会社売却の相場とは?出来るだけ高い価格で売却する4つの条件を解説!

会社売却の相場についてお調べですね。

残念ながら、会社売却をするときの相場は〇円と言い切ることが出来ません。

なぜなら、会社の生み出す利益や持っている資産・負債が会社ごとに大きく異なるからです。

しかし、会社売却の事例や売却価格の算出方法を確認することで、自社を売却したときの価格を予想することができます。

さらに、高い価格で売却するための条件もご紹介。

せっかく会社売却をするなら、出来るだけ高い価格で会社売却をして手元にお金を残しましょう。

1.会社売却の事例から相場を見てみよう

会社売却をするときの相場は、一概に〇円と言い切ることが出来ません。

なぜなら、会社の生み出す利益や持っている資産・負債が会社ごとに大きく異なるからです。

しかし、実際にどのような企業がいくらで売れているのか過去の会社売却の事例を2つ確認してみましょう。

自社が当てはまる事例がないか、チェックしてみて下さい。

事例1.在宅介護サービス会社を1億円で会社売却

売り手企業(A社) 買い手企業(B社)
  • 在宅介護サービス会社
  • 売上高:25億円
  • 営業利益:-3億5000万円
  • 純資産:-34億7000万円
  • 売却価格:1億円
  • 医療・介護サービス
  • 売上高:20億円

在宅介護サービスを行っていたA社は経営不振のため、会社売却を決意しました。

当時、A社の売り上げは25億円を超えるものの、利益は赤字。

純資産も34億円以上ものマイナスを抱えていました。

会社を清算するにもお金がかかるため、会社を売却する決意を下のです。

そこで買い手企業となったのが、医療・介護サービス業を営むB社。

B社は新しく在宅介護事業を展開したいと考えていました。

そこで、赤字ではあるもののA社の持つノウハウや従業員に魅力を感じたのです。

最終的に売却価格は1億円で合意。

赤字事業ですが、B社にとって魅力ある企業だったからこその売却価格となりました。

事例2.ドラッグストア5店舗を6700万円で会社売却

売り手企業(C社) 買い手企業(D社)
  • ドラッグストア
  • 5店舗展開
  • 売上高:11億3000万円
  • 売却価格:6700万円
  • 大手ドラッグストア
  • 売上高1000億円

C社は地元で5店舗展開しているドラッグストアチェーン企業です。

C社社長は、後継者がおらず悩んでいた時に会社売却で事業承継をしようと決意しました。

売上は11億円を超えており、赤字も出ていない優良企業です。

一方、大手ドラッグストアD社は、全国展開を急ぐためC社の買収を決意。

実は、C社の展開している地域は、好立地物件探しに難航している地域だったのです。

そのため、C社を買収することで、早期に店舗を確立することが出来ると考えました。

交渉の末、売却価格は6700万円で合意。

C社にとっても、D社にとっても納得のいく条件で成立したのです。

2.会社の売却価格を決める方法

会社の売却価格を決めるためには、会社の価値を知る必要があります。

企業価値を評価する方法を3つ確認しましょう。

方法1.インカムアプローチ

インカムアプローチとは、企業が将来生み出すと予測されるキャッシュフローをもとに企業価値を計算する方法です。

多くの場合、DCF法(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法)で計算をします。

DCF法とは、会社が将来生み出す価値をフリーキャッシュフローで推測し、資本コストで割り引く方法です。

将来生み出す利益を反映することが出来るため、M&Aの売却価格を決める時によく使われます。

方法2.マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、上場企業の場合は市場株価を基礎とし、非上場会社の場合は上場している同業他社をもとに企業価値を算出する方法です。

業種など類似した上場企業と財務諸表で対比率を出し、時価総額に倍率をかけて算出します。

ただし、倍率によって大きく企業価値が変動するので注意が必要です。

第三者にも説明できる倍率の根拠を示さなければなりません。

一方で手早く企業価値を算出することが出来るので、会社売却をする時にどれくらいの価格になるか目安を知ることができます。

方法3.コストアプローチ

コストアプローチとは、企業が保有している純資産をもとに、企業価値を算出する方法です。

コストアプローチの中でも3つの算出方法があります。

  1. 貸借対照表上の純資産額を株主価値とする簿価純資産額法
  2. 貸借対照表の資産と負債を時価評価した上で時価純資産額を算出した後、その額を株主価値とする時価純資産額法
  3. 時価純資産額と営業権の合計を株主価値とする時価純資産額と営業権を考慮した算出方法

これらの方法には、将来性を考量していなかったり、時価評価額を考慮していないというデメリットがあります。

そのため、M&Aでは、ほとんどコストアプローチは使われません。

一般的には、企業の清算や相続評価をするときに使われる方法です。

3.会社を高い価格で売却する4つの条件

会社の売却価格を決める方法をご紹介しました。

しかし、せっかく会社売却をするなら、出来るだけ高い価格で売却をしたいですよね。

そこで、企業価値を高めつつ、会社を高い価格で売却するための条件をご紹介します。

しっかり確認しましょう。

条件1.事業の利益が出ている

事業の利益が出ている

売却したい会社の事業が利益を出していることは、売却額を引き上げる大きな要素です。

過去から安定して利益を生み出しており、今後も継続できる事業だと判断されれば「投資したい」と買い手企業は思います。

そのために、しっかりと売り上げを伸ばし、無駄な経費を削ることが大切です。

「今後どれくらいの収入が見込めるのか」をしっかりとアピールしましょう。

条件2.安定した経営基盤が築けている

常に健全な法務・財務状況であることを目指しましょう。

なぜなら、少しでもリスクが見えると売却額は大幅に引き下げられてしまうからです。

  • 訴訟問題を抱えていないか
  • 取引先との契約に問題がないか
  • 会計処理が適正に行われているか
  • 簿外債務がないか

買い手企業は、M&A前に必ず以上のような項目をチェックします。

そのため、常に健全な法務・財務状況であることを維持しましょう。

条件3.無形資産価値を高める

無形資産価値を高めることで、企業価値も向上します。

無形資産とは、目に見えない資産のことです。

たとえば、特許権のある技術や、営業能力の高い従業員のことを指します。

もちろん収益を伸ばしたり預金や不動産などの資産があると会社の価格は上がるものです。

しかし、目に見えない無形資産にどれだけ高い価格が付くのかが売却価格に大きな影響を与えます。

無形資産価値の高め方については、次の章で詳しく説明していきます。

条件4.シナジー効果の高い企業へ売却する

シナジー効果の高い企業へ売却しましょう。

シナジー効果とは、2つの企業が一緒になることで1+1以上の結果が生まれる相乗効果のことです。

例えば、商品力が強いA社と営業力が強いB社がM&Aで1つの企業になると仮定しましょう。

A社の商品力とB社の営業が融合することで、より良い商品を沢山の人に売ることができます。

このように、A社とB社が単独で生まれる利益よりも高い売り上げを上げることが「シナジー効果」です。

シナジー効果の高い企業売却すると、当然売却価格は高くなります。

どのような会社に売却するべきか、必ずM&Aの専門家へ相談しましょう。

※シナジー効果についは、『シナジー効果とは?正しい意味とM&Aでシナジー効果を生み出すコツ』で詳しく説明しています。

4.無形資産で会社売却の価格を高めよう

事業の利益を出すことや安定した経営基盤を作ることは、経営者であれば方法がある程度分かると思います。

しかし、無形資産価値を意識する経営者は少ないです。

そこで、無形資産価値をどのように高めていくべきか種類ごとに確認しましょう。

4-1.従業員

従業員は、企業の価値を高めてくれる存在です。

たとえば、研究・技術・営業など様々なスキルに特化する従業員がいれば、買い手企業にとって魅力的に映ります。

さらに勤続年数3年以上といった場合、さらに魅力的です。

従業員を一度採用すると長く定着することは今後も活躍が期待できるため、メリットとなります。

そのため、出来るだけスキルアップのための研修をしたり、働きやすい環境を作るように努力しましょう。

従業員は事業を運営する上で欠かせない存在です。

このように、従業員のスキルや定着率は企業の価値を高めてくれます。

4-2.顧客

顧客リストや名簿を作成し、しっかり管理することで企業の価値は高まります。

不特定多数の個人客を相手にしていると、無駄なように思えるかもしれません。

しかし、顧客層を細分化し分析していくことで十分なマーケティング資料となるのです。

どのような人にどのような商品(サービス)が売れるのかは、買い手企業にとって魅力的に映ります。

買い手企業もその顧客リストをビジネスに転用できる可能性があるからです。

このように、顧客リストや分析結果は企業価値を高めてくれる材料の1つとなります。

4-3.特許や技術

特許や技術も企業価値を高めてくれます。

もちろん、その特許や技術が買い手企業のビジネスに転用できると判断されればグッと価値は高まるでしょう。

中には商品化されることなく消えていく技術も多くあります。

そのため、特許や技術さえあれば何でもOKというわけではないのです。

しかし「自社ならでは」のオリジナルを1つ持つだけで企業の価値は高まります。

技術力を常に高め、従業員に定着させる教育にも目を向けてみましょう。

5.要注意!会社売却価格はまるまる手に入らない

ここまで会社の売却価格を上げるための方法をご紹介してきました。

しかし、残念ながら会社の売却価格をまるまる手にすることは出来ません。

なぜなら、会社売却には経費と税金が発生するからです。

最終的に手元に残る金額は以下のように計算しましょう。

手元に残る金額=売却価格-(M&A仲介会社への報酬費用+税金)

それぞれどれくらいの費用が掛かるのか確認しましょう。

差し引かれる費用1.M&A仲介会社への報酬費用

経費の中で一番大きな金額となるのが、M&A仲介会社への報酬費用です。

ほかにも細々とした経費は発生するかもしれませんが、M&A仲介会社の報酬費用はかなり大きな金額となります。

一般的に、M&A仲介会社の報酬は着手金・中間金・成果報酬・リテイナーフィーの4つです。

それぞれどのような報酬なのか確認しましょう。

(1)着手金・中間金

着手金や中間金の相場は、100万円~300万円程度です。

着手金とは、M&A仲介会社に業務をしてもらうための費用のことを指します。

始めに着手金を払わなければ、M&Aの仕事をしてくれません。

着手金は、会社の総資産の5%程度が目安といわれています。

また、中間金とは基本合意契約を結んだ段階で一度支払う費用です。

着手金と同じくらいの費用を再度支払うことを認識しておきましょう。

ただし、M&A仲介会社によっては着手金も中間金も無料の場合があります。

(2)成果報酬

成功報酬の費用は、譲渡価格によって大きく変動します。

成功報酬とは、M&Aの仲介業務を依頼してM&Aが成立したタイミングで支払われる料金です。

この成功報酬は、M&Aが成立しなければ支払う必要はありません。

成功報酬はレーマン方式基準を採用している弁護士事務所が多いです。

レーマン方式とは弁護士事務所やM&Aコンサル会社で使われる成功報酬の計算方法です。

以下のように、譲渡価格に応じて報酬料率が異なります。

譲渡価格 報酬料率
譲渡価格が5億円までの部分 5%
譲渡価格が5億円超え・10億円未満の部分 4%
譲渡価格が10億円超え・50億円未満の部分 3%
譲渡価格が50億円超え・100億円未満の部分 2%
譲渡価格が100億円を超える部分 1%

仮に、譲渡価格が12億円だったとします。

このときの成果報酬は以下の通りです。

  1. 5億円×5%=2,500万円
  2. 5億円(5億円~10億円の部分)×4%=2,000万円
  3. 2億円(10億円~12億円の部分)×3%=600万円

これらを合計した5,100万円が成功報酬の料金となります。

(3)リテイナーフィー

リテイナーフィーとは、毎月コンサルタント料として決まった月額を支払う費用のことです。

相場は、30万円~200万円/月といわれています。

ただし、リテイナーフィーを支払う場合、着手金や中間金が不要というケースも多いです。

もちろん、全て支払いが必要なM&A仲介会社もあるので注意しましょう。

差し引かれる費用2.譲渡益に対する税金

会社売却で得た譲渡益には税金が発生します。

譲渡益とは、会社の売却額から諸経費を引いた額のことです。

M&Aアドバイザーへのコンサルタント費用や会社評価費用などが経費にあたります。

売却は、会社を「売る」行為です。

そのため、会社売却をすると「利益」が発生し、それに税金がかかってしまいます。

株主が個人の場合と法人の場合で課税される税金が異なるため、税額も変わることも注意しなければなりません。

それぞれの税金の額を確認しておきましょう。

(1)株主が個人だったときの税金の額

株主が個人だったときに会社売却で発生する税金の額は、譲渡益×20.315%です。

会社を売却して経営者個人が売却対価を受け取る場合、譲渡益は譲渡所得とみなされます。

譲渡所得は、所得税・住民税の課税対象です。

所得税が15.315%、住民税が5%なので、譲渡所得の20.315%の税金を払う必要があるのです。

(2)株主が法人だったときの税金の額

株主が法人だったときに会社売却で発生する税金の額は、譲渡益×19%~23.2%程度です。

株主が法人のとき、対価を受け取るのは会社となります。

そのため、譲渡益は通常の営業による利益として法人税の対象となるのです。

法人税は、譲渡益の19%~23.2%程度で、各企業によって税率は異なります。

このように、会社を売却をするときは税金を加味した売却額を交渉しましょう。

6.まずはM&A仲介会社へ相談しよう

説明した通り、会社売却をしてもすべての売却価格が手元に残るわけではありません。

とくに、M&A仲介会社への報酬費用は大きいものです。

とはいえ、M&A仲介会社へ頼らず自社だけの力で会社売却をしようと思うと、とても難しいです。

そこで、M&Aを検討するならM&A仲介会社へ相談するべき理由を確認しましょう。

理由1.シナジー効果のある買い手企業を紹介してくれる

M&A仲介会社へ相談すると、シナジー効果のある買い手企業を紹介してくれます。

M&A仲介会社は、全国の銀行や証券会社、公認会計士とのネットワークを豊富に持っているものです。

そのため、自社だけのネットワークで会社売却を検討するよりも、たくさんの候補の中から買い手企業を選定することができます。

さらに、「Aという会社は御社のような技術を求めている」など、ビジネス情報も持っているのです。

このように、たくさんのネットワーク・情報から、あなたの企業とシナジー効果の高い買い手企業を紹介してくれます。

そのため、高い価格での会社売却が期待できるのです。

理由2.さまざまなケースを想定して交渉してくれる

M&A仲介会社に相談することで、さまざまなケースを想定して買い手企業と交渉してくれます。

会社売却において、売却価格は1つの条件に過ぎません。

ほかにも、売却の範囲や経営者の処遇など、さまざまな条件を決定していきます。

そんな中、買い手企業と主張が異なる場面がたくさん出てくるはずです。

感情的に主張をすると、会社売却自体話がなくなってしまうかもしれません。

妥協すべきポイントや守るべき条件をアドバイスしてもらいながら、会社売却を成立させることが出来るのです。

理由3.企業価値算定してくれるので売却価格が予測できる

M&A仲介会社へ相談すると、はじめに企業価値算定を行ってくれます。

そのため、おおよその売却価格が予測できるのです。

今までに企業価値算定をしたことのない企業にとって、自社でおおよその売却価格を算出することは容易ではありません。

M&A仲介会社へ相談をすると、ほとんどの場合、相談時に無料で企業価値算定をしてくれます。

もちろん、財務諸表などの書類を提出しなければなりません。

しかし、買い手企業との交渉を始める前に、リアルな売却価格を予測できることは大きなメリットです。

実際に買い手企業との交渉が始まり、予測から大幅に下回っていても指摘することができます。

言い値で会社売却をしないためにも、企業価値算定をM&A仲介会社に行ってもらいましょう。

まとめ

会社売却の相場は一概に言い切ることが出来ません。

しかし、できるだけ高い価格で売却するために企業価値を高めておきましょう。

また、会社売却をするならM&A仲介会社へ相談することは必須です。

ただし、M&A総合研究所のような着手金のない完全成功報酬型の仲介会社を選び、出来るだけ経費を少なくすることも大切となります。

せっかく会社売却をするなら、出来るだけ高い価格で会社売却をして手元にお金を残しましょう。