会社売却の戦略策定方法!成功ポイントや注意点も解説!

会社売却の戦略策定方法!成功ポイントや注意点も解説!
近年は、大企業だけでなく中小企業の会社売却も増加していますが、会社売却を成功させるには的確な戦略の策定が必要です。
 
本記事では、会社売却の戦略を策定する方法や戦略策定の成功ポイント、戦略を策定する際の注意点などについて解説します。

会社売却の戦略策定方法とは

会社売却の戦略策定方法とは
 
会社売却を成功させるには、戦略策定が重要です。会社売却における戦略とは、現状を分析・把握したうえで会社売却によるゴールを想定し、到達する方法を組み立てることです。
 
本記事では、会社売却の戦略策定方法について解説していきますが、まずは会社売却と会社売却における戦略策定の意味について説明します。

会社売却とは

会社売却とは、会社の経営権や事業用資産を他社へ譲渡することを指します。会社売却にはM&Aを用います。
 
M&Aとは、株式譲渡や事業譲渡といった会社売却手続きに用いる手法のことであり、成功させるには戦略的な準備が必要です。

戦略策定の重要性

前述したように、会社売却における戦略とは、現状を分析・把握したうえで会社売却によるゴールを想定し、到達する方法を組み立てることです。戦略を立てずに会社売却を行うと、不満が残る会社売却になりかねません。
 
会社売却の戦略を策定することで、会社の価値を明確にしたり、売り手側経営者の思いを買い手側に伝えたりすることができます。また、それにより、他社との差別化も可能です。

会社売却の戦略策定方法

会社売却の戦略策定方法
 
会社売却の戦略策定は、以下の方法で行われます。
  1. 自社の企業価値を分析する 
  2. 自社の強みをまとめる 
  3. 会社売却の目的を明確にする 
  4. 市場を調査し需要を調べる 
  5. 戦略オプション案を用意する 
  6. 会計などの不備を調査する 
  7. 会社売却の手法を考える

1.自社の企業価値を分析する

会社売却の戦略策定では、まず「現状の分析・把握」を行います。具体的には、自社の企業価値分析が必要です。
 
企業価値は「現在の企業価値」と「将来の企業価値」に分けられます。現在の企業価値とは、会社の事業用資産や保有する不動産などです。
 
また、将来の企業価値とは、収益力やブランド力、顧客や人材といった、将来に渡って価値を生み出すもののことです。会社売却の企業価値分析では、この2つの価値を合わせて価値を算定します。

2.自社の強みをまとめる

企業価値を分析したら、自社の強みを整理していきます。経営戦略では、会社の強みは大きく3種類に分けることができます。
 
1つ目は「他社よりも商品・サービスのコストが低い」こと、2つ目は「他社が真似できない差別化要因を持っている」ことです。そして3つ目は「特定の顧客層や地域に強い」ことが挙げられます。
 
これら3つの観点から自社の強みを整理していくと、会社売却の際に買い手側へアピールがしやすくなります。

3.会社売却の目的を明確にする

自社の現状や強みを整理したら、会社売却を行う目的を明確にします。会社売却を行う目的は、経営者によってさまざまです。
 
会社売却の主な目的として、「事業承継による後継者問題解決」や「本業の強化」、「新分野への参入」、「会社の立て直し」などがあります。
 
会社売却の目的によって、買い手選びや交渉の仕方などの戦略も変わってくるので、目的を明確にすることは重要です。

4.市場を調査し需要を調べる

自社の現状と強みや会社売却を行う目的を明確にしたら、市場調査を行い自社の商品やサービスなどに需要があるかどうかを確認します。
 
いくら他社にはない強みを持っていても、需要がなければ買い手は見つかりません。逆に、赤字企業でも、需要の高い商品やサービスを展開していれば、よい買い手がつくこともあります。
 
会社売却における市場調査を的確に行うには、M&Aの専門家が持つ独自ネットワークが有効に働きます。
 
戦略的な会社売却を検討するのであれば、早めにM&Aの専門家に相談しておくことも有効な戦略のひとつといえるでしょう。

5.戦略オプション案を用意する

戦略オプション案とは、簡単に言うと会社売却戦略の選択肢のことです。会社売却の方法はいくつもあり、そのなかから最適な方法を選ぶ必要があります。
 
しかし、戦略策定段階では最適な方法だと思っても、実際に買い手側と交渉を進めていくうえで、当初想定していた会社売却戦略は適さなかったというケースも少なくありません。
 
そのような場合に備えて、専門家とともに戦略オプション案を用意しておきます。戦略オプション案の策定は、M&A仲介会社やM&Aに精通した会計士、弁護士などが得意としています。

6.会計などの不備を調査する

会社売却戦略を策定する際は、強みを磨くだけでなく、弱みを埋めることも必要です。買い手側はリスクを負って買収を行うので、売り手側は買い手側の不安を極力少なくするための準備を行います
 
特に、会計などの書類が整理されていなかったり書類に不備があったりすると、買い手側に不信感を抱かせることにもなりかねません。
 
実際に中小企業の会社売却では、書類が整理されていないことから後々トラブルにつながるケースも少なからずあります。

7.会社売却の手法を考える

ここまで準備した会社売却戦略の内容を基に、会社売却の手法を具体的に決めていきます。
 
会社売却の手法には複雑な法令や会計・税務などの専門知識も絡んでくるので、専門家による助言の下進めていきます。
 
また、会社売却の手法は買い手側の希望も考慮して、交渉によって決めていくことが必要です。
 

会社売却が増えている理由

会社売却が増えている理由
 
近年、さまざまな業種で会社売却の件数と金額は増加しています。会社売却が増えているのには、以下の理由が挙げられます。
  1. 少子高齢化による後継者不足
  2. 慢性的な人材不足
  3. 事業の将来性の不安
  4. 事業の成長・拡大を期待

1.少子高齢化による後継者不足

会社売却が増えている理由のひとつに、少子高齢化によって事業を継ぐ後継者のいない会社が増えたことが挙げられます。
 
子どもが何人もいた時代には、子どもの誰かが事業を継いだり、子ども同士が協力して事業を継続させたりするケースがよくみられました。
 
しかし、近年は兄弟が少なくなったこともあり、子どものやりたい職業を尊重する経営者も多くなりました。そのため、子どもではなく第三者に会社売却を行うケースが増えています。

2.慢性的な人材不足

現在、多くの業種で人材不足が慢性化しています。労働者人口の減少も原因のひとつですが、そのほかにもさまざまな社会的要因が影響しています。
 
そのひとつが、非正規雇用問題です。さまざまな業種で非正規従業員が雇用されていますが、その多くは正社員と労働内容がほとんど変わらないにもかかわらず、低い賃金で働いています。
 
特に、ロストジェネレーションと呼ばれる就職氷河期世代の非正規雇用率は深刻です。また、必要な人材数増加に対して雇用が追いついていないことや、団塊世代の大量退職、指導者となる労働者層の少なさからくる若手労働者の育成不足など、問題は複雑に絡み合っています。
 
そのため、人材不足は中小企業の廃業・倒産理由の上位を占めるようになり、近年は人材不足の解消を目的とした会社売却も増えています。

3.事業の将来性の不安

自動車・通信・IT・化学などさまざまな業界が大きな転換期を迎え、それに伴って多くの業界で再編が進んでいます。変化の大きさと速さは凄まじく、中小企業は変化についていくのが大変な時代となりました。
 
先行きの不透明さから、事業が立ち行かなくなる前に廃業を選ぶ経営者や、子どもには継がせず自分の代で廃業することを決めている経営者が多くなっています。
 
一方で、M&Aや事業承継の認知度が高くなり、あまり良くなかったイメージもだいぶ解消されたことから、M&Aによる会社売却を戦略として選ぶ経営者も増えてきました。

4.事業の成長・拡大を期待

会社売却によって他社の傘下に入り、自社単体ではできなかった事業の成長を図るケースもみられます。
 
速いスピードで変化していく経営環境に対応していかなければならないものの、中小企業が限られた経営資源のなかで変化を続けていくことは簡単ではありません。
 
しかし、会社売却によって他社と協業することで、成長を目指すことができます。以前まで、M&Aによる会社売却に良くないイメージを持っている中小企業経営者は多くいました。
 
近年は、国や地方自治体、金融機関などがM&A・事業承継の認知度向上に努めていることから、会社売却を有効な経営戦略のひとつとして捉える経営者も増えています。
 

会社売却の成功ポイント

会社売却の成功ポイント
 
会社売却を成功させるには、以下のポイントを押さえる必要があります。
  1. 特許や権利を持っている 
  2. 準備・スケジュール管理を徹底する 
  3. 企業価値評価を行い適正価格を知る 
  4. 買い手先を幅広く求める 
  5. 希望に縛られすぎない 
  6. 会社売却の専門家に相談する

1.特許や権利を持っている

買い手側は、既存事業を成長させるためや新規事業を始めるためなど、さまざまな目的を持って買収を行いますが、多くの買収に共通した目的は「時間を買うこと」です。
 
自社だけの強みを新たに創り出すことは簡単ではありませんが、M&Aであれば自社の強みを短期間で手に入れることができます。
 
そのため、売り手側は自社だけの特許や権利を持っていると、買い手に対しての大きなアピールポイントになります。

2.準備・スケジュール管理を徹底する

会社売却は、買い手が決まってから3ヶ月以内で手続きが完了することもあれば、1年以上経っても手続きが完了しないこともあります。
 
会社売却は、時間がかかるほど経営者の精神的負担が大きくなりやすく、会社売却が成功する確率も下がる傾向にあります。
 
特に、売り手側企業は経営戦略上M&A・事業承継の準備が大事だとわかっていても、必要に迫られるギリギリまで準備を始めないケースも少なくありません。
 
会社売却の準備を始めるのに早すぎるということはありません。会社売却を行う際は余裕を持って準備を開始することも、会社売却戦略の成功率を上げる要因になります。

3.企業価値評価を行い適正価格を知る

会社売却では、売却価格の決定にも戦略が必要です。会社売却価格は、企業価値評価を基に売り手と買い手が交渉し、最終的な価格が決定します。
 
買い手は、売り手から提供された資料などを分析して企業価値を算定し、売り手企業と統合した後のシナジー効果も想定して希望価格を提示します。
 
もし、売り手側が簡易的な企業価値評価しか行っておらず、基準となる価格が適正ではない場合、不利な価格で合意してしまうこともないとはいえません。
 
企業価値評価は、専門家の手によって適正な価格を算定してもらうことも、会社売却戦略では重要です。

4.買い手先を幅広く求める

売り手側が会社売却を行う目的にもよりますが、買い手を探す際は、あまり条件を絞りすぎず、幅広く探した方が最適な買い手がみつかる確率は高くなります。
 
実際に、最初は条件を絞って買い手を探したものの、最適な相手がみつからず、徐々に範囲を広げていった結果ようやく相手がみつかったというケースも多くみられます。
 
自社に対して、どのような買い手が魅力を感じるかはわかりません。意外な買い手と相性が合うこともあり得るので、売却先の条件は多少広めにしておくことも戦略上重要になります。

5.希望に縛られすぎない

会社売却戦略では希望条件の整理も行いますが、あまり縛られすぎると会社売却交渉が難航する原因にもなります
 
会社売却の戦略を立てる際は、妥協できるラインと妥協できないラインを明確にすることが大切です。
 
また、妥協ラインを決める際は、そもそも会社売却を行う目的は何だったかという視点に立ち戻り、目的を達成するためにはどこまで妥協できるか、または妥協できないかを洗い出すことも戦略上重要です。

6.会社売却の専門家に相談する

会社売却戦略を策定するといっても、自力で行うには何をどこから始めたらよいのかわからないという難しさがあります。
 
また、会社売却戦略を策定するきっかけがないと、日々忙しい中で着手することは簡単ではありません。
 
そのため、会社売却戦略の策定を検討し始めたら、まずはM&Aの専門家に相談することが有効です。
 
相談や会社売却戦略の策定までは手数料なしで行なっている専門家も多いので、手数料の有無を確認したうえでM&Aの専門家に会社売却戦略についての相談をしてみることをおすすめします。
 

会社売却を行う際の注意点

会社売却を行う際の注意点
 
会社売却を行う際は、以下の点に注意して戦略を立てる必要があります。
  1. 簿外債務などの発生 
  2. 人材・情報の流出 
  3. 取引先・顧客との関係悪化 
  4. 各種引継ぎ 
  5. タイミングを逃さない

1.簿外債務などの発生

会社売却の際は、簿外債務などの発生に気をつけなければなりません。簿外債務とは、帳簿上にない債務のことです。簿外債務は故意に行うケースだけでなく、不手際で発生してしまうこともあります。
 
どのような理由にせよ、簿外債務のような隠れたリスクが発覚すると、買い手に対して不信感を与えてしまい、買い手との交渉が破談になる可能性があります。
 
簿外債務に限らず、買い手側に提供する書類の内容に虚偽がないか、自社の会計・税務、法務、労務面などに問題はないかなど、問題点をあらかじめ解決しておくことも戦略として大事な要素です

2.人材・情報の流出

会社売却の際は、人材流出を防ぐ戦略もしっかりと練っておかなければなりません。買い手側は売り手側の人材も獲得することで、買収後スムーズに事業を継続できます。
 
しかし、もしキーマンとなる人材が会社売却をきっかけに離職してしまうと、買い手側は事業継続に大きな支障が出るかもしれません。
 
人材流出を防ぐための戦略や、人材が流出しても事業が成り立つような体制を作っておくことも必要です。
 
また、会社売却の際は情報の流出にも気をつけなければなりません。会社売却を検討していることが従業員などに漏れてしまうと、無用な混乱を招きモチベーションの低下や離職につながってしまいます。
 
さらに、会社売却の手続きが進むと、売り手と買い手はお互いに会社の重要な情報を提供する必要が出てきます。
 
ここで会社の重要な情報が外部に漏れてしまうと、交渉が破談になったり、場合によっては訴訟問題に発展したりと、大きなトラブルにつながりかねません。情報漏えい防止戦略も構築しておく必要があります。

3.取引先・顧客との関係悪化

人材の流出だけでなく、取引先や顧客の流出も防止する戦略構築が必要です。取引先と顧客の流出を防止するためには、売り手側と買い手側双方が戦略的に対処しなければなりません。
 
売り手側は会社売却を公開してもよい状態になったら、買い手と一緒に主要な取引先へ説明しに行き、関係を構築しておくのも戦略のひとつです。
 
さらに、買い手側は買収後も良好な関係構築を図る必要があります。また、顧客に対しては、会社売却後に変わる部分と変わらない部分を明確に伝えるなどの戦略も必要です。

4.各種引継ぎ

会社売却は、売却手続きが完了して終わりではありません。会社売却後も、買い手側への事業引継ぎによる統合作業が必要であり、会社売却後に統合が円滑に進むかどうかで、M&Aの成否も決まります。
 
引継ぎは、事業に関することだけではありません。売り手側は経営者の理念や企業文化なども買い手へ一旦引き継いだうえで、買い手側は売り手側の理念や企業文化を尊重しつつ、自社の色に融合させていくことが大切です。

5.タイミングを逃さない

会社売却の成否は、経営者の年齢やモチベーション、会社が成長期か維持期か、それとも衰退期に入っているかといったタイミングが影響します。また、社会の状況や業界のトレンドなど、外部要因にも大きく左右されます。
 
いくら会社に魅力があっても、タイミングが合わなければ会社売却の成功率は下がってしまいます
 
会社売却のタイミングを逃さないためにも、早めにM&Aの専門家に相談するなどして準備を進めておくことが重要です。
 

会社売却を相談する際におすすめのM&A仲介会社

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会社売却の戦略構築を的確に行うには、M&Aや経営戦略に精通した専門家によるサポートが欠かせません。
 
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まとめ 

まとめ 
 
本記事では、会社売却の戦略を策定する方法や、戦略策定の成功ポイント、戦略を策定する際の注意点などについて解説してきました。
 
【会社売却の戦略策定方法】
  1. 自社の企業価値を分析する 
  2. 自社の強みをまとめる 
  3. 会社売却の目的を明確にする 
  4. 市場を調査し需要を調べる 
  5. 戦略オプション案を用意する 
  6. 会計などの不備を調査する 
  7. 会社売却の手法を考える
 
【会社売却が増加している理由】
  1. 少子高齢化による後継者不足
  2. 慢性的な人材不足
  3. 事業の将来性の不安
  4. 事業の成長・拡大を期待
 
【会社売却を成功させるためのポイント】
  1. 特許や権利を持っている 
  2. 準備・スケジュール管理を徹底する 
  3. 企業価値評価を行い適正価格を知る 
  4. 買い手先を幅広く求める 
  5. 希望に縛られすぎない 
  6. 会社売却の専門家に相談する
 
【会社売却の戦略策定時に注意すべきポイント】
  1. 簿外債務などの発生 
  2. 人材・情報の流出 
  3. 取引先・顧客との関係悪化 
  4. 各種引継ぎ 
  5. タイミングを逃さない
 
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