休眠会社を徹底解説!廃業よりも会社の存続を選択しよう!

休眠会社を徹底解説!廃業よりも会社の存続を選択しよう!

今のまま会社経営を続けられそうにないから、会社をたたもうかな。。」なんて、お悩みではないでしょうか?

体調不良などの事情で、会社経営を続けられなくなる経営者は少なくありません。

しかし、会社を廃業するには非常に手間と費用がかかってしまうのです。

ここでは、休眠会社の基礎知識やメリット、休眠会社についての相談先について紹介します。

休眠会社を選択して廃業を回避し、将来の事業再開のために会社を残しておきましょう。

1.休眠会社とは?

休眠会社とは?

休眠会社とは、登記はされているものの長期間に渡って経営がされていない会社のことです。

法律上は、最後の登記から12年間が経つと、休眠会社だとみなされます。

実際に会社を休眠させるには、税務署や都道府県税事務所、市役所に『異動届出書』を出すことが必要です。

異動届出書は、『[手続名]異動事項に関する届出|国税庁』からダウンロードすることができます。

この異動届出書の「異動事項等」のところに「休業」、異動年月日のところに「休業した日付」を書いてください。

以上が休眠会社についてでした。

ちなみに、休眠と廃業とは同じ意味なのかが気になっている人も多いと思います。

ここで、休眠と廃業の違いを確認しておきましょう。

1-1.休業と休眠の違いは?

1-1.休業と休眠の違いは?

休眠と休業は、一般的には同じことを指しています。

法律上での呼び名が「休眠」なだけで、意味は同じだと考えて問題ありません。

以上が休業と休眠の違いについてでした。

また、休業の他に、廃業という似ている言葉もあります。

廃業の場合は、休眠と意味が異なるので気をつけなければなりません。

ここで、休眠と廃業の違いも確認しておきましょう。

1-2.廃業と休眠の違いは?

1−2.休眠と廃業の違いは?

休眠と廃業の違いは、会社がこれからも存続するかどうかにあります。

廃業した場合、会社は解散と清算という手続きを行ってなくなってしまうのです。

なくなってしまうので、廃業した会社を再開させることは不可能となります。

休眠の場合は会社自体は残っているので、再開させることが可能です。

そのうち再開させようと考えているなら、廃業ではなく休業を選んだほうが良いとされています。

休業の手続きは簡単なので、廃業よりもスムーズに行えるのも利点です。

以上が休眠会社の基礎知識でした。

休眠会社は2015年の段階で約8万8,000社もあり、休眠を選ぶ経営者は少なくありません。

それには休眠会社にいくつかのメリットがあるためです。

そこで、次は休眠会社を選ぶメリットを紹介します。

2.休眠会社を選ぶ3つのメリット

休眠会社を選ぶメリットは、以下の3つです。

休眠会社を選ぶ3つのメリット

これらのメリットがあるので、廃業するよりも会社を休眠させることを選ぶ人は多いです。

それぞれのメリットについて、順番に確認していきましょう。

メリット1.会社を存続させたままにできる

メリット1.会社を存続させたままにできる

休眠会社にするメリットは、会社を存続させたままにできることです。

そのため、再度事業を行おうと考えたとき、簡単に再開することができます。

しかし、廃業した場合、あなたの会社の「法人格」は消滅するのです。

そのため、既に書いたように会社自体が存在しなくなります。

そのため、事業を再開するには会社の立ち上げから再度行わなければなりません。

体調不良などで会社を一時的に営めない場合には、会社の再開を前提とする休眠会社を選択するべきです。

メリット2.廃業資金がかからない

メリット2.廃業資金がかからない

休眠会社を選択するメリットのもう1つは、廃業資金がかからないというものです。

廃業する場合は、解散登記費用や清算人の選任登記費用等の手続きで約10万円前後がかかります。

また自社所有の製造機器があれば、その処分費用も追加で必要です。

さらに事務所を借りていた場合には、賃貸物件の原状回復費も必須となります。

これらの廃業にかかる費用を合計すると、100万円~1,000万円くらいです。

しかし、休眠をする場合は書類を提出するだけで費用はかかりません。

このため、廃業資金が無い場合には、休眠が使われることが多いです。

一時的に会社の経営を休みたいだけなのであれば、休眠を選ぶほうが良いでしょう。

メリット3.事業を再開するときの手間がかからない

メリット3.事業を再開するときの手間がかからない

事業を再開させるとき、休眠会社を再開させるほうが手間がかかりません。

休眠会社の再開は、各種届出を行うことで可能となります。

出さなければならない届出書は、『異動届出書』や『役員変更登記』、『会社継続登記』です。

もしも、すでに廃業しているともう1度会社を経営したいなら会社設立をしなければなりません。

そのためには、開業に関する各種手続きを再度行う必要があります。

したがって、会社を再開させる手続きは、休眠会社からのほうが簡単です。

そのため、事業を再度行うつもりの人は休眠を選択してください。

以上が休眠会社を選ぶメリットについてでした。

自分も休眠会社を選択したいと思った人も多いはずです。

そこで次は、休眠会社にするための方法を紹介します。

3.休眠は書類提出で簡単に行える!

休眠は書類提出で簡単に行える!

会社の休眠は、書類提出で簡単に行えます。

休眠する場合の具体的な方法は、管轄の税務署と都道府県税事務所、市町村役場のそれぞれに『異動届出書』を提出することです。

異動届出書は、『[手続名]異動事項に関する届出|国税庁』からダウンロードすることができます。

この異動届出書の「異動事項等」のところに「休業」、異動年月日のところに「休業した日付」を書いてください。

記入した書類を、3つの窓口に提出することによって、休眠会社として認められます。

以上が休眠会社になるための方法でした。

しかし、休眠会社になった場合には気を付けなければならないこともあります。

そこで、休眠会社の注意点も確認しておきましょう。

4.休眠会社の注意点

休眠会社になった場合、以下の3つの注意点に気を付けてください。

休眠会社の注意点

これらの注意点を気を付けなければ、会社を再開させるときに多くの時間と費用がかかります。

それでは、順番に注意点を見ていきましょう。

注意点1.休眠していても納税義務が残る

注意点1.休眠していても納税義務が残る

休眠しても会社に納税義務は残ります。

休眠では既に書いたように、法人格は消滅しません。

そのため、会社はまだ存続している会社とみなされ、休眠会社に納税義務が発生します。

納税義務があるのは、法人税や法人住民税です。

納税義務が継続していること自体に無自覚で、支払いをしていない会社もゼロではありません。

しかし、納税をしていなければ、その分の税金の支払いが督促されるので注意が必要です。

また滞納していた分には、延滞していたことから追加で税金がかかります。

法人税など会社にかかる税金は、休眠中でも納税してください。

休眠会社にかかる税金については『休眠会社でも税金がかかる?滞納回避のコツや手続きを簡単解説!』でさらに詳しく紹介しています。

注意点2.確定申告を行わなければならない

注意点2.確定申告を行わなければならない

休眠後も青色申告を行い続けていなければ、会社を再開するときに控除が受けられなくなるため必要です。

青色申告は、2年間申告をしなかった場合、青色申告の認定を取り消されます。

その場合、会社を再開するときに、青色申告の認定を受けるための手続きをもう一度やり直さなければなりません。

青色申告では白色申告よりも控除できる金額が大きいため、再開したときから大きな利益を受けれらます。

また休眠前にあった赤字は、繰越欠損金として会社を再開した場合に節税対策として使うことも可能です。

しかし、繰越欠損金は青色申告が認定されている会社でしか引き継ぐことができません。

そのため、繰越欠損金を活用するために、青色申告を行い続けていることが重要となります。

会社を休眠させるときも、青色申告は続けておきましょう。

注意点3.休眠中に手続きが必要な場合がある

注意点3.休眠中に手続きが必要な場合がある

会社が休眠しているときに、役員変更登記の手続きが必要になる場合があります。

役員変更が起こったなら登記をしなければなりません。

役員の任期は2年~10年ですが、休眠中に任期を過ぎてしまうことが多いです。

また休眠中に役員変更をしなくても、任期によっては必ず役員変更登記をする必要があります。

任期終了から2週間以内に、役員変更登記を行わなければならないので気をつけておいてください。

この変更登記を期限内に行わなかった場合は、代表者に対して100万円以下の過料が科せられます。

過料とは、行政上、軽い禁令をおかしたものが支払うお金です。

そのため、登記手続きを忘れないようにしましょう。

また、休眠会社は最後の登記があった日から12年が経つと、登記官は会社が解散したものとみなして解散登記を行います。

みなし解散登記が行われると、手続きから3年間のうちにまだ事業を廃止していない旨の届出を提出しなければ、休眠会社は二度と解散前の事業活動ができません。

そうなる前にも、役員登録登記を早めに行い回避してください。

以上が、休眠会社の注意点でした。

これらの注意点はあなただけで解決するのが難しいことが多いです。

簡単に解決するためにも、次で紹介する専門家に相談してください。

5.休眠会社についての相談先

休眠会社については、以下の2つの専門家に相談してください。

休眠会社についての相談先

これらの専門家はそれぞれ専門分野が異なるため、自分の状況にあった専門家を選んでください。

それでは、順番に相談先を紹介していきます。

相談先1.司法書士

相談先1.司法書士

休眠会社の登記や届出については、司法書士に相談しましょう。

司法書士は、登記のプロフェッショナルです。

役員変更登記や事業再開時に必要な登記など、さまざまな登記を代わりに行ってくれます。

法務局に提出する書類作成の専門家なので、安心して相談可能です。

また休眠における手続き面で不安があるときには、司法書士にアドバイスをもらうのが良いと言えます。

ただし、注意するべきことは、休眠会社についても扱っている法人に強い司法書士を選ばなければならないということです。

たとえば、個人の確定申告を専門に行なっている司法書士では、休眠会社の知識が足りない可能性があります。

したがって、依頼をする前に休眠会社に関する知識や経験が豊富なのかをホームページを見て確認してください。

最初の相談だけなら無料で行っている司法書士も多いので、まずは相談に行きましょう。

相談先2.税理士

相談先2.税理士

休眠会社に関する確定申告の相談は、税理士に行ってください。

税理士は、休眠中のあらゆる状況に応じた確定申告を代行してくれます。

たとえば、会社を再開させたいとき、休眠期間中に確定申告していなかった年度の申告を行ってもらうことも可能です。

税理士への相談は初回は無料で、その後は30分5,000円~1万円程度となっています。

また実際に確定申告等を依頼した場合の報酬相場は10万円~となっており、気軽に活用できる専門家です。

税金についての相談は税理士に行うようにすると、休眠に関する問題がスムーズに解決します。

以上が休眠会社についての相談先でした。

専門家にしっかりと相談して、事業を再開させやすいように会社を整えておきましょう。

それではここからは、会社を再開させるための手続きを紹介します。

6.休眠会社を再開させよう!

休眠会社を再開させるには、以下の手続きを行う必要があります。

休眠会社を再開させよう!

これらの手続きを1つでも怠ると事業を再開することはできません。

それでは、それぞれの手続きを順番に見ていきましょう。

手続き1.各種届出の提出

手続き1.各種届出の提出

休眠会社を再開させるには、各種届出を行う必要があります。

出さなければならない届出書は、『異動届出書』です。

休業するときに使う届出書と同じなので、記入自体も簡単に行えるでしょう。

この異動届出書の異動事項等のところに「休眠解除」、異動年月日のところに「解除した日付」を書きます。

休眠会社再開の異動届出書を出すのは、税務署や都道府県税事務所、市役所です。

税務署だけに出せば良いというわけではないので、すべてに忘れず提出してください。

休眠会社にしたときと似ている手続きなので、スムーズに行えるはずです。

手続き2.役員変更登記の確認

手続き2.役員変更登記の確認

休眠会社を再開させる際には、役員変更登記の確認も行います。

会社が休眠しているときも、役員変更が起こったなら登記をしなければなりません。

多くの会社の役員の任期は2年です。

その場合、休眠中でも2年に1回は役員変更登記が必要となります。

役員変更登記の費用は、約35,000円です。

もしも変更登記をしていなければ、代表者に100万円以下の過料が発生するかもしれません。

過料とは、過ちを犯した人が支払わなければならないお金のことです。

役員変更登記を任期に応じて行っていたかを確認し、行っていないのなら速やかに法務局で手続きを行ってください。

役員変更登記申請書は、法務局のページである『商業・法人登記の申請書様式:法務局』からダウンロードできます。

まずは2年以内に役員変更登記を行ったかどうかを確認しましょう。

手続き3.会社継続登記の申請

手続き3.会社継続登記の申請

休眠会社を再開させるときには、会社継続登記の申請も行わなければなりません。

この申請は、休眠会社を再開させると決めてから2週間以内に法務局で手続きを行います。

会社継続登記申請書は、法務局のページである『商業・法人登記の申請書様式:法務局』でダウンロード可能です。

会社継続登記申請には、資本金額が1億円以下なら4万円、1億円を超えるなら6万円がかかります。

また、会社継続登記申請の際には、以下の書類も準備しておきましょう。

  • 定款
  • 株主総会議事録
  • 株主の氏名または名称、住所および議決権数を証する株主リスト
  • 印鑑証明書
  • 取締役の就任承諾を証する書面
  • 取締役の本人確認証明書

このとき、就任承諾書に押した印鑑は、市町村長が作成した印鑑証明書の添付が必要です。

書類に抜けがないように、事前に法務局に確認すれば安心できます。

以上が休眠会社を再開させるための手続きについてでした。

この他にも、状況によって必要な書類が増える場合があります。

休眠会社の再開手続きについては『休眠会社を再開させるには?手続きや注意点を知ってミスなく行おう!』でさらに詳しく解説しているのでぜひ読んでみてください。

これまで休眠会社について解説してきましたが、そもそも今後会社経営を再開できるのかがわからない人もいるはずです。

そこで、休眠会社以外での廃業を回避する方法を紹介します。

7.休眠会社以外の選択肢

休眠以外の方法で廃業を免れるためには、以下の2つの選択肢を行わなければなりません。

休眠会社以外の選択肢

これらの選択肢は、休眠後にも行えるため今から検討しておくと、あとで困ることがありません。

それでは、それぞれの選択肢を順番に紹介します。

選択肢1.事業承継で後継者に引き継ぐ

選択肢1.事業承継で後継者に引き継ぐ

廃業を避けるには、事業承継で会社を後継者に引き継ぐのが1つの方法です。

事業承継を行うことによって、あなたが経営から退いても事業が続きます。

事業承継を成功させるためには、早めに後継者を見つけて準備をしていくことが大切です。

後継者探しから後継者教育のために、だいたい5年以上は期間が必要になると考えておいてください。

事業承継については、中小企業庁が『事業承継ガイドライン』を策定しています。

事業承継ガイドラインは事業承継について詳しく書かれていますが、やや読むのが大変です。

なので、事業承継を行うなら『事業承継とは?基礎知識から成功のためのポイントまで徹底解説!』で重要ポイントを押さえていきましょう。

選択肢2.事業売却で第三者に引き継ぐ

選択肢2.事業売却で第三者に引き継ぐ

M&Aで会社を売却して第三者に引き継ぐという選択肢もあります。

そもそもM&Aとは企業同士の合併や買収のこと指し、中小企業でも使われることが多いです。

実際に、最近では会社を廃業させたくない中小企業がM&Aを行うことが増えています。

M&Aを行うメリットは、会社を売却することでお金が手に入ることです。

また、従業員や取引先に迷惑をかけずに会社の経営を続けられるというのもメリットとなります。

M&Aの需要が多くなるにつれ、仲介会社やマッチングサイトも多数現れるようになり、M&Aを行うための入口が広くなりました。

したがって、休眠中でもM&Aで会社を売却することを検討するべきです。

休眠会社の売却については『休眠会社の売買手続き完全マニュアル!メリットや注意点も徹底解説!』でさらに詳しく紹介しています。

以上が、休眠会社以外の廃業を回避する方法でした。

廃業を選択する場合、さまざまな手間や費用がかかります。

また、自分の代で会社を廃業させることに抵抗もあるはずです。

廃業を選択する前に、休眠会社という道を選んで会社を存続させるべきです。

もし再開が難しいようであれば、事業承継や事業売却で会社を引き継ぐことも検討してください。

まとめ

休眠会社とは、一時的に事業を休止させながらも、会社としては存続させる方法です。

会社は存続しているため、再開させることも容易に行えます。

もう一度事業を行いたいなら、廃業ではなく休眠会社を選択しましょう。