M&Aとは?成功させるための基礎知識を世界一分かりやすく解説!

M&Aについてお調べですね。

M&Aとは、簡単に説明すると企業同士の合併や買収のことです。

なぜ多くの企業がM&Aを行うのか気になりますよね。

今回は、M&Aの目的や手続きの方法、手法などM&Aの基礎知識を分かりやすく解説!

M&Aを成功させるポイントも紹介しています。

M&Aについてしっかりと基礎知識を学び、自社の成長へ活かしましょう。

目次

1.M&Aとは

M&Aとは、企業同士の合併や買収のことです。

英語では、『Mergers and Acquisitions』と表記します。

日本では1990年代後半からM&Aが増え、今では中小企業でも当たり前のようにM&Aが検討されるようになりました。

1-1.M&Aの売買対象

M&Aでの売買対象はビジネスです。

ビジネスとは、利益を生み出す全てのモノやノウハウ、人を指します。

そのため、M&Aで会社を売却するとき、ビジネスに関わるヒト・モノ・カネ・情報を全て他社へ渡すことになるのです。

また、M&Aの売買対象はビジネスなので、会社を丸ごと売却する必要はありません。

会社の持つ1つの事業だけを切り出して売却することもできのです。

このようにM&Aではビジネスを売却する代わりに、売り手企業は株式や現金などの対価を得ることができます。

2.M&Aの目的

そもそも、企業は何故M&Aを行うのか、気になりますよね。

M&Aを行う目的は企業によってさまざまですが、大きく4つの目的に分けることが可能です。

  1. 事業承継
  2. 選択と集中
  3. 既存事業の拡大
  4. 事業の多角経営

順番に確認していきましょう。

目的1.事業承継

後継者のいない企業が事業承継のためにM&Aを行うことは多いです。

特に中小企業では、創業者の後継者が育たないといった問題を常に抱えています。

後継者がいないことで会社を倒産させてしまうと、従業員や顧客、取引先などに迷惑をかけることになり兼ねません。

そのため、M&Aをすることでビジネスを継続する企業もあります。

※事業承継の基礎知識は以下の記事が参考になるはずです。

事業承継とは?基礎知識から成功のためのポイントまで徹底解説!

目的2.集中と選択

企業を経営していると、事業の選択と集中を迫られる場面があります。

企業を存続するために、赤字事業から撤退するといった選択をしなければならないこともあるのです。

しかし、事業を潰せば残るものはありませんが、M&Aなら売却することで資金を生み出すことができます。

残った事業に資金投入をして、さらに売り上げを伸ばすこともできるのです。

目的3.既存事業の拡大

既存事業を拡大するためにM&Aを行う企業は多いです。

例えば、自社にはない顧客や技術力、優秀な従業員を他社から買収することで、既存事業の売り上げを伸ばしていきます。

また、自社に足りないものを1から作り上げるには時間も費用も必要です。

しかし、欲しいものを持っている企業をM&Aで獲得できれば、手っ取り早く既存事業を拡大させることができます。

海外進出など他のエリアへ進出させたいときにも、M&Aが多く選ばれています。

目的4.事業の多角経営

多角経営とは、一つの会社の中で多種多様な事業を持つことをいいます。

多角経営をすることで、一つの事業の業績に左右されず、より安定した企業経営が目指せるのです。

しかし、多角経営を行うために新しく新規事業へ進出することはリスクが多く伴います。

そこで既に収益化している事業をM&Aすることで、少ないリスクで新規事業へ進出させることができるのです。

3.M&Aの手続きの流れ

ここからはM&Aを実行するための手続きの流れを確認していきましょう。

M&Aの実行の手続きの流れは以下の通りです。

やや多いと感じてしまうかもしれませんが、こちらが基本的な手順となります。

  1. 社内での検討
  2. アドバイザリー契約の締結
  3. 相手企業の選定
  4. 相手企業への打診
  5. 秘密保持契約の締結
  6. トップ面談の実施
  7. 意向表明書の提示
  8. 基本合意契約の締結
  9. デューデリジェンス
  10. 条件交渉
  11. 最終契約・クロージング
  12. 統合プロセス

あくまでも基本ですから、流れは手法によっていくつかの手続きが増える・基本合意契約を省く進めるということもあるでしょう。

M&Aはどれだけ急いでも3~6ヶ月ほどはかかります。

もし、お急ぎであればM&A仲介会社などの専門家に依頼して進めていくことも検討してみてください。

では、ここからは『専門家に依頼したとして』それぞれの手順をわかりやすく解説していきますね。

ステップ1.社内での検討

まずは、社内で十分にM&Aについて検討してみましょう。

いきなりですが、今なぜM&Aをしようと考えているのでしょうか。

もしかしたら、知識として知っておきたいからチェックしているという人もいるかもしれません。

なぜこのような話をするかというと、M&Aには必ず『明確な目的』を必要とするからです。

重要なのはこの『明確な』という部分となります。

会社の成長になるからM&Aをしたい、漠然的に事業を引き継いでもらいたいからなど抽象的なイメージでは成功に近づくことはできません。

明確ではない目的は、何を得たのかわからないままに終わってしまうのです。

M&Aの目的を明確にするなら以下の細かい部分まで社内での検討が必要です。

  • 本当にM&Aをするべきか
  • どのような効果を求めているのか
  • 適切なM&A相手企業のイメージ
  • M&Aのスケジュール

これらはあくまでも参考ですから、より明確化してもらっても問題ありません。

M&Aをすべきと判断し、目的を設定できたら専門家に依頼をしてみましょう。

ステップ2.アドバイザリー契約の締結

先ほどお話した明確な目的を設定したら、M&A仲介会社などの専門家と契約しましょう。

ここで行う契約がアドバイザリー契約です。

こちらは、今後のM&Aを総合的にアドバイスとサポートをしてもらうために必要なものとなります。

例えば、M&Aの目的を達成できる相手企業を自社だけで素早く見つけることができるでしょうか。

もしかしたら、交渉をするときに何に注意すべきかわからないということもあるでしょう。

さらには、手続きを進めていくと法務・税務・財務などの専門知識を必要とする書類作成も出てきます。

こうした経営者個人、もしくは自社だけでは対応できないM&Aを専門家に依頼するわけです。

アドバイザリー契約の内容は、専門家によっても違いますから内容を確認して依頼しましょう。

※アドバイザリー契約の詳細を知りたい人は以下の記事を参考にしてみてください。

アドバイザリー契約とは?アドバイザーやコンサルティング契約との違いを解説

ステップ3.相手企業の選定

次に、契約した専門家と一緒に相手企業を選んでいきます。

このとき、伝えられる詳細な希望はすべて伝えておきましょう。

そうすることで、自社が求める企業をより絞り込んで選んでもらうことができるからです。

それでも多くの場合は50件以上になることも少なくありません。

ですから、一度リストにまとめてもらったものに目を通し、絞り込みが必要か考えてみてください。

例えば、海外企業とM&Aの成立を目指すクロスボーダーM&Aを狙っているなら、国内企業を除外できます。

さらに、国などを絞り込めば数社となるはずです。

こちらはあくまでも一例ですが、専門家は的確に目的を達成できる相手企業を見つけてくれます

そして、相手企業をある程度まで絞り込むことができれば、いよいよ条件交渉のためのアプローチです。

ステップ4.相手企業への打診

ここからは、絞り込みをした相手企業にM&Aの意思を伝えるべくノンネームシートによる打診を行います。

ノンネームシートとは、匿名の企業概要資料のこと。

自社の名前は伏せて、最低限必要な情報を記載したシートを使って相手企業に興味を持ってもらうことが目的です。

何もメリットがなければ、相手企業にM&Aに動き出してもらうことはできません。

打診をして興味を持ってもらえたら、次のステップに移ります。

ちなみに、相手企業への打診に使うノンネームシートは渡しても良いのか確認があり、厳重に取り扱われますから、外部に情報が漏れる心配はしなくても良いでしょう。

ステップ5.秘密保持契約の締結

相手企業に興味を持ってもらうことができれば、今後は詳細な話し合いをすることになります。

よって、ここで重要となるのが『秘密保持契約』です。

確かに興味を持ってもらったことで、お互いの企業情報を公開して話し合いを進めることはできるかと思います。

しかし、必ずしも成功するとは限りませんから、話し合いでM&Aをしないと決定すればお互いの情報だけが残るはずです。

そうすると、得た情報には価値があることも少なくありませんから、万が一悪用されたなら今後の経営に大きな打撃を与えてしまいます。

そこで秘密保持契約によって情報を外部に漏らさないという約束をし、トラブルを未然に防ぐようにしましょう。

このように安全を守ることで、次のステップに安心して進めます。

ステップ6.トップ面談の実施

秘密保持契約を結ぶことができれば、いよいよ本格的な話し合いとしてトップ面談を行います。

M&Aについて詳細な話を進めることもありますが、面談といっても主にコミュニケーションの場です。

例えば、なぜ相手企業はM&Aを選んだのでしょうか。

スケジュールはどのくらいで進めたいと考えているのかなど知らないことが多いはずです。

こうした疑問を解消し、お互いの企業で信頼できる相手か、今後も上手くやっていけるかを判断します。

もちろん気になることは聞いても良いですし、言いにくいなら専門家に同席してもらうことも可能です。

今後もずっと一緒にやっていけるのかを判断してみてください。

そして、問題がなければ自身の意思を示す意向表明書の提示へ向かいます。

ステップ7.意向表明書の提示

お互いが納得できれば、意向表明書で譲渡価格や取引方法、条件などをまとめて伝えます。

意思を伝えるものではありますが、重要な内容が記載されているかもしれません。

しっかりと目を通しましょう。

専門家にも確認をしてもらい、条件の調整なども視野に入れて動くのも良いです。

大筋が決まり、意向表明書に同意できれば次のステップに向かいましょう。

※意向表明書とは何か、どのような内容なのかについて詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

LOI(意向表明書)とは?内容や条項、MOUとの違いを徹底解説!

ステップ8.基本合意契約の締結

意向表明書に合意できれば、お互いに納得した条件や内容の大筋が決まっているはずです。

それらの内容をすべて記載した基本合意契約書を作り、締結していきましょう。

例えば、以下のような内容を記載することになるはずです。

  1. 取引方法(事業譲渡・吸収合併などの手法)
  2. 譲渡価格
  3. 今後のスケジュール
  4. 独占交渉権
  5. デューデリジェンスの協力義務

必ず全て目を通して納得してから契約してください。

基本的には、基本合意契約の内容で今後のM&Aが進みます。

契約が問題なく進めば、次のデューデリジェンスに向かいましょう。

ちなみに、独占交渉権とは、別企業と並行してM&Aの交渉を防止する約束のことです。

これにより、他社の方が条件が良いからなどの理由によるM&Aの中止がなくなります。

ただし2~6ヶ月程度までが期間の目安ですから、覚えておきましょう。

ステップ9.デューデリジェンス

基本合意契約に問題がなければ、より詳細に条件を決めるためにデューデリジェンスを実施します。

デューデリジェンスとは、簡単に説明すると買い手が売り手の企業の内部まで丁寧に調査することです。

この調査には、法務・税務・ビジネス・ITなど細かい部分まで含まれます。

債務についてもしっかりと調べ、リスクがないのかを徹底的に調べるわけです。

専門家によって進められるもので、資料の提出などが必要になることもあるでしょう。

ですから、できる限り協力して進めるようにしてみてください。

そして、デューデリジェンスで問題がなければ、調べた結果も考慮して条件交渉に移ります。

※デューデリジェンスで知っておきたい知識は以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。

デューデリジェンスとは?注意点と相談すべき専門家を解説!

ステップ10.条件交渉

デューデリジェンスにより調査した内容を加味し、詳細な条件を定めていきます

よくあるのが以下の項目の変更です。

  • 譲渡価格
  • 最終契約・クロージングまでのスケジュール
  • 売り手企業の役員の処遇
  • 売り手企業の従業員の処遇

他にも、債務があればどうするのか、リスクが見つかったがどこに反映して進めるのかなど難しい話も出て来るでしょう。

ですから、できる限り専門家に依頼し、納得できる条件になるよう話し合いをするのがおすすめです。

条件交渉では、自社に有利な条件を設定して進めるのが基本戦略となります。

気付かないで進めていれば、知らないうちに条件が変わっているということもあるのです。

そして、問題なく条件交渉が済めば、最終段階に進みましょう。

ステップ11.最終契約・クロージング

条件交渉に合意できれば、最終契約書に全てを記載して契約します。

契約書の名前は手法によっても違うはずです。

例えば、株式譲渡であるなら株式譲渡契約(SPA)と呼ばれるものになるでしょう。

難しい手続きでありながら、丁寧な確認が必要な事柄ですから専門家に目を通してもらうのが安心です。

ですが、1つだけ最低限知っておきたいのが競業避止義務のこと。

こちらは、譲渡した事業の人脈やノウハウを活用し、競業しないことを約束するものです。

0からスタートするよりも、ノウハウがあるだけでも圧倒的に素早く進めることができるので譲渡後の経営に影響を与えてしまうことがあるでしょう。

ですから、事前に競業避止義務でトラブルを防ぐわけです。

ここまでお話した注意点も踏まえて、無事に最終契約まで終われば、クロージングとして取引の完了の証としてビジネスと対価の受け渡しを進めていきます。

そして、最後の統合プロセスへと向かいましょう。

※株式譲渡契約について

SPA(株式譲渡契約)とは?必須ポイントを知って自社を守ろう

※競業避止義務について

競業避止義務とは?雛形を見ながらM&Aにおける競業避止義務を理解しよう

ステップ12.統合プロセス

それでは、最後に統合プロセスを進めていきましょう。

統合プロセスはPMI(Post Merger Integration)と呼ばれるものです。

簡単に説明すると、お互いの企業のノウハウや進め方などを馴染ませていく期間となります。

意外にも重要なこの統合プロセスは、上手くいかなければメリットやシナジー効果を得ることができない可能性がでてくるはずです。

ですから、経営者同士で計画を立てて順序良く進めていく必要があるでしょう。

※PMIについて詳しくは以下の記事が参考になります。

PMIとは?初めてのM&Aでもシナジー効果を最大化させる方法を解説

ここまでM&Aの流れについてお話してきましたが、わからなかったという人もいるかもしれません。

より詳しく解説している記事もありますから、こちらもチェックしてみてください。

【初心者向け】M&Aの手続きの流れを12のステップでわかりやすく解説!

では、次の項目ではこうした細かい手順を進めていく必要があるのにもかかわらず、M&Aが増えている要因とも言えるメリットを見てみましょう。

4.M&Aで得られるメリット

M&Aは多くのメリットが得られることで、経営課題の解決や目的の達成ができるものです。

買い手と売り手ではメリットが違いますから、簡単に表にまとめたのでご覧ください。

売り手企業側 買い手企業側
後継者問題の解決 事業規模拡大
事業の現金化 規模の拡大・シェアの拡大
従業員の雇用の保護 隣接業種や異業種への進出
企業の将来の不安を解消 弱い部門の強化・技術力向上
廃業コストが不要 節税対策
従業員の労働条件が良くなる可能性がある 海外進出

目的は違っても、得られるメリットによってはM&Aが成立することがあります。

もちろん、目的が合う方がスムーズには進むでしょう。

しかし、メリットの多さも天秤にかけて進める必要もあるわけです。

このあたりの判断はとても個人・会社では難しいですから、専門家の意見を取り入れていきましょう。

※メリットの詳細など詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

M&Aのメリットを徹底解説!M&Aで会社を存続させよう

では、手法の違いについて次の項目でみてみましょう。

5.M&Aの手法

M&Aには大きく「買収」「合併」「分割」の3つの手法に分けることができます。

もっと細かく分類できますので、代表的な分類についても一緒に見ていきましょう。

買収とは、対象の事業や企業の経営者が変わる手法となります。

代表的な分類は以下の通りです。

  • 株式譲渡
  • 事業譲渡
  • 第三者割当増資 など

次に、合併とは2つ以上の会社を1つに統合する手法です。

大まかに分けると、新設合併と吸収合併の2つがあります。

簡単に説明すると、新設合併は2つ以上の会社を新設した会社に統合すること、吸収合併は既存の1つの会社にその他の会社を合併して統合することです。

最後の会社分割は、事業の全てまたは一部を他の会社に引き継いでもらう組織再編に近い手法です。

取引先・許認可・設備など特殊なものも含めてすべて譲渡対象とできるため、やや事業譲渡と異なる部分があります。

また、会社分割も新設・吸収の2種類に分けることが可能です。

新設分割は事業を新設した会社に引き継ぐ、吸収分割は既存の会社に引き継ぐものとなります。

簡単に説明しましたが、M&Aの一般的な手法だけでもかなりの種類がありますから、適切なものを選んで進めなければなりません。

どうすれば良いのか悩んだときにはM&Aの手法について専門家に聞いてみるのもおすすめです。

※M&Aの種類については以下の記事で詳しく説明しています。

M&Aの種類についてわかりやすく図解で解説!種類の選び方や仲介会社の選び方も紹介

6.M&Aで発生する税金

M&Aで会社や事業を売却したとき、譲渡所得もしくは譲渡益に対して課税されます

課税対象となる譲渡所得・譲渡益は以下のように求めましょう。

譲渡所得(譲渡益)=譲渡価格ー(純資産+必要経費)

譲渡価格から会社の純資産とM&Aにかかった必要経費を差し引きましょう。

また、譲渡所得と譲渡益の違いは、譲渡対価の受け取りが誰なのかによって異なります。

経営者などの個人が受け取った場合は譲渡所得、法人が受け取った場合は譲渡益となるのです。

それぞれ税率が異なりますので、詳しく確認していきましょう。

6-1.受け取りが個人のとき

受け取りが個人のとき、譲渡対価に対して所得税と住民税が発生します。

税金の額は、譲渡益×20.315%で計算することが可能です。

所得税が15.315%、住民税が5%のため、譲渡所得の20.315%の税金を支払わなければなりません。

また、税金を支払うタイミングは所得税と住民税で異なります。

所得税はM&Aをした翌年の3月15日までに一括納付が必要です。

その年の確定申告と同じ期限なので、確認するようにしましょう。

一方、住民税はM&Aをした翌年の6月末までに一括納付か年4回の分納か選ぶことができます。

自治体より住民税の納付書が送られてくるので、期限を確認して支払いましょう。

6-2.受け取りが法人のとき

受け取りが法人のとき、法人税が発生します。

法人税の額は、譲渡益×15%~23.2%程度です。

法人税は、企業によって税率が異なるので注意しましょう。

また、法人税は確定申告分と中間申告分の2回支払いのタイミングがあります。

中間申告は、前年度の法人税納付額が20万円を超えたときに必要です。

まず、確定申告分は、事業終了日の翌日から2ヶ月以内の確定申告と同時に納税します。

さらに中間申告分は事業年度開始日から6ヶ月後から2ヶ月以内の確定申告と同時の納税が必要です。

このように、法人税の支払いのタイミングは、前年度の法人納付額によって異なります。

6-3.第三者割当増資のとき税金は発生しない

第三者割当増資のとき、税金は発生しません

なぜなら、新たな出資と新たな株式発行となるため、税務上も増資がされただけという判断になるからです。

そのため、利益が発生したとみなされません。

第三者割当増資のときだけ税金は発生しないので、覚えておきましょう。

7.M&Aに関わる会計知識

M&Aを実行した場合、ビジネスの売買を行っているため会計処理をしなければなりません。

M&Aの会計で出てくる基礎知識をしっかりと把握しておきましょう。

7-1.PPAとは

PPAとは、Purchase Price Allocationの略です。

意味は、取得原価の配分となります。

簡単に説明すると、買収先企業の資産・負債の受け入れ価格を確定する会計処理のことです。

気を付けなければならない点は、無形資産の計上です。

無形資産とは、売り手企業の持つ特許や商標権、従業員のノウハウ、技術力などの実態のない資産のことを指します。

必ずM&A成立後、1年以内に会計処理をしなければなりません。

※PPAについて詳しくは以下の記事が参考になるはずです。

PPAとは?M&AにおけるPPAの意味と方法を解説

7-2.のれんとは

のれんとは、譲渡価格から売り手企業の純資産を指しい引いた差額のことです。

この差額は無形資産の価格とされています。

M&Aの譲渡価格は、単純に売り手企業の純資産がそのまま譲渡価格になるわけではありません。

譲渡価格=純資産+無形資産の費用となります。

このように、純資産にプラスされている無形資産のことをのれんと呼ぶのです。

日本の会計ルールでは、のれんは20年以内に均等に償却しなければなりません。

※のれんについて会計処理も含めた解説がありますので、こちらもチェックしてみてください。

のれんとは?意味や会計処理方法について具体例を挙げながら徹底解説

7-3.負ののれんとは

一方で、「負ののれん」という言葉もあります。

言葉通り、のれんがマイナスになったもののことです。

通常、のれんは譲渡価格から売り手企業の純資産を引いた差額を指します。

しかし、負ののれんは買収価格から買収する企業の純資産を引くとマイナスになってしまうことなのです。

ほとんどのM&Aでは、負ののれんは発生しません。

発生する例は以下の通りです。

  • 廃業の決まっている企業の買収
  • 企業の事業再生のための買収

このように、売り手企業に何らかのマイナス要素があるときに、負ののれんは発生します。

※例を見ながら負ののれんが学べるこちらの記事も参考にしてみてください。

負ののれんとは?発生する理由とリスクをRIZAPの事例をもとに徹底解説

8.M&Aの専門家とその役割

M&Aを実行するにあたり、さまざまな専門家へ頼る必要があります。

M&Aに必要な専門家は大きく3つです。

  1. M&Aアドバイザー
  2. 弁護士
  3. 公認会計士(税理士)

3つの専門家とその役割を確認していきましょう。

専門家1.M&Aアドバイザー

M&Aアドバイザーとは、M&Aを総合的にコンサルティングするM&Aのプロです。

  • 戦略立て
  • スケジューリング
  • 相手企業の選定
  • 相手企業との交渉
  • 専門家の紹介

このようにM&Aアドバイザーの役割は多岐にわたります。

M&Aの検討時点から一緒に戦略を考え、相手企業の選定から交渉、アドバイスなど経営者に一番寄り添ってくれる存在といえます。

特に、M&Aでは買い手企業・売り手企業の両社が感情的に自社の言い分を主張することで交渉が難航することも多いです。

そんなとき、間に入って冷静に話し合いを進めてくれるのもM&Aアドバイザーです。

このように、M&AアドバイザーはM&Aに欠かせない存在といえます。

最終的に「M&Aをしてよかった!」とメリットを感じられるM&Aを成立させることが出来るかは、M&Aアドバイザーの腕にかかっているのです。

専門家2.弁護士

M&Aに実行において、弁護士も欠かせない存在です。

もちろん、M&Aアドバイザーも法務知識を持ち合わせていますが、深い知識は弁護士に任せましょう。

弁護士に依頼する業務は以下の通りです。

  1. 各契約書の作成・チェック
  2. デューデリジェンス
  3. 株主への対応アドバイス
  4. コンプライアンス問題の解決

このように、M&Aは法務密接に関連しています。

特に、各契約書を素人が作成すると、抜け漏れや穴が出来てしまうものです。

また、書面で交わした契約だけでなく口頭約束によって取引の合意がみなされる場合もあります。

そのため、トップ面談や条件のすり合わせ、契約書を交わす場には、弁護士に同席してもらうと安心です。

※弁護士とM&Aについては以下の記事が参考になるでしょう。

弁護士のいるM&Aコンサル会社3選!報酬費用や役割を解説

専門家3.公認会計士(税理士)

公認会計士(税理士)も、譲渡価格を決定するために欠かせない存在です。

公認会計士は、財務デューデリジェンスを行って、売り手企業の財務諸表を読み、現在のキャッシュフローと将来のキャッシュフローを予測します。

そこから、様々な計算を行って譲渡価格を決定するのです。

公認会計士は、M&Aにおいて重要な譲渡価格の決定に最も関わる専門家と言えます。

以上が、M&Aの実行にあたって必要な専門家と役割でした。

他にも、労務判断が必要な時には社労士、土地建物の資産価値鑑定をするときには不動産鑑定士などに依頼するケースもあります。

必要かどうかの判断は、M&Aアドバイザーへ相談するようにしましょう。

9.M&Aを成功させる4つのポイント

M&Aを成功させたいと考えるなら、以下の4つのポイントを押さえてみてください。

  1. シナジー効果のある相手企業を選ぶ
  2. 従業員の処遇を明確にする
  3. 企業の健全性を高める
  4. 優秀なM&Aアドバイザーに相談する

それぞれ詳しく確認していきましょう。

ポイント1.シナジー効果のある企業を選ぶ

M&Aを検討する場合、シナジー効果のある相手企業を選ぶようにしましょう。

シナジー効果とは、M&Aを行うことで単純な足し算だけでない価値を生み出す効果のことです。

たとえば、以下のようなシナジー効果を考えましょう。

  • それぞれが単体で事業活動をするよりも合同で活動する方が利益が上がる。
  • それぞれが単体で仕入れるよりも仕入れ額を減らしてコストを下げる。
  • 事業や顧客層を増やして経営リスクを分散させる。

このようなシナジー効果のある相手企業を見極める必要があります。

※シナジー効果については以下の記事で学ぶことができますので、参考にしてみてください。

シナジー効果とは?正しい意味とM&Aでシナジー効果を生み出すコツ

ポイント2.従業員の処遇を明確にする

M&Aを行うとき、売り手企業の従業員の処遇を明確にしておきましょう。

あいまいにしたまま最終契約を締結してしまうと、売り手企業の従業員だけ不遇な扱いを受ける可能性があるからです。

もちろん売り手企業にとっては、自社の大切な従業員を冷遇されると気持ちよくありません。

また、買い手企業にとっても「買い手企業の当たり前」を押し付けてしまうことで、従業員が辞めてしまう可能性があります。

せっかく買収した事業のノウハウや技術を持った従業員がいなくなってしまっては、期待したシナジー効果を得ることが出来ません。

そのため、どのような処遇にすれば売り手企業の従業員が満足のいく働き方が出来るのかを話し合う必要があります。

最終契約を交わすまえに、必ず詳細まで決定しておきましょう。

ポイント3.企業の健全性を高める

M&Aを成功させるためには、企業の健全性を高めておきましょう。

企業の健全性は、M&Aの譲渡価格に大きく影響を及ぼします

計上漏れや財務の不正、従業員への給料未払いなどを隠していても、デューデリジェンスで確実にバレるものです。

特に違法行為、訴訟リスクがあると、業務停止命令などの行政処分になる可能性もあります。

このような健全性のない企業は「リスクを抱えている」とみなされるため、M&Aしたいと手を挙げる企業はいないでしょう。

M&Aを成功させるためには、買い手企業が安心してM&Aを決断できる健全性を常に保つ必要があるのです。

ポイント4.優秀なM&Aアドバイザーに相談する

M&Aアドバイザーに依頼することも選択肢の1つです。

専門知識を豊富に持ち、総合的にコンサルティングしてくれますから頼りがいがあります

また、スケジュールの管理から戦略を立てるところまで細かくサポートしてもらうことができるでしょう。

さらに、税務・法務・会計などの知識があることから書類作成なども代行してもらえます。

M&Aを個人・会社で進めるには相当な時間と労力が必要ですから、依頼することで時間を確保して本業の磨き上げも可能です。

M&Aの成功率を上げることができるのもアドバイザーの良い点ですから、ぜひ依頼してみましょう。

かかる費用も気にならないほどのメリットを感じることができるはずです。

まとめ

M&Aとは、企業同士の合併や買収のこと。

M&Aにはたくさんの時間・費用・労力がかかりますが、得るものは大きいです。

もし、自社でM&Aを検討するなら、まずはM&Aアドバイザーへ相談しましょう。

一緒に戦略を考えることで、さらに自社を成長させることができるはずです!