
コールセンターのM&Aについてお調べですね。
今後拡大が見込まれるコールセンター業界ですが、企業同士の競争は厳しくなっています。
そのため、競争力の低い中小企業は売り上げを伸ばせず、廃業を迫られるケースもあるでしょう。
しかしM&Aを行うことで、廃業を避け、さらに事業の売り上げをアップさせることも可能です。
この記事ではコールセンター業界の現状やM&Aのメリット、留意点などについて解説しています。
コールセンター業界でのM&A成功事例も5つ紹介していますので、会社を残してリタイア後の資金を増やしましょう。
目次
1.コールセンターはM&Aで売却すべき!業界の動向と今後は?

コールセンター業界全般の動きを知れば、自社の目的や課題に合ったパートナーがどんな会社なのか見えてきます。
コールセンター業界のM&Aについて知る前に、業界全体の動向と今後について理解し、自社の経営戦略を見直しておきましょう。
1-1.コールセンター業界の現状とは
Webが発達した現在でも顧客対応のため、コールセンターを必要とする企業は多数あります。
しかし、顧客サービスのため自社でコールセンターを用意できるほど人員が余っている企業は多くありません。
そのためコールセンター業務を専門にする企業に外注する例は多く、コールセンターの需要は高い状況にあります。
しかしコールセンターを専門に行う会社もまた、人員不足に悩んでいるのが現状です。
コールセンターには多くの人手が必要なのはもちろん、仕事の性質上クレーム対応などのストレスから短期離職する従業員も少なくありません。
そのため業界全体としての需要は高いものの、どのコールセンターでも常に人手不足が課題となっています。
1-2.コールセンター業界は今後さらに拡大の見込み

コスト削減の観点からコールセンター業務を外注する企業は今後も増加し、コールセンター業界はさらに拡大していく見込みです。
そして今後は、東京オリンピックに向け、多言語に対応した人員の重要性がさらにアップしていくと言えるでしょう。
また人間の従業員に代わり、AIなどを利用したサービスの開発も進んでいくため、新しい技術やサービスの形に適応していく力も必要となります。
さらに今後拡大していくコールセンター業界を狙い、事業拡大を狙う企業も増えてくると予想されます。
そのためコールセンター業界の競争はさらに激しくなり、価格面でアピールできない企業は廃業を迫られる可能性が高いです。
今後も会社を残していくため、中小企業は資金強化や知名度アップを行い、多くの会社に自社サービスをアピールすることが重要になっていくでしょう。
そのためには、M&Aが活用されるはずです。
1-3.コールセンター業界M&Aは売り手市場!特徴と活用法は?

コールセンター業界拡大を予測した買い手が多くいるため、現在コールセンター業界M&Aは売り手に有利な状況にあります。
そのため別の業種に比べ、同規模の企業でも買収価格が高めに設定されるケースも多く、売り手にとっては今がチャンスだと言えるでしょう。
コールセンター業界のM&Aでは、事業拡大を目的としたものが多くなっています。
特に特徴的なのは、新しいスタイルの顧客対応を目的として、IT企業、通信機器関連事業を行う企業など異業種間で行われるM&Aです。
一方、拠点拡大や人材の確保を目的とした、コールセンター同士のM&Aも多くなっています。
売り手はM&Aにより資金力を強め知名度を上げることができるため、今後の経営に不安を抱えている方はまずM&Aを検討してみると良いでしょう。
以上が、コールセンター業界の現状とM&Aに関する解説でした。
業界全体の売上は伸びていくと予想されるものの、今後厳しい戦いが必要となるコールセンター業界。
特に中小企業は生き残りのため、M&Aで資金力をつけ知名度をアップさせることが大切になります。
自分の会社を残したい方、さらに売り上げをアップさせたい方はM&Aで自社の目的に合ったパートナーを見つけるのがおすすめです。
「M&Aが気になるけれど、売買の価格はどれくらいになるのだろう?」と、疑問に思っている人も多いのではないでしょうか?
ここからはコールセンターM&Aの買収価格相場について解説していきます。
2.コールセンターM&Aの買収価格相場

コールセンター業界のM&Aは売り手市場と言われていますが、買収価格相場は会社の規模、人材の質や数、拠点の数などによって大きく変わります。
また取引先の規模や売り上げによっても買収価格の差は大きいです。
なので、まずはM&A仲介会社などに相談することが大切となります。
一例として、
- 拠点:沖縄県
- 従業員:20名
- 業務内容:コールセンター業務
の会社の希望譲渡価格が、1,000~5,000万円となっています。
この企業の規模自体は小さめですが、多数のベテラン従業員を有していることから1,000万円以上での売却が可能になっていると言えるでしょう。
こういった事例もありますが、買収価格については企業の規模や売り上げなど、様々な要因によって変わります。
そのためM&A仲介会社などの専門家に相談し、「自分の会社がどのくらいの金額で売れるのか」を聞いてみてください。
ここからはコールセンターM&Aにおける売り手側のメリットを解説していきます。
M&Aを行うべきか迷っている方は、メリットを見て判断するのが良いでしょう。
3.コールセンター業界M&Aにおける売り手側のメリット
コールセンターM&Aにおける売り手のメリットは以下の4つです。

コールセンターのM&Aは現在売り手市場と言われており、中小企業の場合もM&A実施によるメリットを多数享受できます。
ここからはそれぞれのメリットについて解説していきますので、M&Aを行うべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。
メリット1.廃業を避け後継者を見つけられる

M&Aを行えば、コールセンターの後継者を見つけることができます。
経営者の年齢は会社によって様々ですが、良い後継者が見つからず廃業を考えているコールセンターも少なくありません。
特に一代で立ち上げた会社の場合、適切な後継者がおらず困っている方も多いでしょう。
しかしM&Aを行うことで経営体制と経営者が変わるため、自社の跡継ぎについて悩む必要はなくなります。
会社が存続すれば、大切な従業員の雇用を継続し、拡大が見込めるコールセンター業界でさらなる成長を目指せるでしょう。
メリット2.売却することで利益を得られる

M&Aを行い会社を売ることで、買い手から売却資金を得ることができます。
買収額はケースによりまちまちですが、拠点が多く、従業員が多いほど経営者として多額の利益を得られるでしょう。
また、創業時、家や不動産を担保に入れ、個人保証を行っている方も多いと思います。
自宅などを担保に入れている場合、会社の売上が大きく下がれば自宅を失うケースも少なくありません。
しかしM&Aを行えば、まとまった売却資金を得られるうえ個人保証をそのまま買収先に引き継げるため、リタイア後の不安も減るはずです。
メリット3.有力グループの傘下に入れる

M&Aを行えば、有力グループの傘下に入り今までの事業を継続することが出来ます。
コールセンター業界で有名な会社の傘下に入れば、資金力の拡大により企業へのアピール力がアップし、競争力も上がります。
また、大手傘下に入れば、大きな取引先からコールセンター業務の委託を受けることも可能です。
さらに大手傘下に入り知名度を上げれば、人員不足の解消にもつながります。
有名ではないコールセンターは、採用活動を行っても応募者が少なく、人員不足に陥りがちです。
しかしM&Aを行えば知名度が上がり、応募者も増えるため優秀な人材を獲得しやすくなります。
メリット4.新システムを導入し事業の発展が狙える

異業種の会社や、新サービスを実施する大手コールセンターとのM&Aを行えば、AIなどの技術を使った効率的な業務も可能になります。
技術進歩による新しい窓口相談はコールセンター業界でも盛んになっており、昨今はメッセージをやり取りできるアプリ、LINEを利用した顧客相談などを導入する企業も増えてきました。
顧客からのクレームなどにより、離職率が高いコールセンター業界。
メールやWeb、LINEなどのメッセージ機能を利用すれば、従業員のストレスを減らし長期間働いてもらうことも可能になります。
クレームによる離職に悩む経営者は異業種や大手コールセンターとのM&Aを積極的に行い、新技術を導入するのが最適です。
以上が、コールセンターM&Aにおける売り手側のメリットでした。
コールセンターは現在売り手市場で、売り手側のメリットは多数あります。
特に大手傘下に入ることで知名度がアップすれば、今後の価格競争にも勝ち残っていける可能性が高まります。
「今ある会社を残したい」という方、「売上増が見込まれるコールセンター市場で会社をもっと発展させたい」という方はぜひM&Aを前向きに検討してください。
ここからはM&Aにおける買い手側のメリットについても解説していきます。
4.コールセンター業界M&Aにおける買い手側のメリット
コールセンター業界M&Aにおける買い手側のメリットは以下の3つです。

買い手のメリットを理解することで、自社のどんな特徴がM&Aで有利になるのか見えてきます。
ここからはそれぞれのメリットについて解説していくので、自社の買収価格を少しでも上げるためぜひチェックしてください。
メリット1.拠点を増やし様々な顧客に対応できる

M&Aを行うことで、拠点を増やし、対応できる顧客の幅も大きくなります。
M&Aを行えば売り手企業の拠点を得ることはもちろん、今まで売り手が抱えていた顧客を獲得することも可能です。
今後の事業拡大を見越して拠点の増加をしたいと考える買い手は多数いますが、自社で一から拠点を作るとコストが高くなってしまいます。
しかし、M&Aを行い売り手の拠点と顧客をそのまま獲得すれば、低コストで事業の拡大ができるようになるでしょう。
また海外のコールセンターを買収すれば、海外展開している企業や、海外の企業を相手にコールセンター業務を請け負うことも可能になります。
メリット2.従業員の数を増やせる

買い手はM&Aを行うことで、従業員の数を増やすことが出来ます。
コールセンター業界の中で最も深刻な問題は、人手不足です。
大手コールセンターにとっても、人手不足は他人事ではなく常に大きな課題となっています。
M&Aで売り手企業が抱える従業員を獲得すれば、従業員の数を増やすことが可能です。
なので、コールセンター同士のM&Aは活発に行われています。
>また昨今は訪日外国人の増加やグローバル化などにより、多言語に対応した人材が求められやすいです。
そのため多言語対応可能な従業員を少しでも増やすため、中小コールセンターを買いたいと考える企業は少なくありません。
メリット3.事業の多角化が可能になる

コールセンターを買収することで、事業の多角化も叶います。
「コールセンター業界に参入したいけれど、ゼロからの新事業はリスクを感じる。。」という場合は多いはずです。
そのようなとき、M&Aですでに売上が出ているコールセンターを手に入れれば、低リスクで多角化ができるでしょう。
以上が、M&Aにおける買い手側のメリットでした。
M&Aを行う際は買い手側のメリットにも注目し、「ぜひ買いたい!」と思われる企業になるべく業務改善などを行っていきましょう。
ここからは、コールセンター業界のM&A成功事例を紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
5.コールセンター業界M&Aの成功事例5選
ここから紹介するコールセンターM&Aの成功事例は以下の5つです。

M&Aを行った企業の特徴、M&Aの目的を知ることでコールセンター業界の展望や、M&Aについての理解を深めることができます。
それぞれの事例について、順番に確認していきましょう。
成功事例1.りらいあコミュニケーションズとLTS

最初に紹介するのは、りらいあコミュニケーションズとLTSの事例です。
りらいあコミュニケーションズは、数あるコールセンター関連会社の中で最大規模の売上を出している企業です。
このM&Aの目的は、コンサルティングのノウハウを持ったLTS社と協力することで、コールセンター業務の効率化を行うことにあります。
また、今後はe-ラーニングコンテンツの企画・開発実績を持つLTSと人材開発分野でのシナジー効果を高め、従業員の能力を高める新サービスの開発も視野に入れているのです。
優秀な人材と業務の効率化による競争力アップは、今後コールセンター業界で必要とされるものだと言えます。
異業種間のM&Aでありながら、りらいあコミュニケーションズはコールセンター業務のさらなる強化と今後の発展を見据えていると言えるでしょう。
成功事例2.セコムとTMJ

次に紹介するのは、セコムとTMJの事例です。
TMJはもともと、ベネッセの出資企業としてスタートし、通信教育講座のコールセンター業務を行ってきました。
しかし昨今はコールセンター業界の発展に伴い、ベネッセグループ以外のコールセンター業務、アウトソーシング業務などを請け負うようになっています。
そして今回のM&Aでは、事業の選択と集中のため、TMJを資金力を持つセコムに任せ、ベネッセグループ全体の事業効率化が実現されました。
またセコム側も、このM&Aにより安心・安全なセキュリティを求める顧客に対応するため、TMJのノウハウを生かしビジネスサポート業務を強化することが可能になりました。
TMJ、セコムは今後、新たな技術開発を進め、ベネッセグループのコールセンター業務に限らず様々な分野でのサポート業務を行う予定です。
成功事例3.伊藤忠商事とベルシステム24

次に紹介するのは同じく異業種間のM&A、伊藤忠商事とベルシステム24の事例です。
伊藤忠商事は総合商社として有名ですが、BPO事業の強化を進めるため、今回の出資を行いました。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業とは、自社の業務の一部を他社に任せる、アウトソーシング事業の一種です。
しかし限定的なアウトソーシング事業とは異なり、BPOの場合は事業に関連する人事や経理業務などを丸ごと他社に委託するのが基本となっています。
伊藤忠商事はこのBPO事業でのノウハウを得るべく、長年コールセンター事業を請け負ってきたベルシステムとのM&Aを行ったのです。
またベルシステム24は伊藤忠商事の資金力を得ることで、さらなるサービス向上と業務システムの効率化が可能になりました。
成功事例4.もしもしホットラインとヴィクシア

次に紹介するのは事業範囲拡大のためのM&A、もしもしホットラインとヴィクシアの事例です。
もしもしホットラインはコールセンターをコア事業としながらも、訪問営業支援サービスを行う企業の設立、店頭営業の支援事業を行う企業の買収などを行ってきた企業です。
もしもしホットラインが目指すのは、電話と対面、それぞれで人が窓口機能を担う事業全般の強化にあります。
今回のM&Aではヴィクシアのインターネットマーケティングノウハウを生かし、人とインターネットを組み合わせた新しいマーケティングモデルを提案していくことが可能になりました。
この事例はコールセンターが買い手となっていますが、売り手として異業種とのM&A行った場合でも買収先の技術やノウハウを生かすことが出来ます。
この事例のように、自社の目的に合ったパートナーを見つければ新しい顧客サービスを開発・提供していくことも十分可能でしょう。
成功事例5.オウケイウェイブとブリックス

最後に紹介するのは、オウケイウェイブとブリックスの事例です。
オウケイウェイブは、Q&Aサイトをはじめソーシャルメディア領域で活躍してきた企業です。
今回のM&Aではブリックスが持つ多言語に対応できる人材と、オウケイウェイブが持つサイト運営ノウハウを提携させ通訳・翻訳ビジネス市場に本格進出することが発表されました。
現在は二社の特徴や強みをうまく生かし、外食向けスマートフォンサービスに電話通訳、コンシェルジュサービスを追加するなど訪日外国人向けのサービスを展開しています。
以上が、コールセンターM&Aの事例5選でした。
M&Aを行う目的は様々ですが、今後顧客へのサービスをさらに向上させるため、コールセンターを運営する会社のノウハウを必要としている企業は多数あります。
自社のM&Aについて考える際は、より高値での売却を成功させるため、自社の強みや今までの実績などを買収先企業の目的に合わせアピールしていきましょう。
以下では、紹介した成功事例をもとにコールセンターM&Aで買い手が見るポイントについて解説していきます。
少しでも高い値段で会社を売りたい方はぜひチェックしてください。
6.コールセンターのM&Aで買い手が見るポイント
コールセンターのM&Aにおいて買い手がチェックするのは以下の2点です。

コールセンター業界のM&Aは売り手市場ですが、より高値での売却を成立させるには買い手にとって魅力的な企業であることが必要です。
ここからはそれぞれのポイントについて解説していくので、ぜひM&Aの戦略作りに役立ててください。
ポイント1.従業員は外国語に対応しているか

よりレベルの高い従業員を求めるため、M&Aを行う企業は多数あります。
特に東京オリンピックを目前に訪日外国人が増加している今、外国語に対応できる人材は強く求められています。
そのため、外国語に対応できる人材が多ければ多いほどM&Aで有利になります。
また、多言語対応可能な人材を上手く使い、顧客満足度を上げた実績などがあれば外国人をターゲットにしたビジネスを行う企業にも好感触でしょう。
ポイント2.人件費を安く抑えているか

コールセンター同士の価格競争が厳しくなっている今、人件費の安さに注目する企業は多数あります。
昨今は沖縄、北海道など地方に拠点を置き、価格を低く抑えようとするコールセンターは少なくありません。
人件費の安いエリアに拠点を置けば、より価格競争を有利に進められるからです。
そんな中、都心に拠点を持ち人件費が高額になっているコールセンターは、業界の潮流に逆行しているため良い買収先に巡り合えない可能性があります。
コールセンターのM&Aにおいては、地方に拠点を置き人件費を抑えていることをアピールすれば、「競争力を上げたい」と考えている買い手にも魅力的に映るでしょう。
以上が、コールセンターM&Aで買い手がチェックするポイントでした。
買い手が重視するポイントは買い手の目的によっても異なりますが、やはり一番大切なのは買収先が今後生み出す利益です。
自社が今持っている人材や技術などの資産、そして今持っている強みを明らかにし、M&Aを行うことでどれだけのメリットを買い手に与えられるか考えましょう。
買い手が重視するポイントを押さえれば、売り手市場の現在相場より高い金額での買収も狙えるかもしれません。
ここからは、コールセンターM&Aの留意点について解説していきます。
M&Aをスムーズに進めるため、ぜひチェックしてください。
7.コールセンターにおけるM&Aの留意点
コールセンターのM&Aにおける留意点は、以下の2点です。

売り手市場の今、コールセンターの買収を前向きに検討する企業も多数あります。
しかしM&Aのメリットや買収価格にだけ注目していては、これまでの業務体制が大きく崩れる可能性もあります。
ここからはM&Aを行う際注意したいポイントについてそれぞれ解説していきますので、ぜひ確認してください。
留意点1.業務システムを周知しなければならない

M&Aを行った後、業務システムや制度の変更を従業員に良く理解してもらう必要があります。
M&Aにより買収先企業が利用している新技術の導入などを行った場合、これまでの業務方法とは全く異なった対応を要求されることも少なくありません。
またM&Aにより取引先が大きく変わり、新たな専門技術を覚えなくてはならない従業員も出てくるでしょう。
ほとんど説明なしに業務システムや業務内容の変更を行ってしまうと、貴重な従業員が反発し退職するケースも考えられます。
コールセンターにとって、人材は今後の売上を決める重要な存在です。
大切な人材を失ってしまわないよう、M&A後の業務について事前にしっかりと説明しておくことが大切です。
留意点2.企業文化融合に時間をかける必要がある

コールセンターのM&Aでは、企業文化の融合に時間がかかる可能性があります。
今後、コールセンター業界で重要視されているのが人材育成です。
M&A先の人材育成方法を丸ごと導入すれば、これまでの体制やマニュアルに慣れていた従業員が反発し、会社を辞めてしまうケースもあります。
またこれまでの顧客や取引先に合わせたマニュアルが一新されることで、従来の顧客をターゲットにしたビジネスが難しくなることもあります。
そのためM&A先と企業文化の融合を行う際は、今まで自社が持っていた特徴やメリットを生かしつつ慎重に行う必要があるでしょう。
一般に、企業文化の融合にはM&Aに必要な時間以上に手間がかかるものです。
「買ってもらった立場なのだし、買収先企業の言うとおりにしよう」と考える必要はありません。
時間をかけてでも自社の良さはそのままに、M&Aのメリットを最大限に生かしましょう。
以上が、コールセンターのM&Aにおける留意点でした。
M&Aでの高額買収を狙うことも大切ですが、メリットばかりに注目して社内体制が大きく崩れてしまうと、大切な人材を失うことにも繋がりかねません。
今後のコールセンターで最も大切なのは、現場で働く優秀な従業員です。
M&Aの際は従業員の心情や働く環境に最大限配慮し、丁寧に業務の提携を進めましょう。
ここからはM&Aを成功させるためのポイントについて紹介しています。
「そもそもM&Aの方法が分からない」「買収先企業の探し方が分からない」、という方は特に重点的にチェックしてください。
8.コールセンターのM&Aは仲介会社に相談しよう

M&A仲介会社を活用すれば、今後の経営方針に沿ったパートナーを効率的に探すことが出来ます。
M&Aのパートナー探しから手続き、経営統合まで全て自社で行うのは非常に大変です。
売り手市場の今、M&A仲介会社に相談すれば、自社を高値で買いたいと思っている企業に出会えるだけでなく、M&Aに伴い手続きもしっかりサポートしてくれます。
M&A仲介会社に相談して仲介をサポートしてもらう場合、成功費用は譲渡価格6,000万円以下のM&Aで350万円ほどとなっています。
しかし多くの仲介会社では無料相談ができますので、M&Aが不安な方は仲介会社に相談しましょう。
M&A仲介会社に相談すれば、さらに高値で買収を行ってもらえるよう経営、雇用、今後の方針に関するアドバイスをもらうこともできます。
コールセンターのM&Aを行うなら、まずM&A仲介会社に相談し、今後の売り上げ目標や抱える課題に合ったパートナーを探しましょう。
M&A仲介会社に関しては、『【M&A仲介会社BEST5を発表】有名企業5社を徹底比較!!』で詳しく解説しています。
良い仲介会社を選び、M&Aを成功させましょう。
まとめ
顧客対応を外注する企業が増えることで、コールセンター業界は今後ますます拡大していくと言えます。
しかし人員不足や後継者問題に悩む中小企業は、今後事業を存続していくためにM&Aを前向きに検討していくべきです。
M&Aを行う際は信頼できるM&A仲介会社に相談し、自社の課題に合ったパートナーを見つけましょう。