M&Aで地域創生を加速させる?実例を元に解説!

地方では都市部に比べて、M&A仲介会社の数が少なく買い手が見つかりづらいため、なかなかM&Aが普及しない現状があります。

本記事では、地方でのM&Aについて、おすすめの相談先や成功させるポイントなどを、実例も交えながら解説していきます。

 

 

 

M&Aは地方の中小企業を救う

地方の中小企業では、後継者不足による廃業が深刻な問題になっており、適切な方法で事業承継しなければ、地方経済にとって大きな損失となることが危惧されています。

身近な親族や社員に事業を継いでくれる人がいないケースが増えている昨今、有力視されているのがM&Aによる事業承継です

M&Aは地方経済の救世主にもなりうるとして、政府も公的な相談窓口を全国に設置するなど、積極的な支援に乗り出しています。

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地方企業は後継者不足を抱えている

近年の日本では、地方・都市部に関わらず中小企業の後継者不足が問題になっていますが、特に地方での後継者不足は深刻な状態になっています。

東京商工リサーチの調査などによると、2018年に休廃業・解散した企業で働いていた少なくとも13万人以上の従業員が、失業または転職を余儀なくされていると見積もられています。

地方では、一つの企業の廃業が地域経済に及ぼす影響が都市部より大きくなる傾向にあり、後継者不足は官民が連携して取り組むべき重要な問題となっています。

地方企業にとってM&A相手が限られている

後継者不足の対策としては、M&Aを利用した事業承継が国によっても推進されていますが、地方は必然的に大都市圏よりM&Aの相手が少なく、適切な譲渡先が見つかりにくい現状があります。

経営は黒字でも廃業・倒産を選ぶ企業も多数

廃業や倒産というと、債務超過で経営が破綻した企業のイメージがありますが、実際には、経営が黒字にも関わらず廃業・倒産を余儀なくされるケースもあります。

特に、後継者不足と関連が深いのは黒字廃業で、2014年の中小企業白書によると、廃業した企業の42%が黒字だったというデータもあります。

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地方でM&Aが行われにくい理由

都市部に比べて、地方でM&Aが行われにくい理由は何なのでしょうか。主な理由としては以下の2点があげられます。

  1. M&Aに対する認知不足
  2. M&A仲介会社が都市部に集中

1.M&Aに対する認知不足

M&Aというと大企業による敵対的買収のイメージ強く、マイナスイメージを持っている人も少なくありませんが、実際のM&Aはほとんどが友好的なものです。

中小企業である自分たちには関係のないものと勘違いしていたり、そもそもM&Aを知らない経営者もいたりして、M&Aに対する認知不足が地方のM&Aの推進を妨げている面もあります。

2.M&A仲介会社が都市部に集中

M&Aを支援する民間のM&A仲介会社は、利益をあげやすい都市部に集中しているのが現状です。

地方では、M&A・事業承継の相談ができる仲介会社が少ないため、なかなかM&Aに踏み切れないというケースがどうしても多くなってしまいます

M&Aで地域創生を加速させることができる理由

安部内閣では、東京の一極集中を避けて地方を活性化する「地方創生」を重要な課題として挙げ、「ローカル・アベノミクス」として政策を行っています。

企業の廃業を避けるためのM&Aは、地方創生という面からみても非常に有効な手段だといえるでしょう。M&Aで地域創生を加速させることができる理由としては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. 地方にM&Aの活用を促す
  2. 後継者問題を解決
  3. 雇用を活性化する

1.地方にM&Aの活用を促す

地方では、M&Aによって事業承継すれば会社を存続できるにもかかわらず、身近に適切な仲介会社がなかったり、経営者がM&Aについてよく分からなかったりして、廃業を選択してしまう事例が多くみられます。

地方にもっとM&Aの活用を促すようにすれば、存続すべき会社の廃業を抑えることができ、結果として地域創生にもプラスの作用をもたらすことができます。

2.後継者問題を解決

事業承継といえば、かつては経営者の子供など親族に継がせることが多かったですが、少子化で経営者に子供がいなかったり子供が他の職についていたりして、引き継げないケースが増えています。

こういった場合でも、M&Aを利用すれば後継者をみつけることが可能となり、廃業を避けて会社を存続させることが可能です。

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3.雇用を活性化する

会社をM&Aで事業承継せずに廃業してしまうと、そこで働いていた従業員は雇用を失うことになります。地方の雇用を活性化するという意味でも、M&Aは非常に有効な手段だといえるでしょう。

特に、地方は若者の都市部への流出が深刻で、地元に就きたい仕事がないことが主な理由の一つとなっています。

事業承継して若者が働きたいと思う魅力ある雇用を維持したり、逆に買い手として事業を買収して魅力ある事業へ育てるなどの活動が、地方にとって今後重要となるでしょう。

M&Aによる地域創生の事例

この章では、地方で長年愛されてきた会社が、M&Aによって事業を存続させる地域創生の事例を5選ご紹介します。

  1. 長野県の漢方茶製造販売会社の譲渡
  2. 鳥取県のカラオケボックス併設インターネットカフェの譲渡
  3. 石川県の創業40年以上の旅館の譲渡
  4. 北海道のバリアフリー型ホテルの譲渡
  5. 福井県の伝統的な繊維製造業の譲渡

①長野県の漢方茶製造販売会社の譲渡

長野県で健康茶や無添加・無農薬の国産漢方茶の製造販売を行っている会社の譲渡です。

原料は地元の農家から仕入れており、長年地域で親しまれているお茶文化を担ってきました。独自の焙煎機器を使用して香りを引き立たせるなど、味わいに非常にこだわりがあるのが強みです。

全国の物産展に営業をしてきたことから、全国各地に固定客を持っており、新規の営業をせずとも注文が絶えず入ってくる状態です。

地元農家との関係が重要で、農家とともに発展していけるような事業の継続を希望しています。

②鳥取県のカラオケボックス併設インターネットカフェの譲渡

鳥取県でカラオケボックスを併設した複合インターネットカフェを運営している会社の譲渡で、譲渡希望価格は3000万円です。

大手フランチャイズ加盟店で、不動産と合わせての購入を希望しています。譲渡理由は事業の選択と集中で、他の事業が忙しくなったためにこちらの事業は手放したいという意図です。

約8年前にオープンした店で、鳥取では最初のカラオケ併設ネットカフェとして人気を博しています。

ネットカフェが持つ負のイメージを払拭するため、清潔感や明るい店舗づくりにこだわっているのが特徴です。

フランチャイズですが運営はほぼ自由にすることができ、経営がやりやすいのが強みとなっています。

③石川県の創業40年以上の旅館の譲渡

石川県で40年以上愛され続けている旅館の譲渡です。海沿いに立地しており、湾に浮かぶ小島の夕景と、日常を忘れる静かな時間が魅力となっています。

オーナーの体調不良などにより事業承継を考えたものの、後継者がいないため譲渡を希望しています。

代表自ら漁に出て、とれた魚介類でもてなす料理が魅力で、長年お客様の舌を魅了してきた実績があります。

地域の方々や常連客からも存続を希望する声が多く、譲受時は今までの旅館の魅力を引き継ぐことが重要になってきます。

客層は県内の高齢者が多く、遠方からのお客様や外国人観光客は比較的少ない状況ですが、現在は広告・宣伝をほぼしていないので、注力することでさらに顧客を増やせる余地があります。

④北海道のバリアフリー型ホテルの譲渡

北海道のバリアフリー型ホテルの譲渡で、譲渡希望価格は4000万円です。高齢者や体の不自由な方でも安心して宿泊できるのが特徴で、北海道の自然を誰でも満喫することができます。

創業は1999年で、長らく多くのお客様に愛されてきたホテルで、もともとサラリーマンをしていた創業者が50歳を機にホテルをオープンしました。

創業者が70代を迎え体調不安と後継者不在により、後を継いでくれる人を探しています。高齢者以外にも若い年齢層のお客様や外国人観光客も多く、経営面では安定しています。

⑤福井県の伝統的な繊維製造業の譲渡

福井県の伝統的な繊維製造業の譲渡です。個人事業の時代を含めると創業80年以上となる老舗で、大手総合商社など大口の取引先を多く有しているのが強みです。

顧客は100%企業で、個人に対する販売は行っていません。取引先は福井県内以外にも、東京・大阪を始めとする全国にネットワークを持っています。

従業員の定着率が高いのが強みで、20年以上勤務しているベテラン社員も多数在籍しています。また、外国人の実習生も積極的に受け入れており、伝統的な技術の承継に力を入れています。

地方でもM&Aの相談はできる

地方でのM&Aの相談先は首都圏などに比べるとどうしても少なくなってしまいますが、それでもほとんどの都道府県では、民間・公的機関ともに何らかの相談先は存在しています。

地方でM&Aの相談をしたい場合は、主に以下の5つの相談先が考えられます。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるので、自分に合った相談先を選ぶことが大切です。

【地方でのM&Aの相談先】

  1. M&A仲介会社
  2. 地元の金融機関
  3. 地元の公的機関
  4. 地元の士業
  5. マッチングサイト

1.M&A仲介会社に相談

M&A仲介会社とは、M&Aの仲介を専門に行っている民間企業のことです。M&Aを希望する買い手と売り手の間に立ち、お互いの意見を聞きながら最適なスキームや売買価格を提案していきます。

似たような会社にM&Aアドバイザリーがありますが、こちらは買い手・売り手どちらかの立場に立ち、最も良い条件でM&Aを成約できるようにサポートする会社です。

M&A仲介会社には、中小企業を専門に取り扱うところや、医療・ITなど特定の業種に特化したサービスを提供しているところもあります

料金は基本合意時に中間報酬、成約時に成功報酬を払うのが一般的で、会社によっては他に着手金や月額報酬を設定しているところもあります。

M&A仲介会社は首都圏などの大都市圏に多いですが、地方でも地元に根付いたサービスを行っている会社もあります

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2.地元の金融機関に相談

地方銀行や信用金庫といった地元の金融機関には、M&Aや事業承継に関する相談窓口が設けられていることも多いです。

民間のM&A仲介会社を好まない場合は、こういった金融機関に相談するのも有効な選択肢になるでしょう。

ただし、銀行や信用金庫はM&A・事業承継以外にもさまざまな相談を受け付けており、スタッフは必ずしもM&A・事業承継に詳しいとは限らないのは注意点です。

また、銀行のM&A・事業承継相談は中堅から大手企業を主な対象としていることもあり、中小企業の相談先としては向いていない場合もあります。

地元の金融機関は相談先の選択肢としては有力ですが、具体的な交渉や契約の業務は民間のM&A仲介会社に委託することが多く、二度手間になってしまいかねないのもデメリットの一つです。

3.地元の公的機関に相談

近年は中小企業経営者の高齢化が進み、引退年齢を迎えているのに後継者が見つからない事例が増加しています。

政府も重要な問題と認識しており、M&A・事業承継をしやすくする税制の整備や、事業引継ぎ支援センターなど公的な相談窓口の設置などを進めています。

事業引継ぎ支援センターは各都道府県に設置されているので、地方でのM&A・事業承継を考えている経営者の相談先として有力です。

このような公的機関は、まだ設置されてから年月が浅いので実績が少ないことや、スタッフが必ずしもM&A・事業承継のスペシャリストとは限らないことなどが注意点です。

また、最終的には提携のM&A仲介会社を紹介されるので、二度手間になるデメリットもあります。

4.地元の士業に相談

地元の公認会計士事務所や税理士事務所、弁護士事務所といった士業事務所のなかには、M&A・事業承継を得意にしているところもあります

もし身近にM&A仲介会社や公的機関がない場合は、こういった士業事務所に相談するのも有効な選択肢です。

ただし、会計士や弁護士は必ずしもM&A・事業承継に詳しいわけではないので、どの事務所に相談するかは慎重に選ぶ必要があります。

事務所のHPを見てM&A・事業承継の実績があるかチェックしたり、電話やメールで直接問い合わせたりして、M&A・事業承継に強そうな事務所を選ぶようにしましょう。

5.マッチングサイトを利用する

マッチングサイトとは、M&Aを検討している買い手と売り手が情報を交換し、気に入った相手に交渉を持ちかけて自分でM&Aを実行できるサイトのことです。

マッチングサイトは住んでいる地域に関係なく利用できるので、近場にM&A仲介会社がない方にとっては便利です。

しかも、一般的なマッチングサイトはM&A仲介会社より手数料が安いことが多く、特に売り手は完全無料のところが多いのがメリットです。

ただし、マッチングサイトでは基本的に自分で相手を探して交渉しなければならないので、M&Aに詳しくない方が利用する時は注意が必要です。

自分で交渉するのが不安な方は、マッチングサイトのアドバイザリーサービスを利用したり、M&A仲介会社のサポートを受けながら利用するという選択肢もあります

地方企業がM&Aを行う際に気をつけるポイント

地方企業がM&Aを行う際に、気をつけておきたい主なポイントは以下の5つです。これらはM&Aの成功を左右する重要な点でもあるので、おろそかにしないようにしましょう。

  1. 業績を良くしておく
  2. 希望条件だけを押し通さない
  3. 買いたたきを防ぐ
  4. 余裕を持ってM&Aを行う
  5. 専門家に相談する

1.業績を良くしておく

M&Aを成功させるには、本格的な交渉に入る前に、企業の「磨き上げ」といわれる作業に取り組んでおく必要があります

企業の磨き上げとは、余分な負債をあらかじめ返済したり自社の強みを洗い出して業績を良くしておくことなどが含まれます。

磨き上げというのはM&Aに関係なく普段からしておくべきことですが、もし自社に至らない点や怠っている点があれば、M&Aに向けて対策をしておきましょう。

2.希望条件だけを押し通さない

M&Aは買い手・売り手双方の同意のもとでなされるものであるため、自社の希望条件だけを押し通してもなかなか成約には結びつきません。

スムーズな成約を果たすためには、両社の希望条件を加味して、適切な妥協点を見つけていくことが重要です。

M&Aの交渉においては、これだけは譲れないという条件をあらかじめ洗い出して、それ以外の条件については相手の希望に合わせてもよいというスタンスが有効です。

3.買いたたきを防ぐ

M&Aでは、やはり価格交渉が最も神経を使う部分になり、特にデューデリジェンス後の価格交渉は、売り手にとっては勝負所といえるでしょう。

なかには、中小企業経営者の無知につけこんで、会社の悪い点ばかりを指摘して安く買い叩こうとする買い手もいます

仲介会社は中立的な立場なので、売り手だけを一方的にかばうことはやりづらい面があります。自前でM&Aアドバイザリーやファイナンシャルアドバイザーなどの専門家を用意して、買い叩きに対抗する手段を用意しておくのもひとつの方法です。

4.余裕を持ってM&Aを行う

M&Aは、時間的な余裕をもって行うことが重要です。時間に余裕がない状態で交渉に臨むと、仕方なく納得いかない条件での成約を飲まなければならなくなったり、買い手に見透かされて買い叩きにあう可能性もあります。

また、M&Aに臨む前に企業の磨き上げ期間が必要だったり、成約後に新しい経営者を教育する期間なども必要になります。

磨き上げや後継者の育成にかかる期間は、場合によっては数年以上かかることもあるので、特に高齢の経営者の方は、できるだけ早く準備を行っておくことが重要です。

5.専門家に相談する

M&Aはマッチングサイトなどを利用すれば、経営者が自分だけで行うことも可能ではあります。

しかし、M&Aには幅広い知識や交渉力が必要となるので、基本的にはM&A仲介会社などの専門家に相談したほうが無難です。

専門家のサポートを受ければ、書類作成などの煩雑な作業を自分で行わなくて済むので、本業への支障を最小限に抑えられるのもメリットです。

M&Aによる地域創生を目指す際はご相談ください

M&Aによる地域創生を目指す際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。

M&A総合研究所は独自AIによるマッチングシステムを有しており、どの地方のM&Aでも対応することができます

案件ごとにM&Aの経験豊富な会計士・弁護士・アドバイザーが3名体制で就き、親身なアドバイスで成約までフルサポートいたします。

料金は着手金・中間金無料の完全成功報酬制を採用しており、成約に至らなければ料金は一切かかりません。コストを抑えて安心して相談することができます。

無料相談は随時お受けしていますので、地方のM&Aをお考えの方はお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

本記事では、地域創生を加速させる地方のM&Aについて解説しました。

地方は都市部に比べてM&Aが活用しづらい状況にはありますが、地域に根差したM&A仲介会社は存在し、政府も公的機関を設置して地方のM&Aを後押ししています

後継者不在による廃業で地方の経済を衰退させないためにも、経営者一人ひとりがM&Aに対して意識を高めておくことが重要となるでしょう。

【M&Aで地域創生を加速させることができる理由】

  1. M&Aに対する認知不足
  2. M&A仲介会社が都市部に集中

【M&Aで地域創生を加速させることができる理由】

  1. 地方にM&Aの活用を促す
  2. 後継者問題を解決
  3. 雇用を活性化する

【地方でのM&Aの相談先】

  1. M&A仲介会社
  2. 地元の金融機関
  3. 地元の公的機関
  4. 地元の士業
  5. マッチングサイト

【M&Aによる地域創生の事例】

  1. 長野県の漢方茶製造販売会社の譲渡
  2. 鳥取県のカラオケボックス併設インターネットカフェの譲渡
  3. 石川県の創業40年以上の旅館の譲渡
  4. 北海道のバリアフリー型ホテルの譲渡
  5. 福井県の伝統的な繊維製造業の譲渡

【地方企業がM&Aを行う際に気をつけるポイント】

  1. 業績を良くしておく
  2. 希望条件だけを押し通さない
  3. 買いたたきを防ぐ
  4. 余裕を持ってM&Aを行う
  5. 専門家に相談する

M&A総合研究所では、M&Aの経験豊富な会計士・弁護士・アドバイザーの3名体制で、地方のM&Aをクロージングまでフルサポートいたします

無料相談を年中無休で受け付けていますので、地方のM&Aをお考えの方は、電話かメールで気軽にお問い合わせください。