廃業する会社、休眠会社を買うメリット・デメリットを解説

廃業する会社や休眠会社はM&A業界で安価に取引されており、個人でも会社を買うことが可能です。そのため、堅調な収益をあげて法人化を検討している個人事業主などから、大きな注目を集めています。

しかしながら、廃業する会社や休眠会社を買う場合は、大きなリスクをはらんでいることを理解しておかなければいけません。本記事では、廃業する会社や休眠会社を買うメリットやデメリット、注意点などを解説します。

廃業と休眠会社とは

経営の悪化や経営者の高齢化などにより、会社や事業を継続することが困難な状況に陥った場合、廃業という手段が取られることが多いですが、それ以外に休眠という選択肢もあります。

では、会社の廃業や休眠会社とはどのような状態のことをいうのでしょうか。それぞれの特徴について詳しく解説します。

廃業とは

廃業とは、経営者が自らの意思で会社をたたむことです。廃業するためには、株主総会または取締役会での決議を得る必要があります。

廃業が決定したら、解散の登記や解散届の提出など、各関係省庁に廃業のための手続きおよび清算手続きを行います。廃業の全ての手続きが完了すると、会社が消滅し廃業することになります。

廃業や清算の手続きは複雑で専門的な知識が必要になるので、弁護士などのサポートを受けながら実施する場合が多いです。清算の手続きは長いときは2~3年かかるケースもあります。

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休眠会社とは

休眠とは、社の登記は存続させたまま、事業や経営を一時的に停止することです。廃業と比較してコストがかからない方法として、経営が厳しく余力のない会社などが一旦事業を停止するために利用することができます。

休眠手続きは、廃業手続きと比べて簡単であるため、弁護士のような専門家を雇わずに経営者自身が実行することも可能です。また、許認可などもなくなることはありません。

しかし、会社は存在しているので休眠中も課税対象となり、不動産を所有していれば固定資産税が発生することもあるので注意が必要です。

廃業や休眠会社は増えている

少子高齢化や後継者不足、景気の低迷などの影響で、会社を廃業または休眠させる経営者は増加傾向にあります。

東京商工リサーチが実施した「休廃業・解散企業動向調査」によると、2016年に休廃業・解散に至った会社は29,583件で、2000年の16,110件から約1.8倍になっています。

特に、サービス業での休廃業・解散件数の増加は著しく、3,601件だった2000年から2016年には7,949件と2.2倍に増加しています。

廃業する会社、休眠会社は買える?

結論からいうと、廃業してしまった会社を買うことはできませんが、廃業を進めている会社や休眠会社を買うことは可能です

前章で述べたように、廃業するということは会社を消滅させることです。そのため、すでに廃業手続きが完了した会社は存在していないとみなされるため、買うことや売ることは不可能です。

一方で、廃業手続きがまだ完了していない会社や休眠会社は、会社自体が消滅しているわけではなく登記なども存在しているので、M&A仲介会社からの紹介などにより買うことは可能です。

ただし、廃業する会社や休眠会社を買うということは、経営している会社を買う場合にはないメリットやデメリット、注意点などがあることを留意しておく必要があります。次章以降で、廃業する会社・休眠会社を買う際のポイントを解説します。

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廃業する会社、休眠会社を買うメリット・デメリット

廃業する会社や休眠会社を買う際には、一般的なM&Aと同様、事業の拡大や新規参入のようなメリットがあり、簿外債務や偶発債務といったデメリットもあります。

本章では、廃業する会社や休眠会社を買うということにスポットをあて、買い手側からみた休眠会社買収におけるメリット・デメリットを解説します。

廃業する会社、休眠会社を買うメリット

廃業する会社や休眠会社を買うメリットには、主に以下の2点を挙げることができます。

【休眠会社を買うメリット】

  1. 社歴や資本金を獲得できる
  2. 許認可を獲得できる

1.社歴や資本金を獲得できる

新しく会社を設立した場合、社歴はイチから積み上げていかなければなりませんが、廃業する会社や休眠会社を買うとその会社の社歴を獲得することができます。

社歴を獲得することのメリットは、会社の信用度を高められることです。高い信用度は、金融機関からの融資や投資家からのサポート、取引先や顧客との関係構築など会社経営に大きなメリットとなります。

また、資本金に関しては、新しい会社を設立する場合、創業時の資本金として金銭の準備が必要です。1円でも起業することはできますが、社歴と同様、資本金が少ないと会社としての信用力が下がり、銀行からの融資が難しくなる可能性もあります。

廃業する会社や休眠会社を買うと、登録上の資本金はそのまま引継がれるため、実際に金銭を用意することなく資本金の多い会社を経営することが可能になります。

2.許認可を獲得できる

許認可は、ある特定の事業を営む際には必要不可欠です。例えば、不動産会社であれば宅地建物取引業免許、ガス会社であればガス事業許可など、許認可が必要になる事業があります。

許認可の取得にはコストがかかるため、立ち上げたばかりの会社にとっては影響が大きいケースもあります。また、許認可の取得には時間もかかるため、すぐに事業を始めたくても許認可が取れるまでは待たなければいけません。

一方で、廃業する会社や休眠会社を買うと、許認可を引き継ぐことができます。そのため、設備や機器などの準備が整っていれば買収後すぐに事業を始めることが可能となります。

廃業する会社、休眠会社を買うデメリット

廃業する会社や休眠会社を買う際には、デメリットがあることも忘れてはいけません。廃業する会社や休眠会社を買う際のデメリットには、主に以下の2点があります。

【廃業する会社、休眠会社を買うデメリット】

  1. 取引先や顧客と関係性の構築に手間がかかる
  2. 銀行からの融資を受けられない可能性がある

1.取引先や顧客との関係構築に手間がかかる

契約内容次第ですが、一般的に経営している会社を買う場合は、顧客や取引先も引き継ぐことになります。そのため、買収後すぐに対象の事業で安定した収益を上げることが可能です。

しかし、廃業する会社や休眠会社では顧客や取引先との関係を清算しているケースもあります。特に休眠会社は事業を停止しているので、取引先や顧客がいないことが珍しくありません。

そのため、休眠会社を買う場合は、取引先との信頼関係の構築や顧客の開拓にイチから取り組まなければならず、手間もコストもかかることになります。

2.銀行からの融資を受けられない可能性がある

事業の拡大や経営戦略のために資金が必要な際は、国や銀行から資金を調達することが一般的な方法です。

しかしながら、もし買収した会社に倒産歴があったり、ブラックリストに載っている場合は、銀行などからの融資を受けられない可能性があります。融資を受けられないということは、会社にとって非常に大きなリスクです。

廃業や休眠をしている会社のなかには、経営が厳しく赤字が続いており、会社を続けることができないというケースもあります。そのような会社を買う前に、過去の倒産歴などを細かく調べておくことが重要です。

廃業する会社、休眠会社を買う際の注意点

廃業する会社や休眠会社を買う際には、見逃してはならない注意点があります。もし見逃して廃業する会社や休眠会社を買うと、買収後に大きなリスクとなる可能性も秘めています。

では、どのような点に注意をして廃業する会社や休眠会社を買う必要があるのでしょうか。本章では、廃業する会社や休眠会社を買う際の注意点について解説します。

【廃業する会社、休眠会社を買う際の注意点】

  • 表に出ていない負債がある可能性
  • 素人が買うには手続きが難しい

表に出ていない負債がある可能性

負債の有無は、会社を買うにあたって大きなポイントとなる項目です。帳簿に記載された負債であれば容易にみつけることができるため会社を買う前に検討することができますが、帳簿に記されていない簿外債務は調査をしなければ知ることはできません。

また、長く休眠している会社のなかには、経営中に正しく帳簿が記載されていない可能性もあります。そのような場合は負債が帳簿に記載されておらず、会社を買うまで負債に気付けないかもしれません。

会社を買った後に負債があることが発覚すれば、会社の経営に大きな影響を与えることになるため、廃業する会社や休眠会社を買う場合は、帳簿などの管理がずさんであることを想定してデューデリジェンスを進めていく必要があります。

素人が買うには手続きが難しい

廃業する会社や休眠会社を買うためには、役員や定款内容、登記住所などの変更手続きを取る必要があります。

これは、廃業する会社や休眠会社を買う際だけの特別なことではなく、どのような会社であっても個人で会社を買う際は非常に煩雑な手続きが必要であり、手間もコストもかかります

また、会社を買うまでの手続きや契約、交渉も経験や知識がなければ難しく、経験不足により大きな問題を抱えた会社を買うはめになってしまう可能性もあります。

廃業する会社や休眠会社によっては、個人でも手を出すことができるくらい安く買うことができますが、リスクを避けるためには専門家への相談が必要であり、そのために高額な費用がかかるケースもあります。

廃業する会社、休眠会社を買う際の検討材料

廃業する会社や休眠会社を買うことは、大きなリスクをはらんでいる可能性があります。買収後に大きな問題となり、せっかく会社を買ったのに経営を継続できず廃業してしまうというケースもあります。

リスクを回避して円滑に廃業する会社や休眠会社を買うためには、以下の点を確認しておくことが重要です。

【廃業する会社、休眠会社を買う際の検討材料】

  • 帳簿や納税を済ませていること
  • 免許や権利を有していること
  • 専門家に相談して決めること

帳簿や納税を済ませていること

廃業する会社や休眠会社を買う際には、対象の会社の帳簿内容に不備や記載漏れはないか、また、納税は適切に行われているかを確認することが重要です。

もし帳簿や納税が正しく実行されていなければ、買収後に帳簿に記載のない負債が発覚したり、滞納分の税金の納付を求められる可能性もあるためです。

会社としての活動を一切取りやめ、売上や利益がゼロの休眠会社であったとしても、納税の義務や税務申告の義務はあります。

収益が全くないと認められれば法人税は免除されますが、家賃収入や固定資産があれば申告して納税しなければなりません。リスクを避けるため、帳簿や納税に関しては、休眠会社を買う前に確認する必要があります。

【関連】休眠会社でも税金がかかる?滞納回避のコツや手続きを簡単解説!

免許や権利を有していること

廃業する会社や休眠会社が保有している免許・許認可・権利などは、対象会社を買うことで承継することができます。

免許や許認可のなかには取得が難しいものや時間・コストがかかるものなどがあるので、イチから起業して取得するよりも会社を買うことで手に入れたほうがよい場合もあります。

免許・許認可・権利を手に入れることが会社を買う目的なのであれば、対象会社がその免許などを保有しているかを必ず確認しておかなければなりません。

有効期限や認可条件のある許認可もあるので、休眠中で更新されていなかったり、条件を満たしていなければ、免許や許認可が取り消されている可能性もあります。

そのような事態を避けるためにも、廃業する会社や休眠会社を買う前は必要な許可や許認可を保有しているかを確認することが重要です。

専門家に相談して決めること

会社を買うことは簡単なことではありません。デューデリジェンスや基本合意契約など、専門的な知識が必要となってきます。

特に、廃業する会社や休眠会社を買う際には、登記や定款の変更や役員の選定なども行わなければならず、個人で会社を買うには高いハードルがあります。

しかし、M&Aなどの実績や知識を有する専門家に相談して支援してもらうことで、そのハードルはぐっと下がることになります。

専門家に相談することで追加コストはかかりますが、買収後のリスクを避けて円滑に廃業する会社や休眠会社を買うためには、専門家への相談が重要なポイントになります。

廃業する会社、休眠会社を買う際におすすめの相談先

廃業する会社や休眠会社を買うことを検討していても、個人で希望に沿った会社をみつけることは容易ではありません。というのは、個人の持つネットワークでは会社探しに限界があるためです。

M&A総合研究所は、豊富な実績によるネットワークにより、クライアント様の希望に沿った会社を探し、円滑なM&A成立を目指します。

専門的な知識をもつ弁護士と経験豊富なM&Aアドバイザーが就き、契約完了まで全力でサポートいたします。

着手金・中間金は無料の完全成功報酬制を採用しています。ご相談は無料でお受けしておりますのでなので、廃業する会社や休眠会社を買うことをご検討の際はお気軽にご相談ください。

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まとめ

本記事では、廃業する会社や休眠会社を買うメリットやデメリット、注意点などを解説してきました。

一般的に、廃業する会社や休眠会社は通常の会社よりも安価で取引されており、個人でも会社を買うことができます。

そのため、起業を考える個人事業主が新会社を立ち上げるよりも、安い会社を買うほうにメリットを感じて廃業する会社や休眠会社を買うケースがあります。

しかし、廃業を決める前や休眠前に負債や納税などに問題を抱えていたという会社もあるので、大きなリスクをはらんでいる可能性があることも理解しておかなければなりません

【廃業する会社、休眠会社を買うメリット】

  1. 社歴や資本金を獲得できる
  2. 許認可を獲得できる

【廃業する会社、休眠会社を買うデメリット】

  1. 取引先や顧客と関係性の構築に手間がかかる
  2. 銀行からの融資を受けられない可能性がある

【廃業する会社、休眠会社を買う際の注意点】

  • 表に出ていない負債がある可能性
  • 素人が買うには手続きが難しい

【廃業する会社、休眠会社を買う際の検討材料】

  • 帳簿や納税を済ませていること
  • 免許や権利を有していること
  • 専門家に相談して決めること