【医療機器卸のオーナー向け】M&A・買収の注意点5つと成功ポイント!

【医療機器卸のオーナー向け】M&A・買収の注意点5つと成功ポイント!

医療機器卸業界では、業界再編の動きに伴って多数のM&A・買収事例がみられます。なかでも、大手による事業規模の拡大や中小による生き残りをかけたM&Aが増加しており、動向に注目が集まります。本記事では、医療機器卸のM&A・買収の注意点と成功ポイントを解説します。

医療機器卸のM&A・買収

医療機器卸のM&A・買収

医療機器卸業界は、市場規模の縮小や同業種同士の買収案件増加により、M&Aが活性化しつつあります。

経営状態が厳しくなった中小の売却案件も増えているため、買収側としては業界全体の動向を掴んでおくことが重要になるでしょう。

まずこの章では、医療機器卸業界の定義とM&A・買収動向を取り上げ、業界全体を取り巻く状況をみていきます。

医療機器卸業界とは

医療機器卸業界とは、医療機器の仕入れと販売を担う業種です。主に医療機器メーカーと医療機関を繋いでおり、精度が高く信頼性のある医療機器を、医療現場に調達させる役割があります。

医療機器メーカーは開発力はあるものの営業力が乏しいことも珍しくないため、医療機器卸が機器の特徴・強みを把握して、利用者である医療機関に正しく伝えなくてはなりません。

【医療機器卸業界の特徴】

  1. 主な取引先は医療機関
  2. 営業担当の能力に依存する
  3. 厚生労働省の方針により影響を受ける
  4. 市場縮小にともなう状況の変化

1.主な取引先は医療機関

主な取引先は、病院や診療所などの医療機関です。人命を預かる医療機関に対して医療機器を提供するため、医療業界のなかでも重要な立ち位置になっています。

医療機器の種類は膨大な数があるため、医療機器卸が医療機関に代わって機器の在庫役を買うことで、必要な時に必要な機器を提供するという役割を果たすこともできます。

また、医療業界の情報伝達という役割もあります。医療機器メーカーと医療機関では保有する情報が全く異なるため、医療機器卸が仲介役を担うことで情報収集面から医療業界全体に大きく貢献しています。

2.営業担当の能力に依存する

医療機器を販売するためには、医療機関に機器の特徴・強みを説明しなくてはなりません。いくら高精度な機器でも特徴・強みを伝えることができなければ、広く浸透させることはできないからです。

そこで重要となるのは営業担当の能力であり、医療機器メーカーから仕入れた機器を、次々に医療機関に販売することができれば、効果的に業績を向上させることができます。

ただし、会社全体の業績が営業担当に強く依存してしまうデメリットもあります。新規顧客を獲得するためのハードルの高さが、業界全体の不安定さを加速させているといえるでしょう。

3.厚生労働省の方針により影響を受ける

医療機器卸は、一般的に機器の価格決定権が存在しません。機器の販売価格などについては厚生労働省が決定することになるため、外部環境の影響がとても大きい特徴があります。

大手であれば、大量の機器の在庫を抱えながら販売することで物量で勝負することも可能ですが、資金力が限定される中小は在庫を抱えるとキャッシュフローが回らなくなり、業績が途端に悪化するケースも珍しくありません。

4.市場縮小にともなう状況の変化

少子高齢化や医療高度化の影響で、医療業界全体の成長が期待されている反面、市場規模は伸び悩んでいる実情があります。

先に挙げた厚生労働省の方針や政府の医療費抑制政策によって、収益性が安定せず、市場規模全体の拡大は期待しがたい状態になっています。

この影響を受けて、医療機器メーカーが医療機関への機器の直販を始めるなどの動きもみられているため、厳しい状況変化の真っ只中にあります。

医療機器卸のM&A・買収動向

医療機器卸のM&A・買収を行う際は、業界の動向を確認しておくことが大切です。特に押さえておくべき動向は以下の4つです。

【医療機器卸のM&A・買収動向】

  1. 市場縮小にともないM&Aが増加
  2. 収益性の低下によるM&Aが増加
  3. 同業種同士のM&Aが増え業界再編の兆し
  4. 大手グループの規模拡大を目的としたM&Aが増えている

1.市場縮小にともないM&Aが増加

政府の政策などのマイナス材料の影響で、市場規模は縮小傾向にあります。業界全体の利益率が低下しているため、業績が伸び悩む企業も少なくありません。

市場縮小の影響が特に大きいのは中小企業です。業界全体の市場規模縮小が進むなか、M&Aによる営業ノウハウや顧客の共有で、体制を整えようとする動きが目立っています。

2.収益性の低下によるM&Aが増加

政府の意向次第で業績が大きく変化する特徴もあります。政策一つで収益性が低下することもあるため、突発的にM&Aが増加するケースも珍しくありません。

収益性の低下は、医療機器メーカーの直販化なども招いています。営業能力を身につけた医療機器メーカーが医療機関に直接販売することで、介入する余地がなくなり収益性が低下する事態が発生しています。

買い付け先や販売先を失ってしまうことで安定した収益性の実現が困難となり、外部環境は厳しさを増しています。

3.同業種同士のM&Aが増え業界再編の兆し

M&A・買収の目的は、シナジー効果の創出を目的とすることが多いです。特に、異業種間のM&Aはシナジー効果のメリットを享受しやすいため、同業種同士よりは異業種間のM&Aが一般的です。

一方で、医療機器卸業界では、同業種同士のM&Aが増加しています。営業基盤の強化などを目的としたM&Aとなっており、業界再編の兆しがみえています。

4.大手グループの規模拡大を目的としたM&Aが増えている

大手グループでは、事業規模の拡大目的のM&Aが増えています。規模拡大のM&A買収シーンで特に注目されているのは、買収先が保有している顧客です。

複数の取引先との関係を構築したうえで継続的な取引を行うことが前提なので、他者と契約している顧客から新たに契約を取り付けられず、新規顧客獲得は難しい特徴があります。

その点、M&Aであれば買収先が保有する新規顧客を一度に獲得することが可能です。時間をかけずに事業規模を拡大することができるので、大手グループは積極的にM&A買収を行う傾向にあります。

【関連】医療機器卸・商社の事業譲渡・株式譲渡のポイントとは?動向/事例/相談先も紹介

医療機器卸のM&A・買収の5つの注意点

医療機器卸のM&A・買収の5つの注意点

医療機器卸のM&A・買収を検討するうえで、いくつかの注意点が存在します。M&A・買収の成否に強い影響を及ぼす注意点5つについて解説します。

【医療機器卸のM&A・買収の5つの注意点】

  1. 買収先の取引先との関係
  2. 厚生労働省の動向
  3. M&Aのタイミング
  4. 買収先の事情を把握
  5. 情報漏えい

1.買収先の取引先との関係

医療機器卸は、医療機器メーカーと医療機関を繋ぐ役割をもちます。営業を行ううえで両者との良好な関係性が必要不可欠なので、買収先の取引先との関係はとても重要です。

買収ばかりに集中していると、肝心の取引先との関係構築がおざなりになってしまうため、注意が必要です。

2.厚生労働省の動向

医療機器卸業界は、厚生労働省の動向に強い影響を受けます。医療機器や医療業界に関連する政策が発表されると収益性が大きく変化するため、注意しなくてはなりません。

厚生労働省の動向での被害を抑えるためにも、動向確認や買収先の医療機器卸の将来性の見極めがとても重要になります。

3.M&Aのタイミング

医療機器卸のM&A・買収は、成約率は決して高くありません。ただ買収の名乗りを上げれば売り手が現れるわけではないので、M&Aのタイミングを図ることが大切です。

例えば、医療機器卸の業界再編が活発な時は、買い手と売り手の双方がM&Aに対して前向きな姿勢をみせていることが分かります。

M&Aが成立しやすくなっているので、買収を検討するのには絶好のタイミングといえるでしょう。

4.買収先の事情を把握

買収先のM&Aの目的や条件を把握しておくことも大切です。相手側が何を求めているのかを知ることができれば、交渉を円滑に進めることができます。

買収先の事情を把握して、双方の利害が一致することが明らかになれば、友好的なM&Aが実現します。

5.情報漏えい

M&Aの情報が漏えいすると、買収先の従業員の流出リスクがあります。営業ノウハウを蓄積しているベテランが流出してしまう可能性もあるため、情報漏えいにはくれぐれも注意しなくてはなりません。

従業員の流出を防ぎたいのは売却側も同様です。M&A交渉の際に秘密保持契約を交わして、双方が協力して情報漏えい対策に努めることが大切です。

【関連】M&Aの契約まとめ!秘密保持/意向表明/基本合意/最終契約【雛形あり】

医療機器卸のM&A・買収が行われるメリット

医療機器卸のM&A・買収が行われるメリット

医療機器卸業界のM&Aが活性化する理由は、買収側・売却側の双方に数多くのメリットがあるためです。

これらのメリットを把握しておくと、M&Aの成功率を上げることができます。この章では、買収側・売却側双方の具体的なメリットを解説します。

買収側のメリット

まずは、医療機器卸の買収側のメリットからみていきます。主なメリットは以下の3つが挙げられます。

【医療機器卸の買収側のメリット】

  1. 事業規模・エリアの拡大
  2. 他業種からの新規参入
  3. 優秀な人材獲得

1.事業規模・エリアの拡大

医療機器卸を買収することで、事業規模を拡大させることができます。会社としての母体を大きくすれば、多くの取引を行うことができるようになり、多大なスケールメリットを獲得することも可能です。

また、特定エリアで顧客を有する医療機器卸であれば、該当エリアに一気に進出することも可能です。医療機器卸の新規顧客獲得は時間がかかるものですが、M&Aの買収ならば短期間で実践することができます。

2.他業種からの新規参入

他業種が医療機器卸を買収することで、新規参入することもできます。ゼロから環境を整えようとすると膨大な費用と時間を要しますが、既に基盤が整っている医療機器卸を買収すれば即座に事業を展開できます。

また、他業種で培ったノウハウを活用したシナジー効果の創出も期待できます。営業活動を効率化させることも可能なので、医療機器卸業界への新規参入というメリットはとても大きいといえるでしょう。

3.優秀な人材獲得

医療機器卸の業績は、営業担当の能力に強く依存します。営業担当による医療機関との関係構築がうまくいけば、会社全体の業績向上を期待することができます。

医療機器卸の営業人材の育成には時間と費用がかかりますが、M&Aの買収であれば優秀な人材を短期間で一度に獲得することができます

営業担当のタイプが増えることで、あらゆる医療機関にアピールすることもできるようになるので、多様性を広げることにも繋がります。

【関連】M&Aの目的と課題を解説!買収後の成功・失敗事例を紹介!

売却側のメリット

続いて、医療機器卸の売却側のメリットについて解説します。買収側も売却側のメリットを把握しておくことで、M&Aの交渉を有利に進めることもできます。

【医療機器卸の売却側のメリット】

  1. 後継者問題の解決
  2. 大手グループ傘下入りによる経営の安定
  3. 売却益の獲得

1.後継者問題の解決

少子高齢化の影響により、あらゆる業種で後継者問題が深刻化しています。医療機器卸業界も例外ではなく、特に中小企業で後継者問題に悩まされる経営者が増えています。

後継者不在のまま経営を進めるといずれは廃業となるため、なにかしらの対策が必要ですが、後継者問題は国全体の問題でもあり、根本的な解決には至っていないのが現状です。

M&Aによる売却を行うと、買収側に経営を託すことができます。以降は後継者問題に頭を抱えることもなくなるので、売却側の経営者にとって大きなメリットであるといえます。

2.大手グループ傘下入りによる経営の安定

大手グループが保有する経営資源を活用することで、事業規模の拡大や経営の安定を図れるメリットもあります。

例えば、資金の関係で単独では難しかった事業計画も、大手の経営資源があれば十分実行可能になります。飛躍的な成長を図ることができるので、M&Aによる売却を検討するケースも多いです。

また、大手グループ特有の信用力も強みの一つです。信用力・知名度がある大手グループならば、新たに事業を行う際も有効に働くことが多くなっています。

3.売却益の獲得

医療機器卸の会社を売却すると、会社の価値に応じた売却益を獲得できます。獲得した売却益は新たな事業の立ち上げや今後の生活資金に使うことができるので、売却側にとって大きなメリットになります。

特に、M&A手法に株式譲渡を利用する場合は、株主(経営者)が売却益を獲得することができます。売却益獲得のメリットを最大化することができるので、医療機器卸のM&Aによる売却は株式譲渡が利用されることがほとんどです。

医療機器卸のM&A・買収の成功ポイント

医療機器卸のM&A・買収の成功ポイント

医療機器卸業界のM&Aは、成約さえすれば成功するというわけではありません。成約したうえで最善の結果を得るためには、いくつかの成功ポイントを押さえておくことが大切です。

【医療機器卸のM&A・買収の成功ポイント】

  1. デューデリジェンスの徹底
  2. 買収先の人材の把握・人材流出の回避
  3. 買収先に独自の商品がある
  4. M&Aの専門家に相談する

1.デューデリジェンスの徹底

医療機器卸を買収するうえで注意したいのは、買収先の潜在的リスクによって受ける影響です。M&Aの売却側が抱える問題はさまざまなので、財務リスクや法務リスクなど、あらゆる潜在的リスクが想定されます。

これらの潜在的リスク対策として重要なのが、デューデリジェンスの実施です。M&Aの成約前に、専門家による徹底した調査を行い、財務・法務・税務などのあらゆる面における潜在的リスクを洗い出します。

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2.買収先の人材の把握・人材流出の回避

医療機器卸のM&A・買収が失敗する要因の一つとして、情報管理不足による買収先の人材流出があります。期待したシナジー効果を創出することができなくなるため、人材流出は絶対に避けなくてはなりません。

何も対策をしないと漠然とした不安から自主退職することもあるため、情報漏えい対策やM&A後の雇用条件の説明など、人材を引き継ぐための対策を徹底する必要があります。

3.買収先に独自の商品がある

医療機器卸は、特定の医療機器の独占販売権を有することがあります。医療業界で需要のある機器であるならば、一定の収益を確保することができるので買収の目的となることも少なくありません。

海外の医療機器メーカーの機器をいち早く輸入して、独占販売権を獲得する医療機器卸も多いので、独自の商品に注目してM&Aを行うのも一つの選択肢です。

4.M&Aの専門家に相談する

医療機器卸業界のM&Aには、さまざまな注意点や成功ポイントがあります。いずれも重要なものであるため決して軽視することはできませんが、全てを押さえようとすると多大な労力がかかるのが現状です。

そこでおすすめなのがM&Aの専門家へ相談することです。M&A仲介会社に相談すれば、医療機器卸のM&Aの注意点や成功ポイントを押さえ、万全の体制でM&Aの買収に臨むことができます。

医療機器卸のM&A・買収する際におすすめの仲介会社

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医療機器卸のM&A・買収を検討の際は、M&A総合研究所にご相談ください。M&A経験豊富なアドバイザー・会計士・弁護士の3名が、相談から成約までの一貫したサポートを行います。

M&A総合研究所は、中堅・中小規模のM&A仲介を中心に扱っています。医療機器卸の中小企業の経営者様から多数のご相談をお受けしており、売却案件が豊富にあります。

当社のM&A仲介の特徴として、独自に培ったノウハウを活用したスピーディー成約があります。M&A交渉が長期化することが少ないので、医療機器卸の事業を円滑に拡大したい時も安心してご利用いただけます。

料金体系は完全成功報酬制を採用しています。M&Aが成約するまで一切の手数料が発生しないので、成約せずに費用だけが発生することはありません。

無料相談は24時間体制でお受けしています。医療機器卸のM&A・買収をご検討の際は、M&A総合研究所までご連絡ください。

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まとめ

まとめ

本記事では、医療機器卸のM&A・買収の注意点と成功ポイントを解説しました。現在は同業種同士によるM&Aが中心ですが、今後はシナジー効果の創出を目的とした異業種による医療機器卸への新規参入が増加する見方もされています。

医療機器卸のM&A・買収で得られるシナジー効果を最大化するためにも、注意点や成功ポイントを把握しておくことが大切です。

また、早期から準備を進めておき、M&Aの専門家への相談もしておくといざという時に柔軟に対応することができます。

【医療機器卸業界の特徴】

  1. 主な取引先は医療機関
  2. 営業担当の能力に依存する
  3. 厚生労働省の方針により影響を受ける
  4. 市場縮小にともなう状況の変化

【医療機器卸のM&A・買収動向】

  1. 市場縮小にともないM&Aが増加
  2. 収益性の低下によるM&Aが増加
  3. 同業種同士のM&Aが増え業界再編の兆し
  4. 大手グループの規模拡大を目的としたM&Aが増えている

【医療機器卸のM&A・買収の5つの注意点】

  1. 買収先の取引先との関係
  2. 厚生労働省の動向
  3. M&Aのタイミング
  4. 買収先の事情を把握
  5. 情報漏えい

【医療機器卸の買収側のメリット】

  1. 事業規模・エリアの拡大
  2. 他業種からの新規参入
  3. 優秀な人材獲得

【医療機器卸の売却側のメリット】

  1. 後継者問題の解決
  2. 大手グループ傘下入りによる経営の安定
  3. 売却益の獲得

【医療機器卸のM&A・買収の成功ポイント】

  1. デューデリジェンスの徹底
  2. 買収先の人材の把握・人材流出の回避
  3. 買収先に独自の商品がある
  4. M&Aの専門家に相談する