グリーンメーラーとは?由来や買収防衛対策を解説

グリーンメーラーとは?由来や買収防衛対策を解説

グリーンメーラーは、ある上場企業の株式を買い集めて、株式の高額買取を要求する投資家のことです。

専門的な用語ではありますが、2006年の村上ファンド事件をきっかけに、大きく広まることになりました。本記事では、グリーンメーラーの基本概要と買収防衛策について解説します。

グリーンメーラーとは

グリーンメーラーとは

グリーンメーラーとは、上場している対象企業の株式を敵対的に買い集めて、対象企業やその経営陣に対して株式の高額買取を要求する投資家のことをいいます。

グリーンメーラーの目的は経営支配ではなく、株式の取得価格と売却価格の差額を利益として得ることにあります。

グリーンメーラーの標的になった企業は、買収を回避するために時価よりも高いプレミアム価格を上乗せして買取を迫られるため、グリーンメーラーは脅迫行為と捉えられることも珍しくありません。

アクティビストとの違いは?

アクティビストとは、一定以上の株式を保有して積極的に経営に提言を行い、経営改革を図る投資家をいいます。

グリーンメーラーが株式の転売で利益を得ようとするのに対して、アクティビストは投資先の企業価値の向上によって利益を得ることを目的とします。

日本の株主の多くは経営に対して消極的であることから、日常的な経営に対して口を出すアクティビストのことを「物言う株主」などと呼ぶことがあります。

株式の保有率が高いほど発言権が強まり、経営陣との対談・交渉まで行うアクティビストも存在します。

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グリーンメーラーの由来とは

グリーンメーラーの由来とは

グリーンと聞くと木や森の自然のイメージが強く、あまりネガティブな印象は受けませんが、グリーンメーラー名称の由来はどうなっているのでしょうか。

グリーンメーラーの由来はドル紙幣と脅迫状

グリーンメーラーという言葉の由来は、ドル紙幣の色のグリーンと脅迫状の意味を持つブラックメールからきています。

グリーンという色は「安心感・健康」という印象を人間に与えることが科学的に証明されており、広告にも多々活用されています。

しかし、グリーンメーラーにおいては安心ではなく、危険なものとして認識しなければなりません。

ブラックメールとは

ブラックメールとは、人物や団体に対してある要求を行い、満たされなかった場合は敵対的行為を取ることを宣言する脅迫状です。

一方的な要求を行うことから、恐喝やゆすりとしても知られており、グリーンメーラーの「株式の買取に応じなければ買収するぞ」という要求は、ブラックメールの脅迫と完全に一致するため、名称の由来となったと考えられます。

グリーンメーラーの類型パターン

グリーンメーラーの類型パターン

グリーンメーラーは危険な存在として認知されており、対象企業はグリーンメーラーに対して買収防衛策の実施が認められています。

また、グリーンメーラーの類型パターンも存在しており、買収防衛策の実施の是非が問題になっています。ここでは、買収防衛策の実施が認められているケース「高裁四類型」を解説します。

【グリーンメーラーの類型パターン】

  1. 脅し目的で株式買収を行う
  2. 経営資源を移転させる
  3. 買収対象の資産を自社の債務弁済に使う
  4. 高値売り抜け

1.脅し目的で株式買収を行う

これはグリーンメーラーそのものです。株式の高額買取を迫る行為は脅迫行為とされ、買収防衛策の実施が認められます。

2.経営資源を移転させる

買収対象の経営資源をほかに移転させて焦土化経営する目的である場合も、買収防衛策の実施が認められています。

3.買収対象の資産を自社の債務弁済に使う

買収対象の資産を買収者やグループ会社の債務の担保・弁済に使う目的の場合も、買収防衛策の実施が認められます。

4.高値売り抜け

買収対象の資産を売却して一時的な高配当を実現、また高配当による株価上昇の機会を待って高値売り抜けをしようとする場合も買収防衛策の実施が認められます。

高裁四類型の見分けは難しい

前述した高裁四類型は企業に大きな損失を与えることから、企業の利益や価値を守るために買収防衛策の実施が認められていますが、問題となるのは買収段階における高裁四類型の判断基準です。

ブルドックソース事件の第2審の争点は、買収後の事業計画の有無と過去の実績の2つでしたが、事業計画の公開は買収後の事業に支障が出ることから公開できないという意見にも正当性がみられ、過去の実績から判断することになりました。

このように、買収防衛策が認められているものの、裁判所の判断によって大きく変わる問題があるのも事実です。

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グリーンメーラーの買収防衛対策

グリーンメーラーの買収防衛対策

買収者の目的が純粋な経営ではないと判断された場合は、買収対象の企業は買収防衛策を実施できます。ここでは、グリーンメーラーに対して有効な買収防衛策を解説します。

【グリーンメーラーの買収防衛対策】

  1. 上場を廃止する
  2. ポイズンピル

1.上場を廃止する

MBOによって上場廃止することで買収を防ぐことが可能です。MBOとは、企業の経営陣が企業やオーナーから株式を譲り受けることで独立する手法です。

上場企業がMBOを実施すると非上場となるため、証券取引所の株式売買ができなくなり、買収の脅威を排除できます。

しかし、株式の流通性が失われることで資金調達の手段が限定されるなどのデメリットもあり、買収は防げても大打撃は避けられないでしょう。

2.ポイズンピル

ポイズンピルは、事前に友好的な株主に対して新株予約権を発行しておき、買収者の株式保有率が一定を上回った段階で株式を発行させて、買収者の株式保有率を下げる買収防衛策です。

特定の株主に新株予約権を発行することを有利発行といい、ほかの株主が不利益を被る可能性があるため、株主総会特別決議で議決権2/3以上をもって承認を得る必要があります。

新株予約権はポイズンピルの準備として活用されることが多いので、否決されることはほとんどありません。

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グリーンメーラーとして知られる投資家

グリーンメーラーとして知られる投資家

グリーンメーラーは話題性が強く、世間からの注目度も高くなります。過去にグリーンメーラーもしくはグリーンメーラーに近い行動を起こした投資家は、強く印象に残ることも少なくありません。ここでは、特に話題性が強かったグリーンメーラーを紹介します。

横井英樹氏

横井氏は、白木屋百貨店の一件で知られているグリーンメーラーです。白木屋においては経営権の掌握を目的として株式を買い集めるも、5億8000万の損失を出す結果に終わりました。

その後、山科精工所の株式買い占めと高額買取要求を繰り返し、最終的に経営権の掌握に成功します。

小林茂氏

小林氏は、不動産会社である秀和の創設者で知られています。秀和の名義で東京日産の株式を買い占め、親会社である日産自動車に高価買取を要求して多大な売却益を獲得します。

そのほかにも忠実屋の株式をダイエーに売却するなど、当時の流通業界の再編の目となりました。

村上世彰氏

村上氏は、村上ファンドの中核企業であるM&Aコンサルティングの創設者です。村上氏や村上ファンドをグリーンメーラーとみるかは、人によって意見が分かれています。

意見が分かれる理由としては、村上氏の行動がアクティビストに近いものであったためです。現金や資産を持て余している上場企業の株式を買い占めて株主として積極的に経営に提言を行い、企業価値の向上を図るというものです。

結局、ライブドア事件のインサイダー取引に関わったことで逮捕されてしまい、グリーンメーラーとは関係の無い部分で幕を閉じることになります。村上氏や村上ファンドがグリーンメーラーであったのかは分からないままとなってしまいました。

グリーンメーラーの事例

グリーンメーラーの事例

グリーンメーラーの事例として有名なのは、スティール・パートナーズによるブルドックソースの敵対的買収です。

スティール・パートナーズのグリーンメーラー事例

2007年5月、スティールがブルドックソースの全株式の取得を目的とした公開買付の実施を事前公告します。

しかし、意見表明報告書を通して示された買収後の方針には、投下資本の回収に関する具体的な内容が記載されていませんでした。

ブルドックソースの経営陣は、本件公開買付はブルドックソースに害をなすものと判断し、ポイズンピルによる買収防衛策を取ろうとします。

これを受けたスティールが買収防衛策は不当であることを主張して、裁判へと発展することになります。裁判の結果はブルドックソースのポイズンピルの実施が認められる結果となります。

【ポイズンピルの認められた2つの要因】

  • スティールの過去の実績(グリーンメーラーに酷似した投下投資回収)
  • 買収後の経営方針の不明瞭さ

まとめ

まとめ

グリーンメーラーは、敵対的買収をしかける上場企業にとって脅威となりうる存在でした。買収者がグリーンメーラーとして判断されれば、買収防衛策の実施が認められます。

新株予約権を活用したポイズンピルは、事前対策が可能な買収防衛策であり、早期から検討しておけばいざという時も柔軟に対応することができます。

【グリーンメーラーの類型パターン】

  1. 脅し目的で株式買収を行う
  2. 経営資源を移転させる
  3. 買収対象の資産を自社の債務弁済に使う
  4. 高値売り抜け

【グリーンメーラーの買収防衛対策】

  1. 上場を廃止する
  2. ポイズンピル

敵対的買収の対策について検討の際は、M&A総合研究所にご相談ください。適切な買収防衛策のプラン提案と必要な手続きの代行をいたします。