飲食店の廃業率データを紹介!3年以内に閉店する理由とは?

飲食店は新規出店と廃業が多く、入れ替わりの激しい業界のひとつです。廃業率が高いといわれていますが、実際の廃業データはどのようになっているのでしょうか。

本記事では、飲食店の廃業率のデータを解説するとともに、多くの飲食店が開店3年以内に閉店・廃業してしまう理由を考察します。

飲食店の廃業は増加している?

飲食店業界は他業種に比べて、新規出店と廃業が多く入れ替わりが激しい業界だといわれています。多くの飲食店が開業3年以内に廃業してしまうともいわれており、生き残りには多大な努力が必要なことがうかがえます。

2020年以降は、新型コロナという特殊な事情により、飲食店の廃業が大きく増加することが予想されます。今まで廃業を考えていなかった飲食店でも、廃業を検討しなければならないところもでてくるでしょう。

現在はこのような特殊な事情による廃業がありますが、新型コロナの影響がどれくらいになるかはまだデータが揃っていないため、本記事では現在手に入るデータをもとに飲食店の廃業を解説していきます。

この章では、飲食店の廃業の増加要因となっている食材の高騰と、特に廃業が多い業態について解説します。

食材の高騰が痛手に

2020年は食材の価格高騰が厳しく、家計だけでなく飲食店にも大きな影響を及ぼしています。特に野菜の価格高騰が大きく、これは梅雨が長く日照時間が少なかったことが主な原因と考えられます。

梅雨の長雨はサンマなどの鮮魚にも影響し、秋の味覚を売りにした飲食店が厳しい状況になることが予想されます。

サンマの不漁は地球温暖化による海水温の上昇も関係しているという意見もあり、だとすればサンマの不漁は2020年だけでなく今後も続く可能性があります。

また、食材の高騰原因は梅雨や温暖化といった地球環境の変化だけでなく、為替レートの変化による輸入食材の高騰も関係することがあり、一過性の問題では済まない面もあります

食材の高騰が長引くとすると、対応できない飲食店が廃業してしまう事例が今後ますます増加していくことが懸念されます。比較的安い別な食材で置き換えたり、食材の買付方法を工夫するなど、飲食店側の努力が廃業回避のために重要になってくるでしょう。

飲食店の中でも廃業が多い店舗

一般に飲食店業界は廃業が多いといわれていますが、飲食店といってもさまざまなジャンルがあるので、ジャンルごとの廃業の違いも把握しておくことが重要です。

下表は飲食店の支援サイト「飲食店.com」による、営業年数3年以内の飲食店のジャンル別割合です。この割合が高いジャンルほど、短い営業年数で廃業している店舗が多い傾向にあると推測できます。

この表をみると、同じ飲食店業界でもジャンルによって営業年数にかなりの差があることが分かり、ラーメン屋・中華料理店・カフェなどは割合が高く、寿司やフランス料理店は割合が低くなっています。

この傾向の違いは、参入障壁の差と関係があると考えられます。ラーメン屋やカフェは比較的簡単に参入できるのに対して、寿司やフランス料理店は一般に何年も修行しないと独立できません。同じ飲食店でも簡単に参入できるジャンルは、その分廃業も多いといえます。

【営業年数3年以内の飲食店の割合】

業態 割合
ラーメン・中華 約70%強
カフェ 約70%弱
洋食 約60%強
和食・寿司 約50%前後
フランス料理 約40%

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飲食店の廃業率データ

この章では、データをもとに飲食店の廃業について解説します。帝国データバンクの調査によると、2018年度の飲食店の倒産・休廃業・解散件数は1180件となっています。

東日本大震災があった2011年度の1134件、リーマンショックのあった2008年度の1113件を上回り、2000年度以降では最も多くなっています

2019年度と2020年度のデータは現時点ではありませんが、新型コロナの影響を考えると2018年度よりも大幅に増える可能性が高いと考えられます

2018年度の飲食店のジャンル別の倒産・休廃業・解散件数と割合は、酒場・ビアホールが最も多く214件・18.1%、次に多いのは中華・東洋料理、西洋料理店などで、すし店や料亭は割合が低くなっています。

【飲食店の倒産・休廃業・解散件数】

年度 件数
2018年度 1180件(うち倒産657件、休廃業・解散523件)
2011年度 1134件
2008年度 1113件

【2018年度のジャンル別の倒産・休廃業・解散件数と割合】

ジャンル 件数 割合
酒場・ビアホール 214件 18.1%
中華・東洋料理店 174件 14.7%
西洋料理店 151件 12.8%
一般食堂 126件 10.7%
喫茶店 122件 10.3%
すし店 51件 4.3%
料亭 19件 1.6%

飲食店が3年以内に閉店する主な理由

ジャンルにより違いがあるものの、一般的に飲食店は3年以内に閉店・廃業してしまう割合が多いです。その理由は飲食店のジャンルや各店舗の事情によりさまざまですが、主なものには以下の5つが挙げられます。

これらの理由を理解しておくと、廃業を避けて飲食店経営を円滑に進めるのに役立ちます。この章では、飲食店が3年以内に閉店・廃業する理由について解説していきます。

【飲食店が3年以内に閉店・廃業する主な理由】

  1. 運転資金が不十分だった
  2. データではなく感覚や経験で経営
  3. 店主のこだわりが強すぎる
  4. 集客より収益を考えてしまう
  5. やり直すのが難しい

1.運転資金が不十分だった

飲食店は開店してすぐに黒字になることは稀であり、最初は赤字で我慢して営業を続け、段々口コミなどで人気がでて黒字になっていきます。

そのため、黒字になるまでの期間の運転資金をあらかじめ用意しておくことは、飲食店の廃業を避けるために必須だといえます

資金をどれくらい用意すべきかは一概には言えませんが、一般的には半年分くらいの運転資金を持ったうえで開業すべきだといわれています。

しかし、運転資金の重要性を軽視して、不十分な資金で飲食店を開業してしまう事例は後を絶ちません。特に開店から1年以内に廃業してしまう飲食店は、このパターンが多いといわれています。

2.データではなく感覚や経験で経営

コンビニ業界などでは、データを用いて顧客の好みを分析し、商品の選択や陳列方法を最適化することで利益を上げています。

一方で、特に個人経営の飲食店ではデータを活用していないことが多く、店長の感覚や経験で経営しているところが多いのが現状です

調理や食材選びなどにおいて感覚や経験は重要ですが、立地やメニュー選びといった分野ではデータを活用することで売上を伸ばすことが可能です。

例えば、同じ飲食店でも店舗のレイアウトやメニュー内容を変化させ、それによりどれくらい利益が変わったかデータをとると、店舗の最適なレイアウトやメニューをみつけることができます。

あまり高度なデータ活用を経営者が個人で行うのは難しいですが、最近は飲食店のデータ分析を専門とする企業もあるので、このようなサービスを活用するのもひとつの方法です。

3.店主のこだわりが強すぎる

意欲のある飲食店経営者のなかには、自分がやりたい味をひたすら追求する、いわゆる職人タイプの人もいます。

飲食店経営で個性を出すのはもちろん大事ですが、最終的に売上につながってこそ意味を持つことを忘れてはなりません

いくらこだわっても顧客に支持されなければ単なるひとりよがりになってしまい、売上が上がらず結局は廃業してしまうことにもなりかねません。

飲食店は商売であって、顧客に食べてもらって初めて意味を持ちます。顧客のニーズを意識することと自身のこだわりのバランスを取ることが、飲食店の廃業を避けるためには大切です。

4.集客より収益を考えてしまう

飲食店を経営するからには、多くの顧客に来てもらいたいのはもちろん、高い収益を上げたいと思うのは当然です。しかし、集客よりも収益を重視してしまうと、結果的に顧客が離れて廃業に追い込まれる可能性があります

収益にこだわりすぎて飲食店を廃業してしまうパターンで多いのは、人件費や材料費を抑えすぎてサービスの質を下げてしまう事例です。

人件費や材料費を抑えれば一時的に利益が上がりますが、サービスの質が落ちると長い目で見れば利益が下がり、廃業の危険性が高くなってしまいます。

5.やり直すのが難しい

飲食店は比較的参入障壁の低い業種ですが、店舗や設備の初期投資が大きく、失敗したと感じてもやり直すのは難しい面があります

いざ出店してみると立地条件がよくないことに気づき、かといって今さら店舗を引っ越すこともできず、ずるずると赤字が続いて廃業してしまうのはよくある事例です。

飲食店を出店する際は、あらかじめ立地条件をよく下調べしたり、カフェやバーなど比較的初期投資の小さい業態を選ぶなど、廃業を避けるための対策をしておく必要があります。

飲食店が廃業するリスク

飲食店は他業種に比べて比較的新規参入がしやすい反面、廃業のリスクも高い業種です。飲食業界は流行や社会状況の影響を受けやすいので、リスクには常に注意しておくことが大切です。

飲食店は流行に乗ると一気に利益が拡大するものの、一旦ブームが終わると一気に廃業へと追い込まれるリスクもあります。

例えば、タピオカドリンクの飲食店は2020年に入って廃業が増えているといわれており、今後は本当に実力のある店舗だけが生き残っていくと考えられます。

また、飲食店は、新型コロナやリーマンショックなど、社会状況の影響を最も大きく受けた業種でもあります。社会状況による廃業のリスクも大きい業種であることを、飲食店経営者は理解しておかなくてはなりません。

他にも、低い利益率や人件費の負担の重さも、飲食店の廃業の大きなリスクとなっています

飲食店が廃業を選ばない道

飲食店の経営が立ち行かなくなった時、廃業を考える経営者が多いと考えられます。しかし、飲食店を手放す手段には、廃業以外にも選択肢があることを知っておくことも大切です。

廃業以外の選択肢として有力なのは、M&Aで飲食店を売却することです。M&Aとは会社や個人事業を売買することで、近年は成立件数が増えて広く普及しつつあります。

M&Aというと大企業が行うものと誤解されることもありますが、中小企業や個人事業主でも行うことができます

実際にM&Aマッチングサイトなどをみると、売却価格数百万円程度のカフェやラーメン屋などが売却されている事例をいくつもみつけることができます。

また、M&Aは赤字企業でも成約させることが可能であるため、廃業しそうな経営難の飲食店を売却して売却益を得ることもできます。経営難の飲食店でも、廃業を選ばない道があることを知っておくことが大切です。

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飲食店をM&Aする際におすすめの仲介会社

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まとめ

飲食店は、開店3年以内に廃業してしまう店舗が多く、競争の激しい業界です。廃業の理由は運転資金の不足や社会状況の変化に加えて、店主のこだわりが強すぎたり感覚に頼りすぎたりと、個人的な理由も大きいのが特徴です。

飲食店の廃業率は業態によって違いがあり、参入障壁の低いラーメン屋やカフェなどが廃業しやすい傾向があります。こういったデータを把握しておくことも、飲食店経営者が廃業を避けるためには有益です。

【営業年数3年以内の飲食店の割合】

業態 割合
ラーメン・中華 約70%強
カフェ 約70%弱
洋食 約60%強
和食・寿司 約50%前後
フランス料理 約40%

【飲食店の倒産・休廃業・解散件数】

年度 件数
2018年度 1180件(うち倒産657件、休廃業・解散523件)
2011年度 1134件
2008年度 1113件

【2018年度のジャンル別の倒産・休廃業・解散件数と割合】

ジャンル 件数 割合
酒場・ビアホール 214件 18.1%
中華・東洋料理店 174件 14.7%
西洋料理店 151件 12.8%
一般食堂 126件 10.7%
喫茶店 122件 10.3%
すし店 51件 4.3%
料亭 19件 1.6%

運転資金が不十分だった【飲食店が3年以内に閉店・廃業する主な理由】

  1. データではなく感覚や経験で経営
  2. 店主のこだわりが強すぎる
  3. 集客より収益を考えてしまう
  4. やり直すのが難しい