースもあります。
「地域のニーズに合った商品を提供したい」「保険販売ができる人材を確保してサービス拡充に努めたい」という方は、M&Aがおすすめです。
M&Aで他の企業と協力すれば、低コストで新たな保険商品を導入できるうえ、買い手の人材も活用することができます。
適切に保険商品の選択肢を増やし、より多くの顧客を獲得しましょう。
理由4.ネット販売に挑戦できる可能性があるから
すでにインターネットによる保険販売事業を行っている企業とM&Aをすることで、ネット販売の体制を整えることが可能です。
現在、若い世代を中心にインターネットによる保険加入や相談が増加しています。
今後はさらにインターネット販売が主流となり、多くの顧客がインターネットから保険加入を行うようになるでしょう。
そのため、今の内からインターネット販売の体制を整えておく必要があるのです。
M&Aで、ネット販売を行う企業や、新たに保険事業に参入したいIT・Web系企業と協力すれば、低コストでネット販売を始めることができます。
これからも継続して顧客を確保するため、M&Aにより新たな販売体制を取り入れましょう。
以上が、保険代理店がM&Aを使って事業の転換や見直しを行うべき理由でした。
M&Aを行うことで、従来の訪問販売だけでなく、店舗型、インターネット型の保険販売を始めることができます。
さらに、保険代理店の傘下に入れば保険商品を充実させより多くの顧客を獲得することも可能です。
会社をこのまま廃業させたくない、何とかして業界内で生き残りたいという方はM&Aを検討しましょう。
次は、保険代理店がM&Aを成功させた具体的な事例を紹介していきます。
3.保険代理店のM&A成功事例2つ

保険代理店がM&Aにより経営を改善させた成功事例は、以下の通りです。
- 第一生命保険とアルファコンサルティング
- フジトミとエイチ・エスライフ少額短期保険
保険代理店のM&Aでは、事業拡大を目指す同業会社が買い手となるケースが多いです。
それぞれの事例を確認し、自社の強みや業界全体の動向について考えていきましょう。
成功事例1.第一生命保険とアルファコンサルティング
保険代理店業務を行うアルファコンサルティングの株式を第一生命保険が2018年に100%取得し、完全子会社化しました。
買収されたアルファコンサルティングは、複数の生命保険会社から保険商品を預かる代理店で、全国に22の拠点と約120の保険募集人を有している会社です。
このM&Aで、買い手である第一生命保険が最も注目したのは売却企業が持つ販売ネットワークです。
以前からと代理店契約を結んでいましたが、グループの更なる発展と契約数獲得を狙って、今回のM&Aに踏み切りました、
多数の店舗と人員を持つ企業を傘下に収めたことで、より多くの顧客に保険商品を提供することが可能になったのです。
また、ノウハウを共有し、更なるサービスの拡充を目指せる環境が整ったと言えるでしょう。
成功事例2.フジトミとエイチ・エスライフ少額短期保険
2017年、商品先物取引業を行っているフジトミは、少額短期保険業者のエイチ・エスライフの株式を取得し、子会社化すると決議しました。
買い手となったフジトミはM&Aを実施する前に保険代理店業を開始しており、今回のM&Aで保険事業をさらに拡大させたいと検討したのです。
また、エイチ・エスライフは設立以来赤字が続いており、資金力のある支援企業を探していました。
このM&Aで、フジトミは新たに短期保険の事業に進出できたほか顧客のネットワークを手に入れることに成功しています。
また、エイチ・エスライフも売却資金を得て経営を安定化させるチャンスを得ました。
この事例のように、業績が赤字であっても事業拡大を目的として買収を行う企業はあります。
譲渡価格は低くなる傾向がありますが、このまま廃業するよりM&Aによる売却を検討したほうが良いでしょう。
以上が、保険代理店のM&A事例でした。
事業拡大により販売ネットワークを広げる目的で、規模に関わらず積極的な買収を行う買い手は増えています。
今のチャンスを逃さず、M&Aに向けて動き出すことで生き残りが可能になるでしょう。
また、M&Aのイメージをさらに深くつかむため、保険代理店以外の事例になりますが以下の成功事例集をチェックするのもおすすめです。
次はM&Aを検討する保険代理店に向け、M&Aの手法を解説していきます。
4.保険代理店がM&Aを行う方法

保険代理店がM&Aを行う代表的な方法は、以下の2つです。
- 株式譲渡
- 商権譲渡
保険代理店のM&A成功事例を見て、M&Aを検討してみようと感じた方は多いでしょう。
しかし会社の業態や今後の経営方針によって適切なM&A方法を選ばなければ、従業員や取引先をトラブルになる可能性もあります。
以下2つのM&A方法の特徴とメリット・デメリットを確認し、自社に合った方法を選びましょう。
方法1.株式譲渡
株式譲渡とは、会社の株式を買い手に売却し会社すべてを譲渡するM&A手法となります。
中小保険代理店の場合、会社の社長や経営陣が会社の株を保有している場合が多いので、買い手に株式を売却し手続きを行うのが一般的です。
保険代理店が株式譲渡を選ぶメリットは、保険契約や従業員との雇用が買い手にそのまま引き継がれる点にあります。
一方、株式譲渡では買い手が売り手企業の債務を引き継ぐことになるため、多数の債務を抱えている場合は買い手からM&Aを断られることも少なくありません。
多くの債務を抱えている場合、買い手との交渉に入る前に事業の見直しを行うべきでしょう。
以下の記事では株式譲渡のメリットやデメリット、手続きの方法は以下でご紹介しています。
具体的な譲渡のスケジュールを立てる際に役立ててください。
方法2.商権譲渡
保険代理店のM&Aでは、商権譲渡が利用されることもあります。
商権譲渡は、特定の事業のみを売却し会社の法人格を残す事業譲渡とほぼ同じ意味で使われることが多いです。
商権譲渡では、保険代理店事業の営業権のみを買い手に売却します。
この方法は、保険代理店事業を営業する権利だけを売却するものですから、大きな変化もなく事業を切り離すことができるのです。
売り手は原則、代理店業務を行うことはできなくなるので、今後も保険代理店として会社を立て直したい場合は株式譲渡を選ぶべきでしょう。
また、代理店業務を商権譲渡によって売却した場合、代理店分担という方法を使って契約を進めることも可能です。
代理店分担とは、保険契約を複数の代理店で管理することを指します。
売り手はこの代理店分担により、買い手から対価として一定の手数料を受け取ることが可能です。
そのため、保険代理店事業を辞めることを考えるなら商権譲渡のメリットは大きいです。
一方、商権譲渡の手続きは複雑なうえ、従業員との雇用契約が新たに必要となります。
M&Aに反発する従業員が多い場合、人材が大量に離職する危険もあるので慎重に手続きを進めなければいけません。
以上が、保険代理店のM&A手法でした。
M&Aの方法にはそれぞれメリットとデメリットがあるので、専門家の意見を聞きつつ慎重に決めることが大切です。
次は、M&Aで買い手がチェックするポイントについて解説していきます。
最適な買い手と出会うため、自社の価値を高めたい方はぜひ読んでみてください。
5.M&Aで買い手から注目される保険代理店の特徴

M&Aで、経営の安定した優良な買い手から注目されやすい保険代理店の特徴は、以下の通りです。
- ターゲットとなる顧客が明確である
- 資格を取得している社員が多い
- 拠点を複数持っている
販売ネットワークが広く、知名度の高い買い手や、資金面で安定している買い手とM&Aを成功させることで、会社を残せるチャンスが増えます。
最適な買い手に注目してもらうため、M&A準備を始める前に自社の経営状況を見直してみましょう。
特徴1.ターゲットとなる顧客が明確である
保険商品の販売を今後拡大していくうえで、ターゲット層を明確にすることが大切です。
保険商品を販売して収益を上げるには、周辺住民のニーズに合わせた商品を提供する必要があります。
例えば駅から距離がある位置に店舗がある場合、車を持っている家庭が多いと考えられるので車関係の損害保険を提供するのが効果的です。
ターゲット層が明確で、その層に向けた保険商品を積極的に提供している企業は無駄の無い経営をしているとして、買い手から高く評価されるでしょう。
特徴2.資格を取得している社員が多い
保険代理店の売却では、有資格者の人数も重視されます。
保険商品の販売では、「生命保険募集人資格」「損害保険募集人資格」といった専門の資格が必要です。
全国各地に拠点を拡大する保険代理店が多い中、こうした有資格者をM&Aで一気に手に入れようと考える企業は少なくありません。
経験を積んだ優秀な有資格者が多ければ、買い手の事業拡大に大きく貢献できるので有利な条件で売却を決められるでしょう。
特徴3.拠点を複数持っている
保険を販売できる拠点を複数持つ保険代理店は、買い手から高く評価されます。
昨今は全国各地に店舗を置き、一人でも多くの顧客獲得を狙う保険代理店が増加中です。
そのため店舗をすでに複数持っている売り手は、事業拡大を狙う買い手から注目されやすくなっています。
さらに、店舗ごとに固定の顧客が付いていれば、これからも高確率で収益を生めると判断されるでしょう。
以上が、保険代理店のM&Aで重視される点でした。
買い手は、将来たくさんの利益を生める売り手を求めています。
自社とのM&Aに魅力があることを積極的に買い手にアピールし、最適な買い手と出会いましょう。
次は、保険代理店がM&Aを成功させるうえで重要なポイントを解説していきます。
6.トラブルなく保険代理店がM&Aを成功させるには

トラブルを防ぎ保険代理店がスムーズにM&Aを成功させるには、以下のことが必要です。
- 少しでも早くM&Aを検討する
- 専門家に相談する
- 事業の見直しを行う
保険代理店業界では現在M&Aが活発で、売り手優位の状況となっています。
しかし業界内の再編が今後落ち着いてくるという見方もあるため、有利にM&Aを進めるなら少しでも早く動き出すべきでしょう。
また、M&Aについて検討する段階で専門家に相談することも大切です。
M&A仲介会社など、M&Aに詳しいアドバイザーの意見を聞き、手続きや準備をサポートしてもらうことで書類や契約の不備などのトラブルを防げます。
そして、M&Aを本格的に進めていく段階では公認会計士、税理士などのアドバイスをもらい経営を見直しましょう。
少しでも業績を上げ、買い手に自社の魅力をアピールすることが成功に繋がるでしょう。
M&A仲介会社には、M&Aアドバイザーだけでなく公認会計士、税理士、弁護士などM&Aに必要な専門家が揃っています。
M&A仲介会社を利用するメリットは、以下の記事でも詳しく紹介しているので、相談先にお悩みの方は読んでみてください。
保険代理店は生き残りのため、M&A仲介会社に相談してM&A準備を始めましょう。
7.保険代理店のM&AならM&A総合研究所へご相談を

保険代理店のM&AのことはM&A総合研究所へご相談ください。
保険代理店が廃業を防ぎ、今後も生き残っていくためには自社の強みを最大限に活かせる買い手と出会うことが最も大切です。
M&A総合研究所なら、多数の企業と専門家に密接なネットワークを持っているため、貴社にぴったりの相手をスピーディに見つけることができます。
また、M&A総合研究所なら買い手をサイト上で探せるマッチングサービスも利用可能です。
全国各地、幅広い業種からベストな相手を探せるので、会社を次の世代に残せるチャンスはさらに増えるでしょう。
具体的な買い手とのM&A交渉や経営統合については、専任のアドバイザーと公認会計士が徹底的にサポート。
売り手にとっても買い手にとってもベストな形でM&Aが成功するよう、豊富な知識を全力で活かします。
さらにM&A総合研究所の料金体系は、M&A成立まで料金がかからない「完全成功報酬制」です。
もしM&Aが上手くいかなかった場合でも料金負担はありませんので、事業をさらに発展させるためにも一度M&A総合研究所へお問い合わせください。
8.まとめ
保険代理店はM&Aを行い影響力の強い企業の傘下に入ることで、ネットや店舗での保険販売が可能になるケースが多くあります。
今の売り方に限界を感じているなら、別の企業と協力し消費者にとってベストな販売方法を考えてみましょう。
保険代理店のM&Aは、専門的な知識を豊富に持つM&A仲介会社がぴったりです。
会社をこれからも残していきたい方は、M&A総合研究所へご相談ください。