デューデリジェンスの正しい意味は?目的や方法をわかりやすく解説

デューデリジェンス

デューデリジェンスの意味をお調べですね。

デューデリジェンスとは、М&A成立前に買い手企業が売り手企業について調査することを指します。

具体的には、企業価値の査定や法律に関わる資産について調査する作業です。

М&Aを行う際には、デューデリジェンスは欠かせません。

デューデリジェンスの目的や種類をあらかじめ把握しておくことで、スムーズにM&Aを行うことができます。

正しく把握しておかないと、М&A成立後に負債が発覚するリスクがあるのです。

デューデリジェンスを正しく理解し、リスクなく満足感のあるМ&Aを行いましょう。

1.デューデリジェンスとは

デューデリジェンスとは

デューデリジェンスとは、М&Aが成立する前に買い手企業が売り手企業について調査することです。

デューデリジェンスは、英語ではDue Diligenceと書きます。

Dueは義務・Diligenceは努力という意味です。

企業価値の査定や法律に関わる資産について調査する作業のことを指します。

デューデリジェンスは、買い手企業が売り手企業を調べるためにМ&Aに欠かせません。

1-1.デューデリジェンスを行うタイミング

デューデリジェンスのタイミング

デューデリジェンスを行うタイミングは、基本合意を締結した後になっています。

基本合意で、両社の間で条件の合意を行うのです。

その後、買い手企業はデューデリジェンスを実施します。

デューデリジェンスで売り手企業を調査し、最終的な条件交渉を行っていくのです。

1-2.デューデリジェンスを行う期間の目安

デューデリジェンスの目安

デューデリジェンスを行う期間は、1ヶ月~2ヶ月が目安です。

企業規模やどこまで調べるかにもよりますが、最低でも1ヶ月はかかるでしょう。

デューデリジェンスというのは、調べる範囲に決まりはありません。

しかし、長期化すればするほど時間も費用もかかってしまいます。

あらかじめ期間の目安を決め、効率よくデューデリジェンスを実施しましょう。

2.デューデリジェンスの目的

デューデリジェンスの目的

デューデリジェンスの目的は、売り手企業の価値やリスクを把握することです。

それぞれの目的について解説していきましょう。

目的1.売り手企業の価値を評価する

売り手

1つ目の目的は、売り手企業の価値を評価するということです。

価値を把握することで、買収価格の正式な決定やМ&A後の計画を立てることができます。

法務・財務・税務・ビジネスなどの幅広い観点から、企業の価値をしていくのです。

売り手企業とМ&A後のシナジー効果も検討します。

目的2.リスクを把握する

リスクを把握

2つ目はリスクを把握しておくことです。

あらかじめ売り手企業のリスクを把握するために、デューデリジェンスは実施されます。

リスクを把握しておかなければ、М&A後に簿外債務が発生するといったデメリットも生じてしまいのです。

デューデリジェンスを徹底することで、リスクを最小限に抑えることができます。

3.デューデリジェンスの種類

デューデリジェンスの種類

デューデリジェンスの意味や目的について確認してきました。

一括りにデューデリジェンスと言っても、種類は複数あります。

デューデリジェンスの主な種類は以下の5つです。

  1. ファイナンシャルデューデリジェンス
  2. ビジネスデューデリジェンス
  3. 人事デューデリジェンス
  4. 法務デューデリジェンス
  5. 税務デューデリジェンス

1つずつ意味や特徴について見ていきましょう。

種類1.ファイナンシャルデューデリジェンス

ファイナンシャル

ファイナンシャルデューデリジェンスとは、企業の財務に関する審査を指します。

もっとも重要なデューデリジェンスが、ファイナンシャルデューデリジェンスです。

ファイナンシャルデューデリジェンスは、決算の財務諸表を使用し、調査します。

その中でも重要なチェックポイントは、以下の4点です。

  1. 過去の業績推移
  2. 収益性
  3. 設備投資
  4. 簿外債務の有無

これらを調査し、企業の価値の算定・起こりうるリスクの事前発見などを行うのです。

ファイナンスデューデリジェンスは、会計事務所や監査法人の専門家に任せましょう。

種類2.ビジネスデューデリジェンス

ビジネスデューデリジェンス

ビジネスデューデリジェンスとは、売り手企業の行うビジネスに関する調査です。

売り手企業の展開している事業や、商品、サービスなどを調査します。

具体的には、商品のメインターゲットや売り上げ推移などから今後の展望を予測するなどです。

また売り手企業のみならず、業界市場動向やバリューチェーンなどの全体像も調査します。

ビジネスデューデリジェンスを調査することによって、М&A後のシナジー予測するのです。

種類3.人事デューデリジェンス

人事デューデリジェンス

人事デューデリジェンスは、人に関するあらゆる調査のことを指します。

具体的には、以下のようなものの調査です。

  • 人員数
  • 人事戦略
  • 人事制度の仕組み
  • 人事システム
  • 人件費

例えば売り手企業の人事制度を調査し、М&A成立後の人材配置を考えるなどです。

人事デューデリジェンスを行うことで、М&A後の人事制度や条件をすり合わせます。

買い手企業側の人材とマッチするかも調査されるのです。

種類4.法務デューデリジェンス

法務

法務デューデリジェンスは、売り手企業を法律や法務の面から調査することです。

具体的には以下の事項が確認されます。

  • 契約書
  • 違法行為
  • 訴訟や紛争の履歴
  • 訴訟や紛争の可能性
  • 違法行為

このような事項を確認することで、М&Aの懸念材料を洗い出します。

具体的には、将来的に起こりうる訴訟や紛争がないかどうかの確認です。

あらかじめ起こりうる起こりうるリスクを洗い出します。

法務デューデリジェンスは、種類が非常に多く複雑です。

そのため、法律分野に特化した専門家に任せることをおすすめします。

種類5.税務デューデリジェンス

財務デューデリジェンス

税務デューデリジェンスとは、過去の税務リスクについて調査することです。

過去に税金の未払いなどがないかを確認します。

具体的には以下の事項の確認です。

  • 法人税の未払い
  • 税務申告書の確認
  • 過去の税務処理の確認
  • 起こりうる税務リスクの把握

特に、М&A後税務リスクを引き継ぐことになる株式譲渡や株式交換を行う際には非常に大切な項目です。

М&A後のリスクを最小限に抑えるために調査します。

税務デューデリジェンスは、税務面に強い専門家に任せましょう。

4.デューデリジェンスの手順

デューデリジェンスの手順

デューデリジェンスの種類について確認してきました。

では、実際にデューデリジェンスがどのような手順で行われるかを見ていきましょう。

デューデリジェンスは以下の7つの手順で行われます。

番号 手順 内容
1 資料の入手・概要把握 売り手企業のデューデリジェンスに関する資料を入手します。
まずは売り手企業の概要や全体像を把握していきます。
2 事前分析 デューデリジェンスを実施する前に行える売り手企業の分析を行います。
3 調査範囲の決定 デューデリジェンスの実施範囲を決定します。
優先順位を立てて、その分野に注力して行うかと期間を決めます。
4 調査 デューデリジェンスを行います。
専門家や売り手企業の立会いのもと調査していきます。
5 調査資料の分析 調査をもとに資料の分析を行います。
懸念されるリスクや、シナジーなどを元にM&Aを締結させるか判断します。
また、企業価値の算出を行い買収額を決定していきます。
6 質疑応答 資料から分かった情報、追加の情報を売り手企業に質疑応答します。
売り手企業は、必要な情報を過不足なく開示します。
7 最終報告 デューデリジェンスが完了した最終報告を行います。
これで、一連のデューデリジェンスは完了となるのです。

上記のような流れでデューデリジェンスは完了します。

デューデリジェンスは、専門家・アドバイザー・売り手企業の協力が必要です。

基本的には、1~2ヶ月かかります。

5.デューデリジェンスのチェックリスト

チェックポイント

デューデリジェンスの手順について確認してきました。

続いては、実際にデューデリジェンスを行う際に確認しなければならないポイントを確認していきましょう。

特に大切なチェックポイントは以下の3点です。

  1. 損益計算表の精査
  2. 貸借対照表の精査
  3. 税務リスクの把握

では1つずつ確認していきましょう。

項目1.損益計算表の精査

計算

1つ目は、損益計算表の精査です。

損益計算表の精査を行うことで、売り手企業の収益獲得能力を把握できます。

収益獲得能力を把握することで、売り手企業の価値や見込める売り上げ能力などを知ることができるのです。

損益計算表の精査の際には、以下の3つのポイントを着目しましょう。

  • 売上高
  • 営業外損益・特別損益
  • 売上原価・管理費

上記3点に着目すると、正常な営業活動をしている際にどれくらいの売り上げが見込めるか把握できます。

一時的な売り上げ好調・下落などでは正確な数値が判断できません。

そのような要素を抜いた正常な数値を出すことが大切です。

項目2.貸借対照表の精査

精査

貸借対照表の精査することで、財務リスクを把握したうえで正確な純資産を把握できるのです。

財務リスクというのは主に追加コストのことを指します。

オフィスの修繕費やシステム統合などM&Aを完了したあとにかかるコストです。

具体的には以下の4点に着目しましょう。

  • 売上債権
  • 仕入債務
  • 棚卸資産
  • 有利子負債

M&A後に発生する追加コストも加味したうえでの純資産を把握できます。

より正確な企業価値を測ることができるでしょう。

項目3.税務リスクの把握

リスクの把握

デューデリジェンスを実施するにあたって、財務リスクの把握は欠かせません。

あらかじめ把握しておかないと繰延欠損金の引き継ぎや、追加課税されるケースもあります。

結果によっては損益のほうが大きくなってしまうケースもあるので必ず確認しておきましょう。

特に以下の2点は大切です。

  • 組織再編税制
  • 含み損・繰越欠損金

譲渡損益の認識・繰延欠損金の引き継ぎの可否などあらかじめ把握しておきましょう。

6.デューデリジェンスの注意点

注意点

デューデリジェンスにおけるチェックポイントを確認してきました。

続いては、デューデリジェンスを行う際の注意点について確認していきましょう。

主な注意点は以下の2つです。

  1. タイミングに気を付ける
  2. 優先順位を決める

では1つずつ見ていきましょう。

注意点1.タイミングに気を付ける

タイミングに気を付ける

1つ目の注意点はタイミングに気を付けることです。

デューデリジェンスは、M&Aの大筋が決定した基本合意を締結した後に行いましょう。

時期が早すぎると、従業員や取引先から「この会社大丈夫か?」と不安が飛び交う可能性があります。

逆に遅すぎると時間が制限され、じっくりと検証が行えません。

デューデリジェンスを実施する際にはタイミングが大切です。

注意点2.優先順位を決める

優先順位

2つ目の注意点は、優先順位を決めておくことです。

会社を調査するとなると範囲も広く情報も膨大します。

優先順位を決めておかなければズルズルと長期化しかねません。

長期化すると、М&A自体が難航する・本業に支障をきたすなどのデメリットがあります。

項目ごとに優先順位を決めて、デューデリジェンスを実施するようにしましょう。

7.デューデリジェンスはアドバイザーや専門家に任せよう

専門家に相談する

デューデリジェンスの注意点について確認してきました。

デューデリジェンスは、財務や税務など難しく複雑な項目も多いです。

そのため、スムーズにデューデリジェンスを完了させるためにはアドバイザーや専門家に任せましょう。

知識と経験に富んだ専門家に任せることで、コストをかけずに完了できます。

特に、財務・法務・税務面は専門家の協力が必須です。

弁護士や司法書士などの専門家は、М&Aアドバイザーの紹介してもらうことができます。

まとめ

デューデリジェンスとは、М&A成立前に買い手企業が売り手企業について調査することを指します。

M&Aを成功させる鍵は、デューデリジェンスにあるといっても過言ではありません。

デューデリジェンスは、タイミングと優先順位を決めてから行いましょう。

また、専門家に相談する・任せることでスムーズに完了します。

M&Aの基礎知識については、『M&Aとは?成功させるための基礎知識を世界一分かりやすく解説!』で説明しています。

正しい方法でデューデリジェンスを行い、リスクを最小限に抑えましょう。