休眠会社を徹底解説!廃業よりも会社の存続を選択しよう!

休眠会社を徹底解説!廃業よりも会社の存続を選択しよう!

今のまま会社経営を続けられそうにないから、会社をたたもうかな」なんて、お悩みではないでしょうか?

体調不良などの事情で、会社経営を続けられなくなる経営者は少なくありません。

しかし、会社を廃業するには非常に手間と費用がかかってしまうのです。

ここでは、休眠会社の基礎知識やメリット、休眠会社についての相談先について紹介します。

休眠会社を選択して廃業を回避し、将来の事業再開のために会社を残しておきましょう。

1.休眠会社とは?

休眠会社とは?

休眠会社とは、一時的に営業を停止している会社のことです。

会社を残しつつも事業をストップさせることができます。

もし、検討しておりすぐに動き出したいという人なら『休眠届』を出すだけで良いです。

税務署と市町村に出せばよいので、実際に動いていない事業があるならさっそく手続きしましょう。

休業や廃業といった似た言葉もあるため、どのような違いがあるか確認しておきましょう。

1-1.休業と休眠の違いは?

休業と休眠は同じ意味です。

呼び方が違うだけと覚えておきましょう。

「業務を休むこと」を「休業」と呼びますが、法律上での正しい言葉は「休眠」なのです。

そのため、届出の名前は「休眠届」となっています。

1-2.廃業と休眠の違いは?

廃業と休眠の違いは、会社が残るか残らないかという点です。

休眠をすると会社は存続させたまま事業をストップできます。

しかし、廃業をすると会社がなくなるので、清算を進めることになるでしょう。

そのため、会社の存続はできないのです。

休眠会社はいつでも再開させることができますが、廃業した会社は再開させることはできません。

ちなみに廃業をする場合、株主総会にて会社の解散の決議を行い、清算を行います。

解散登記に3万円、清算人登記に9,000円、清算結了登記に2,000円の登録免許税が発生します。

さらに工場や事務所の現場復帰などにも費用がかかるため、廃業するだけでも膨大な費用がかかることに注意が必要です。

※関連記事

廃業とは?手続きや実行する前に行うべき3ステップまで徹底解説!

2.休眠会社を選ぶ3つのメリット

休眠会社にする3つのメリット

ここまで休眠会社について概要をお話してきました。

では、より詳しく休眠会社にするメリットを踏まえてみていきましょう。

  1. 法人格を残せる
  2. 処分コストがかからない
  3. 再開の手間がかからない

それぞれ確認してみてください。

メリット1.法人格を残せる

休眠会社にすれば、事業活動をしていなくても法人格を残すことができます。

もし、将来的に事業を再開させたいと思ったらすぐにでも事業開始ができるのです。

法人格を残しておけば、違う事業であっても再度法人設立の手続きや費用は必要ありません。

また同じ社名を使えるかは分かりません。

同じ法人で事業開始できれば、今まで培った自社のブランド力や人脈を活かすことも可能です。

再開したときに有利に事業展開できるでしょう。

そのため、今は一時的に赤字が続いていたり経営者の体調不良などで経営できる状況でない会社でも検討してみてください。

メリット2.処分コストがかからない

休眠にしておけば、処分コストが発生しません。

なぜなら、廃業ではないからです。

廃業であれば、以下のような費用がかかると予想されます。

  • 解散登記に3万円
  • 清算人登記に9,000円
  • 清算結了登記に2,000円

ほかにも、事務所や店舗、工場などの設備を現場復帰するために数百万円の費用が発生することがほとんどです。

もちろん会社の規模や設備内容によって費用は大きく変動します。

このように廃業をすると費用も手間もかかり、処分コストは膨大です。

しかし、今後事業を再開させる可能性があるのであれば、これらはそのままにしておくことで費用をかけずに休業することができるのです。

メリット3.再開の手間がかからない

休眠会社にしておけば、事業再開をするときの手間がかかりません。

休眠会社の事業を再開させるためには、以下の届出書を提出するだけです。

  • 異動届出書
  • 役員変更登記
  • 会社継続登記

ただし、廃業となれば話は変わります。

事業再開のために会社を設立しなければなりません。

会社を設立するには、定款認証や登記申請が必要です。

また、公証人手数料5万円、謄本代1,000円、印紙代4万円が発生します。

このように廃業と比べると休眠からの再開の方が手間もコストもかかりません

市場の状況などを全体的に加味してまた再開するなどの予定があるなら、休眠を選ぶと良いでしょう。

3.休眠会社にするために必要な書類

休眠は書類提出で簡単に行える!

休眠会社を選ぶなら、異動届出書を以下の3つの窓口に出します

  • 会社を管轄する税務署
  • 都道府県税事務所
  • 市町村役場

異動届出書によって休眠会社にすることを届け出ます。

それぞれに提出する異動届出書のフォーマットは同じです。

国税庁および東京主税局のホームページからダウンロードしましょう。

異動事項等の欄に「休業」、異動年月日に「休業開始の日付」を記入し提出すれば手続きは完了です。

直接の提出はもちろん、郵送の提出でも受け付けてくれるため、そんなに手間はかかりません。

異動届出書の提出期限は特に設けられていません。

しかし、「異動が決まったら速やかに提出する」旨が書かれているため、休眠の場合もできるだけ早く3つの窓口へ提出するよう心がけましょう。

ちなみに再開も同じ手続きとなるので、休眠のときに手続きを覚えておくと再開もスムーズにできるでしょう。

4.休眠会社での3つの注意点

休眠会社での3つの注意点

休眠会社にしたから会社はそのまま放置で良いというわけではありません

以下3つの注意点は最低限知っておきましょう。

  1. 納税義務はある
  2. 確定申告が必要である
  3. 役員変更登記の期限に気を付ける

それでは、順番に確認してみてください。

注意点1.納税義務はある

休眠会社になっても納税義務は課せられた状態のままとなります。

なぜなら、休眠中でも会社がなくなったわけではないからです。

法人格が存在していれば、法人税や法人住民税を納めることに決められています。

休眠前と同じように、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内が納税期限となっています。

会社によって事業年度終了日が異なりますが、今までと同じように確定申告や納税は怠らないでください。

実際、休眠中は納税しなくて良いと思っている人も多いです。

しかし、納税を怠っていれば税金の支払いの督促が来ます。

この場合、通常の税金に加えて延滞税などが発生し、本来よりも多い額を支払わなければなりません。

ちなみに固定資産税も今まで通り支払う必要があるので納付書を見逃さないよう注意しましょう。

休眠会社でも税金がかかる?滞納回避のコツや手続きを簡単解説!

注意点2.確定申告が必要である

休眠会社であっても確定申告は行いましょう。

活動が休止してから7年以内に再開する可能性があるなら、確定申告をしておかなければならないからです。

ですので、青色確定申告が必要となります。

万が一、忘れ続けて2年連続となった場合は認定の取り消しとなり、もう一度すべてやり直すしかありません。

また、事業再開時には控除は受けられないでしょう。

白色申告の基礎控除額は38万円ですが、青色申告であればさらに65万円(55万円)の控除が受けられます。

控除が大きければ大きいほど支払う税額は低くなるため、青色申告の認定は引き続き保持しておくべきです。

さらに、青色申告を継続していれば休眠会社にする前に発生していた赤字を繰越欠損金として扱うことが認められます。

節税をするためにも覚えておきましょう。

注意点3.役員変更登記の期限に気を付ける

休眠会社であっても役員変更登記の期限に気をつけましょう。

というのも、休眠中に役員の任期を迎える可能性があるからです。

もし、役員の変更が発生するのであれば通常の会社と同じように役員変更登記をしなければなりません。

一般的に役員の任期は2年〜10年程度に設定することが多いです。

そのため、休眠期間中に任期を過ぎてしまうケースも少なくありません。

たとえ休眠期間であっても、任期終了2週間以内です

もし、役員の変更がなくても任期終了を迎えたら役員登記が必要です。

会社解散とは?清算までの手続きの流れや発生する費用・税金を解説!

5.休眠会社に関する相談先2つ

休眠会社に関する相談先2つ

休眠会社について詳しくお話してきましたが、たくさんの疑問や気になることがあるかと思います。

そんなときに選べる相談先が以下2つです。

  1. 司法書士
  2. 税理士

それぞれ得意な分野が異なりますから、自身に合ったものを選んでみましょう。

相談先1.司法書士

休眠会社について、司法書士に相談することができます。

なぜなら司法書士は登記手続きや法務局に提出する書類作成の代理ができるからです。

休眠手続きや再開手続きは司法書士の得意分野なので安心してお任せできるでしょう。

また、休眠期間中に行わなければならない役員変更登記も詳しいので間違いなく手続きを行ってくれます。

そのため、手続きや書類作成に不安があるのでなら司法書士に頼ることをおすすめします。

しかし、休眠会社の手続きに詳しい司法書士に依頼しましょう。

司法書士といっても、土地・不動産に強い人や相続に強い人、裁判の代理に強い人など得意分野が様々です。

事前に休眠会社についての知識を持っている司法書士であるかを確認した上で相談してみてください。

相談先2.税理士

休眠をするのであれば、税理士にも相談しておくと安心です。

税理士は休眠会社の確定申告も代理で行ってくれます

確定申告の代理を行えるのは税理士のみです。

そのため、休眠中違うことをしたくて確定申告をする余裕がないのであれば、あらかじめ税理士に依頼をしておきましょう。

休眠期間に入る前の所得や短期間に発生した所得など、あらゆることに対応してくれます。

青色申告を続けたくても帳簿入力や決算書作成が難しい場合でも全てお願いすることが可能です。

また、事業を再開させる時に過去の確定申告が必要であると分かった場合も遡って確定申告をしてもらえるでしょう。

青色申告を続けなければ認定が取り消されたり繰り越し決算ができなくなったり損することが多いです。

ただし、1回の確定申告の代理で10万円〜と費用がかかることは覚えておきましょう。

6.休眠会社を再開する方法も知っておこう

休眠会社を再開する方法も知っておこう

ここまで休眠会社について詳しくお話しましたが、同時に再開方法についても学んでおきましょう。

次に新しくスタートをするときには、必ず手続きの知識が必要となるはずです。

  1. 異動届出書を出す
  2. 役員変更登記を確認する
  3. 会社継続登記を申請する

それでは、それぞれの手続きを順番に見ていきましょう。

手続き1.異動届出書を出す

まず、異動届出書を提出しましょう。

提出先は以下の通りです。

  • 会社を管轄する税務署
  • 都道府県税事務所
  • 市町村役場

提出する異動届出書は、休眠開始時の異動届出書と同じフォーマットを使います。

国税庁および東京主税局のホームページからダウンロードしましょう。

異動事項等の欄に「休業の解除」、異動年月日に「休業終了の日付」を記入し提出すれば手続きは完了です。

手続き2.役員変更登記を確認する

続いて役員変更登記をチェックしてみてください。

休眠期間中に役員変更を迎えていないか、迎えている場合役員登記を期間内に行えているかを確認するためです。

もし、役員変更の期間を迎えているのであれば法務局で即座に手続きしてください。

申請書は事前に法務局のホームページからダウンロードしておきましょう

登記には1万円〜3万円がかかります。

休眠期間中に任期を迎えていなければ、もちろん役員変更登記の必要はありません。

手続き3.会社継続登記を申請する

最後に登記をした日から12年を経過してしまい、みなし解散となった会社は会社継続登記をしなければなりません。

最後の登記から12年が経過した会社は、法務大臣による官報公告から2ヶ月以内に事業を廃止していないことを届け出なければ「解散した」とみなされてしまいます。

ただし、みなし解散となってしまった場合でも、解散とみなされた日から3年以内であれば会社を再開させられるのです。

この場合、会社継続登記を法務局で行います。

また、申請書はホームページからダウンロードできます。

さらに以下の添付書類も必要です。

  • 定款
  • 株主総会議事録
  • 株主の氏名または名称、住所および議決権数を証する株主リスト
  • 印鑑証明書
  • 取締役の就任承諾を証する書面
  • 取締役の本人確認証明書

一度みなし解散となると、再開手続きが煩雑になるので注意しましょう。

休眠会社の再開手続きについてもっと詳しく知りたいと感じたなら以下の記事をチェックしてみてください。

休眠会社を再開させるには?手続きや注意点を知ってミスなく行おう!

7.休眠会社にしないで廃業を免れる2つの選択肢

休眠会社にしないで廃業を免れる2つの選択肢

休眠以外の方法で廃業を免れるためには、以下の2つの選択肢を行わなければなりません。

  1. 事業承継で後継者に引き継ぐ
  2. 会社売却で第三者に引き継ぐ

これらの選択肢は、休眠後にも行えるため今から検討しておくと、あとで困ることがありません

それでは、それぞれの選択肢を順番に紹介します。

選択肢1.事業承継で後継者に引き継ぐ

廃業を避けるには、事業承継で会社を後継者に引き継ぐのが1つの方法です。

事業承継をすることで、あなたが引退しても事業を続けることができます。

事業承継を成功させたいなら、引退よりも早い時期から後継者を見つけて準備を進めていくことが大切です。

後継者探しから後継者教育のために、通常5年以上の期間が必要になります

事業承継については、中小企業庁が策定している『事業承継ガイドライン』に詳しく書かれています。

事業承継を行う予定なら『事業承継とは?基礎知識から成功のためのポイントまで徹底解説!』で重要ポイントを押さえていきましょう。

選択肢2.会社売却で第三者に引き継ぐ

M&Aで会社を売却して第三者に引き継ぐという選択肢もあります。

そもそもM&Aとは、企業同士で行われる合併や買収のことです。

近年では、中小企業でもM&Aをするケースが増えてきました。

特に、会社を廃業させたくない中小企業がM&Aを行うことが増えています。

M&Aを行うメリットは、会社を売却することでお金が手に入ることです。

また、従業員や取引先に迷惑をかけずに会社の経営を続けられるというのもメリットとなります。

M&Aの需要が高まっていくにつれ、中小企業でも使いやすい仲介会社やマッチングサイトが多く現れるようになりました。

結果的にM&Aの間口が広がり、利用する経営者が増えているのです。

したがって、休眠中でもM&Aで会社を売却することを検討することをおすすめします。

休眠会社の売却については『休眠会社の売買手続き完全マニュアル!メリットや注意点も徹底解説!』でさらに詳しく紹介しています。

以上が、休眠会社にしないで廃業を回避する方法でした。

廃業を選択する場合、様々な手間や費用がかかります。

また、自分の代で会社を廃業させることに抵抗もあるはずです。

廃業を選択する前に、休眠会社という道を選んで会社を存続させるのも良い選択肢だと言えます。

もし再開が難しいようであれば、事業承継や事業売却で会社を引き継ぐことも検討してみましょう。

会社を売却することに抵抗がある場合は、一度M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所は、事業承継や事業・会社売却の専門家が買い手探しや買い手との交渉サポートをいたします。

相談料や着手金、中間報酬は無料です。

休眠中の会社であってもお気軽にお問い合わせください。

電話で無料相談
0120-401-970
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する

まとめ

休眠会社とは、一時的に事業を休止させながらも、会社としては存続させる方法です。

会社は存続しているため、再開させることも容易に行えます。

もう一度事業を行いたいなら、廃業ではなく休眠会社を選択しましょう。