マイクロM&Aとは?増加の背景と成功するためのポイントを解説

売却金額が数百万円程度のマイクロM&Aは、零細企業や個人事業主だけでなく、サラリーマンの個人M&Aの手段としても注目されています。

本記事では、マイクロM&Aが増加する背景や成功のポイント、スモールM&Aや個人M&Aとの違いなどを解説します。

マイクロM&Aとは?

かつては大企業を中心に行われていたM&Aですが、近年は徐々に中小企業に広がっていき、さらに小規模な零細企業や個人事業の「マイクロM&A」も盛んになっています

この章では、マイクロM&Aとはどのようなものか、個人M&A・スモールM&Aとは何が違うのかといった、基本的な内容について解説します。

マイクロM&Aとはどんなものか

マイクロM&Aは小規模なM&Aという意味で使われていますが、法律などで厳密な定義がされているわけではありません。

しかし、一般的には、売買金額が1000万円以下のM&AをマイクロM&Aと呼ぶことが多いです。

個人M&A・スモールM&Aとの違い

マイクロM&Aと並んでよくでてくる用語に「個人M&A」「スモールM&A」があります。これらの用語はマイクロM&Aと何が違うのかをみていきましょう。

まず、スモールM&AはマイクロM&Aとほぼ同じ意味であり、売買金額が数百万円から1000万円くらいのM&Aをいいます。

個人M&AはマイクロM&Aと少し意味が違っており、個人がM&Aで会社を買収することを指します。

とはいえ、個人M&Aはほとんどの場合マイクロM&Aになるので、個人M&AはマイクロM&Aの一種と考えても差し支えないでしょう。

個人M&Aは脱サラの新しい手段として注目されており、一から事業を立ち上げるより時間や資金を節約できるメリットがあります。

【関連】スモールM&Aで中小企業も事業拡大へ!小規模事業を買収しよう!

マイクロM&Aが増加する背景

中小企業や零細企業にM&Aが普及するにつれて、マイクロM&Aの実施件数も増加しています。マイクロM&Aが増加する背景には、後継者問題や個人M&Aの増加など、さまざまな要因があります。この章では、マイクロM&Aが増加する主な5つの背景について解説します。

【マイクロM&Aが増加する背景】

  1. 後継者問題に悩む経営者が多い
  2. 個人でもM&Aを行える
  3. 中小規模のM&Aを行うM&A仲介会社も増加
  4. マッチングサイトなどが増加
  5. M&Aに対する認知度

1.後継者問題に悩む経営者が多い

中小企業の後継者問題は、今後の日本の産業を左右する重要なものでもあり、国も法整備や支援機関の設置などを進めています。

中小企業の事業承継といえば、かつては経営者の子供が代々継いでいくのが一般的でしたが、子供が別な業種でサラリーマンとして働いているため承継が難しかったり、経営者自身が子供に経営の苦労をさせたくないと考えて事業を引き継がないケースもあります。

このような後継者問題を解決する手法として、マイクロM&Aが活用され始めており、身近に後継者がいなくても、マイクロM&Aであれば全国の売却先候補から後継者を探すことができます。

【関連】後継者募集が成功する鍵は?サイト10選からM&A仲介会社も紹介!

2.個人でもM&Aを行える

マイクロM&Aは、小規模な会社や個人事業の売買一般を指すので、個人がマイクロM&Aで会社を買収することもできます

現在のところ、マイクロM&Aを利用するのは企業が多いですが、今後は個人M&Aも増えてくると考えられます。

3.中小規模のM&Aを行うM&A仲介会社も増加

マイクロM&Aが今まで普及しなかった理由の一つに、M&A仲介会社の手数料の問題があります。M&A仲介会社の手数料は、最低手数料を数百万円程度に設定していることが多く、売買金額が数百万円のマイクロM&Aでは利用できませんでした。

M&Aの仲介手数料は売買金額に料率をかけることが多いので、大規模なM&Aのほうが売上をあげやすいことも、仲介会社がマイクロM&Aを敬遠してきた理由だといえるでしょう。

しかし、近年はマイクロM&Aの需要増加に伴い、手数料を安く設定してマイクロM&Aに対応する仲介会社が増加しています。

4.マッチングサイトなどが増加

近年は、インターネット上でM&Aの相手を探すことができるマッチングサイトが増加しています。マッチングサイトとは、会社の売却を検討している経営者がサイトに情報を掲載し、買収を検討している経営者がそれを閲覧して交渉できるサービスです。

マッチングサイトは小規模な案件を豊富に取り扱っており手数料もM&A仲介会社より安いことが多くマイクロM&Aを行いやすい条件が揃っているサービスだといえるでしょう。

5.M&Aに対する認知度

M&Aに対する認知度が上がってきたことも、マイクロM&Aが増加する要因だと考えられます。かつて、M&Aというと大企業が行うイメージが強く、一部の敵対的買収がメディアで取り沙汰されるなど、会社を乗っ取る行為という間違った認識も広まっていました。

近年はM&A仲介会社の数も増え、M&Aは経営者であれば誰もが行うことができる有効な手段であるという理解が浸透してきておりマイクロM&Aを検討する経営者も増加傾向にあります。

マイクロM&Aのメリット・デメリット

マイクロM&Aは非常に有力な手法ではありますが、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで検討することが大切です。この章では、マイクロM&Aのメリット・デメリットを解説します。

マイクロM&Aのメリット

マイクロM&Aの主なメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

【マイクロM&Aのメリット】

  1. 設備・人材・ノウハウなどを手早く獲得できる
  2. 経営を軌道に乗せやすい
  3. 許認可を引き継ぐことができる

1.設備・人材・ノウハウなどを手早く獲得できる

会社や個人事業を一から立ち上げると、設備や人材を揃える費用や期間がかかるだけでなく、ノウハウを蓄積するためにも尽力しなければなりません。

マイクロM&Aで既存の会社を買収すれば、その会社が持っている設備・人材・ノウハウを活用することができます

2.経営を軌道に乗せやすい

事業を始めると軌道に乗るまでの数年間は赤字になることも多いですが、既存の会社はすでに経営が安定していることが多いので、経営を軌道に乗せやすいメリットもあります。

3.許認可を引き継ぐことができる

許認可がなければ事業を営むことができない業種では、マイクロM&Aで許認可を引き継ぐ方法が有効です。ただし、M&A手法によっては許認可を引き継げないことがあるので注意が必要です。

例えば、株式譲渡では許認可を引き継ぐことができますが、事業譲渡で買収する場合は許認可の引き継ぎはできません。

マイクロM&Aのデメリット

マイクロM&Aの主なデメリットとしては、以下3点が挙げられます。

【マイクロM&Aのデメリット】

  1. 理想の売買相手が見つかるとは限らない
  2. 思い通りの経営ができるとは限らない
  3. 負債を引き継ぐ可能性がある

1.理想の売買相手が見つかるとは限らない

マイクロM&Aは、今まで面識のなかった相手と会社の売買を行うため、自分が思い描く理想の売買相手に出会えるとは限りません

M&Aの成功率は30%しかないともいわれており、理想の売買相手をみつけることは簡単ではないのが現実です。

2.思い通りの経営ができるとは限らない

マイクロM&Aで買収した会社は、それまで前経営者の経営理念や企業風土に従って経営されてきています。

そのため、買収したからといって急にこちらの理念を押しつけてしまうと、従業員や取引先などの反発にあう恐れもあります

マイクロM&Aで買収した場合、こちらの思い通りの経営ができるとは限らないことに注意しておく必要があります。

3.負債を引き継ぐ可能性がある

マイクロM&Aでは、資産だけでなく負債も引き継いでしまう可能性があります。特に、株式譲渡の場合は会社を包括的に承継するので、基本的に負債も全て引き継ぐことになります。

マイクロM&Aで特に注意したいのは簿外債務です。簿外債務に気づかないまま買収して、後で大きな負債が発覚すると経営にも悪影響がでてしまいます。

マイクロM&Aの案件を探すには?

マイクロM&Aの案件を探す主な手段はM&A仲介会社に依頼する方法ですが、それ以外にも金融機関や公的機関などの選択肢もあります。この章では、マイクロM&Aの案件を探すための選択肢について解説します。

【マイクロM&Aの案件を探すには】

  1. M&A仲介会社
  2. 地元の金融機関
  3. 地元の公的機関
  4. マッチングサイト
  5. 友人・知人

M&A仲介会社に相談

マイクロM&Aの案件を探す最もオーソドックスな選択肢は、M&A仲介会社に相談することです。M&A仲介会社は独自のネットワークで多くの案件を持っており、そのなかから適切な売買先を選ぶことができます。

マイクロM&Aを検討している場合は、中小企業M&Aに強みを持つ仲介会社を選ぶのがおすすめです。

地元の金融機関に相談

銀行や信用金庫などの金融機関でも、マイクロM&Aの案件を探してくれることがあります。ただし金融機関の案件はM&A仲介会社に比べて大規模なものが多く、マイクロM&Aの案件探しには向いていない場合もあります。

【関連】M&Aのアドバイザリー業務は銀行がオススメ?

地元の公的機関に相談

商工会議所などの公的機関では、中小企業向けのM&A相談を受け付けているところもあります。特に中小企業庁が設置している「事業引継ぎ支援センター」という機関は、中小企業の事業承継に特化したサポートを行っており、マイクロM&Aの相談先としておすすめです。

マッチングサイトに相談

マッチングサイトは基本的に自分でマイクロM&Aを行う場所ですが、別料金でアドバイザリーサービスを提供しているサイトも多くあります

専門家によるアドバイス・サポートを受けつつ、マッチングサイトを利用するのもよい方法でしょう。

友人・知人に相談

もし身近な友人・知人にM&Aに詳しい人がいたり、マイクロM&Aを経験したことがある人がいるなら、そういった人物に相談するのもよいでしょう。

しかし、個人がM&A案件を紹介できるケースは多くないため、できるだけ早くM&Aを行いたい場合は仲介会社に相談するほうがよいでしょう。

マイクロM&Aで成功するためのポイント

マイクロM&Aは失敗するケースも多いので、成功するためのポイントを押さえたうえで行うことが重要です。ここでは、特に重要な6つのポイントについて解説します。

【マイクロM&Aで成功するためのポイント】

  1. 譲渡したい理由を明確にする
  2. 譲渡したい事業を決める
  3. M&A戦略を入念に練る
  4. 譲れない条件を決める
  5. 譲受起業選びは慎重に行う
  6. M&Aの専門家に相談する

1.譲渡したい理由を明確にする

マイクロM&Aはあくまで手段であって、それ自体が目的になってはいけません。譲渡したい理由を明確にして、その目的のための手段としてマイクロM&Aを活用することが、成功するためのポイントといえるでしょう。

2.譲渡したい事業を決める

複数の事業を営んでいる会社の場合、どの事業をマイクロM&Aで売却するか決めることが重要です

例えば、不採算事業をマイクロM&Aで売却して、その売却益をコア事業の資金に充てるといった戦略が考えられます。

3.M&A戦略を入念に練る

マイクロM&Aは、財務や会計などの知識、譲渡する事業の業界動向、従業員や取引先との人間関係など、さまざまな要素を勘案する必要があります。

マイクロM&Aを成功させるためには、具体的な手続きに入る前にM&A戦略を入念に練っておくことが大切です

4.譲れない条件を決める

マイクロM&Aは、買い手と売り手の合意がなければ成立しません。合意するためにはお互いの意見を尊重し、時には妥協もしながら条件を詰めていく必要があります。

うまく合意を得るために重要なのは、譲れない条件を決めておくことです。譲れない条件を満たせない相手とはきっぱり交渉をあきらめ、それ以外の条件に関しては柔軟に相手に合わせることで合意が得やすくなります。

5.譲受企業選びは慎重に行う

マイクロM&Aで会社を譲渡する場合、譲受企業選びを慎重に行う必要があります。M&Aの交渉では売り手側が不利な立場になりやすいので、売り手の立場に立って親身に交渉してくれる譲受企業を選ぶことがポイントになります。

6.M&Aの専門家に相談する

マイクロM&Aはマッチングサイトで自分で行うのも有効ですが、やはりM&Aの専門家に相談しておくほうがよいでしょう。

M&A仲介会社でアドバイスを受けながら、マッチングサイトでマイクロM&Aを行うといったことも可能なので、仲介会社の無料相談などを活用して、最適なM&A戦略を模索していくことが大切です。

マイクロM&Aの相談は仲介会社がおすすめ

マイクロM&Aをお考えの方は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、M&Aの経験豊富な会計士・弁護士・アドバイザーが、3名体制でクロージングまでフルサポートいたします。

M&A総合研究所は中堅・中小企業のM&Aを主に手がけており、マイクロM&Aのような小規模な案件にも対応しています

手数料は業界最安値水準の完全成功報酬制なので、手数料が高すぎてマイクロM&Aを実行できない心配もありません。

M&A総合研究所では独自のマッチングプラットフォームを運営しており、豊富な案件から最適な売買先を提案することができます。成約まで平均3か月から6か月というスピードも強みです。

無料相談は24時間お受けしていますので、マイクロM&Aをお考えの方は、お電話またはメールでお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

電話で無料相談
0120-401-970
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する

まとめ

マイクロM&Aは近年増加してきており、サラリーマンの脱サラ手段としても注目され始めています。

マイクロM&Aを理解しておくことは、企業経営者や個人事業主に加え、サラリーマンにとっても今後重要になってくるでしょう。

【マイクロM&Aが増加する背景】

  1. 後継者問題に悩む経営者が多い
  2. 個人でもM&Aを行える
  3. 中小規模のM&Aを行うM&A仲介会社も増加
  4. マッチングサイトなどが増加
  5. M&Aに対する認知度

【マイクロM&Aのメリット】

  1. 設備・人材・ノウハウなどを手早く獲得できる
  2. 経営を軌道に乗せやすい
  3. 許認可を引き継ぐことができる

【マイクロM&Aの案件を探すには】

  1. M&A仲介会社に相談する
  2. 地元の金融機関に相談する
  3. 地元の公的機関に相談する
  4. マッチングサイトを利用する
  5. 友人・知人に相談する

【マイクロM&Aで成功するためのポイント】

  1. 譲渡したい理由を明確にする
  2. 譲渡したい事業を決める
  3. M&A戦略を入念に練る
  4. 譲れない条件を決める
  5. 譲受起業選びは慎重に行う
  6. M&Aの専門家に相談する