建設業界のM&Aで狙い目は?売却に有利な条件や注意点を徹底解説!

「建設会社のM&Aを行うべきか悩んでいる。。」とお考えではないでしょうか。

近年の建設業界では、人材不足解消や商圏拡大を目的に、事業の再編や異業種の取り込みが進んでいます。

そこで事業補完をするために、M&Aによって建設会社を買収する経営者が増加中です。

この記事では、そんな建設業界でのM&Aを有利に成功させるための条件や注意点をご紹介します。

建設業界のM&Aの成功事例も確認して、あなたの建設会社の売却を成功させましょう。

目次

1. 建設業界で特にM&Aすべきなのは職別工事業(サブコン)!

建設業界で特にM&Aすべきなのは職別工事業(サブコン)!

建設業界で特にM&Aすべきなのは、職別工事業(サブコン)であると言われています。

ここで職別工事業の定義をおさらいしておくと、「下請けとして工事現場において建築物または土木施設などの工事目的物の一部を構成するための建設工事を行う事業」です。

職別工事業の建設会社がM&Aを利用すれば、得意分野を活かした事業補完を行いたい買い手が見つかりやすいとされています。

そのため、M&Aにおいて有利な条件で会社を売却できる可能性が高いです。

得意分野での事業補完は、事業拡大を狙っている買い手側にとっても大きなメリットとなります。

したがって職別工事業の建設会社は、積極的にM&Aを利用して売却すべきです。

もしもあなたが職別工事業の建設会社を経営しているならば、廃業に比べて多くのメリットがあるM&Aでの売却を考えてみてください。

以上、建設業界で特にM&Aすべき会社を紹介しました。

しかし、職別工事業の他にも、近年の建設業界ではM&Aが増加しています。

あなたの会社が職別工事業ではなくても、M&Aが成功する可能性は十分にあるので安心してください。

ここからは、建設業界全体のM&A動向を詳しく見ていきましょう。

1−1. 建設業界のM&A動向は?

建設業界のM&A動向は?

近年の建設業界は、東京オリンピックやアベノミクス効果による投資の拡大で好景気となっています。

しかし中小企業には、こうした恩恵の波及が少ないのが今まででは一般的でした。

そのため今まではM&Aの成功事例は少なく、むしろ中小企業の廃業が目立っていたのです。

しかし近年の建設業界では、人材不足解消や商圏拡大などを目的として業界をまたいだM&Aが増加しています。

したがって現在では、M&Aを利用して事業の補完や業態を拡大させることによって経営改善を狙えるようになりました。

質の高い人材が揃っていて難易度の高い工事実績があるというような条件を満たせば、有利に売却できる可能性が高いです。

これは職別工事業以外にも当てはまります。

なので、建設業界でM&Aを考えているなら、前向きにアクションに移していくべきです。

「建設業界のM&Aでの売却価格の相場はどれくらいなのだろう?」という人もいると思います。

ここからは、建設業界のM&Aでの売却価格の相場を見ておきましょう。

1−2.  建設業界M&Aの売却価格の相場

建設業界M&Aの売却価格の相場

建設業界の売却の相場は幅広く、中小の建設会社であれば10億円〜200億円が一般的です。

たとえば、売上高100億円の職別工事業の会社が、30億円で売却された事例があります。

また大手の建設会社になると、500億円を上回る可能性もあるのです。

相場に影響するポイントは、「人材」や「機材」や「設備」とされています。

つまり、優秀な技術者が多く、保有する機材や設備が充実しているほど、買収価格は高くなるのです。

売却の際に有利な条件は、この後の『5. 建設会社のM&Aでの売却に有利な3つの条件』で解説しているので参考にしてください。

以上、建設業界のM&Aでの売却の相場を紹介しました。

そして、建設業界でのM&Aは、売却利益以外にもメリットがあります。

ここからは、建設会社のM&Aを行う売り手側のメリットを見ていきましょう。

2. 建設会社のM&Aの売り手側のメリット

建設会社のM&Aの売り手側のメリット

建設会社のM&Aを行う売り手側のメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • メリット1. 後継者を見つけられる
  • メリット2. 従業員の雇用を継続できる
  • メリット3. 経営改善が見込める
  • メリット4. 創業者利益の獲得が見込める

あなたが建設会社をM&Aで売却すれば、これらのメリットを得ることができます。

以上、4つのメリットについて、順番に見ていきましょう。

メリット1. 後継者を見つけられる

メリット1. 後継者を見つけられる

M&Aを活用することで、あなたの後継者問題を解決することができます。

これまでは、親族内承継といって経営者の息子や兄弟に会社を引き継ぐのが一般的でした。

しかし、子供や兄弟に会社を引き継ぐ意思が無かったり、経営者自身が会社を任せるのを不安に感じることも少なくありません。

あなたが後継者で悩んでいるならば、M&Aを活用して第三者に建設会社を売却することを考えましょう。

M&Aを活用すれば、これまで成長させてきた建設会社を信頼できる企業の中で存続させることができます。

後継者がいなくても廃業を避けられるので、会社を引き継ぐ人がいない経営者には大きなメリットです。

メリット2. 従業員の雇用を継続できる

メリット2. 従業員の雇用を継続できる

M&Aを活用して売却することで、あなたの建設会社の従業員は雇用が守られます。

もしも後継者不足を理由に廃業してしまうと、従業員は職を失い路頭に迷ってしまうのです。

したがって第三者に会社を売却することは、従業員は職を失わずに済むのでメリットだと言えます。

さらに優良企業とM&Aすることによって、以前よりも従業員の待遇が良くなる可能性もあるのです。

このように、経営者だけでなく従業員にとってもM&Aはメリットになります。

メリット3. 経営改善が見込める

メリット3. 経営改善が見込める

M&Aで建設会社を売却することで、あなたの会社の経営改善が見込めます。

経営資源の乏しい中小企業にとって、激化する建設業界での競争に勝ち残るのは困難です。

しかしM&Aによって大手企業の傘下に入ることで、市場で勝ち残る可能性が高まります。

なぜなら大手企業の豊富な経営資源を活用することで、経営改善ができるためです。

このように戦略的に大手企業とM&Aを行うことで、経営状況を良くできるというメリットがあります。

メリット4. 創業者利益の獲得が見込める

メリット4. 創業者利益の獲得が見込める

M&Aで建設会社を売却することで、創業者利益の獲得が見込めます。

創業者利益とは、オーナー株主が会社創業時から持っていた株式を第三者に売却して得られる利益のことです。

創業時には株式の価値は小さいのが一般的ですが、事業が大きくなるにつれて会社の経済的な価値は増加します。

会社の経済的価値が上がるにつれて、1株あたりの価値も上がっていくのです。

M&Aでの会社売却は、大きな含み益のある株式を売却することに他ならないので、ここで多額の利益が生じる可能性があります。

このようにM&Aを行うことで創業者としての利益が手に入るというメリットがあるのです。

以上、建設会社のM&Aを行う売り手側のメリットを紹介しました。

さまざまな売り手側のメリットをご紹介しましたが、建設会社のM&Aでは買い手側にもメリットがあります。

ここからは、建設会社のM&Aを行う買い手側のメリットを見ていきましょう。

3. 建設会社のM&Aの買い手側のメリット

建設会社のM&Aの買い手側のメリット

建設会社のM&Aを行う買い手側のメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • メリット1. 経験豊富な技術者を一括で確保できる
  • メリット2. 商圏の拡大が図れる
  • メリット3. 得意分野を活かした事業補完が狙える

買い手側にとっても上記のようなメリットがあるので、あなたの建設会社を買いたいと思う人が出てくる可能性は高いです。

以上、3つのメリットについて、順番に見ていきましょう。

メリット1. 経験豊富な技術者を一括で確保できる

メリット1. 経験豊富な技術者を一括で確保できる

買い手側がM&Aを利用することで、経験豊富な技術者を一括で確保できます。

これは買い手側にとって、M&Aを利用する最も大きなメリットです。

建設業界での人材不足によって競争が激化している現在では、スピーディーな経営が求められています。

そのため優秀な技術者を地道にコツコツ確保していては、市場で勝ち残るのは困難でしょう。

したがってM&Aでの建設会社の買収は、短期間で優秀な技術者を確保できるメリットがあります。

メリット2. 商圏の拡大が図れる

メリット2. 商圏の拡大が図れる

買い手側がM&Aを利用することで、商圏の拡大が図れます。

近年の建設業界のM&Aでは、商圏の拡大を目的に企業を買収する事例が少なくありません。

なぜなら自社と異なる商圏を持つ会社を買収することで、営業拠点の拡大が図れるのです。

たとえばM&Aによって営業拠点を拡大することで、短期間で地域に根ざした顧客との関係性が築けます。

また、商圏が広がることでシナジー効果も期待できるでしょう。

シナジー効果とは、買い手企業と売り手企業の強みが相乗効果でより良いものとなることです。

建設業界では、高いスキルを持っていても、商圏が狭くて活かしきれていないことはよくあります。

M&Aによって商圏を広げれば、よりスキルを活かすことができるのです。

メリット3. 得意分野を活かした事業補完が狙える

メリット3. 得意分野を活かした事業補完が狙える

買い手側がM&Aを利用することで、自社の弱点となっている事業の補完が狙えます。

そのため建設業界のM&Aでは、得意分野を持っている職別工事業の需要が上昇しているのです。

職別工事業を買収できれば、そのノウハウや実績をそのまま自社に引き継いで弱点の補完に充てることができます。

しかしM&Aを行わずに自社の弱みを改善しようとすると、新規事業の立ち上げに匹敵するほどの時間とお金がかかるのです。

したがってM&Aで建設会社を買収することで、短期間で事業補完が狙えるメリットがあります

以上、建設会社のM&Aを行う買い手側のメリットを紹介しました。

メリットを見て、M&Aを行いたいと思った人も多いはずです。

メリットが分かったところで、ここからは具体的な成功事例を確認しておきましょう。

4. 建設業界M&Aの成功事例5選

建設業界M&Aの成功事例5選

建設業界の5つの成功事例を見ていきましょう。

今回ご紹介するのは、以下の5つの会社です。

  • 事例1. 戸田建設と佐藤工業
  • 事例2. 土木管理総合試験所とアイ・エス・ピー
  • 事例3. 応用地質とFong Consult Pte. Ltd
  • 事例4. 日成ビルド工業とアーバン・スタッフ
  • 事例5. 飛島建設とノダックグループ

このように、さまざまな会社が住宅建設業界のM&Aを行っています。

それでは、それぞれの事例を具体的に確認していきましょう。

事例1. 戸田建設と佐藤工業

事例1. 戸田建設と佐藤工業

最初にご紹介するのは、戸田建設と佐藤工業の事例です。

2018年、総合建設業や再生可能エネルギー等による発電事業を展開する戸田建設は、福島の建設会社である佐藤工業の株式を取得して、子会社化する事を決議しました。
 
佐藤工業は、福島エリアにて総合建設業の展開や、交通網や地域・環境整備、スポーツ施設や震災復旧などの土木工事も手がけています。

買収の目的は、佐藤工業のノウハウを活かすことで東北エリアの強固な事業基盤を確立することです。

現在の戸田建設は、交通網や地域・環境整備やスポーツ施設などの土木工事分野でもシェアの拡大を目指しています。

事例2. 土木管理総合試験所とアイ・エス・ピー

事例2. 土木管理総合試験所とアイ・エス・ピー

2つ目の事例は、土木管理総合試験所とアイ・エス・ピーのものです。

2018年、土質や地質の調査試験をメインに提供する経営コンサルティング会社の土木管理総合試験所は、土木測量設計プログラム開発を手がけるアイ・エス・ピーの全株式を取得し、子会社化することを決議しました。
 
アイ・エス・ピーは、土木測量設計におけるプログラム等のソフト開発や販売を行っています。

買収の目的は、アイ・エス・ピーのノウハウを活かすことで、IT技術の強化や生産性の向上を図ることです。

現在は、ワンストップサービスの拡充といった更なる技術革新も期待されています。

事例3. 応用地質とFong Consult Pte. Ltd.

事例3. 応用地質とFong Consult Pte. Ltd.

3つ目の事例は、応用地質とFong Consult Pte. Ltd.のものです。

2018年、地盤に関わるコンサルティングサービスや計測機器・システム販売を行っている応用地質は、シンガポールの建設コンサルティング会社であるFong Consult Pte. Ltd.の株式を取得して、子会社化することを決議しました。
 
Fong Consult Pte. Ltd.は、シンガポールにて設計・設計審査・施工管理などの建設コンサルティング事業を行っています。

買収の目的は、シンガポール事業とのシナジー効果の発揮を図ることです。

現在では、シンガポールを中心とした東南アジアの土木・建設市場を対象に、インフラメンテナンス事業などの各種サービスを投入することでシナジー効果を狙っています。

事例4. 日成ビルド工業とアーバン・スタッフ

事例4. 日成ビルド工業とアーバン・スタッフ

4つ目の事例は、日成ビルド工業とアーバン・スタッフのものです。

2018年、土地開発や建設をメインに手がけている日成ビルド工業は、栃木県を中心に建設業を展開するアーバン・スタッフの全株式を取得して、子会社化することを決議しました。
 
アーバンスタッフは、技術力と有形不動産の有効活用に取り組むソリューション提案力で強みを持つだけでなく、太陽光発電設備工事業を展開して、30ヶ所を超える設備を自社保有しています。

買収の目的は、既存のグループ商品・サービスの幅を広げると共に、ソリューション提案力が強化を図ることです。

現在では、ストック型ビジネスの拡大も促進も期待されています。

事例5. 飛島建設とノダックグループ

事例5. 飛島建設とノダックグループ

最後にご紹介する事例は、飛鳥建設とノダックグループのものです。

2018年、飛島建設は、潜水事業や水質保全事業などを手がけるノダックとその関連会社の株式を取得して、子会社化することを決議しました。
 
ノダックグループは、水インフラ私設の整備から維持管理までの高い実績を有しており、水中ロボットや水上施工機械の独自開発により、国内外で水質環境保全事業を展開しています。

買収の目的は、ノダックの技術を活かした水インフラのリニューアル事業への参入です。

現在では、海外展開を含めた環境負荷低減事業の拡充を目指しています。

以上、建設業界M&Aの5つの成功事例でした。

5つの成功事例を見て、実際にM&Aを行いたいと思った人も多いはずです。

ここで、建設会社のM&Aでの売却に有利な3つの条件を見ていきましょう。

5. 建設会社のM&Aでの売却に有利な3つの条件

建設会社のM&Aでの売却に有利な3つの条件

建設会社のM&Aでの売却に有利なのは、以下の3つの条件を満たしている会社です。

  • 条件1. 質の高い人材が揃っている
  • 条件2. 難易度の高い工事実績がある
  • 条件3. 定期的に受注している得意先がある

あなたの会社がこれらの条件に当てはまるのなら、有利な条件で売却しやすいです。

それでは、それぞれの条件を順番に見ていきましょう。

条件1. 質の高い人材が揃っている

条件1. 質の高い人材が揃っている

質の高い人材が揃っていることは、優位にM&Aを進めるために大切です。

M&Aにおいて重要なポイントは、有資格者の人数となります。

M&Aでの売却に大きく影響する資格は、以下の通りです。

  • 建設施工管理技士
  • 土木施工管理技士
  • 建設機械施工技士

以上、3つの資格を有している従業員が多ければ、優位にM&Aを進めることができる可能性が高いです。

具体的にはこれらの有資格者が10人以上所属していれば、M&Aは成功しやすいと考えられます。

条件2. 難易度の高い工事実績がある

条件2. 難易度の高い工事実績がある

難易度の高い工事実績があることも重要です。

難易度の高い工事とは、たとえば美術館や研究施設の建設工事が挙げられます。

難易度の高い工事実績が豊富な企業は、経験豊富な技術者が所属していることの裏付けとなるのです。

また難易度の高い案件をこなすことで、培われたノウハウも買い手にとっては魅力的だと言えます。

したがって難易度の高い工事実績のある建設会社の買収価格は、高く設定されるのです。

条件3. 定期的に受注している得意先がある

条件3. 定期的に受注している得意先がある

定期的に仕事を受注している得意先があれば、M&Aでの売却において大きな価値を持ちます。

得意先を複数抱えている企業を買収できれば、買い手は自社の事業規模の拡大が期待できるためです。

したがって得意先が確保されている建設会社の買収価格は高く設定されます。

以上、建設会社のM&Aでの売却に有利な3つの条件を紹介しました。

自分の会社が条件に当てはまった人も多いと思います。

しかし、建設会社のM&Aには気をつけるべきこともあるので知っておかなければなりません。

ここからは、建設会社をM&Aで売却するときに気をつけるべき注意点を見ていきましょう。

6. 建設会社M&Aの注意点は?

建設会社M&Aの注意点は?

建設会社をM&Aで売却するときに気をつけるべき注意点は、以下の3つです。

  • 注意点1. 公共工事の入札参加が難しくなる
  • 注意点2. 経営人材不足で円滑に引き継げない可能性がある
  • 注意点3. 債権者の同意が得られない可能性がある

これらの注意点を押さえておかなければ、建設会社のM&Aに失敗してしまうかもしれません。

それでは、それぞれの注意点を順番に見ていきましょう。

注意点1. 公共工事の入札参加が難しくなる

注意点1. 公共工事の入札参加が難しくなる

あなたの会社の事業が公共工事に強く依存しているなら、M&Aでの売却はやや難しいと考えられます。

なぜならM&Aを利用して会社を売却すると、公共工事の入札機会が減ってしまうためです。

公共工事の仕事を受注するには、会社の規模に合わせたランクが重要となります。

M&Aによって会社の規模が大きくなると、今までのように公共工事が受けられなくなる可能性があるのです。

買い手にとって、公共工事をメインの仕事としていた会社を買うのに、公共工事が受けられなくなるのは避けたいことだと言えます。

ただし、現在の建設業界では民間工事が増加したため、公共工事の入札機会の減少は激しいです。

しかし、もしもあなたの会社の事業が公共工事に強く依存しているなら、買い手探しに時間がかかることを覚悟してください。

注意点2. 事業が円滑に引き継げない可能性がある

注意点2. 事業が円滑に引き継げない可能性がある

M&Aをする前にはシナジー効果が発揮できる受注方針を、買い手側とすり合わせておくことが必要となります。

なぜなら受注方針を綿密にすり合わせておかないと、円滑に事業を引き継げない可能性があるためです。

たとえば、買い手側がM&Aで人手不足を解消したいとしても、受注方針が今までと異なれば売り手の人材が即戦力にならないかもしれません。

また、売り手の今後の受注を何も打ち合わせずに買い手のものへ切り替えようとするのは非現実的と言えます。

買い手側には過去3〜5年間の工事経歴書を提示して今後の受注案件の見通しを示しておくと、円滑に事業を引き継ぐことができるでしょう。

注意点3. 債権者の同意が得られない可能性がある

注意点3. 債権者の同意が得られない可能性がある

M&Aでの売却の有用性や今後得られる利益について、債権者に説明をして同意を得ておくようにしてください。

M&Aによる建設会社の買収は、経営改善のための前向きな決断と言えます。

しかし経営体制が変化することへの不安から、反対の意見を唱える債権者が出てくることがあるのです。

反対の債権者がいたとしても、M&A自体は行うことができます。

しかし債権者がM&Aに反対して資金提供を止めてしまった場合に経営に大きな影響が出てしまうこともあるのです。

したがって債権者から同意を得るために、M&Aでの売却の有用性や今後得られる利益について、きちんと説明を行うことが重要だと言えます。

以上が、建設会社のM&Aを行う際の注意点でした。

M&Aを行う際には、以上の3つについて気をつけておきましょう。

そして、建設会社のM&Aを成功させるためには、専門家である仲介会社に相談するのが最適です。

7. 建設会社のM&Aを成功させるためには?

建設会社のM&Aを成功させるためには?

建設会社のM&Aを成功させるためには、M&A仲介会社に相談しましょう。

建設業界でのM&A事例は、増加傾向にあります。

しかし自分でM&Aの勉強をして買い手となってくれる会社を探すのは、簡単なことではありません。

M&Aには、さまざまな専門知識が必要となります。

そこで、行うべきなのが、M&A仲介会社の利用です。

M&A仲介会社は、建設会社を売りたい人と買いたい人とのマッチングを行ってくれるため、M&A初心者でも気軽に買い手を見つけられます。

この他にも、M&Aに必要な事務手続きや経営相談なども仲介会社に依頼することが可能です。

M&A仲介会社に関しては、『【M&A仲介会社BEST5を発表】有名企業5社を徹底比較!!』で詳しく解説しています。

建設会社のM&Aを前向きに検討したい場合には、気軽に相談してみてください。

それでは最後に、建設会社の業界構造を理解する上で便利な、建設業界の主要企業TOP10について確認しておきましょう。

8. 【補足】建設業界の主要企業TOP10

【補足】建設業界の主要企業TOP10選

M&Aで建設会社を売却するときは、建設業界の主要企業について知っておけば業界の動向やM&A相手の経営状況をより深く理解できます。

建設業界の主要TOP10社を、売上高・経常利益・建設事業の売上高と合わせて見ていきましょう。

M&Aでの売却を考えている場合には、建設会社の業界構造を理解する上で参考にしてください。

市場規模(48兆4,600億円) 事業所数(472,921所)
主要企業 決算期 売上高 経常利益 建設事業の売上高
ヤマトハウス工業(株) 2015年3月 2,810,714 202,628 1,154,455
(株)大林組 2015年3月 1,773,981 59,913 1,673,040
鹿島建設(株) 2015年3月 1,693,658 21,365 1,053,268
大成建設(株) 2015年3月 1,573,270 74,467 1,423,266
清水建設(株) 2015年3月 1,567,843 56,246 1,301,656
竹中工務店(株) 2015年12月 1,284,362 68,666 1,188,300
(株)長谷工コーポレーション 2015年3月 642,167 41,889 487,706
戸田建設(株) 2015年3月 420,324 14,813 378,030
前田建設工業(株) 2015年3月 405,376 15,277 329,755
(株)三井住友建設 2015年3月 377,825 11,988 284,096

※単位:百万円
 (引用:国土交通省「平成27年度建設投資見通し」) 

メリットや成功事例と合わせて押さえることで、建設会社のM&Aを有利な条件で成功させましょう。

まとめ

これまで建設業界でのM&Aはデメリットが多く、むしろ廃業が目立っていました。

ところが近年の建設業界では、商圏の拡大や人材不足の解消を目的に、業界をまたいだM&Aが増加傾向にあります。

ただし、自社だけでM&Aを完結させるのは、非常に大変です。

信頼できるM&A仲介業者に相談して、経営している建設会社の売却を成功させましょう。