会社売却の価格の計算方法や高く売る方法を解説!

会社売却とは

経営している会社や事業を、第三者へ売る行為を会社売却といいます。会社自体を売るケースでは自社の株式を譲り渡す株式譲渡が用いられ、事業のみを売るケースでは事業譲渡が主に用いられます。

会社売却が選ばれる理由には、主に2つが挙げられます。まず1つ目は、<strong>会社・事業の存続と発展のためです。例えば、事業再生・事業再編・後継者問題の解決などがあります。

また、自社の経営が悪化している場合は、売却により取引や従業員の雇用契約が継続されるのも、理由のひとつです。

2つ目は、売却による対価を獲得するためです。具体的には、創業者利益の獲得や投資ファンドによる投下資金の回収、新規事業への注力を図るなどのケースが当てはまります。

投資ファンドは、投資額を下回らないうちに会社売却を選ぶことで、損をする前に投資したお金を回収することができます。

また、採算が取れない事業を他社へ売却すれば、会社に売却益が入ります。得た資金を新しく始める事業に充てることもできるので、事業の存続を図りつつ、自社事業に必要な資金を集めることができます。

会社売却の価格の計算方法

会社売却を行う際はどのように価格を算出するのでしょうか。ここでは、会社売却の価格を計算する方法について解説します。

【会社売却の価格を計算方法】

  • 時価純資産法
  • DCF法
  • マルチプル法

時価純資産法

時価純資産法とは、現在の価値に直して純資産額を導き出す計算方法であり、時価に置き換えた貸借対照表を元に資産から負債を除いた値が用いられます。

非上場企業が会社売却の価格を導き出す際は、時価純資産法によって算出するのが一般的です。時価純資産の計算式は「時価純資産=簿価純資産+資産の含み益-資産の含み損-計上していない負債+営業権」で表すことができます。

時価純資産法では、DCF法のように将来の利益を用いないため、客観的な価格を導き出すことが可能です

その一方で、成長が望める企業にとっては企業価値に将来性が加味されないため、正確な価格を算出できないので注意が必要です。

DCF法

将来に予想される収益やキャッシュ・フローを用いた計算方法で、収益還元法方式の1手法とされています。

DCF法による計算方法では、将来に得られる利益を現在の価値に変換して、企業価値を算出します。DCF法の計算式は「企業価値=将来のフリー・キャッシュフロー÷資本コスト」で表すことができます。

上記式のように、得られた企業価値から時価純資産を引くと営業権が導き出せるため、DCF法の計算方法は営業権を把握する場合にも活用されています。

将来性を価格にフィードバックできるものの、事業計画や定めた条件が正当性に欠けると導き出した価格の信頼性も失われてしまうので注意が必要です。

DCF法とは?企業価値を算出する方法を初心者でも分かりやすく解説!

マルチプル法

マルチプル法とは、株式を上場している企業を目安とした計算方法で、類似企業比準方式と呼ばれています。

上場する企業のなかから、事業の内容・事業の規模などが似ている数社をピックアップし、1株あたりの価格を算出します。

マルチプル法の計算式は「1株あたりの価格=比較する企業の株価×(比準割合の合計)×1/3」で表すことができ、比準割合には利益・純資産・配当などが用いられます。

そのほかの計算方法と比べ、簡単に会社売却の価格を算出できるものの、自社と似た会社がなければ価格を導き出せないので、比較できる企業が見当たらない場合は、ほかの計算方法を選択しなければなりません。

会社売却で企業価値評価をする際に注意するポイント

会社売却で企業価値表を行う際は、注意すべきポイントが2つあります。前章で述べたように、企業価値の計算方法は3つありますが、それぞれ重視する点が異なるため、自社の経営状況に応じて選ぶ必要があります。

【会社売却で企業価値評価をする際に注意するポイント】

  • 状況に応じて企業価値評価の方法は変わる
  • 価格の計算は個人か専門家か

状況に応じて企業価値評価の方法は変わる

ここでは、想定されるケースと適した算出方法をみていきましょう。

状況① 潤沢な資産はあるが低収益

かつては経営状況がよく、コンスタントに収益を上げられていた企業のケースです。仮に将来に得られる利益をもとにしたDCF法を用いると、買い手が買収をためらう可能性があります。

というのは、資本金・余剰金等の簿価純資産を多く保有しているものの、近年の業績悪化を受けて、売上の減少や借入金の増加のほか、回収不能の債権・不良在庫を抱えているためです。

このようなケースでは、純資産額を重視した計算方法・時間純資産法と合わせた企業評価を行うとよいでしょう。

2つの計算方法によって得た価格の平均を出せば、保有する資産を加味した企業評価が行えます。

状況② 資産に含み損益がある

土地や建物などの不動産に含み益があるケースで、時価純資産法の清算法を選択すると、企業価値の評価に差が生じます。清算法とは、含み損益に対する税金を加味した計算方法です。

多額の評価益に40%の税効果がもたらされると、純資産額が増えて企業評価が高まります。

一方、含み損があるケースでは、会社売却により節税の効果が望めることから、DCF法のフリー・キャッシュフローに節税を盛り込んだ計算方法により、企業価値を導き出します。

状況③ 事業とは無関係の不動産を持つ

事業を行ううえで無関係の不動産を保有しているケースでは、不動産を管理する事業を別の会社に分けるようにしましょう。取引価格を下げられるため、買収側に懸念される要素を減らすことができます。

状況④ 役員報酬で節税対策を講じている

課税額を抑えるために役員への報酬を増やしているケースでは、時価純資産法を用いてしまうと、営業権から役員報酬を差し引かれるため企業価値が下がります。

しかし、会社売却によりこれらの役員報酬を失くすと仮定すれば、企業価値を下げずに価格を算出できるため、将来の利益を加味したDCF法による企業評価がふさわしいといえるでしょう。

価格の計算は個人か専門家か

先に紹介した例をみても、会社売却における自社・事業の取引価格は、資産・収益・含み損益・節税を考慮しなければ、正当な金額を導き出すことはできません。

正確な企業価値評価を行えなければ、会社売却の際に不利益を被る可能性もあるため、専門家に算出を依頼したほうがよいでしょう。

会計士などが在籍するM&A仲介会社に相談すれば、企業価値評価の計算を依頼でき、M&Aの一括サポートを受けることが可能です。

会社売却の際に高く売る方法

会社売却を検討したら、できるだけ高く売りたいと考えるのは当然のことです。ここでは、会社売却の際に高く売る方法・コツを紹介します。

【高い価格で会社を売り渡す方法・コツ】

  1. 会社売却を行うタイミング
  2. 自社のブランド力・業績を最大限に高める
  3. 自社の強みを資料としてまとめる
  4. 自社の強みを資料としてまとめる
  5. 優秀な人材の離職を防ぐ
  6. 会社売却の専門家に相談する

1.会社売却を行うタイミング

1つ目は、最適なタイミングで会社売却を行うことです。市場は刻々と変化していることため、会社売却の時機を逃してしまうと、交渉条件が厳しくなったり価格が下がったりします

時機が訪れたらすぐにでも会社売却を進められるように、早い時期から準備をしておくと高い価格での譲渡も可能になります。

しかし、赤字状態だったり財務状況の悪化が懸念される場合は、早急に会社売却を進めるのもひとつの方法です。

業績改善が見込めればよいですが、さらに悪化してしまえば売却価格が大きく下がるだけでなく、相手をみつけることも難しくなる可能性も高くなります。

2.自社のブランド力・業績を最大限に高める

2つ目は、自社のブランド力と業績を最大限に高めておくことです。買収側は、売却側のブランド力獲得を目的にしていることも多く、名の知れた商品を扱っていたり、知名度のある会社名であったりすれば、新規参入によるブランド構築の手間を省けるメリットがあります。

会社売却を行う際は、まず自社製品・サービス・ブランド力を向上させ、業績を最大限にする努力が必要です

3.自社の強みを資料としてまとめる

3つ目は、自社の強みを客観的に資料にまとめておくことです。買収側は、M&A後にどのようなメリットやシナジー効果が得られるかによって買収する企業を決定します。

まずは交渉先の候補となれるように、自社の強みを洗い出し、客観的なデータをもとに資料にまとめておきましょう。

資料にまとめておくことで強みをより正確に伝えることができ、買い手は資料をもとにじっくりと検討することができます。

他社にない強みを持っていてしっかりとアピールすることができれば、高値での売却も実現可能です。

4.優秀な人材の離職を防ぐ

4つ目は、優れた人材の離職を防止することです。会社売却を進める前にキーパーソンとなる従業員が離職してしまうと、売却側は事業計画に狂いが生じかねないため価格を下げて交渉を進める可能性があります。

優秀な人材を確保することも買収目的のひとつであるため、会社売却を進める段階で方向性や内容を伝えるなど、離職防止の対策をしておくことが重要です

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5.会社売却の専門家に相談する

5つ目は、会社売却の専門家へ相談することです。ここまで紹介した4つのポイントすべてを、自社のみで実行することは非常に困難です。ましてや通常の業務と並行して進めなければならないため、スケジュールもタイトになるでしょう。

M&A仲介会社など会社売却の専門家に依頼すれば、一貫したサポートを受けることができるため、効率的に会社売却を進めることができます。

会社売却でプロへの相談をオススメする理由

会社売却でプロへの相談をオススメする理由には、主に以下の3つがあります。

【会社売却でプロへの相談をオススメする理由】

  1. 会社売却に関して適切なアドバイスが受けられる
  2. 適切な手法を選択できる
  3. 売却先を探し出し、交渉を行う

1.会社売却に関して適切なアドバイスが受けられる

1つ目の理由は、会社売却に関して適切なアドバイスが受けられることです。自社のみで会社売却を行うことも不可能ではありませんが、専門知識や経験がなければ相場を下回る価格で売却してしまったり、トラブルに対応できなかったりする可能性もあります。

M&A仲介会社など会社売却の専門家に相談すれば、交渉・手続きの各段階で適格なサポートを受けられるので、希望に合った売却の実現が可能になります。

2.適切な手法を選択できる

2つ目の理由は、適切なスキームを選択できることです。会社売却のスキームは、自社の形態・財務状況・事業規模・希望条件など考慮し、最適なものを選ぶ必要があります。

どのスキームが適切なのかを判断するためには、専門的な知識や見解が必要になるため、専門家に相談することが無難でしょう。

無料相談を行っているM&A仲介会社などの専門家も増えているので、まずは相談してみるというのも一つの方法です。

3.売却先を探し出し、交渉を行う

3つ目の理由は、専門家は売却先を探し交渉を代行してくれることです。仲介会社をはじめとするプロは、各自が抱える企業情報やネットワークから希望条件に該当する売却先を探してくれます。

売却先候補との交渉や書類作成も代行してくれるため、価格交渉なども安心して任せることができます。

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会社売却を行う際に注意すべきこと

最後に、会社売却を行う際に注意すべき、4つのポイントについて解説します。

  1. 簿外債務などの発覚
  2. 会社売却に関する税金
  3. 会社売却契約中の情報漏洩
  4. 従業員の離職・取引先との関係悪化

1.簿外債務などの発覚

1つ目は、簿外債務などの発覚です。会社売却では、買収側は簿外債務のリスクを最小限にするため、売却側について徹底したデューデリジェンスを行います。

<p>もし簿外債務がみつかれば、売却価格や条件の見直しが行われることもあります。万一、表明保証に反した場合は賠償請求を受けることも考えられます。

会社売却の前には、自社の財務状況を見直しておくとともに、意図的に簿外債務などを隠すような行為はしないよう注意しておかなければなりません。

2.会社売却に関する税金

2つ目は、会社売却に関する税金について把握しておくことです。例えば、株式譲渡の場合、住民・所得税(株式を個人が保有している)や、法人税(株式を会社が保有している)の課せられます。税率は、住民・所得税は20.315%で、法人税はおおよそ30%です。

事業譲渡では法人税と所得税が課せられるので、会社売却の際は支払う税金にも注意しておく必要があります。

3.会社売却契約中の情報漏洩

3つ目は、成約完了までに情報漏洩がないように注意することです。M&Aの専門家と秘密保持の契約を取り交わしていても、売却側の従業員などから会社売却を進めている情報が漏れてしまうことがあります。

情報漏洩は経営に大きな影響を与えかねないため、買収側の信用も失うことになります。最悪の場合は、M&A自体が白紙になるケースもあるので、会社売却を行う際は情報の取り扱いに十分注意しなければなりません。

4.従業員の離職・取引先との関係悪化

4つ目は、社員の離職と取引先との関係悪化を防ぐことです。会社売却後、従業員の働く環境は少なからず変わります。

労働条件がよくなれば大きな問題にならないかもしれませんが、会社売却後に労働条件が悪くなったり環境の変化になじめなかったりすると、離職してしまうケースもでてきます。

従業員の離職を防ぐためには、丁寧に説明をしたり会社売却後もフォローを行ったりなど、対策を講じる必要があります

また、取引先との関係が悪化しないよう、注意することも必要です。主要な取引先には、会社売却の成約前に丁寧に伝えて取引の中止を回避するようにしましょう。

売却後の報告では印象が悪くなることも考えられるので、報告するタイミングは基本合意契約の締結後がよいでしょう。

会社売却の際におすすめの相談先

会社売却をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、中小・中堅規模の案件を取り扱う仲介会社で、幅広い業種に対応しています。

会社売却のサポートは、アドバイザー・会計士・弁護士が3名体制で就き、クロージングまでしっかり支援いたします。

料金体系は、完全成功報酬型(レーマン方式)となっており、着手金・中間報酬は無料です。

成約に至らなければ費用はかかりませんので、初期費用を抑えて会社売却を行いたい場合も安心してご利用いただけます。

無料相談は24時間年中無休でお受けしていますので、会社売却をご検討の際は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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まとめ

会社売却の価格を算出する計算方法をはじめ、企業価値評価で注意するポイントや、高い価格で会社売却を行う方法などを取り上げました。

個人でも売却価格を算出することは不可能ではありませんが、より正確な算出を行うためにはM&Aの専門知識が必要になるため、専門家に依頼することをおすすめします。

【会社売却の価格の計算方法】

  • 時価純資産法
  • DCF法
  • マルチプル法

【会社売却で企業価値評価をする際に注意するポイント】

  • 状況に応じて企業価値評価の方法は変わる
  • 価格の計算は個人か専門家か

【会社売却の際に高く売る方法】

  1. 会社売却を行うタイミング
  2. 自社のブランド力・業績を最大限に高める
  3. 自社の強みを資料としてまとめる
  4. 優秀な人材の離職を防ぐ
  5. 会社売却の専門家に相談する

会社売却を成功させるためには、最適なタイミングと自社に合ったスキームを選ばなければならないため、M&Aの専門家によるサポートは不可欠ともいえるでしょう。

M&A総合研究所では、会社売却に精通した3名の専門家がフルサポートいたしますので、安心・スムーズなお取引が可能です。

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