会社買収時のお金の流れ、必要な費用、支払いタイミングを解説

会社買収時のお金の流れ、必要な費用、支払いタイミングを解説
近年、会社買収が盛り上がりをみせていますが、会社買収のお金の流れを把握しておかなければ、大きな打撃を被ったり会社買収が破談になったりする可能性もあります。
 
本記事では、会社買収時のお金の流れや必要な費用、支払いタイミングなどについて解説していきます。

会社買収とは

会社買収とは
 
会社買収とは、株式の取得や事業用資産の譲受により、買収先企業の経営に関する権利を取得することを指します。
 
買い手は会社買収によって、商品・サービス、技術・ノウハウ、人材、営業エリアなどを手に入れることができ、自社の経営資源だけで事業を育てる場合に比べて大幅に資金と時間を減らすことが可能になります。
 
一方で、会社買収の際には、買収資金やM&Aの専門家に支払う手数料、税金などのお金を負担しなければならないため、会社買収を検討する際は、会社買収後の費用対効果を的確に予測することが重要です。
 
現在、日本のM&Aは盛り上がりをみせており、M&A件数は2017年に過去最高を記録してから、2019年まで記録を更新し続けています。
 
しかし、会社買収後に想定した相乗効果が得られず、会社買収にかけたお金の負担が重しとなったケースも少なくありません。

会社買収時のお金の流れ

会社買収時のお金の流れ
 
株式取得や事業譲受によって会社買収を行うにはお金が必要となるので、買収側は資金調達を行います。
 
資金調達方法は大きく分けて、金融機関から融資を受ける方法、第三者割当増資や新株予約権遠発行する方法、ベンチャーキャピタルなどから投資してもらう方法があります。
 
資金調達に成功したら、M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼することが一般的です。
 
中小企業のM&A支援を得意とするM&A仲介会社の場合、手数料には着手金・中間金・月額報酬・成功報酬のいずれかを設定していることがほとんどです。
 
買収が完了したら、株式取得の場合は株主へお金を支払い、事業譲受の場合は相手企業にお金を支払います。会社買収後、買い手と売り手はそれぞれ税金を支払わなければなりません。
 
買い手は、株式取得時に税金の支払いはありませんが、事業譲受の際は消費税が課せられます。また、売り手は株式譲渡の際、株主に税金が発生します。
 
株主が個人の場合は所得税、法人の場合は法人税を支払わなければなりません。また、事業譲渡の際は法人税や消費税の支払いが生じます。
 

会社買収時に必要な費用

会社買収時に必要な費用
 
会社買収では、以下の場合にお金が必要となります。どのタイミングでどのようなお金が必要になるのかを把握しておきましょう。
  1. 買収資金 
  2. 買収完了までの人件費
  3. 仲介会社・専門家への相談料・手数料・報酬

1.買収資金

買収にかかるお金の計算方法にはさまざまなものがありますが、中小企業の会社買収でよく使われているのは、時価純資産額にのれん代を足して評価する方法です。
 
簡単にいうと、現在までの会社価値が純資産で、今後の会社価値がのれん代ということになります。
 
こうして算出した買収価格を目安に、買い手と売り手の間で交渉を行い、最終的な買収金額が決まります。
 
つまり、最終的に支払うお金ががいくらになるかは、買い手と売り手の事情や力関係によって変わるということになります。具体的には、以下のポイントが価格形成に大きな影響を与えます。
  • M&Aによって生み出されるシナジー効果
  • M&Aが経営に与えるインパクト
  • M&Aの緊急度・やる気
  • 同事業を自社で立ち上げる場合のコストとの比較

2.買収完了までの人件費

M&A仲介会社のような取りまとめ役に依頼せず会社買収を行う場合、手続き内容ごとの人材が必要となります。
 
税務は税理士、契約関係やトラブル対応は弁護士など、さまざまな関係者にお金を払っていくと、その分人件費も増えていきます。
 
また、社内で会社買収用のチームを作る場合は、他の部門から人材を回したり、穴の開いたポジションをまた別の人材で埋めたりと、人件費が増えることもあるでしょう。
 
会社買収手続きの間、通常業務に支障が出ることもあり、その分お金がかさむことも少なくありません。
 
会社買収は、規模が大きくなるほど多くの人材が必要となり、その分人件費も増えていくこととなります。

3.仲介会社・専門家への相談料・手数料・報酬

会社買収の際は、M&A仲介会社などの専門家に支払うお金がいくらくらいになるのか、どのタイミングで支払うのかなどをきちんと確認しておかなければなりません。
 
報酬額などのお金の問題によって会社買収が中断されるケースは、過去数多く発生しています。
 
【会社買収の際に関わる可能性のある専門家】
  • M&A仲介会社
  • M&Aアドバイザリー
  • 銀行・信用金庫
  • 証券会社
  • 経営コンサルティング会社
  • 投資会社
  • 公認会計士・税理士
  • 弁護士
  • 司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士
 
【専門家に依頼する際の主な手数料】
  • 着手金
  • 中間金
  • 月額報酬
  • 時間報酬
  • 成功報酬
 
なお、専門家に支払うお金の種類については、後の章でくわしく解説します。
 

会社買収金額の目安を算出するには

会社買収金額の目安を算出するには
 
先述のとおり、会社買収金額の算出方法としてよく用いられるのは、現在までの会社価値である時価純資産額に、今後の会社価値であるのれん代を足して評価する方法です。会社買収金額の算出は、以下の方法などを組み合わせて行います。
  1. 時価純資産法 
  2. 類似企業比較法
  3. DCF法

1.時価純資産法

時価純資産法とは、買収する会社の貸借対照表に着目して、会社の資産と負債から企業価値を算出する方法です。
 
時価純資産法では、時価に直して算出する点が特徴です。そのほかに簿価で算出する方法もありますが、実務としては時価純資産法が多く採用されています。

2.類似企業比較法

類似企業比較法とは、買収する会社と事業内容や企業規模が似ている他社と比較して算出する方法です。
 
類似企業比較法には、上場企業と比較する方法や、他社の過去取引事例を参考に算出する方法があります。
 
しかし、買収する会社と条件が一致する他社を選ぶのは簡単ではないため、実務上はほかの算出方法と組み合わせて用いられることがほとんどです。

3.DCF法

DCF法とは、買収する会社が将来生み出す可能性のあるキャッシュフローを、一定の割引率で割り引いて現在価値に修正して算出する方法です。
 
企業が現在生み出しているキャッシュフローは、未来に行くほど現在と同じように生み出せるかわかりません。
 
DCF法はそのリスク度合いを割り引くことによって、より現実的な算出方法が可能になっています。
 
DCF法は、買収する会社の買収リスクを計算に織り込むことができるので、会社買収金額の算定で多く用いられている方法です。

会社買収時の各種費用の支払いタイミング

会社買収時の各種費用の支払いタイミング
 
会社買収をM&Aの専門家に依頼する場合、どのようなタイミングでお金を支払わなければならないのか不安に感じる人も多いでしょう。ここでは、専門家へお金を支払うタイミングについて解説します。

1.買収手続きの開始時

会社買収を行う場合、M&Aの専門家にサポートを依頼することがほとんどです。M&Aの専門家に相談してアドバイザー契約を結ぶことになったら、買収手続きを始めるためのお金として着手金が発生します。
 
着手金は、数十万円から100万円程度が相場となっています。中小企業や小規模事業者にとって着手金の負担は大きく、M&Aに踏み切れないケースも少なくありません。そのため、近年は着手金を取らない専門家が増えています。

2.買収成立までの間

アドバイザー契約後から買収成立までの間、以下の手数料が設定されている場合があります。
  • 中間金
  • 月額報酬
  • 時間報酬
 
中間金は、買い手と売り手が基本合意を締結したタイミングでお金を支払うことが一般的です。中間金は成功報酬の10%などの形で、支払額が設定されています。
 
会社買収が成立しなかった場合、支払ったお金が返ってくる場合と返ってこない場合があるので、事前に確認が必要です。
 
月額報酬の場合は、顧問契約を結んで毎月決まった額のお金を支払います。また、時間報酬は、特定の業務のみを依頼する場合に、かかった時間に応じてお金を支払います。

3.買収成立後

会社買収成立後は、専門家に成功報酬を支払います。成功報酬額の設定には、レーマン方式が採用されていることがほとんどです。
 
レーマン方式とは、総資産額または譲渡金額に一定の料率をかけて支払うお金を計算する方法です。
 
レーマン方式の表に記載されている数字は同じでも、総資産額をベースにしているか譲渡金額をベースにしているかで支払うお金は大きく変わります。専門家を選ぶ際は、どちらを採用しているかについても確認しておきましょう。
 

会社買収にかかる費用は節約できる?

会社買収にかかる費用は節約できる?
 
会社買収にかかるお金はできれば節約したいものです。ここでは、会社買収にかかるお金を抑える方法について解説します。
  1. 交渉により買収金額を抑える 
  2. 株式交換を行う
  3. アーンアウト形式で買収を進める
  4. M&A仲介会社などの専門家の費用を抑える

1.交渉により買収金額を抑える

買収価格は、企業価値を基に交渉によって決めていきます。そのため、交渉次第では支払うお金を抑えることも可能です。
 
上場企業の場合は基準となる株価が明確ですが、株式を公開していない多くの中小企業の場合、上場企業に比べて基準が曖昧です。
 
そのため、同じ相手との交渉でも、サポートを依頼する専門家の交渉力や会社の力関係、経営者の本気度などによって金額が大きく変わる可能性があります
 
ただし、金額ばかりを追いすぎると、失敗につながる可能性も高くなる点には注意が必要です。

2.株式交換を行う

株式交換とは、株式を取得する対価をお金ではなく自社株との交換によって行う手です。
 
対価が株式なので、お金がなくても買収が可能です。ただし、株式を交換するということは自社の株主比率も変化するということになるので、株式交換後の発言権の変化などには注意が必要です。

3.アーンアウト形式で買収を進める

アーンアウトとは、あらかじめ定めた条件を期間内に達成することで、お金を追加で支払う契約のことです。
 
例えば、会社買収後1年の間に買収先企業が売上10億円を達成したら、買収した会社は追加でお金を支払うといったような形式です。
 
アーンアウト条項を契約に盛り込むことで、買収側は支払うお金を抑えることができます。
 
しかし、アーンアウトはトラブルの元にもなりやすい契約です。導入する際は専門家によるアドバイスの下、慎重に行わなければなりません。

4.M&A仲介会社などの専門家の費用を抑える

M&A仲介会社などの専門家に支払うお金にはさまざまな種類があり、専門家が採用している手数料体系によって最終的に支払うお金は大きく変わります。
 
中小企業支援専門のM&A仲介会社の場合、手数料の安さとサービスの質は関係のないことが多いという特徴があります。
 
むしろ、企業努力によってサービスの質を高めながら、手数料は安く抑えることに成功している仲介会社も増えています
 

会社買収が失敗した場合、専門家への費用はどうなる?

会社買収が失敗した場合、専門家への費用はどうなる?
 
M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼する際に気になるのが、もし会社買収に失敗した場合、すでに支払ったお金はどうなるのかという点です。
 
着手金は最初の調査費に利用する名目で設定されている手数料なので、会社買収が失敗に終わっても返ってくることはありません。また、月額報酬も顧問料として設定されているので、返ってはきません。
 
一方、中間金の場合は返還する専門家と返還しない専門家に分かれるので、事前に確認が必要です。
 
会社買収が失敗した場合、専門家に支払ったお金のことでトラブルになることも考えられるため、近年は着手金や中間金を設定しない、完全成功報酬制がトレンドとなっています。
 
完全成功報酬制のメリットは、無駄に支払うお金が発生しない点です。また、専門家側からすると会社買収が成功してはじめて報酬が確定するので、成功に向けての本気度が変わってきます。

費用も考えた会社買収を検討するなら

費用も考えた会社買収を検討するなら
 
会社買収の際にはさまざまなお金の出費があるので、いかに費用対効果を高めながら会社買収を行うかが重要です。
 
M&A総合研究所では完全成功報酬制を採用しているので、会社買収が成功するまでお金を支払う必要はありません。
 
また、成功報酬額の算出は譲渡価格ベースとなっているので、総資産ベースの成功報酬よりも費用を大幅に抑えることも可能です
 
M&A総合研究所では、M&A専門の会計士と弁護士が会社買収をフルサポートするので、質の高いM&Aを実現できます。
 
ご相談は無料で随時受け付けておりますので、会社買収の費用でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
 

まとめ 

まとめ 
 
本記事では、会社買収時のお金の流れや会社買収に必要な費用、支払タイミングなどについて解説してきました。
 
【会社買収で必要になるお金】
  1. 買収資金 
  2. 買収完了までの人件費
  3. 仲介会社・専門家への相談料・手数料・報酬
 
【専門家に依頼した際にお金を支払うタイミング】
  1. 買収手続きの開始時
  2. 買収成立までの間
  3. 買収成立後
 
【会社売却の費用を抑える方法】
  1. 交渉により買収金額を抑える 
  2. 株式交換を行う
  3. アーンアウト形式で買収を進める
  4. M&A仲介会社などの専門家の費用を抑える
 
会社買収の際にはさまざまなお金の出費があるので、いかに費用対効果を高めながら会社買収を行うかが重要です。
 
M&A総合研究所では完全成功報酬制を採用しているので、会社買収が成功するまでお金を支払う必要はありません。
 
また、M&A総合研究所ではM&A専門の会計士と弁護士が会社買収をフルサポートするので、質の高いM&Aを実現できます。
 
ご相談は無料で随時受け付けておりますので、会社買収の費用でお悩みの際はお気軽にご相談ください。