
アパレル業界のM&Aについてお調べですね。
アパレル業界での生き残りは厳しく、企業価値を上げるためM&Aが多く行われています。
しかし、M&Aは入念に準備をしなければ成功しないので、冷静に計画を立てるべきです。
この記事ではアパレル業界の現状やM&A、M&Aのメリット、留意点などについて解説しています。
M&Aに成功した企業の事例もあるので、廃業を避け、事業を継続していきましょう。
目次
1.アパレル業界の動向とM&A

M&Aを検討するうえでまず知っておきたいのが、アパレル業界の動向とM&Aの傾向です。
アパレル業界におけるM&Aについて知っておけば、今後どのような買い手を見つければ良いか見えてきます。
ここからはアパレル業界の現状、そしてアパレル業界におけるM&Aの動向と他業種の動きについて解説していきますので、ぜひ最初にチェックして下さい。
1-1.アパレル業界の現状

現在、ファストファッションブランド(ユニクロ、ZARAなど)の台頭により消費者一人当たりが服に支払うお金は減少しています。
そのためマーケティングやブランドイメージ作りを十分に出来なかった企業はどんどん衰退していき、競争が激しくなっているのが現状です。
アパレル業界の主要企業は、以下のようになっています。
企業名 | 売上高(万円) | 主要ブランド |
ファーストリテイリング | 1,681,781 | ユニクロ、GU |
しまむら | 512,828 | しまむら |
青山商事 | 221,712 | 洋服の青山、THE SUIT COMPANY |
アルペン | 218,948 | イグニオ、ティゴラ |
エービーシー・マート | 213,584 | ABC-MART |
この表から見ても分かる通り、ユニクロ、GUなどのブランドを展開するファーストリテイリングが圧倒的な売り上げを占めています。
「安くて質のいい服」が求められている現在、アパレル業界での生き残りはどんどん厳しくなっていくでしょう。
このように厳しい状況が続くアパレル業界ですが、現在のM&A動向はどのようになっているのでしょうか。
1-2.アパレル業界におけるM&A

アパレル業界におけるM&Aの主な目的は、事業規模と販路の拡大です。
国内での競争が厳しくなっていく中、M&Aにより事業の拡大を狙う企業は増加しています。
アパレル業界同士でのM&A事例も多く、売り手買い手共に資金力やブランド力を上げ、売り上げの増加を目指しています。
また最近では国内での競争から抜け出すため、海外のアパレル企業を買収する事例も出てきました。
したがって、他企業との競争が激しい環境にある企業は、積極的にM&Aを行い生き残りを図るべきです。
また、以下の記事ではそもそもM&Aとは何か?という内容について詳しく解説しています。
手続きの流れや発生する税金、取引を成功させるための知識などについても紹介しているので、併せてご確認下さい。
【関連】M&Aとは?成功させるための基礎知識を世界一分かりやすく解説!
ここからはアパレルM&Aに関わる業界についてさらに詳しく解説していきます。
1-3.アパレルM&Aに関わる業界

アパレル業界のM&Aにかかわる企業は、同じアパレル関連の企業だけではありません。
2017年にはスポーツジムの運営で有名な「RIZAP」がアパレル小売の「ジーンズメイト」を買収したことで話題となりました。
このように、異業種とのM&Aも珍しくありません。
同業種内でM&Aを行う場合には、事業の拡大やシナジー効果を狙ったものが多いです。
しかし、他業種がアパレル企業を買収する場合、事業の多角化がその主な目的と言えます。
また、店舗だけでなく通信販売を行う企業が増えてきたことから、WEB販路拡大を目的としたIT関連企業とのM&Aを行う事例も少なくありません。
昨今はアパレル業界以外がM&Aに参加してくる場合もあるので、M&Aの買い手を同じアパレル企業に限定する必要はないでしょう。
特に今後通販サイトなどで自社ブランドを展開したいと考えている場合、他業種とのM&Aを行っていくべきです。
ここからはアパレル業界のM&Aが増加している理由について、詳しく解説していきます。
2.アパレル業界のM&Aが増加している理由

次に、アパレル業界のM&Aが増加している理由について解説します。
理由は以下の3つです。
- 会社の弱点を補うため
- 大きな資本を獲得するため
- サプライチェーンをグローバル化して製造コストを抑えるため
1つずつ、見ていきましょう。
理由1.会社の弱点を補うため
会社の弱点を補うためにM&Aを行うアパレル会社があります。
アパレル業界ではSPAビジネスモデルが盛んであるため、企画・製造・流通・販売の全過程を一社で補完できるようにする企業が増加してきました。
例えば、デザイン力に弱みがあればデザイナーズブランドの買収をして、販売面に弱みがあればECサイトの運営ノウハウがある企業を買収するなど、弱点を補う形のM&Aが増加しています。
ですので、出来る限り企画から販売までの過程を一社で完結させられるようにM&Aを行う会社も増えているのです。
理由2.大きな資本を獲得するため
大きな資本を獲得するためにM&Aを行う会社が増えています。
アパレル業界は、商品の低価格・均質化が進み、独自の個性を活かした差別化が難しい傾向です。
結果として企業間との競争に勝ち抜くには、販売シェアを獲得することが最も重要な戦略となりました。
ですので、大きな資本力を持つために会社規模や販売網の拡大を狙ったM&Aが増えているのです。
理由3.サプライチェーンをグローバル化して製造コストを抑えるため
サプライチェーンをグローバル化して製造コストを抑えるために、M&Aを行う会社があります。
商品を安く製造するために、海外の工場で製造過程の一部を行うということがあるのです。
例えば、人件費の安いベトナムなどに縫製工場を置いてコストを抑えています。
大企業であれば、より人件費の安い国を探しながらM&Aを繰り返すことが多いです。
これまでは中国に製造工場を置く企業がありましたが、物価や賃金が上昇したことでベトナムなどの東南アジアへ製造拠点を移す企業が増えています。
次は、アパレル業界のM&Aにおける売り手側のメリットについて見ていきましょう。
3.アパレル業界M&Aの売り手側のメリット

アパレル業界における売り手側のメリットは、以下の4つです。
- 後継者を見つけられる
- 廃業コストの削減ができる
- 大手傘下に入り安定した経営を行える
- 販売チャネルを広げられる
ファストファッションや通販サイトの影響で売上が伸びず、廃業を考えている経営者も少なくないでしょう。
しかしM&Aを行うことで、今抱えている課題を解決できる可能性が高いです。
ここからはそれぞれのメリットについて、詳しく見ていきます。
メリット1.後継者を見つけられる

M&Aを行うことで、自分の会社の後継者が見つかります。
若い経営者の多いアパレル業界ですが、特に小~中規模小売店の場合、良い後継者が見つからず困っている経営者は少なくありません。
しかしM&Aを行えば経営者が変わるため、後継者を見つけることも可能になります。
ここまで育て上げてきた会社をそのまま廃業してしまうのは、心情面でも非常に苦しいことです。
後継者を見つけ会社を残せば、従業員や他の経営陣も喜ぶでしょう。
メリット2.廃業コストの削減ができる

廃業コストの削減は、アパレル業界のM&Aにおける大きなメリットです。
アパレル業界の場合、繊維業者やデザイナーなど各取引先との契約破棄や在庫処分など、廃業にかかるコストが他業種に比べ大きくなります。
そのため大量の在庫を抱え廃業してしまうと、残っていた収益が廃業コストを下回り負債が発生するかもしれません。
しかしM&Aを行えば在庫や取引先をそのままM&A先企業に引き継げるので、廃業コスト削減につながります。
メリット3.大手傘下で安定した経営を行える

M&Aを行うことで、経営を安定させることも可能です。
売り上げが伸びず、大量の在庫を抱え資金繰りに苦しんでいる経営者は少なくありません。
しかしM&Aで自社を子会社化してもらい、安定した資金のもと経営を行えば現在抱えている経営課題は解決していくはずでしょう。
特に大手企業の傘下に入ることが出来れば、経営が非常に安定するため従業員の雇用や自社ブランドの存続も見えてきます。
メリット4.販売チャネルを広げられる

他会社と協力することで、販売チャネルの拡大につながります。
M&Aで同じアパレル会社や、事業拡大に適した土地や人材を持つ他業種の会社と手を組めば、今以上に売り上げを伸ばすことができます。
特にIT、WEB系企業など通販サイト運営に関わる企業がパートナーになれば、通販サイトでの販売や海外での店舗展開なども可能です。
店舗販売だけでなく様々な方法で自社ブランドをアピールし、販路を広げていけば、さらなる収益が見込めるでしょう。
以上が、アパレル業界売り手側のメリットでした。
ここからは買い手側のメリットについても説明していきますので、ぜひM&Aへの理解に役立てて下さい。
4.アパレル業界M&Aの買い手側のメリット

アパレル業界における買い手側のメリットは、以下の4つです。
- 土地と人材を確保できる
- 有望なブランドを獲得できる
- スケールメリットで効率的な経営ができる
- 事業の多角化が可能になる
アパレル業界で生き残るため、有力な企業とのM&Aを検討している経営者はたくさんいます。
「自分の会社を売却したい」と考えている方も、買い手側のメリットをチェックしM&Aの戦略作りに役立てて下さい。
メリット1.土地と人材を確保できる

アパレル企業を買収すれば、土地と人材の確保ができます。
アパレル業界において店舗を置ける土地や、繊維業者、デザイナーとのやり取りを担当できる人材の確保は重要な問題です。
特にアパレル業界に進出して間もない企業にとっては、人材不足が大きな問題となっています。
M&により長年アパレル業界で働いてきた人材と立地の良い店舗を確保すれば、今後さらに事業を拡大していくこともできます。
メリット2.有望なブランドを獲得できる

M&Aを行えば、有望なブランドを丸ごと獲得することもできます。
アパレル業界にとって、個性あるブランドは会社そのものより大切です。
そのためM&Aを行い、人気ブランドを持っている会社を獲得すれば、その分多くの収益が見込めます。
また、発展途上の段階にある有望ブランドとのM&Aに成功すれば、そのブランドをさらに強化し資金力を強めることもできます。
メリット3.スケールメリットで効率的な経営ができる

M&Aを行い経営店舗を増やせばより効率的な経営が可能です。
店舗数は多いほど、スケールメリットで適切な人員配置や資金投入が出来るようになります。
スケールメリットは規模のメリットと言われており、似たようなものが多く集まることでより効果を生み出すことを指す言葉です。
経営上では、一店舗のみを経営するより複数の店舗をまとめて経営した方が店舗当たりの生産性や効率性が上がることを意味します。
今より効率的に経営を行うため、スケールメリットを狙って店舗を複数に渡って買収する企業も少なくありません。
メリット4.事業の多角化が可能になる

M&Aによりアパレル業界に参入すれば、事業の多角化も可能です。
特に昨今、事業の多角化を狙い他業種からアパレル業界へ進出しようとする企業も少なくありません。
しかし新しくアパレル事業を始めるには、事業に詳しい担当者や販売員、販路の確保が必要です。
アパレル事業に対する見識のない企業にとって、こうした下準備を全て一から行うのは非常に大変なことでしょう。
ですがアパレル企業とのM&Aを行い、事業のノウハウと資源を一気に獲得すれば低コストで事業の多角化が可能です。
また以下の記事では、M&A全体に言えるメリットやデメリットについても解説していますので、気になる人は併せて確認しておきましょう。
【関連】企業を売買をする前に知っておきたい!M&Aのメリットとデメリット
以上が、アパレル業界買い手側のメリットでした。
ここまでのメリットを踏まえ、以下の見出しではアパレル業界M&Aの成功事例について解説していますので、ぜひチェックして下さい。
5.アパレル業界M&Aの成功事例5選

ここから紹介する成功事例は以下の5つです。
- ナルミヤ・インターナショナルとハートフィール
- ロコンドとモバコレ
- オンワードホールディングスと大和
- RIZAPグループとジーンズメイト
- ストライプインターナショナルとスマービー
アパレル業界におけるM&Aのメリットは多数ありますが、実際M&Aに成功したのはどのような企業なのでしょうか。
成功事例の目的と意義を確認し、今後のM&A戦略に生かしましょう。
成功事例1.ナルミヤ・インターナショナルとハートフィール

最初に紹介するのは、ナルミヤ・インターナショナルとハートフィールの事例です。
ナルミヤ・インターナショナルは「メゾ・ピアノ」など女児向けの人気ファッションブランドを展開してきた大企業です。
M&Aにより男児向け服ブランドの子会社化を行い、顧客層の拡大や子供服事業の売り上げ増加を目指しています。
成功事例2.ロコンドとモバコレ

次にご紹介するのは、ロコンドとモバコレのM&A事例です。
このM&Aの目的は、販路のさらなる拡大と新たな販売システムの導入。
20代~30代女性を中心顧客とし、通販サイト運営を行っているモバコレのノウハウをもとに、ロコンドが扱うブランドを同時に購入できるシステムを構築する予定となっています。
そしてロコンド側の扱うブランドも新規構築するシステムで販売してもらい、さらなる事業拡大を狙っていくのです。
販路の充実により、さらなるシナジー効果が期待できます。
成功事例3.オンワードホールディングスと大和

オンワードホールディングスと大和の事例は、顧客満足度の向上を狙ったM&Aです。
女性向け衣服ブランド、「23区」「組曲」などを運営するオンワードホールディングスは2019年、ギフトカタログを展開する大和の株式を全て取得し、子会社化すると決定しました。
ギフトやギフトカタログの企画を行う大和。
ファッションに加え、ライフスタイルに関する事業を行えば、消費者へ提供できるサービスの幅も広がります。
異業種同士のM&Aにより顧客満足度を上げれば、さらにブランドイメージを向上させることにもつながるでしょう。
成功事例4.RIZAPグループとジーンズメイト

次はRIZAPとジーンズメイトによる、異業種間のM&Aをご紹介します。
2017年、スポーツジム経営を中心に多くの子会社を抱えるRIZAPはアパレル大手、ジーンズメイトの子会社化を行いました。
RIZAPはジーンズメイトに限らず、業績が低迷している企業とのM&Aを多数行い、さらなる事業拡大と売り上げ向上を狙っている企業です。
ジーンズメイトもRIZAPに買収される前、売り上げが低迷していました。
しかしM&A成立後、同じRIZAP傘下にあるアパレル関連企業との協力で顧客拡大、経営の効率化に成功しました。
このことから他業種とのM&Aにおいても、アパレル業界同士のシナジー効果は大切だと言えるでしょう。
成功事例5.ストライプインターナショナルとスマービー

最後は、ストライプインターナショナルとスマービーの事例です。
ヤングレディス向けファッションEC「STRIPE CLUB」の運営を行うストライプインターナショナルは、子育て中のママをターゲットとしたファッションEC「smarby」を手掛けるスマービーの株式を取得しました。
ECとは「E-commerce(イーコマース)」、日本語で言う電子取引のことです。
ファッション業界でのECとは、ネットショップのことを指しています。
このM&Aの目的は、ターゲット層の違うファッションECを展開する企業同士、シナジー効果を高め顧客層を拡大させることです。
ストライプインターナショナルは将来的に、全世代に向けたファッションECを運営したいとしており、同業種間のM&Aはさらに加速すると言えるでしょう。
以上がアパレル業界での成功事例でした。
ここからは成功事例5つをもとに、M&Aで買い手がチェックするポイントについて見ていきましょう。
※その他の事例に関しては、以下の記事で一括してご紹介していますのでこちらもご覧ください。
【関連】M&A事例50選!成功への鍵を徹底解説!【2020年最新版】
6.アパレル業界のM&Aで買い手がチェックするポイントとは

アパレル業界でのM&Aは非常に盛んですが、どんな会社でもM&Aに成功できるというわけではありません。
M&Aにおいて、買い手が重視するポイントは以下の3つです。
- スタッフの接客態度はどうか
- ブランドに独自性があるか
- 在庫管理をきちんと行えているか
ポイントが押さえられれば企業価値が高まるため、さらに高値でM&Aが出来るようになります。
ここからはそれぞれのポイントについて、見ていきましょう。
ポイント1.スタッフの接客態度はどうか

特に店舗運営をするアパレル企業にとって、スタッフの接客態度は非常に重要です。
M&Aをしたとしてもスタッフの接客態度が悪いことで顧客が減ればそのまま売り上げも減り、大量の在庫を抱える可能性もあります。
そのため買い手は、実店舗で働くスタッフの態度を非常に重視しているのです。
もしスタッフの接客に気になる点があれば、早い段階で研修やマニュアル改善などを行うと良いでしょう。
ポイント2.ブランドに独自性があるか

浮き沈みの激しいアパレル業界において、ブランドの独自性は非常に重要です。
消費者が服にかける費用が減っている今、ブランドに独自性がなければ固定客がつかず、すぐに廃業の危機を迎えてしまいます。
そのため買い手は独自性のあるブランドを求めており、ブランドに特徴がなければM&A自体成立しない可能性もあります。
より良い買い手を見つけるため、自社ブランドのブラッシュアップやイメージ戦略の見直しを行っておくと良いでしょう。
ポイント3.在庫管理をきちんと行えているか

季節性の高い商品を扱うアパレル業界において、在庫管理は重大なポイントです。
在庫管理をきちんと行えず、売れない大量の在庫を抱えていては保管のためのコスト、服を捨てるためのコストが余分にかかってしまいます。
買い手はなるべく経営状態の良い売り手とM&Aしたいと考えているので、在庫を抱えた売り手をパートナーとして選択しません。
在庫に不安を抱えているようであれば、まず在庫が今どれくらいあるか把握し、問題をスタッフ全員と共有するようにしましょう。
その上で在庫を減らすための戦略を練り、経営状態を整えていって下さい。
また、以下の記事では企業価値の評価方法やメリット、向上の条件について詳しくまとめていますので、より高値でM&Aを行いたいという人はこちらも併せて確認しておきましょう。
【関連】企業価値とは?評価方法やメリット、向上の条件を分かりやすく解説!
以上が、アパレル業界M&Aで買い手がチェックするポイントでした。
M&Aを検討しているなら以上3つのポイントを押さえておくと良いでしょう。
ここからはアパレル業界におけるM&Aの留意点について解説していくので、買い手を探す前にぜひチェックして下さい。
7.アパレル業界M&Aの留意点

アパレル業界におけるM&Aの留意点は、以下の2つです。
- M&A先の文化に馴染めないことがある
- 取引先の反発を受けることがある
アパレル業界で生き残るため、M&Aは非常に有益な選択です。
しかしM&Aには留意しておきたいポイントもあり、メリットだけでM&Aを決断するのはお勧めできません。
ここからはそれぞれの留意点とその解決方法について、見ていきます。
留意点1.M&A先の文化に馴染めないことがある

M&A成立後、相手企業の文化に馴染めず期待していたメリットが得られないこともあります。
特にブランド意識の高いアパレル業界の場合、M&A前の会社別に派閥ができてしまい、従業員同士のトラブルが起こりやすいです。
対策として、以下の2つが挙げられます。
- M&Aを行う前に相手先企業の社風をできる限り調べる
- 従業員が相手先企業に馴染めるように企業の統合をゆっくり行う
企業統合に必要な期間は会社ごとに異なりますが、M&Aにかかる期間(1カ月~3カ月)より統合にかける期間の方が長くなると思っておきましょう。
アパレル業界において、最も大切なのは人材です。
多少時間をかけてでも、M&A先とのトラブルはなるべく避けるようにしましょう。
留意点2.取引先の反発を受けることがある

M&Aによって、取引先の反発を受ける可能性もあります。
繊維業者やデザイナーなど、多数の取引先とやり取りすることで成り立っているのがアパレル業界です。
M&Aにより経営体制や担当者が変われば、取引先との関係に傷が入る場合が出てきます。
取引先とのトラブルを防ぐためには、以下の措置を取るべきです。
- M&Aと今後の経営に関する説明を十分行う
- 担当者の配置はなるべく変更しないようにする
M&Aをきっかけに今までの信頼が失われないよう、十分気を付けましょう。
以上二つのポイントに留意すれば、M&A失敗の可能性は減るはずです。
ここからは、アパレル業界でM&Aを成功させるための方法について解説していきます。
8.アパレル業界のM&AはM&A総合研究所にご依頼下さい!

アパレル業界でのM&A事例は多数ありますが、自社の希望に合うパートナーを一から見つけるのは非常に大変です。
しかし、M&A仲介会社に相談すれば、自社の希望や状況に合った買い手企業を探してくれるだけでなく、M&Aに必要な手続きまでサポートしてくれます。
M&A仲介会社に仲介をお願いする場合、契約までの手数料はおおよそ150万円ほどです。
そして、成功費用は譲渡価格6,000万円以下のM&Aで350万円ほどとなっています。
多くの仲介会社では無料相談のサービスを行っており、アパレルM&Aに不安を感じている人や自社の買収価格について気になる人は、仲介会社に相談するのがおすすめです。
もし、依頼するM&A仲介会社が決まっていなければ、M&A総合研究所にご相談下さい。
アパレル業界のM&Aについて知識や経験がある専任の公認会計士やアドバイザリーが、買い手企業の選定やクロージングをサポートさせて頂きます。
依頼に際し、着手金や中間金などは不要で成功報酬しか発生しませんので、費用を抑えてM&Aをすることが可能です。
また、その他のM&A仲介会社に関しては、『【M&A仲介会社BEST5を発表】有名企業5社を徹底比較!!』で紹介しているので、併せて参考にしてみて下さい。
M&A仲介会社に相談すれば、経営状態を整えて高値で買い取ってもらえるようにアドバイスももらえます。
アパレル業界でのM&A経験がない場合、M&A仲介会社に相談し効率的にパートナー探しを進めると良いでしょう。
まとめ
ファストファッションの台頭により明暗が分かれるアパレル業界ですが、M&Aを行い、独自のブランド戦略を立てることで生き残りも可能です。
しかし自分たちだけの力でM&Aの相手を一から探すのは非常に大変だと言えます。
M&Aを行う際はM&A仲介会社などに相談し、経営している店舗の課題を一つずつ解決していきましょう。