スタートアップのM&Aまとめ!売却額TOP10を発表【国内/海外】

スタートアップのM&Aまとめ!売却額TOP10を発表

スタートアップとは、これまでにないビジネスモデルによって新たな市場を開拓し、急成長を目指す創業から数年以内の企業をいいます。

本記事では、スタートアップの動向や、スタートアップのM&A事例を売却額のランキング形式でご紹介します。

目次

スタートアップとは

スタートアップとは

スタートアップとは、投資家から資金調達を行いながら短期間で事業を成長させ、最終的にはIPOやM&Aによる売却を目指す企業のことです。

本記事ではスタートアップのM&Aについて解説していきますが、まずはスタートアップの現状について解説します。

スタートアップの現状

近年、日本のスタートアップは、資金調達額と資金調達社数がともに増加傾向にあり、大型の資金調達も増えてきました。

また、日本の投資家からだけでなく、海外の投資家から資金調達を達成する企業も増えています。

スタートアップのM&Aは年々増加

スタートアップのM&Aによるイグジット件数は、年々増加し続けています。数年前までIPOによるイグジットがM&Aによるイグジット件数の数倍あったのに対して、2018年・2019年にかけては、スタートアップのIPO件数とM&A件数はほとんど差がなくなっています。

今後もスタートアップがM&Aによって、イグジットする流れは続いていくとみられています。

スタートアップがイグジットにM&Aを選ぶ理由

スタートアップが、IPOではなくM&Aによるイグジットを選ぶようになった理由として、大企業やIT企業によるスタートアップの買収需要が高まっている点が挙げられます。

日本企業は変化が速く、近年のビジネス環境に対応していくため、スタートアップの買収によって新たな技術や人材の獲得を進めています。

買収需要の増加は、好条件でのM&A事例を生み出すようになり、M&Aによるイグジットを目指すスタートアップの増加につながりました。

現在では、有望なスタートアップにはすぐに好条件の買い手がつくようになり、買収競争が激しくなってきています。

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】

ここからは、国内スタートアップのM&A事例を売却額順にご紹介します。M&A事例は、2016年1月から2019年10月までに行われたなかから取り上げています。

  1. KDDIによるソラコムの買収
  2. ポラリスによるBAKEの買収
  3. ヤフーによるdelyの買収
  4. DMMによるBANKの買収
  5. アエリアによるサイバードの買収
  6. LINEによるファイブの買収
  7. チェンジによるトラストバンクの買収
  8. ワールドによるラクサス・テクノロジーズの買収
  9. グリーによる3ミニッツの買収
  10. ユナイテッドによるトライフォートの買収

1. KDDIによるソラコムの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】1

国内スタートアップのM&A売却額1位は、KDDIによるソラコムの買収です。KDDIは2017年に、IoTプラットフォームを提供するソラコムを買収しました。M&A価格は公表していませんが、200億円ほどとされています。

ソラコムは事業立ち上げから約2年半での大型売却となり、KDDIに売却を決めた理由として、M&A相手として選ぶならKDDIのような通信キャリアか、AWSのようなクラウドベンダーを候補としていたことを明かしています。

また、KDDIはソラコムのシステムを活用したサービスを共同開発していたことも、理由のひとつとしています。

KDDI側は、ソラコムとの連携は両社に高いシナジー効果を生むことが期待できることから、さらにコミットメントを強めるには株式の過半数を取得することがよいと判断したとしています。

2.ポラリスによるBAKEの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】2

国内スタートアップのM&A売却額2位は、ポラリスによるBAKEの買収です。2017年、投資ファンドのポラリスは、洋菓子店を展開するBAKEを買収しました。M&A価格は公開されていませんが、百数十億円とされています。

BAKEはWEBマーケティングを駆使してブランディングを行なっている、菓子業界では珍しい企業であり、高度なWEBマーケティング戦略は、IT業界やWEBマーケティング関連企業からも高い注目を浴びています。

また、菓子の開発は職人による勘ではなく、科学的な根拠に基づいて行うなどの取り組みも特徴的です。

BAKEはベンチャー精神も高く、急速な成長によって上場も視野に入っていたことが、ポラリスの主な買収理由となっています。

3.ヤフーによるdelyの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】3

国内スタートアップのM&A売却額3位は、ヤフーによるdelyの買収です。2018年、ヤフーは動画レシピサイト「クラシル」を運営するdelyを買収し、連結子会社化しました。M&A価格は93億円となっています。

クラシルは、急速な勢いで利用者数を増やしていた一方で、マネタイズには苦労しています。ヤフーは傘下の投資ファンドが既にdelyの株式を保有していましたが、今回追加取得を行い連結子会社化しました。

delyは、ヤフーの集客力を活用することでさらなる利用者獲得と、公告戦略による収益力の強化を図っています。

対して、ヤフーはdelyの子会社化によって、フリマアプリに顧客が流れているヤフーオークションなどの復活を狙っています。

4.DMMによるBANKの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】4

国内スタートアップのM&A売却額4位は、DMMによるBANKの買収です。2017年、DMMは同年に設立されたばかりのBANKを70億円で買収しました。

BANKは、即時現金化サービス「CASH」のリリースで大きな話題となり、DMM会長の目に留まります。

その後、BANKは後払い旅行サービスをリリースするなど事業展開を進めていましたが、2018年にBANK代表がMBO(経営陣による自社買取)を行い独立します。

MBO価格は5億円で、DMMは買収価格に対して大幅な損失を出すこととなりました。さらに2019年には、BANK代表が会社の解散を発表しています。

5.アエリアによるサイバードの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】5

国内スタートアップのM&A売却額5位は、アエリアによるサイバードの買収です。インターネット関連事業を展開するアエリアは2018年、スマートフォン向けコンテンツ事業を展開するサイバードを70億円で買収しました。

アエリアグループは、女性向けアプリゲームの開発・運営を行っており、好調に推移しています。また、サイバードも同じく女性向けアプリゲームの開発・運営を行っており、こちらも好業績を上げています。

アエリアは、サイバードを子会社化することで、ゲームアプリをはじめとしたデジタルコンテンツ事業での市場優位性獲得が図れると判断し、買収に至りました。

アエリアはサイバードと協業して、女性向けゲームタイトルの長期運営とゲーム周辺事業への展開、ゲームタイトルの海外配信を進めています。

6.LINEによるファイブの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】6

国内スタートアップのM&A売却額6位は、LINEによるファイブの買収です。2017年LINEは、スマートフォン用動画広告配信プラットフォームの開発・運用を行うファイブを買収しました。M&A価格は約51億円となっています。

ファイブは、2014年に動画広告配信プラットフォームをリリースして以来、事業の急成長を果たしてきました。一方、LINEも2016年から広告配信プラットフォームの運用を開始し、堅調に成長させています。

LINEはファイブとの資本業務提携により、両社の広告配信プラットフォームのさらなる強化とアジア圏への事業展開を図っています。

7.チェンジによるトラストバンクの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】7

国内スタートアップのM&A売却額7位は、チェンジによるトラストバンクの買収です。ITコンサルティング事業を営むチェンジは、2018年、トラストバンクを買収し子会社化しました。M&A価格は48億円となっています。

トラストバンクは、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の運営を中心に、地方活性化事業を展開しています。

トラストバンクは、2012年のサービス開始以降急成長を遂げ、チェンジによる買収発表時点での会社規模はトラストバンクの方が大きい状態です。

しかし、チェンジも積極的なM&Aなどにより急成長中で、トラストバンクはチェンジと協業することで地方自治体の課題解決支援をさらに加速できると判断し、M&Aに応じています。

8.ワールドによるラクサス・テクノロジーズの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】8

国内スタートアップのM&A売却額8位は、ワールドによるラクサス・テクノロジーズの買収です。2019年、アパレル大手のワールドはラクサス・テクノロジーズを43億円で買収し、子会社化しました。

ラクサス・テクノロジーズは、ブランドバッグのサブスクリプションサービスで各種メディアに何度も取り上げられるなど注目を浴び、急成長している会社です。

ワールドは、ラクサス・テクノロジーズの将来性を高く評価しており、約100億円の資金支援も計画しています。

9.グリーによる3ミニッツの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】9

国内スタートアップのM&A売却額9位は、グリーによる3ミニッツの買収です。2017年、グリーは3ミニッツを43億円で買収し、子会社化しました。

3ミニッツは、インフルエンサーキャスティング事業や動画コンテンツ制作事業、動画メディア事業などを展開している会社です。3ミニッツの事業は成長性はあるものの、直近では営業赤字が続いている状態でした。

グリーは、自社グループの事業と3ミニッツの動画広告配信サービスに親和性があり、収益力向上の柱になると判断し買収に至っています。

グリーは43億円のM&A価格に加えて、3ミニッツの成長に応じて支払い金額を追加するアーンアウト条項も結んでいます。

アーンアウト条項を付け加えるケースは日本では少なく、グリーが3ミニッツを経営戦略上重要視していることがみてとれます。

10.ユナイテッドによるトライフォートの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【国内】10

国内スタートアップのM&A売却額10位は、ユナイテッドによるトライフォートの買収です。スマートフォンメディア事業などを展開するユナイテッドは、2018年、トライフォートを買収し子会社化しました。M&A価格は約36億円となっています。

トライフォートは、スマートフォン向けアプリやWEBサービスのパブリッシング、受託開発などを行っています。

ユナイテッドは、積極的なM&Aによる成長戦略を進めており、トライフォートを子会社とすることで収益力の向上を図りました。

なお、トライフォートは2020年1月に、代表取締役CEOのMBOによりユナイテッドからトライフォートの株式をすべて買い取ることを発表しています。

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スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】

続いて、海外スタートアップのM&A事例を売却額順にご紹介します。M&A事例は2018年に行われたなかから取り上げています。

  1. ウォルマートによるフリップカートの買収
  2. SAPによるクアルトリクスの買収
  3. マイクロソフトによるギットハブの買収
  4. シスコシステムズによるデュオ・セキュリティーの買収
  5. ペイパルによるアイゼトルの買収
  6. トゥイリオによるセンドグリッドの買収
  7. ロシュによるフラティロン・ヘルスの買収
  8. リクルートによるグラスドアの買収
  9. アマゾンによるリングの買収
  10. アマゾンによるピルパックの買収

1.ウォルマートによるフリップカートの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】1

海外スタートアップのM&A売却額1位は、ウォルマートによるフリップカートの買収です。米国スーパーマーケット最大手のウォルマートは、インドのEコマース最大手企業であるフリップカートを買収しました。M&A価格は約160億ドルとされています。

フリップカートの買収には、ウォルマートのほかにアマゾンが動いていましたが、ウォルマートが競り勝ちました。

アマゾンは、インドのEコマース市場でフリップカートに次ぐシェアを持っており、フリップカートを取得していた場合、インドで圧倒的なシェアを獲得していたことになります。

2.SAPによるクアルトリクスの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】2

海外スタートアップのM&A売却額2位は、 SAPによるクアルトリクスの買収です。ドイツ拠点の世界的大手ソフトウェア開発会社であるSAPは、同じくソフトウェア開発会社のクアルトリクスを買収しました。M&A価格は約80億ドルとされています。

クアルトリクスは、顧客や従業員などの経験や感情をデータ化し分析するエクスペリエンス・マネジメント事業で急成長を遂げ、状況間近とされていました。

SAPは、クアルトリクスと組むことで世界中に新しい価値を提供できると考え、クアルトリクスもその考えに賛同したことから状況準備を取り止め、M&Aに至っています。

3.マイクロソフトによるギットハブの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】3

海外スタートアップのM&A売却額3位は、マイクロソフトによるギットハブの買収です。マイクロソフトは、ソフトウェア開発プラットフォームである「GitHub」の開発と運用を行っているギットハブを約75億ドルで買収しました。

GitHubは世界中で多くの開発者に使われており、開発に欠かせないものとなっています。マイクロソフトによるギットハブの買収を不安視する開発者も多いですが、マイクロソフトはギットハブの買収によってGitHubをさらによいものにしていくとしています。

 

4.シスコシステムズによるデュオ・セキュリティーの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】4

海外スタートアップのM&A売却額4位は、シスコシステムズによるデュオ・セキュリティーの買収です。

シスコシステムズはサイバーセキュリティ企業のデュオ・セキュリティーを買収しました。M&A価格は23億5000万ドルとされています。デュオ・セキュリティーは、スマートフォン用の認証サービス開発で急成長してきた企業です。

ネット接続機器大手のシスコシステムズは、デュオ・セキュリティーを買収することで、世界的に需要が高まっているセキュリティ分野の強化を図っています。

5.ペイパルによるアイゼトルの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】5

海外スタートアップのM&A売却額5位は、ペイパルによるアイゼトルの買収です。オンライン少額決済サービス大手のペイパルは、小規模事業者向け決済端末を開発しているアイゼトルを買収しました。M&A価格は約22億ドルとされています。

アイゼトルは状況準備を進めていましたが、ペイパルと組むことで現在のペースよりも急速な成長が望めると判断し、ペイパルの買収提案に応じています。

6.トゥイリオによるセンドグリッドの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】6

海外スタートアップのM&A売却額6位は、トゥイリオによるセンドグリッドの買収です。トゥイリオは、クラウドベースのメール配信プラットフォームを開発・運用しているセンドグリッドを、株式交換により買収し完全子会社化ました。M&A価格は約20億ドルとされています。

トゥイリオはセンドグリッドと同じく、クラウドコミュニケーションプラットフォームを開発・運用している企業です。

トゥイリオとセンドグリッドは、事業内容や価値観の近い両社が協業することで、よりよいサービスを提供できるようになると判断し、M&Aに至っています。

7.ロシュによるフラティロン・ヘルスの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】7

海外スタートアップのM&A売却額7位は、ロシュによるフラティロン・ヘルスの買収です。スイスの製薬大手であるロシュは、ガン治療用データソフトウェアの開発などを行なっているフラティロン・ヘルスを買収しました。M&A価格は約19億ドルとされています。

フラティロン・ヘルスは、グローバル規模でのデータ収集を行うには人材の獲得とグローバル展開が必要と考えており、そのためには資金が必要でした。

ロシュは、以前からフラティロン・ヘルスへ投資していたこともあり、フラティロン・ヘルスの買収によって両社に高いシナジー効果が生まれると考えていました。

一方、フラティロン・ヘルスも資金だけでなくさまざまなメリットが得られると判断し、M&Aに至っています。

8.リクルートによるグラスドアの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】8

海外スタートアップのM&A売却額8位は、リクルートによるグラスドアの買収です。リクルートは、米国で会社求人口コミ事業を行なっているグラスドアを買収しました。M&A価格は12億ドルとされています。

リクルートは、2012年に求人情報検索事業を営むindeedを買収しており、人材関連事業が主事業のリクルートと、indeed、グラスドアの事業シナジーの高さを評価してM&Aに至っています。

9.アマゾンによるリングの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】9

海外スタートアップのM&A売却額9位は、アマゾンによるリングの買収です。アマゾン・ドット・コムは米国のホームセキュリティー機器製造会社のリングを買収しました。M&A価格は8億3900万ドルとなっています。

リングは、米国においてモニター付ドアホンの圧倒的シェアを持つ企業です。アマゾンがグループを通してすでに行なっている関連事業と連携させることで、住宅警備分野でのシナジー効果を図っているとみられます。

10.アマゾンによるピルパックの買収

スタートアップのM&A売却額TOP10【海外】10

海外スタートアップのM&A売却額10位は、アマゾンによるピルパックの買収です。アマゾン・ドット・コムは、処方薬のインターネット販売事業を行うピルパックを、7億5300万ドルで買収しました。

ピルパックは、患者が病院で処方された薬をインターネットで受け付け、複数の薬をパックにして配達しています。

ヘルスケア分野に力を入れているアマゾンは、2018年にピルパックを買収し、2019年から2020年にかけて事業展開を本格化させています。

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スタートアップをM&Aするメリット

スタートアップをM&Aするメリット

スタートアップのM&Aによって、買い手・売り手ともにさまざまなメリットが得られます。ここでは、スタートアップのM&Aによって得られる買い手側・売り手側のメリットをご紹介します。

買い手側

買い手側は、M&Aによって以下のメリットが得られます。

  1. 事業の拡大・発展 
  2. 新規の事業領域への参入
  3. スムーズなスタート・事業の加速
  4. 事業基盤の強化
  5. 雇用の拡大・人材の獲得

1.事業の拡大・発展 

買い手側は、スタートアップのM&Aによって事業の拡大・発展に必要な技術とノウハウ、人材などを獲得することができます。

2.新規の事業領域への参入

新たな事業分野の立ち上げは時間がかかりリスクも伴いますが、すでに事業が立ち上がっているスタートアップのM&Aによって新規参入がしやすくなります。

3.スムーズなスタート・事業の加速

スピードが重視される現代の事業環境では、M&Aによる事業立ち上げや事業成長の時間短縮も重要です。スタートアップの買収によって、買い手側は時間を買うこともできます。

4.事業基盤の強化

スタートアップとの協業により、買い手側は事業の穴を埋め長所を伸ばすことで、事業基盤の強化が図れます。

5.雇用の拡大・人材の獲得

さまざまな業界で慢性的な人材不足が続き、トレンドの技術を持った優秀な人材の確保競争も激しい近年では、スタートアップの買収による人材確保も大きなメリットとなります。

売り手側

売り手側は、M&Aによって以下のメリットが得られます。

  1. 事業の拡大・発展 
  2. 従業員の雇用先を確保
  3. 個人保証・担保の解消
  4. 創業者利益の獲得
  5. 新規事業への投資

1.事業の拡大・発展

スタートアップは、資金調達によって事業の成長はできても、なかなか自力でのマネタイズができないケースは多いですが、M&Aにより大手企業などの傘下に入ることで、事業継続性を得ることができます。

2.従業員の雇用先を確保

スタートアップの場合、従業員の流動性が高い企業も多いですが、M&Aにより大手企業の傘下に入ることで雇用の保証を得ることも可能です。

3.個人保証・担保の解消

スタートアップ経営者にとって、個人保証・担保や投資家からの出資が精神的負担になることも少なくありませんが、M&Aによるイグジットで負担を解消することができます。

4.創業者利益の獲得

スタートアップの創業者は、M&Aによる売却で創業者利益を得ることができます。また、手にした資金によって新たなスタートアップを立ち上げる、シリアルアントレプレナーも増えています。

5.新規事業への投資

買い手企業の資本力を活用して、新たな事業を展開していくことも可能です。買い手企業のノウハウや技術を活用できるメリットもあります。

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スタートアップをM&Aするデメリット

スタートアップをM&Aするデメリット

スタートアップのM&Aにはデメリットもあります。ここでは、買い手側と売り手側のデメリットをご紹介します。

買い手側

買い手側は、M&Aによって以下のリスクを背負う可能性があります。

  1. 統合に失敗する可能性 
  2. 期待したシナジーが得られない 
  3. 人材が流出する可能性
  4. 簿外債務などの可能性

1.統合に失敗する可能性

まだ組織体制が安定していなかったり、独特の企業文化を築いていたりするスタートアップを、M&Aにより統合することは簡単ではありません。

M&Aを繰り返して十分な統合ノウハウを積んできた大企業であっても、統合に失敗することがあります。

2.期待したシナジーが得られない

スタートアップの事業自体が新たな分野を開拓していく性質のものなので、同業界の企業であっても先行きの見通しを見誤ることはあります。

そのため、期待したシナジーが得られず、短期間でスタートアップの売却に至るケースも少なくありません。

3.人材が流出する可能性

スタートアップを買収する際に、ロックアップ条項によって経営者や主要な人材の流出を一定期間防ぐことはできますが、それでもスタートアップの場合人材の流出は多い傾向にあります。

キーマンとなる人物がいないと成り立たないようなスタートアップを買収した場合は、人材の流出が大きな問題となります。

4.簿外債務などの可能性

立ち上げから年数の浅いスタートアップのなかには、経営体制が整っていない企業もあり、しっかりとデューデリジェンス(企業監査)を行わなければ、簿外債務などのリスクを背負う可能性があります。

売り手側

売り手側は、M&Aによって以下のリスクを背負う可能性があります。

  1. 希望条件での売却ができない 
  2. 統合の失敗
  3. 取引先・顧客離れ
  4. 人材が流出する可能性

1.希望条件での売却ができない

スタートアップに限らず、売り手側はM&Aの際に希望条件を満たせないことも少なくありません。妥協できるラインと妥協できないラインの明確化が重要です。

2.統合の失敗

買い手側企業の統合プロセスの失敗により、統合効果が得られないことがあります。事前に買い手側企業の企業文化や価値観などを、しっかりと見極めておくことが大切です。

3.取引先・顧客離れ

買い手側の経営方針やブランドイメージが合わず、取引先や顧客が離れてしまうこともあります。

スタートアップには、コアなファン層が付いていることも少なくないので、M&A後も既存顧客の流出を防げるかどうかが重要です。

4.人材が流出する可能性

少数のキーマンで成り立っていることも多いスタートアップの場合、M&Aを機に離脱されると大きな痛手となります。

キーマンが出て行かないようにするか、キーマンが出て行っても事業が成り立つような体制づくりが大切です。

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今後予測されるスタートアップのM&Aの流れ

今後予測されるスタートアップのM&Aの流れ

今後スタートアップのM&Aは、さらなるM&A件数の増加とM&A案件の大型化が進むとみられています。

2018年に経済産業省は、スタートアップをサポートする取り組みを開始しました。これは、将来有望なスタートアップを選定し、官民による集中的な支援を得られる制度です。

これにより、企業評価額が1000億円以上で創業10年未満、未上場のスタートアップである「ユニコーン企業」を2023年までに20社まで増やす計画です。

日本のユニコーン企業は、2018年には2社、2019年には6社となっています。米国や中国に比べるとまだまだ少ないですが、大企業や海外投資家からの大規模な資金調達も増えており、日本のスタートアップの急成長に伴い、M&A件数の増加と大型化は現実的になっています。

スタートアップのM&Aにおすすめの相談先

スタートアップのM&Aにおすすめの相談先

国の支援や大企業の買収需要増加、海外からの投資増加により、スタートアップのM&Aは今後さらなる増加が見込まれています。

しかし、スタートアップのM&Aを成功させるには、M&Aに精通した専門家のサポートが欠かせません。

M&A総合研究所では、M&A支援実績が豊富なアドバイザー・会計士・弁護士がM&Aをフルサポートします。

無料相談も随時受け付けておりますので、スタートアップのM&Aをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ 

まとめ 

本記事では、スタートアップのM&A事例などをご紹介してきました。

【国内スタートアップのM&A事例(2016年1月〜2019年10月)】

  1. KDDIによるソラコムの買収
  2. ポラリスによるBAKEの買収
  3. ヤフーによるdelyの買収
  4. DMMによるBANKの買収
  5. アエリアによるサイバードの買収
  6. LINEによるファイブの買収
  7. チェンジによるトラストバンクの買収
  8. ワールドによるラクサス・テクノロジーズの買収
  9. グリーによる3ミニッツの買収
  10. ユナイテッドによるトライフォートの買収

【海外スタートアップのM&A事例(2018年)】

  1. ウォルマートによるフリップカートの買収
  2. SAPによるクアルトリクスの買収
  3. マイクロソフトによるギットハブの買収
  4. シスコシステムズによるデュオ・セキュリティーの買収
  5. ペイパルによるアイゼトルの買収
  6. トゥイリオによるセンドグリッドの買収
  7. ロシュによるフラティロン・ヘルスの買収
  8. リクルートによるグラスドアの買収
  9. アマゾンによるリングの買収
  10. アマゾンによるピルパックの買収

【M&Aによって買い手側が得られるメリット】

  1. 事業の拡大・発展 
  2. 新規の事業領域への参入
  3. スムーズなスタート・事業の加速
  4. 事業基盤の強化
  5. 雇用の拡大・人材の獲得

【M&Aによって売り手側が得られるメリット】

  1. 事業の拡大・発展 
  2. 従業員の雇用先を確保
  3. 個人保証・担保の解消
  4. 創業者利益の獲得
  5. 新規事業への投資

【M&Aによる買い手のリスク】

  1. 統合に失敗する可能性 
  2. 期待したシナジーが得られない 
  3. 人材が流出する可能性
  4. 簿外債務などの可能性

【M&Aによる売り手のリスク】

  1. 希望条件での売却ができない 
  2. 統合の失敗
  3. 取引先・顧客離れ
  4. 人材が流出する可能性

スタートアップのM&Aを成功させるにはM&Aに精通した専門家のサポートが欠かせません。M&A総合研究所では、M&A支援実績が豊富なアドバイザー、会計士・弁護士がM&Aをフルサポートします。