
ゲーム会社・ゲームアプリ業界は、M&Aによる買収・売却が活発な業種の一つです。本記事では、ゲーム会社・ゲームアプリ業界のM&A・買収・売却について、動向や相場、M&A事例や成功させるポイントを解説します。
目次
ゲーム会社・ゲームアプリ業界とは

ゲーム会社とは、ゲームソフトやゲーム機の開発・販売を手がける会社のことで、代表的なゲーム会社には任天堂やスクウェア・エニックスなどがあります。
ゲームアプリとはアプリケーションとして販売されているゲームのことであり、主にスマホのゲームアプリを指します。ゲームアプリを開発・販売している業界がゲームアプリ業界です。
ゲーム会社・ゲームアプリ業界の市場は転換期
ゲーム会社・ゲームアプリ業界は、家庭用ゲーム機の市場が縮小傾向にあるのに比べて、スマホのゲームアプリ業界は急速な伸びをみせています。
しかし、スマホゲームアプリ市場も近年は飽和傾向にあり、今後は業界再編を含めた転換期に入ると考えられます。
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ゲーム会社・ゲームアプリを取り巻く現状

ゲーム会社・ゲームアプリを取り巻く現状には、以下のような特徴がみられます。
【ゲーム会社・ゲームアプリを取り巻く現状】
- モバイルゲームは年々活況
- 家庭用ゲーム機業界も変わらずに盛況
- 高い伸び率で成長を続ける業界
①モバイルゲームは年々活況
スマホゲームアプリを含めたモバイルゲームの市場は年々拡大しており、今後も活況が続くと予想されます。
しかし、スマホゲームアプリに高額な課金をしてしまうユーザーへの対策など、解決すべき問題点も多く残されています。
②家庭用ゲーム機業界も変わらずに盛況
家庭用ゲーム機業界の市場規模は縮小傾向でしたが、2017年に大きく売り上げが伸びて回復した後、2019年まで規模をキープしています。
今後はプレイステーション5など新ハードの登場も控えており、家庭用ゲーム機業界も変わらずに盛況だといえるでしょう。
③高い伸び率で成長を続ける業界
ゲーム会社・ゲームアプリ業界は、モバイルゲーム・家庭用ゲームに加えて、PCでのオンラインゲームや「Steam」などのプラットフォームの活況もあり、高い伸び率で成長を続けている業界だといえます。
ゲーム会社・ゲームアプリのM&A動向

ゲーム会社・ゲームアプリのM&A動向には、以下の特徴があります。
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&A動向】
- スマホゲームの開発会社がM&Aの対象になる傾向
- 海外のゲーム開発会社をM&Aする動きも活性化
- 海外のプラットフォームを買収する動きも活性化
- 国内最大手のゲーム会社がM&A方針を公開していることにも注目
①スマホゲームの開発会社がM&Aの対象になる傾向
スマホゲームは家庭用ゲームに比べて参入障壁が低く、しかも費用対効果が高いという強みがありますが、スマホゲームアプリを開発するための人材やノウハウがないために参入できないケースも多くみられます。
そういった会社がスマホゲームアプリの開発会社をM&Aで買収し、スマホゲームアプリ市場に参入しようとする動きが活発化する傾向があります。
②海外のゲーム開発会社をM&Aする動きも活性化
ゲーム会社・ゲームアプリ業界では、海外のゲーム開発会社をM&Aで買収する動きも活性化しています。
国内でヒットしたゲームを海外でも販売するなど、海外展開を目指してクロスボーダーM&Aを行う企業が増加傾向にあります。
③海外のプラットフォームを買収する動きも活性化
日本のゲームアプリ・ゲーム会社が、海外のプラットフォームを買収する動きも活性化しています。
例えば、DeNA(ディー・エヌ・エー)がアメリカのngmoco社をM&Aで買収し、ゲームコミュニティプラットフォーム「plus+ Network」を獲得するなどの事例があります。
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④国内最大手のゲーム会社がM&A方針を公開していることにも注目
ゲーム会社・ゲームアプリ業界国内最大手の任天堂は、DeNAとの資本業務提携、アメリカのナイアンティック社への資本参加など、積極的なM&A方針を公開しています。
このような大手企業のM&A動向は業界構造を大きく変化させるため、注目度も高くなっています。
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ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aにおすすめの仲介会社

この章では、ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aにおすすめの仲介会社を5社紹介します。
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aにおすすめの仲介会社】
- M&A総合研究所
- 株式会社パラダイムシフト
- GCA株式会社
- 株式会社オンデック
- キャピタル・エヴォルバー
①M&A総合研究所

M&A総合研究所は、主に中堅・中小企業のM&Aを手がけているM&A仲介会社です。ゲームアプリ・ゲーム会社は中小企業が多いので、豊富な案件から理想の相手先を探すことができます。
ゲーム会社のM&A実績がある専門家(アドバイザー・会計士・弁護士のチーム体制)が専任でサポートにつくのも強みです。
方針 | 中堅・中小企業のM&Aをサポート |
手数料・報酬 | 完全成功報酬制 |
お問い合わせ先 | 0120-401-970 |
サイトURL | https://masouken.com/lp/game |
【関連する募集案件】
動画配信サービスアプリ運営会社の株式譲渡
エリア | 関東 |
売上 | ~1000万円 |
希望譲渡額 | 1000~5000万円 |
強み・ポイント |
|
②株式会社パラダイムシフト

株式会社パラダイムシフトは、IT領域に特化したM&Aアドバイザリーです。ゲームアプリ・ゲーム会社もIT領域なので、専門性の高いサポートに期待できます。
方針 | IT領域に特化 |
手数料・報酬 | 要問合せ |
お問い合わせ先 | 03-6386-1099 |
サイトURL | https://paradigm-shift.co.jp/ |
③GCA株式会社

GCA株式会社は、M&Aアドバイザリーの他にも、PMIコンサルティングやデューデリジェンス、アセットマネジメントを手がける会社です。海外進出のサポートにも力を入れているのが特徴です。
方針 | 経営全般を見据えたサービス |
手数料・報酬 | 要問合せ |
お問い合わせ先 | サイトのメールフォームより |
サイトURL | https://www.gcaglobal.co.jp/ |
④株式会社オンデック

株式会社オンデックは、事業承継・イグジット・MBO(マネジメント・バイアウト)のためのM&AをサポートしているM&A仲介会社です。企業の成長の実現にこだわったサービスが特徴です。
方針 | 企業の成長の実現 |
手数料・報酬 | 着手金・中間報酬・成功報酬 |
お問い合わせ先 | 0120-769-732 |
サイトURL | https://www.ondeck.jp/ |
⑤キャピタル・エヴォルバー

キャピタル・エヴォルヴァー株式会社は、M&Aアドバイザリーサービスを始め、経営支援や海外関連業務などを手がけている会社です。独立資本による利益相反のないアドバイスが特徴です。
方針 | 利益相反のないアドバイス |
手数料・報酬 | 完全成功報酬制 |
お問い合わせ先 | 03-6276- |
サイトURL | http://www.c-evolver.com/ |
ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させる仲介会社選びのポイント

ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させるためには、仲介会社選びが大切です。ここでは、仲介会社選びのポイントを解説します。
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させる仲介会社選びのポイント】
- その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
- 自社と同規模の案件実績がある
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系が分かりやすい
- 担当スタッフの対応・相性
①その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
ゲーム会社・ゲームアプリ業界は、提供している製品やサービス内容も独自性が高く、家庭用ゲーム機とスマホアプリをメインとする市場構造も独特のものがあります。
ゲームアプリ・ゲーム会社のM&A・買収・売却を行う際は、ゲーム関連の専門的知識と、同業界でのM&A実績を持つM&A仲介会社を選ぶと適切なサポートを受けることができます。
②自社と同規模の案件実績がある
M&Aによる買収・売却は、大企業の場合と中小企業の場合とで、必要となる手続きや選択すべきスキームが変わってくることがあります。
ゲームアプリ・ゲーム会社をM&Aで買収・売却する際は、自社と同規模の案件実績があるM&A仲介会社を選ぶのがおすすめです。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
M&A仲介会社のスタッフは、ほとんどの場合経験豊富な公認会計士や弁護士などですが、仲介会社によってはスタッフの経験が不足していたり、新卒の新人を業務にあたらせることもあるようです。
M&Aに関する幅広い知識・経験を持つM&A仲介会社を選べば、ゲームアプリ・ゲーム会社のM&A・買収・売却で、万一トラブルなどの問題が起きても柔軟かつ的確な対応が可能です。
④手数料・相談料・報酬体系が分かりやすい
M&A仲介会社の手数料・相談料・報酬体系はやや分かりにくいところがあり、さらにM&A仲介会社によって料金体系が独自に設定されています。
後から想定外の費用がかかってしまったなどのトラブルがないよう、ゲームアプリ・ゲーム会社のM&A・買収・売却では、料金体系が分かりやすいM&A仲介会社を選ぶことも重要です。
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⑤担当スタッフの対応・相性
担当するM&A仲介会社のスタッフの相性というのも、ゲームアプリ・ゲーム会社のM&A・買収・売却の成功を左右する要因になります。
M&A仲介会社を選ぶ時は、知識や経験の豊富さに加えて、対応や相性のよさも重視するようにしましょう。
ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aのメリット

この章では、ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aのメリットについて、売却側・買収側双方の立場から解説します。
売却側のメリット
ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aの売却側のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aの売却側のメリット】
- 開発者・クリエイターの雇用先確保
- 後継者問題の解決
- 売却・譲渡益の獲得
- 大手グループ入りで制作費をかけたゲーム作りが可能に
- 個人保証・債務・担保などの解消
①開発者・クリエイターの雇用先確保
ゲームアプリ・ゲーム会社の経営が立ち行かなくなったり、経営者が他の事業に注力したくなった時、M&Aでゲームアプリ・ゲーム会社を売却することで、そこで働いている開発者・クリエイターの雇用を確保することができます。
②後継者問題の解決
ゲームアプリ・ゲーム会社は比較的若い企業が多いですが、一般的には近年は後継者問題が深刻となっています。
身近に後継者がいない時に、M&Aでゲームアプリ・ゲーム会社を売却すれば、会社を存続させることができます。
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③売却・譲渡益の獲得
ゲームアプリ・ゲーム会社はベンチャー企業が多く、売却益・譲渡益を得てエグジットを目指している経営者も多いと考えられます。
M&Aでゲームアプリ・ゲーム会社を売却することで、売却・譲渡益を獲得してエグジットするのも有力な選択肢です。
【関連】会社売却の利益(売却益)の相場は?税金や計算方法を解説
④大手グループ入りで制作費をかけたゲーム作りが可能に
特に家庭用ゲーム機は制作費が年々高くなっており、資金の少ないベンチャー企業では思うような作品が制作できないケースもみられます。
M&Aでゲームアプリ・ゲーム会社を大手に売却することで、資金面でのメリットを得るという戦略も大変有効です。
⑤個人保証・債務・担保などの解消
中小・ベンチャーのゲームアプリ・ゲーム会社では、経営者が個人保証・債務・担保を抱えていることもよくあります。
こういった負債を解消するための手段として、M&Aによる売却を利用するという手もあります。
買収側のメリット
ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aの買収側のメリットは以下のとおりです。
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aの買収側のメリット】
- 開発者・クリエイターの確保で人手不足の解消
- 多岐にプロジェクトを同時進行できる
- 新規事業へ低コストで参入
- 顧客・取引先・ノウハウなどの獲得
- 海外を含めた事業規模・エリアの拡大
①開発者・クリエイターの確保で人手不足の解消
ゲーム会社・ゲームアプリ業界では、優秀な開発者・クリエイターの人材不足が深刻となっています。
M&Aでゲームアプリ・ゲーム会社を買収することで、その会社で働いている人材を獲得するのも有力な手段です。
②多岐にプロジェクトを同時進行できる
あまり規模の大きくないゲームアプリ・ゲーム会社だと、複数のプロジェクトを同時に進めることができず、どれかを諦めなければならないケースも出てきます。
しかし、ゲームアプリ・ゲーム会社をM&Aで買収すれば、多岐にプロジェクトを同時進行することが可能になります。
③新規事業へ低コストで参入
ゲーム会社・ゲームアプリ業界以外から新規参入しようとすると、人材の確保や設備投資など時間とコストがかかります。
既存のゲームアプリ・ゲーム会社をM&Aで買収して、低コストで新規参入するのも有力です。
④顧客・取引先・ノウハウなどの獲得
優良な顧客や取引先、ゲーム開発のノウハウといった無形資産は、長年の経営の中で徐々に獲得されていくものです。
しかし、M&Aで既存のゲームアプリ・ゲーム会社を買収すれば、その会社が持っている顧客・取引先・ノウハウを手早く獲得することができます。
⑤海外を含めた事業規模・エリアの拡大
国内の他の地域や海外など新規エリアへの事業拡大は、その地域ですでにシェアを占めている企業との競争になるので、なかなか難しいのが実情です。
しかし、すでにその地域でシェアを占めているゲームアプリ・ゲーム会社をM&Aで買収すれば、手早くエリア拡大を果たすことができます。
ゲーム会社・ゲームアプリのM&A・売却・買収相場

ゲームアプリ・ゲーム会社のM&A・売却・買収相場は、様々な条件によって変わってくるので一概にはいえません。
特に、ゲーム会社・ゲームアプリ業界では人気ゲームを有しているかが重要になるので、ヒット作を持つ会社であれば、中小企業でも高額で売買される可能性があります。
売却価格を上げるには、自社の強みと買い手のニーズを一致させ、買い手にとって高いシナジーが期待できるようにすることが重要です。
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ゲーム会社・ゲームアプリのM&A・売却・買収・譲渡事例

この章では、ゲーム会社・ゲームアプリのM&A・売却・買収・譲渡事例を10選紹介します。
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&A・売却・買収・譲渡事例】
- ブロッコリーによるLANTERN ROOMSの買収
- ユナイテッドによるトライフォートの買収
- Gunosyによるゲームエイトの買収
- エヌジェイホールディングスによるシェードの買収
- フリューによるコアエッジの買収
- オールアバウトによるファイブスターズゲームの買収
- GMOインターネットによるゲームポットの買収
- エボラブルアジアとジーゼの資本業務提携
- オルトプラスとアイディアファクトリーの資本業務提携
- カヤックによるガルチの買収
①ブロッコリーによるLANTERN ROOMSの買収

2019年に、株式会社ブロッコリーが株式会社LANTERN ROOMSを買収して子会社化しました。売却価額は約1860万円となっています。
LANTERN ROOMSは、ゲーム制作や関連グッズの販売を手がけるゲームアプリ・ゲーム会社で、開発体制の強化がM&Aの目的となっています。
②ユナイテッドによるトライフォートの買収

2018年に、ユナイテッド株式会社が株式会社トライフォートを買収して子会社化しました。売却価額は約36億円となっています。
トライフォートは、スマホアプリやWEBサービスを開発するゲームアプリ会社で、ゲーム事業の基盤強化がM&Aの目的となっています。
③Gunosyによるゲームエイトの買収

2015年に、株式会社Gunosyが株式会社ゲームエイトを買収して子会社化することを発表しました。売却価額は非公表となっています。
ゲームエイトはゲーム攻略プラットフォームを運営する会社で、両社の強みを生かした事業拡大がM&Aの目的となっています。
④エヌジェイホールディングスによるシェードの買収

2015年に、株式会社エヌジェイホールディングスが株式会社シェードを買収して子会社化することを発表しました。売却価額は7600万円となっています。
シェードは「デストロイ・ガンナーズ」シリーズなどで人気を博しているゲーム会社で、ゲーム事業の基盤強化がM&Aの目的となっています。
⑤フリューによるコアエッジの買収

2018年に、フリュー株式会社が自身の関連会社である株式会社コアエッジの子会社化を発表しました。売却価額は非公表となっています。
コアエッジは、オンラインカードゲームなどを手がけるゲームアプリ・ゲーム会社で、連携強化によるゲームアプリ事業の強化がM&Aの目的となっています。
⑥オールアバウトによるファイブスターズゲームの買収

2015年に、株式会社オールアバウトがファイブスターズゲーム株式会社を買収して子会社化することを発表しました。売却価額は非公表となっています。
ファイブスターゲームはオンラインゲームを運営するゲーム会社で、O2O(オンライン to オフライン)マーケティングの強化がM&Aの目的となっています。
⑦GMOインターネットによるゲームポットの買収

2013年に、GMOインターネット株式会社が株式会社ゲームポットを買収して子会社化しました。売却価額は約9億円となっています。
ゲームポットはオンラインゲームを運営するゲーム会社で、GMOインターネットのスマホゲーム事業と、ゲームポットのオンラインゲーム事業を相互活用した事業拡大がM&Aの目的となっています。
⑧エボラブルアジアとジーゼの資本業務提携

2018年に、株式会社エボラブルアジアが株式会社ジーゼと資本業務提携を締結しました。売却価額は非公表となっています。
ジーゼは、スマホやニンテンドースイッチなどのゲーム開発を手がける大阪のスマホゲーム・ゲーム会社で、大阪での事業拡大がM&Aの目的となっています。
⑨オルトプラスとアイディアファクトリーの資本業務提携

2019年に、オルトプラスがアイディアファクトリー株式会社と資本業務提携を締結しました。売却価額は非公表となっています。
アイディアファクトリーは家庭用ゲームやオンラインゲームを手がけるゲーム会社で、新作ゲームの開発を協働して行うことによる企業価値向上がM&Aの目的となっています。
⑩カヤックによるガルチの買収

2016年に、株式会社カヤックが株式会社ガルチを買収して子会社化しました。売却価額は2億1000万円となっています。
ガルチは、あらゆるプラットフォームでゲームを開発しているゲームアプリ・ゲーム会社で、今回のM&Aは主にスマホゲームアプリや「Steam」での事業拡大を目的としています。
ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させるポイント

この章では、ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させるポイントについて、売却側・買収側に分けて解説していきます。
売却側のポイント
ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させる、売却側のポイントは以下のとおりです。
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させる売却側のポイント】
- 他社にはない強み・特徴を持つこと
- 過去・もしくは現在ヒット作を持っている
- 従業員の年齢がまだ若いこと
- M&Aを前向きに捉えていること
- M&Aの専門家に相談すること
①他社にはない強み・特徴を持つこと
ゲーム会社・ゲームアプリ業界は非常に活況なものの、飽和状態であり競争が厳しくなっています。
そのなかで、ゲームアプリ・ゲーム会社のM&Aによる売却を成功させるには、他社にはない強み・特徴を持つことが重要になります。
②過去・もしくは現在ヒット作を持っている
ゲーム会社・ゲームアプリ業界では、ヒット作を持っているかどうかが企業の価値を大きく左右します。
M&Aでゲームアプリ・ゲーム会社の売却を成功させるには、過去・もしくは現在ヒット作をもっていることが重要です。
③従業員の年齢がまだ若いこと
ゲーム会社・ゲームアプリ業界では、感性が若く体力もある若手の開発者・プログラマーが好まれる傾向があります。
優秀な若手従業員がいるゲームアプリ・ゲーム会社なら、M&Aによる売却が成功する可能性が高まります。
④M&Aを前向きに捉えていること
M&Aによるゲームアプリ・ゲーム会社の売却は、もう経営に疲れたので引退したいといった、後ろ向きな理由でも行うことができます。
しかし、M&Aを前向きに捉えている会社のほうが、買い手からよい印象を持ってもらいやすくなります。
⑤M&Aの専門家に相談すること
M&Aでゲームアプリ・ゲーム会社を売却するためには、経営者が本業の傍らで、M&Aに関する手続きを進めていかなければなりません。負担を減らすためにも、M&Aの専門家に相談することは必須だといえるでしょう。
買収側のポイント
ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させる、買収側のポイントは以下のとおりです。
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させる買収側のポイント】
- デューデリジェンスの徹底
- 統合プロセスの実施
- M&Aの専門家に相談すること
①デューデリジェンスの徹底
ゲームアプリ・ゲーム会社には中小企業やベンチャー企業が多く、中には財務状況などに問題がある会社もあります。
買収した後で問題が発覚することのないように、デューデリジェンスを徹底しておくことは重要です。
【関連】デューデリジェンスとは?注意点と相談すべき専門家を解説!
②統合プロセスの実施
ゲームアプリの開発は高度な専門性が必要なので、従業員が円滑に仕事に取り組めるように、統合プロセスを実施しておくことが大切です。
たとえよいゲームアプリ・ゲーム会社を買収できても、統合プロセスに失敗するとシナジー効果が獲得できなくなってしまいます。
【関連】PMIとは?初めてのM&Aでもシナジー効果を最大化させる方法を解説
③M&Aの専門家に相談すること
買い手も売り手と同様、M&Aの専門家に相談しながら交渉や手続きを進めていくことが重要です。
買い手側はデューデリジェンスなど売り手側にないプロセスがあるので、しっかりと専門家のサポートを受けながらM&Aを行うようにしましょう。
まとめ

ゲーム会社・ゲームアプリ業界は業界再編が進んでおり、さらにエグジットを目指すベンチャー企業も多いことから、M&Aによる買収・売却は今後も活発になると考えられます。M&Aの仕組みや動向を理解して、M&Aを経営戦略にうまく取り入れていくことが大切です。
【ゲーム会社・ゲームアプリを取り巻く現状】
- モバイルゲームは年々活況
- 家庭用ゲーム機業界も変わらずに盛況
- 高い伸び率で成長を続ける業界
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&A動向】
- スマホゲームの開発会社がM&Aの対象になる傾向
- 海外のゲーム開発会社をM&Aする動きも活性化
- 海外のプラットフォームを買収する動きも活性化
- 国内最大手のゲーム会社がM&A方針を公開していることにも注目
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aにおすすめの仲介会社】
- M&A総合研究所
- 株式会社パラダイムシフト
- GCA株式会社
- 株式会社オンデック
- キャピタル・エヴォルバー
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させる仲介会社選びのポイント】
- その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
- 自社と同規模の案件実績がある
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系が分かりやすい
- 担当スタッフの対応・相性
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aのメリット】
- 開発者・クリエイターの雇用先確保
- 後継者問題の解決
- 売却・譲渡益の獲得
- 大手グループ入りで制作費をかけたゲーム作りが可能に
- 個人保証・債務・担保などの解消
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aの買収側のメリット】
- 開発者・クリエイターの確保で人手不足の解消
- 多岐にプロジェクトを同時進行できる
- 新規事業へ低コストで参入
- 顧客・取引先・ノウハウなどの獲得
- 海外を含めた事業規模・エリアの拡大
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&A・売却・買収・譲渡事例】
- ブロッコリーによるLANTERN ROOMSの買収
- ユナイテッドによるトライフォートの買収
- Gunosyによるゲームエイトの買収
- エヌジェイホールディングスによるシェードの買収
- フリューによるコアエッジの買収
- オールアバウトによるファイブスターズゲームの買収
- GMOインターネットによるゲームポットの買収
- エボラブルアジアとジーゼの資本業務提携
- オルトプラスとアイディアファクトリーの資本業務提携
- カヤックによるガルチの買収
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させる売却側のポイント】
- 他社にはない強み・特徴を持つこと
- 過去・もしくは現在ヒット作を持っている
- 従業員の年齢がまだ若いこと
- M&Aを前向きに捉えていること
- M&Aの専門家に相談すること
【ゲーム会社・ゲームアプリのM&Aを成功させる買収側のポイント】
- デューデリジェンスの徹底
- 統合プロセスの実施
- M&Aの専門家に相談すること